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所得税法等の一部を改正する法律案に関する質問主意書
衆議院 第159回 第27号
質問本文
標記法案中租税特別措置法第三十一条、同附則第二十七条の改正趣旨によれば平成十六年一月一日以後、個人の土地・建物の譲渡所得と他の所得との損益通算を廃止することになっている。
従って、次の事項について質問する。
一 当該規定の適用が平成十六年一月一日となっているのは、改正法成立以前の売買契約にも損益通算を認めないことになる。法律概念の基本である「不利益不遡及」の原則に違背しないか。法成立と法施行に空白期間を生ずるおそれのある当該法案は法の安定的運用の障害となると考えるがどうか。
二 この改正案条文素案は平成十五年十二月十七日に報じられた。事跡として同月三十一日まで、売却損を含む土地・建物を売買契約した場合には、他の所得との損益通算が認められるという不公平を生じてしまう。僅か月余に満たない期間の差によって個々の納税者間に著しい格差が発生する。法案策定者たる政府はこの事実と改正趣旨の齟齬を無謬としたのか。むしろ課税平等の原則を踏まえ施行期日は、平成十八年一月一日として趣旨徹底を図るべきであると考えるがどうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
所得税(源泉徴収による所得税を除く。)を納付する義務(以下「納税義務」という。)は、原則として、国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十五条第二項第一号の規定により暦年の終了の時に成立し、また、その年分の納付すべき税額は、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第百二十条の規定による確定所得申告の手続により確定する。損益通算については、この所得税の納税義務が成立し、納付すべき税額を確定する段階で法令が適用されるものであり、個々の譲渡等の段階で適用されるものではない。
このような損益通算の性格から、過去においても、一定の資産の譲渡損失等について、その年の四月一日施行の法律改正によってその年分以後の所得税について損益通算を認めないこととした例がある。
また、本件の損益通算を認めないこととする措置は、土地市場の活性化を図る観点から、土地、建物等を譲渡した場合の長期譲渡所得の税率の引下げ等と共に一体として講ずるものである。
以上を踏まえ、平成十六年一月一日以後の土地、建物等の譲渡について損益通算を認めないこととするものであり、御指摘の「不利益不遡及の原則」や「法の安定的運用」との関係については、問題はないと考える。
二について
本件の損益通算を認めないこととする措置は、土地本来の使用収益目的とは離れた土地の売却を防止し、土地市場における使用収益に応じた適切な価格形成の実現を図るものであり、この措置を土地、建物等の長期譲渡所得の税率の引下げ等と共に一体で早急に実施することが土地市場の活性化を図るために適切かつ必要であることから、平成十六年一月一日以後の土地、建物等の譲渡について損益通算を認めないこととするものであり、その実施を遅らせることは適当でないと考える。
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