Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第160回

イラク問題に関する質問主意書

衆議院 第160回 第18号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×3検討してまいりたい ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2004年7月30日
内閣転送 2004年8月4日
答弁書受領日
2004年8月10日
提出から11日
答弁の項目数
16
質問 3,578字/答弁 7,918字

質問本文

イラク問題について、以下質問する。

一 各国等の動向について

�@ 現在、イラクに軍隊等を派遣している国は米国を筆頭に約三十五国と承知している。今回の国連安保理決議一五四六号を受けて新たに派遣を表明した国はあるのか。その場合、国名、派遣兵力、派遣時期、イラクにおける任務を明らかにされたい。また、フランス、ドイツ、中国、ロシア、NATO、EUが、安保理決議一五四六号を受けて採っている対応措置等について、それぞれ政府の認識、評価を明らかにしていただきたい。

�A ポーランド、オランダ、フィリピンがイラクからの撤退あるいは派遣規模の縮小を表明または実施している。派遣していた国のうち、撤退・派遣規模の縮小を表明した国などが表明している理由などについて、それぞれ政府の認識、評価を明らかにしていただきたい。

二 自衛隊の多国籍軍参加問題について

�@ 政府は、「イラクの主権回復後の自衛隊の人道復興支援活動等についての基本的考え方」において、自衛隊が多国籍軍の中で、「統合された司令部の指揮に従い活動するものではない」と断言している。「統合された司令部」とは具体的にどのような組織を指すのか。自衛隊の任務・業務内容・参加国軍隊との指揮命令系統は、連合軍暫定施政当局(CPA)によって統治されていた当時とどのような相違があるのか。

�A イラクに派遣された自衛隊の現地司令部は、「統合された司令部」に参加するのか。参加しない場合、参加しない、あるいはできない理由は何か。参加する場合、どういう形態の参加となるのか。この場合、どのような指揮命令系統になるのか。統合された司令部の指揮命令を受ける場合で、多国籍軍が武力を行使するに至った場合、多国籍軍が行う一連の作戦行動と自衛隊の関係はどのようになるのか。

�B 「自衛隊が多国籍軍の中で活動する場合の活動のあり方に関する米国、英国との了解について」によれば、米英は自衛隊が多国籍軍の指揮下で活動することはないことを了解しているとされる。米英に了解を求めた理由は何か。「統合された司令部」に参加している諸国すべての了解は必要ないのか。自衛隊活動地域に所在するオランダについて、明示の了解を求める考えはないのか。もしその必要がないとするなら、その理由は何か。

�C オランダ軍が撤退した場合、現地の自衛隊の任務はどうなるのか。現地の治安維持任務はどの国が担当するのか。任務分担も含め、新たに治安を担当する国の軍との間では、信頼関係の構築が不可欠であり、相当の時間が必要と考えられるが、その間、現地の治安の維持に関し、不幸にしてテロ攻撃など、不測の事態が生じた場合は、現地の自衛隊としてはどのように対処するのか。

�D 正当防衛、緊急避難、武器等防護のための武器使用が許される事態で、やむを得ず武器使用に至った場合、海外における武力の行使と外形上、どのような相違があるのか。また、どのような状況になれば、武器の使用を超え、武力の行使と認定されるに至るのか。

�E 自衛隊が多国籍軍の指揮下で活動することがないのであれば、多国籍軍の一員となる必要性は何か。イラクにおける地位協定の問題以外に、必要性があるのか。また、指揮下には入らないとしても、多国籍軍の一員となることで、派遣されている自衛隊の任務、性格に何らかの変化はあるのか。任務の外形が同じだとしても、CPA下での活動と暫定政府における多国籍軍下の活動とでは、派遣の前提となるイラクでの統治の主体が異なっている。イラク特措法の立法当時において、自衛隊の活動は、CPA下で行うことを想定していながら、今回、安保理決議一五四六号に基づく暫定政府下での新たな活動を、イラク特措法の施行令改正で事足れりとした法的根拠は何か。

�F イラク暫定政府からの同意と法的地位の確保について、イラク暫定政府と多国籍軍参加国との具体的な手続はどのようなものか。例えばイラク暫定政府と多国籍軍を代表して米国が手続を交わすのか、あるいはイラク暫定政府と参加国それぞれが個別に手続を交わすのか。こうした手続はいつ行われるのか。

�G 政府の説明では、イラク暫定政府は発足したばかりであるため、自衛隊の法的地位に関して合意を得ることは事実上不可能としている。将来的に暫定政府の体制が整った場合、自衛隊の駐留について個別に協議し、イラク暫定政府との間で地位協定を締結して多国籍軍から離脱することは可能か。それが不可能あるいは適当でないと考える場合、その理由を明らかにされたい。

�H 多国籍軍については、イラク政府の要請により、または安保理決議一五四六号の採択から一年後に見直されることとされているが、原則として多国籍軍の撤退に合わせ、自衛隊はイラクから撤退すると理解してよいか。

�I 従来、自衛隊の国連軍あるいは多国籍軍への関与については「参加」あるいは「協力」の二形態があったと考えるが、去る六月十四日の参議院イラク・有事法制特別委員会において、秋山内閣法制局長官は、新たに「広い意味での参加」という形態を示したと承知している。あらためて「参加」、「協力」、「広い意味での参加」それぞれの具体的な定義を示すとともに、憲法との関係をそれぞれ整理して説明されたい。

�J 多国籍軍発足以前、イラクにおける自衛隊は、米英連合軍に「参加」、「協力」あるいは「広い意味で参加」していたのかを明らかにされたい。さらに多国籍軍発足後は、自衛隊は「参加」、「協力」あるいは「広い意味で参加」のいずれの関与を行うのかを明らかにされたい。多国籍軍発足の前後で関与の仕方に相違がある場合、その理由は何か。

�K イラクでは、比較的安定していると思われていた地域が、一瞬にして戦闘が繰り広げられる地域に様変わりする事態が見られるが、このような事態に自衛隊が巻き込まれた状況下で、他の多国籍軍参加国、例えばオランダ軍とともに武器使用を伴う行動をした場合、従来から憲法解釈上許されないとされていた武力行使との一体化、海外での武力行使とどのような相違があるのか。

�L 結局、今回の多国籍軍への参加の判断は、憲法やイラク特措法などの法律解釈というより、対米追随のための政治判断に基づいて決定したのか。

三 大量破壊兵器の有無について

�@ 政府はイラク戦争の開戦前、米英の大量破壊兵器に関する情報を信頼し、これを根拠にイラク戦争には正当性があるとして開戦を支持したと承知している。政府としては自己の判断の前提となる大量破壊兵器の有無について重要な関心を持っていて然るべきであると考えるが、政府の情報収集・分析の結果を可能な限り示されたい。

�A 政府は現在でもイラクは大量破壊兵器を保有していたと判断しているのか。もしそうならば判断の根拠は第三国からの情報に基づくものか、それとも独自情報があったのか。米英両国で、イラクの大量破壊兵器保有に関する米英情報当局の情報が信頼性に欠けていたとする委員会報告が出されているが、いち早くイラク攻撃を支持した政府の政治責任をどう考えるか。

四 現地の陸上自衛隊員の状況等について

�@ 現在、陸上自衛隊が活動するサマワの状況はどうなっているのか、治安は安定しているのか、現在どのような活動をしているのか、現地情勢や活動状況などを踏まえ、今後どのような活動をしていくおつもりなのか、また、変更の可能性はないのか、政府の認識を明らかにしていただきたい。イラク特措法には「人道復興支援活動」以外に、「安全確保支援活動」が規定されているが、現在、この規定に基づきどのような活動を実施し、それをどう評価しているのか、また、その評価に基づき、今後どのような活動を充実させていくべきとお考えなのか、明らかにしていただきたい。特に、米軍等の輸送もあると聞いているが、どのような調整過程を経て行われたものなのか、また、今後も同様の過程で行われるものとなるのか、政府の認識を明らかにしていただきたい。

�A 第一次派遣部隊の隊員が帰国したと承知しているが、帰国した隊員の心身の健康状態をどう把握しているのか、また、これに基づき、今後、活動の内容や部隊運用等について改善の余地はないのか、政府の認識を明らかにしていただきたい。

�B 報道によれば、現地は気温四十度以上など極めて過酷な気候条件であると承知している。また、サマワ周辺においても、オランダ兵が殺傷され、あるいはイラク警察と住民が衝突するなど治安の悪化が危惧される。第二次派遣部隊について、このような気候・治安状況に対し、装備・訓練・現地の施設(宿舎など)などについて、どのような措置をとっているのか可能な限り明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の�@について

国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)の決議第千五百四十六号(以下「決議第一五四六号」という。)の採択後に新たにイラクに軍隊の部隊等を派遣することを表明した国に係るお尋ねについては、マレーシアが軍隊の医療チームをイラクに派遣する方向で検討を開始し、また、ボスニア・ヘルツェゴビナが大統領評議会において地雷処理部隊のイラクへの派遣を決定したが、両国とも、部隊の派遣規模、時期等については検討中であると承知している。

また、お尋ねの「対応措置等」とは、決議第一五四六号の採択後の各国等のイラクへの軍隊の部隊等の派遣に係る対応を指すものと考えるが、北大西洋条約機構(NATO)は、イラク治安部隊に対する訓練を実施することを既に決定し、具体的な計画を策定するための使節を本年八月にイラクに派遣することとしているものと承知している。フランス、ドイツ、中国、ロシア及び欧州連合(EU)については、現時点でイラクへの部隊等の派遣を具体的に検討しているとの事実があるとは承知していない。

政府としては、統治権限を回復したイラクの国家の再建のために、国際社会がイラク人の努力を引き続き支援していくことが重要であると考えており、こうした観点から、北大西洋条約機構(NATO)の動向を歓迎している。

一の�Aについて

イラクに軍隊の部隊等を派遣した国のうち、当該部隊等をイラクから既に撤退させた国としては、サウジアラビア、ニカラグア、スペイン、ドミニカ共和国、ホンジュラス及びフィリピンがあり、当該部隊のイラクからの撤退を表明している国としてはタイがあると承知している。各国が、それぞれにふさわしいイラク支援の在り方について主体的に判断すべきものと考えており、これら各国の動向について、政府として評価を申し上げることは差し控えたいが、政府としては、統治権限を回復したイラクの国家の再建のために、国際社会がイラク人の努力を引き続き支援していくことが重要であると考えている。

なお、御指摘のポーランド及びオランダについては、両国が軍隊の部隊等のイラクからの撤退又は派遣規模の縮小を表明したとの事実があるとは承知していない。

二の�@について

「イラクの主権回復後の自衛隊の人道復興支援活動等について」(平成十六年六月十八日閣議了解。以下「閣議了解」という。)にいう「統合された司令部」とは、決議第一五四六号にいう「統合された司令部」を指すものであり、「イラク多国籍軍司令部」(MNF─I)及びその下にある「イラク多国籍部隊司令部」(MNC─I)がこれに当たると承知している。

自衛隊は、一貫して、我が国の主体的判断の下に、我が国の指揮に従い、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号。以下「法」という。)及び法第四条第一項に規定する基本計画に基づき活動しているのであり、その任務及び業務内容についても、イラクが連合暫定施政当局(CPA)によって統治されていた当時から変更されていない。また、自衛隊はイラクに派遣されている他国の軍隊の指揮下にあるわけではなく、その点について、変化はない。

二の�Aについて

お尋ねにおいて、「「統合された司令部」に参加する」ということがどのような状態を指すのか必ずしも明らかではないが、イラクに派遣された自衛隊の部隊と決議第一五四六号において言及される多国籍軍(以下「イラク多国籍軍」という。)の統合された司令部との関係についてお答えすれば、当該部隊は、その活動を行うに当たって、イラク多国籍軍の中で、統合された司令部の下にあって、統合された司令部との間で連絡・調整を行うものの、その指揮下に入るわけではなく、我が国の主体的な判断の下に、我が国の指揮に従い、法及び法第四条第一項に規定する基本計画に基づき活動を実施するものである。

二の�Bについて

決議第一五四六号において、米国が、イラク多国籍軍を代表して安保理に対しイラク多国籍軍の活動について報告することが要請されていることから明らかであるように、米国は、イラク多国籍軍及びその統合された司令部を代表する立場にある。また、英国は、自衛隊が活動するサマーワを含むイラク南東部に派遣されている各国の軍隊の部隊の活動を調整する立場にある。さらに、両国は、決議第一五四六号の提案国であり、イラク多国籍軍の主要な構成国である。このようなことから、イラクに派遣された自衛隊がイラク多国籍軍の統合された司令部の指揮下で活動することはないということについては、米国及び英国の了解を得ることが必要であり、かつ、それで十分であったと考えている。

また、右に述べたように、かかる了解をオランダから得る必要はないと考えているが、サマーワにおいて自衛隊がオランダの軍隊と協力関係にあることを踏まえ、オランダに対し閣議了解の内容を説明し、その理解を得ているところである。

二の�Cについて

現在のところ、政府として、オランダ政府が同国の軍隊の撤退を決定したとは承知しておらず、仮定の事実を前提としてのお尋ねに対してお答えすることは差し控えたい。

なお、イラク南東部のムサンナー県を中心とする地域において活動する自衛隊の部隊は、同地域の治安の維持に当たっているイラク当局、オランダの軍隊等と連絡調整を行いつつ、法及び「イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画」(平成十五年十二月九日閣議決定)に基づき、人道復興支援活動を中心とする対応措置を実施しており、万一、不測の事態が生じた場合には、自衛隊の部隊の自衛官は法第十七条に基づき武器を使用し自己等の生命又は身体を防衛するなどするとともに、自衛隊の部隊は危険を回避する行動をとることとなる。

二の�D及び�Kについて

お尋ねは、法第十七条又は自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第九十五条の規定による武器の使用と憲法の禁じる「武力の行使」との関係を問うものと考えるが、これらの規定は、武器の使用が許される場合とその態様を明確に限定して規定しているところ、累次の政府答弁で述べているとおり、法第十七条による武器の使用は、対応措置の実施を命ぜられた自衛隊の部隊等の自衛官が自己等の生命又は身体を防衛するために必要な最小限の範囲で認められるいわば自己保存のための自然権的権利というべきものであり、また、自衛隊法第九十五条による武器の使用は、我が国の防衛力を構成する重要な物的手段を破壊、奪取しようとする行為からこれらを防護するための極めて受動的かつ限定的な必要最小限の行為であって、これらの武器の使用は、我が国領域外で行われたとしても、国家の人的・物的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為である「武力の行使」に当たらない。また、いわゆる「他国の武力の行使との一体化」の考え方とは、我が国の活動の具体的な内容や、これと他国の行う「武力の行使」に係る活動との関係の密接性等の諸般の事情を総合的に勘案すると、仮に我が国自らは直接「武力の行使」をしていないとしても、我が国も「武力の行使」をしたとの法的評価を受ける場合があり得るとするものであるが、前記の各規定による武器の使用は、専ら、自衛官が自己等の生命又は身体を防衛するなどのためにこれらの規定の定める要件に従ってのみ行われるものであって、右に述べた考え方に照らしても、他国の武力の行使と一体化するものには当たらないと考える。

二の�E及び�Lについて

イラクの主権の回復後に自衛隊が法に基づき人道復興支援を中心とする活動を継続するに当たっては、その能力を十分に発揮できる環境を整備する一環として、御指摘のようにいわゆる特権免除等の自衛隊に係る法的地位をしかるべく確保する必要があったほか、法第二条第三項第一号の規定に従いイラク暫定政府の同意を得ることが不可欠であったが、当時、我が国が独自にこれらを確保することは、イラク暫定政府に関わる様々な不確定要素の存在により、現実問題として不可能であった。他方、イラク多国籍軍については、連合暫定施政当局(CPA)の命令第十七号の改正等により、イラクにおいてその法的地位がしかるべく確保されることが見込まれており、また、決議第一五四六号で言及されているとおり、イラク暫定政府のアッラーウィー首相から国際連合安全保障理事会議長にあてた書簡において、その駐留の維持が要請されていたことから、自衛隊がイラク多国籍軍の中で活動する場合には、所要の法的地位及びイラク暫定政府の同意が得られることとなると考えられた。また、決議第一五四六号において、イラク暫定政府の要請に基づき駐留するものとされているイラク多国籍軍の活動は、国際社会の総意を反映しているものと考えられる。以上のような観点から、政府として十分な検討を行った結果、国際社会の責任ある一員として引き続きイラクの復興支援活動を続けるためには、イラク多国籍軍の中で活動することが適切であると判断したものであり、「対米追随のための政治判断に基づいて決定した」との御指摘は当たらない。

自衛隊は、イラク多国籍軍の中にあっても、引き続き、我が国の主体的な判断の下に、我が国の指揮に従い、法及び法第四条第一項に規定する基本計画に基づき活動を行うものであり、その任務等に変更はない。

また、法は、第一条において、「イラクの国家の再建を通じて我が国を含む国際社会の平和及び安全の確保に資することを目的とする」としていることに加えて、第二条第三項第一号においては、イラクを含め、外国の領域において対応措置を行うことについては、原則として当該外国の同意があることが必要であるとした上で、ただし、イラクにあっては、その例外として、「安全保障理事会の決議に従ってイラクにおいて施政を行う機関」の同意によることができるとしていることから、法は、立法時点から、イラクの主権の回復後もその適用があることを当然の前提としていたものと考えている。

なお、御指摘のイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令(平成十六年政令第二百十三号)は、法第三条第一項第一号及び第二号に定める我が国が人道復興支援活動及び安全確保支援活動を実施するに当たり指定すべき安保理決議を追加する内容のものである。

二の�Fについて

イラク多国籍軍がイラクで活動することへの同意については、決議第一五四六号において言及されているイラク暫定政府のアッラーウィー首相から国際連合安全保障理事会議長にあてた書簡において、イラク多国籍軍の駐留の維持が要請されていることをもって、イラク暫定政府の同意が得られている。

イラクの完全な主権が回復された後のイラク多国籍軍に係るしかるべき法的地位の確保については、改正された連合暫定施政当局(CPA)の命令第十七号により、所要の法的地位が確保されることが確認されていることから、各国について個別に手続が行われる必要はない。

二の�Gについて

イラクにおける安全及び安定の維持、人道復興支援等に貢献するイラク多国籍軍の活動は、イラク暫定政府の要請を踏まえて採択された決議第一五四六号に基づくものであり、イラク多国籍軍の活動は、国際社会の総意を反映しているものと考えられ、我が国が国際社会の責任ある一員として引き続きイラクの復興支援活動を続けるためには、自衛隊がイラク多国籍軍の中で活動することが適切であると判断したものである。

二の�Hについて

自衛隊のイラクへの派遣をいつ終了させるかについては、イラク人による国家の再建の進展状況を踏まえ、現地の政治・治安等の情勢を総合的に考慮して、適切に判断してまいりたい。

二の�I及び�Jについて

御指摘の平成十六年六月十四日の参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会における秋山内閣法制局長官の答弁については、平成二年十月二十六日の衆議院国際連合平和協力に関する特別委員会における中山外務大臣(当時)の答弁(以下「平成二年答弁」という。)の趣旨に関する平野達男委員の質疑に対するものを指すと考えるが、その中においては、平成二年答弁に述べられているところに従って、いわゆる多国籍軍への「参加」については、当該多国籍軍の「司令官の指揮下に入り、その一員として行動する」ことを意味し、また、これへの「協力」については、「右の「参加」を含む広い意味での関与形態を表すもの」であり、当該多国籍軍の「組織の外にあって行う「参加」に至らない各種の支援をも含む」ものとして述べたところである。その上で、いわゆる多国籍軍への「広い意味での参加」については、右に述べた「参加」以外の形態において当該多国籍軍の中で活動することを表すものとして述べており、これは、論理的には、右に述べた「協力」の一態様に含まれるものとの説明を行っている。

いわゆる多国籍軍の目的・任務が武力の行使を伴うものである場合については、政府は、従来より、自衛隊が当該多国籍軍に右に述べたような形態において「参加」することは許されないと述べてきたが、これは、右のような多国籍軍にこのように「参加」すると、自衛隊の活動が武力の行使に及んだり他国の武力の行使と一体化することがないという前提を確保することが困難であると考えてきたためである。これに対し、右の「参加」に至らない「協力」である場合については、自衛隊の活動が武力の行使に及んだり他国の武力の行使と一体化することがないという前提を確保することが可能であれば、自衛隊がそのような形態で当該多国籍軍に関与することも、許されないわけではないと考えている。

他方、当該多国籍軍の目的・任務が武力の行使を伴わないものである場合には、自衛隊がどのような形態で関与することについても、憲法上許されないわけではないと考えている。

本年六月二十八日よりも前における自衛隊の米国、英国等のいわゆる連合軍に対する関与については、前記の秋山内閣法制局長官の答弁の内容に即して申し上げれば、「参加」又は「広い意味での参加」には当たらず、これら以外の形態による「協力」に当たると考える。他方、同日以降の自衛隊のイラク多国籍軍に対する関与については、「協力」の一態様である「広い意味での参加」に当たると考えるが、平成十六年六月十八日の衆議院国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会において細田内閣官房長官が答弁しているように、一般的な意味の言葉においては、単に参加と言ってもよいと考える。

自衛隊がイラク多国籍軍の中で活動するものとするとの決定を行った理由は、二の�E及び�Lについてで述べたとおりである。

三について

国際連合監視検証査察委員会(UNMOVIC)等の査察報告等でも明らかになっているとおり、イラクについては、かつて実際に大量破壊兵器を使用していたほか、多くの大量破壊兵器に関する疑惑が存在したところである。イラクについては、査察への非協力を始め関連する安保理の決議につき重大な違反を継続的に犯してきたものであり、米国等によるイラクに対する武力の行使は、累次の関連する安保理の決議に合致し、国際連合憲章にのっとったものであって、我が国がこれを支持したことは正しかったと考える。

四の�@について

政府としては、イラクの治安情勢については、全般として予断を許さない状況が継続しており、また、サマーワについては、依然としてイラクの他の地域と比べれば比較的安定しているものの、今後も不測の事態が発生する可能性を否定することはできないと考えている。

陸上自衛隊及び航空自衛隊の部隊が、法に基づく基本計画において定められている人道復興支援活動及び安全確保支援活動として、本年八月三日までに実施している活動は、以下のとおりである(なお、特に述べたもののほかは、人道復興支援活動として実施しているものである。)。

1 医療に係る活動については、現地の医師等に対し、症例の診断、治療方針、医療器材の使用方法、当該医療器材を用いた治療方法等について、助言及び指導を行っている。

2 学校等の公共施設の復旧・整備に係る活動については、学校校舎の扉等建具の修繕、壁等の補修及び電気配線の修繕等並びに道路の整地等を実施している。

3 給水に係る活動については、ムサンナー県水道局が所有する給水車に対して、運河から取水し浄水した水の供給を実施している。また、安全確保支援活動として、本年五月から七月にかけて、オランダの軍隊への給水を行ったところである。

4 輸送に係る活動については、陸上自衛隊の車両により、我が国からの人道復興関連物資の輸送を行っている。また、航空自衛隊の輸送機により、人道復興支援活動及び安全確保支援活動として、我が国からの人道復興関連物資、お尋ねの米国を含む関係国及び関係国際機関の物資及び人員等の輸送を実施している。他国の軍隊の物資及び人員の輸送に当たっては、現地において、関係国の軍隊等との間で調整を行っており、このような調整は今後とも同様に行われるものと考えているが、具体的な調整の手続等については、部隊や自衛隊員の安全確保及び関係各国との信頼関係等の維持に影響を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

政府としては、このような自衛隊の活動については、現地の住民の生活の安定及び向上並びにイラク国内における安全及び安定を回復するために国際連合加盟国が行う活動等に寄与してきたものと認識しており、今後とも、現地における治安情勢等に留意しつつ、適切に活動を実施してまいりたい。

四の�Aについて

本年五月までに順次帰国した第一次イラク復興支援群の自衛隊員に対しては、帰国後速やかに臨時健康診断を実施するとともに、適切な健康管理のための措置をとっているところであるが、その心身の健康状態について特段の問題は生じていないと認識している。

したがって、イラクにおける自衛隊の今後の活動内容や部隊運用等について、自衛隊員の健康管理上の観点から特段の変更を行う必要はないものと考えているが、いずれにせよ、今後とも、自衛隊員の健康管理については万全を期してまいりたい。

四の�Bについて

御指摘のような現地の過酷な気候下において、健康を維持しつつ、自衛隊員がその能力を十分に発揮して活動することができるよう、第二次イラク復興支援群として現地に派遣されている陸上自衛隊の部隊においては、防暑用の被服等を着用させたり、宿営地の施設や車両にクーラーを設置するなどの措置を講じているほか、サマーワへの移動前に、クウェートにおいて、現地の気候に慣れるための訓練を実施するなどしている。

また、自衛隊員の安全確保のための措置として、これまでも、不測の事態への対処に必要となる武器を携行させているほか、適切な監視態勢の構築を含め、宿営地の警備及び宿営地外での部隊行動時における警備に万全を期すとともに、必要な訓練を実施するなどの種々の措置を講じているところである。なお、これらの詳細については、自衛隊員の安全確保に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×3検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2004年8月4日 金田 誠一(民主党・無所属クラブ) 答弁 2004年8月11日
衆議院 第160回 第40号趣旨が明らかではない ×1
提出 2005年9月30日 田嶋 要(民主党・無所属クラブ) 答弁 2005年10月11日
衆議院 第163回 第6号
提出 2002年11月26日 金田 誠一(民主党・無所属クラブ) 答弁 2002年12月17日
衆議院 第155回 第12号
提出 2004年1月28日 中川 正春(民主党・無所属クラブ) 答弁 2004年2月6日
提出 1993年3月29日 いとう 正敏 答弁 1993年4月27日
参議院 第126回 第4号
提出 2003年5月29日 金田 誠一(民主党・無所属クラブ) 答弁 2003年8月5日

件名の語が重なる質問主意書

提出 2006年2月23日 小宮山 泰子(民主党・無所属クラブ) 答弁 2006年3月3日
衆議院 第164回 第96号お答えすることは困難 ×1
提出 2003年3月20日 長妻 昭(民主党・無所属クラブ) 答弁 2003年4月15日
衆議院 第156回 第38号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる