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内閣法制局の審査権限等に関する質問主意書
衆議院 第153回 第32号
質問本文
内閣法制局は、内閣法制局設置法第三条により、その所掌事務として、「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見」(第三号)の具申ができ、その権限に基づき、憲法上の問題が指摘されてきた問題に関しても、解釈の統一を図っていると承知している。特に、政府提出に係る法律の憲法解釈については、同じく、国会提出を承認するための閣議決定に先立ち、事前審査(同条第一号)をしていることから、国会においても、内閣法制局長官を始めとした内閣法制局職員が、当該法律案の憲法解釈にかかわる答弁をなしてきた。
例えば、憲法第九条第一項で禁止する「武力の行使」と国連文書にある「任務の遂行を実力をもって妨げる企てに対抗するための武器使用」(いわゆるBタイプの武器使用)との関係について、内閣法制局は、「…状況によっては憲法の禁ずる武力の行使に該当することも多い…」(平成十年五月二十八日 参議院外交防衛委員会 秋山内閣法制局第一部長)と答弁し、内閣として、この基準を採用することに慎重な態度をとっているものと思料される。
ところで、衆参両院議員は、それぞれの院への議案提出権が認められている(憲法第四十一条、国会法第五十六条、衆議院規則第二十八条第一項、及び参議院規則第二十四条第一項)。この権限に基づき、個々の国会議員は、それぞれの提出要件を満たせば、通常はその属する院の法制局審査を経た上で、いわゆる議員立法を提出できることとなっている。その審査の過程においては、国会でなされた議論を参考とし、独自の憲法解釈に基づき、議案を提出し、両院において、多数の賛同が得られれば、可決の上、内閣への送付、憲法第七条第一号による法律の公布に到って、自らの立法機関としての職責を果たすことになると承知している。
国会で、内閣法制局の憲法解釈とは異なる立法措置がなされた場合の内閣法制局の権限のあり方について、以下質問する。
一 内閣法制局の従前の憲法解釈に敬意を表しつつも、法律の最終的な違憲性審査に関する権限は、具体的訴訟を前提とした最高裁判所に属するものとして、両院の独自の憲法解釈に基づく立法措置がなされた場合、一方で、「法律を誠実に執行」(憲法第七十三条第一号)する義務を負う内閣の付属機関たる内閣法制局は、自らが違憲の疑いを指摘してきた規定をどう解釈するのか。
二 内閣法制局設置法第三条は、法律の規定を実施するために、関係省庁が策定し内閣が制定する「政令」の事前審査を行う権限を定めている。内閣法制局の解釈を知りつつも、関係省庁が内閣法制局に対して、成立した議員立法の規定を実施するための政令案の審査を持ち込んだ場合、内閣法制局は、過去の自らの解釈に基づく審査をするのか、それとも、成立した法律の趣旨に基づく新たな基準に基づいて政令審査を行うことになるのか。
三 前述のいわゆるBタイプの「任務遂行」のための武器使用基準を定める規定が制定されれば、関係省庁がその法律を執行するための政令を発しようとする場合にも、新たな審査基準が採用されることになるのか。また、国会で、この法律の合憲性が質問されれば、内閣法制局は、どのような解釈に基づいて答弁することになるのか。
右質問する。
政府答弁書
一から三までについて
御質問は仮定に係る問題であるが、憲法の規定の解釈に密接な関係のある内容を含む議員の提案に係る立法については、一般論として次のように考える。
すなわち、憲法の規定の解釈に密接な関係のある内容を含む法案であれば、成立に至るまでの国会の審議の過程で、当該法案の前提となる憲法の規定の解釈に関し、当該規定の文言、趣旨との整合性、当該規定の立案者の意図、立案の背景となった社会情勢、さらには国会において積み重ねられてきた当該規定の解釈をめぐる議論との関係等について十分な論議が行われ、これらの点につき国民に十分説明された上で当該法律が成立することとなると考えられ、また、その過程で、議院内閣制の下、法律の執行に当たる政府の意見も十分に聴取されることが期待される。政府としては、国会が制定した法律について、政令の制定を含め、これを誠実に執行することは当然である。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。