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首都高速道路公団のETC導入と体質改善に関する質問主意書

衆議院 第154回 第85号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2002年5月30日
内閣転送 2002年6月3日
答弁書受領日
2002年6月18日
提出から19日
答弁の項目数
5
質問 2,176字/答弁 1,879字

質問本文

特殊法人の非効率化がいわれている。首都高速道路公団(以下、「首都公団」という)はここ数年、収益が減少し、渋滞緩和についての努力も認められない。道路運営がマンネリ化する中で、ETCの導入は、人件費等の削減、料金所渋滞の解消につながるものとして期待された。しかし、その成果は未だ見られない。これでは、本気で普及を図ろうとしているのか疑問である。首都公団の業務体質に問題があるのではないか。ETCの普及を図るためには、民間企業並の徹底した体質改善が必要ではないかと考える。

首都公団は事業収入がマイナスになれば通行料金を値上げして穴埋めしていこうとする安易な体質を変えていかなければならない。鳴り物入りでETCを導入したにもかかわらず、普及が遅々として進んでいない。これは首都公団と利用者の間にETCに対する考え方の基本的な違いがあるからではないのか。

利用者は、より経済的な面を考えて高速道路を利用している。例えば、ハイウェイカードは購入時点で割引料金分が付加されている上に、金券ショップ等での購入はさらに値引きされて手に入る。これに対し、国交省は一部に割引料金の設定への検討を始めているが、ETCの利用は一般通行割引料金と変わらない。ETCの導入で経費が削減されていることからすれば、さらに大幅な通行料金の削減が図れるはずである。また、削減されていかなければ、ETC導入の本来の意味を失することになる。一般通行割引料金と格差をつけるなど、ETCの利用頻度を高めるための積極的な工夫をすべきである。

通行料金を日本道路公団(以下、「道路公団」という)が下げないから、首都公団も下げなくていい。仮にこのような理屈を通すなら、自由主義経済の中で市場原理に反する基本的な過ちを犯しており、コスト意識に欠けた横並び主義は利用者軽視も甚だしいと言わざるを得ない。

民間企業の場合、電力会社を例にとれば夜間、休祭日利用などに使用料金の工夫を行い、割引料金を設定しながら収益を上げるための努力を重ねている。これらの努力は利用者に不便をかけることなく、むしろ使いやすい環境を提供し、収益を伸ばしている。

これに比べて道路公団及び首都公団は一年・二十四時間、夜間も休祭日も同一料金を設定し、通行量の少ない時間帯等の割引料金設定で、利用者の利便性を考えるなどの工夫が見られない。これは首都公団の努力不足の表れである。ETCカードにしても大幅な利用料金の値下げを行い、このことで利用者数を増やす努力をするべきである。

従って以下、質問する。

一 車載器普及の対策について

車載器が普及しない原因の一つに価格の高さが挙げられる。普及が見込めなければETCシステムは浸透していかない。このシステムは三〇〜四〇%の利用がなければ、料金所の渋滞緩和に役立たない。このことは欧米の経験からもはっきりしている。ニューヨーク周辺の朝夕のラッシュアワーには、約七〇%がETCに匹敵する”E−Z Pass”を利用し、料金所の渋滞はほとんど解消されているという。車載器を普及させるための具体的な努力計画はあるのか。

二 道路公団、首都公団の一本化について

利便性の向上の名のもとに、利用者サービスが足りず、結果として収益が落ち込んでいる。健全経営化を図っていくためには、道路公団と首都公団の分離は多いに問題がある。境界点に設けられているこれらの料金所が通行のネックとなり、公害、時間ロス、経済ロスを引き起こす原因となっている。これを減らすことで、スムーズな車の流れが生まれて利用者サービスにつながることは間違いない。料金の収受技術を別途駆使して、道路公団、首都公団を一本化していく考えはないか。

また、現在道路公団が管轄する横浜新道は軽車両と普通車両の通行料金が異なっている。しかし、首都公団が管轄する首都高速では軽車両と普通車両の通行料金は同一となっている。これは整合性に欠けているのではないか。

三 割引料金制度の導入について

現在の一律通行料金を、ETCの割引と合わせて距離による料金体系を設定することで、より利用者が増え、収益とサービス向上につながる料金システムを考えるべきではないか。

四 領収書の発行、通行ゲートの改善について

ETCシステムによる通行ゲートの誤作動や領収書の発行問題が指摘されている。この点についても早急に対策をたて、利用者優先の徹底した改善策を講じることが望まれる。これをいつまでに実現していこうとするのか。

五 経営努力を促す体質改善について

料金収入の四二%が借入金の利払いに回されている。民間企業なら、当然倒産状態にある。財投の六%金利を市場金利、すなわちゼロに下げれば少なくとも三〇%は減り、値下げの必要はなくなるが、これらの資金面の問題をどのように考えているのか。また、民間の経営努力に見習い、効率性、サービスの向上につながるETCシステムのあり方を考え、首都公団も思い切った体質の改善が必要なのではないか。

右に挙げた、一から五までの問題に何の対策も講じず、努力の後も見られない状況にもかかわらず、五月二十八日付の首都高速横羽線料金値上げに関する質問に対する答弁書には、計画通りの料金値上げを実施するとある。このことについて納得がいかない。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

ノンストップ自動料金支払いシステム(以下「ETC」という。)に係る車載器の普及に関する具体的な計画は定めていないが、日本道路公団、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団(以下「日本道路公団等」という。)においては、ETCの利用者の負担の軽減を図り、これによりその利用を促進するため、平成十三年十一月から平成十六年六月までETC期間限定特別割引を実施していると承知している。

なお、平成十二年十一月の道路審議会答申(以下「答申」という。)において、ETC専用車線の整備やETCの普及を踏まえた多様な料金施策の検討等の提言がなされているほか、平成十三年三月に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部で策定された「e−Japan重点計画」において、平成十四年度末までに全国の主要な料金所にETCを導入することとされており、これらを踏まえ、ETCの導入による料金所における交通安全上の影響や渋滞緩和の効果を見極めつつ、日本道路公団等を指導しているところである。

二について

ETCを利用すれば料金所でいったん停車することなく料金の支払を行うことが可能であり、これは首都高速道路と他の有料道路との境界点における料金所においても同様であるから、今後ETCが普及すればこれらの料金所に起因する渋滞の緩和が期待されると考えており、より一層のETCの普及促進に努めていく考えである。

また、首都高速道路については、日本道路公団が管理する横浜新道等の道路と比べて、料金徴収手続をより効率的に行うことで首都圏における大量の交通を円滑に処理することを優先するため、車種区分を二車種に簡素化しているものであるが、首都高速道路等の車種区分については、答申において「ETCの普及状況を踏まえつつ、細分化する方向で検討する必要がある。」との提言がなされているところであり、今後の課題として検討していく考えである。

三について

首都高速道路の出口にETCに係る路側アンテナを設置することにより、交通の円滑な処理に支障を与えることなく、利用距離に応じた料金設定が技術的には可能となるが、今後、ETCの普及状況も踏まえつつ、利用距離の要素を勘案した料金体系について検討していく考えである。

四について

ETCによる有料道路の利用履歴は、クレジットカード会社等が発行する明細請求書や市販の専用プリンター等を使用して印刷された利用明細をもって確認することが可能であり、料金所において領収書等を受け取ることができないことによる不都合は生じないと考える。

料金所におけるETCの誤作動については、日本道路公団等において、電波吸収体の設置による乱反射の防止等の措置を既に講じたところであるほか、車載器製造会社等とも連携を図りながら、車載器販売店等への車載器の取付方法に関する広報や有料道路利用者へのETCの利用方法に関する広報の実施等により、適切に対策に努めているところであると承知している。国土交通省においても、対策の目標年次を具体的に定めているものではないが、誤作動の根絶が速やかに図られるよう日本道路公団等を指導していくこととしている。

五について

首都高速道路公団(以下「公団」という。)においては、その事業に要する資金は長期間安定的で低利であることが重要であることから、財政投融資を中心とした資金の調達を行っているところであり、本事業年度においても、このような考え方に基づき資金の調達が行われると承知している。なお、公団における財政投融資の事業年度末残高の平均利率は、昭和五十七事業年度以降低下傾向にあり、平成十三事業年度末残高の平均利率は二・九八パーセントであると承知しており、近年の低金利状況が継続すれば、当面は、この傾向が続くものと見込まれる。

また、公団においては、これまで、組織の統廃合、建設費及び管理費の縮減、料金所渋滞対策の実施等の施策を講じてきたところであるが、今後とも、平成十二年十二月に策定した「公共工事コスト縮減対策に関する新行動計画」に基づく一層の建設費及び管理費の縮減、料金所における渋滞緩和に資するETCの普及促進等を実施していくと承知しており、国土交通省においても、公団に対し、適切に指導していくこととしている。

なお、直近の公団の決算である平成十二事業年度決算において、公団の借入金に対する返済額の累計である償還準備金の額は一兆三千四百三十四億円であり、公団が同事業年度末に計画していた一兆三千二百二億円を上回り、順調な償還が行われていると承知している。

衆議院の原文

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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

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