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運輸安全マネジメントに関する質問主意書

衆議院 第165回 第228号承知していない ×3個別の事案 ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2006年12月8日
内閣転送 2006年12月13日
答弁書受領日
2006年12月19日
提出から11日
答弁の項目数
11
質問 3,434字/答弁 3,606字

質問本文

平成十七年四月に発生したJR西日本福知山線列車脱線事故をはじめとする事故や、JALにおける各種トラブル等の運輸分野における事故、トラブル等の発生を背景として、運輸の安全性の向上を図るため「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」(以下、「運輸安全一括法」という。)が、第一六四回国会において成立し、平成十八年十月一日に施行された。これに基づき、運輸事業者が構築した安全管理体制を記載する安全管理規程及び安全統括管理者等の選任についての国土交通大臣への届出が、運輸事業者に対して義務付けられた。

また、これに対応して、国土交通省は、安全管理規程に記載された運輸事業者の安全管理体制の運用状況を確認する運輸安全マネジメント評価を実施することとし、平成十八年十月十八日及び十九日にはJR西日本に対して、十一月十四日及び十五日にはJALに対して、運輸安全マネジメント評価を実施している。

以上を踏まえ、次の事項について質問する。

一 運輸安全一括法によって、各事業者に対して安全管理規程及び安全統括管理者の届出が義務付けられることとなったが、それらの届出状況はどのようになっているのか、明らかにされたい。

二 各事業者に対して国土交通省が運輸安全マネジメント評価を実施することとなったが、運輸安全マネジメント評価において、国土交通省はどのような点を重視して評価を実施するのか。また、運輸安全マネジメント評価の対象となる事業者はどの程度あるのか。さらに、それらの事業者に対する評価は、今後どのような日程で行われる予定なのか、既に実施済みも含めて明らかにされたい。

三 平成十八年十月十八日及び十九日に、JR西日本に対する運輸安全マネジメント評価が実施されたところであるが、その評価結果はどのようなものであったのか。JR西日本の安全管理体制や安全確保に向けた取り組みによって、同社においては福知山線列車脱線事故のような悲惨な事故は再び起きることがないと評価できるか、明らかにされたい。

四 平成十八年十一月十四日及び十五日に、JALに対する運輸安全マネジメント評価が実施されたところであるが、その評価結果はどのようなものであったのか。同社においては頻発した機材不具合やヒューマンエラーを原因とするトラブルが再び起きることがないと評価できるか、明らかにされたい。

五 平成十八年十一月二十七日JR東日本に対しても運輸安全マネジメント評価が実施された。JR東日本管内においては、過去、「三鷹事件」(平成十一年九月から翌年一月にかけてJR東日本三鷹電車区において発生した、JR総連に加盟するJR東労組の役員等が、JR連合に加盟するJRグリーンユニオンの組合員と交流した運転士である組合員に対し、JR東労組を脱退させたうえ、集団で執拗な嫌がらせや、悪質な運転妨害をした事件)、続いて「浦和事件」(平成十二年十二月から翌年にかけてJR東日本浦和電車区において発生した、JR東労組役員等がJRグリーンユニオンの組合員と交流した運転士である組合員に対し、組合脱退及び退職を強要し、職場で長期間にわたり組織的かつ執拗な追及を受け、運転にも支障をきたした事件)、さらに、「佐久事件」(平成十五年五月から発生したJR東労組の役員を務めていたJR東日本長野支社の運転士が、平成十五年五月十日から十三日に開催されたJR東労組運輸車両部会常任委員会で組織破壊行為を行なったとの理由で、JR東労組役員から集団で脅迫、暴行を受けて精神的病理に陥ったとして告訴した事件)、最近では、「長岡事件」(平成十七年四月二十四日深夜に発生したJR東日本新潟支社の運転士四人が勤務中の高崎支社の車掌三人に暴行し、肋骨を折るなどの被害を与え、八月に長岡警察署が傷害容疑で書類送検した事件)が発生している。いずれの事件も鉄道の安全安定輸送に直接係わり、乗客の命を預かる運転士や車掌に対して集団での執拗な嫌がらせ、運転妨害、脅迫、暴行という一般社会においてもあるまじき行為がJR東日本という限られた会社組織の中で繰り返し発生した。これらの運転士や車掌への嫌がらせ、運転妨害、脅迫、暴行などの行為は往来危険罪に該当する危険行為であり、JR東日本経営者は、JR東日本の社員である被害を受けた当該運転士や車掌を安全に仕事ができるよう保護することなく、労働契約に付随する安全配慮義務違反の責任を免れないと認識する。そのうえで、警察庁は、これらの四つの事件を刑事事件としてどのように把握しているか。とりわけ、平成十八年十月二十五日の衆議院国土交通委員会で、米村敏朗警察庁警備局長が答弁したJR総連及びJR東労組へ相当浸透しているとされる革マル派と事件との係わりについてどのように把握、認識しているのか。また、国土交通省は、これらの四つの事件を、鉄道の安全安定輸送に悪影響を及ぼしている事件としてどのように把握、認識しているのか。さらに、監督官庁である国土交通省は、JR東日本に対して今後同様の事件が発生しないように、どのように指導、助言してきたか、具体的に明らかにされたい。

六 過去、国土交通省は、JR東日本経営者に対して、山下八洲夫議員の質問主意書の答弁(内閣参質一六四第五三号平成十八年五月十二日)で政府も認めている革マル派の浸透問題について指導、助言したことはあるのか。あるとすれば具体的に明らかにされたい。ないとすれば鉄道の安全安定輸送に係わる重大な問題であるにもかかわらず、なぜ指導、助言しないのか、明らかにされたい。

七 冬柴鐵三国土交通大臣は、平成十八年十月二十五日の衆議院国土交通委員会で、労使関係やJR東労組等への革マル派の浸透の問題と、監督官庁としての鉄道事業者への指導等との関係について、「国土交通省としては、仮に鉄道輸送の安全に係わるような問題が生じてくるようなことがあれば、そのときには適切に対処していかなければならない」と答弁したが、未だ鉄道輸送の安全に係わるような問題が生じていないとする理由、そのように判断している根拠は何か、明らかにされたい。JR東日本における三鷹事件、浦和事件、佐久事件、長岡事件はいずれも安全に深く係わる問題であることは明らかであるから、「運輸安全マネジメント評価」における「経営トップ・現場双方向のコミュニケーションの確保」に関連して、国土交通省は、監督官庁としてJR東日本経営者に対し厳しく指導する必要があると考えるが見解はどうか。具体的な指導、助言の時期、方法を明らかにされたい。また、どのようになったら鉄道輸送の安全に係わるような問題とするのか、その判断基準及び判断基準とする具体的な事象を明らかにされたい。

八 国土交通省は、平成十八年十一月二十七日に実施したJR東日本に対する運輸安全マネジメント評価において、JR東日本会社における安全安定輸送に係わる最大の問題である革マル派浸透問題について指導、助言した形跡が見られないがその理由を明らかにされたい。

九 国土交通省は、山下八洲夫議員の質問主意書の答弁(内閣参質一六四第五三号平成十八年五月十二日)で、政府も認めているJR東日本内の革マル派の存在、浸透について同様の認識であるかどうか明らかにされたい。認識が違うとすれば閣内不一致と断言せざるを得ないがどうか。

十 山下八洲夫議員の質問主意書の答弁(内閣参質一六四第五三号平成十八年五月十二日)並びに平成十八年十月二十五日衆議院国土交通委員会における米村敏朗警察庁警備局長答弁でも明らかなように、JR東日本において浸透している革マル派に対して、JR東日本経営者は積極的にその問題解決に向けて尽力していると国土交通省は評価しているか、否か。評価しているとすればその理由、評価していないならばその理由を明らかにされたい。

十一 JR東日本において浸透している革マル派問題の解決にはJR東日本、国土交通省、警察庁の三者がそれぞれ持ち得る情報を交換し、一体となってその問題解決にあたるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

十二 政府は、JR東日本において浸透している革マル派問題について、政府の持ち得る全ての力を結集し、鉄道の安全安定輸送問題、並びに国家の治安問題と位置づけ解決すべきと考えるが、政府の見解はどうか、明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの安全管理規程及び安全統括管理者の届出状況については、平成十八年十二月八日時点において、千三百八十九事業者から届出があったところである。

二について

国土交通省においては、運輸安全マネジメント評価については、安全管理体制が運輸事業者において構築され、それがシステムとしてうまく機能しているかについて、平成十八年八月三日に策定された「鉄道事業法第五十六条の二(軌道法第二十六条において準用する場合を含む。)、道路運送法第九十四条の二、貨物自動車運送事業法第六十条の二、海上運送法第二十五条の二、内航海運業法第二十六条の二第一項及び航空法第百三十四条の二の規定に基づく安全管理規程に係る報告徴収又は立入検査の実施に係る基本的な方針」において定められている輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項に係る報告徴収等における重点確認事項に従って、評価を実施している。

また、運輸安全マネジメント評価の対象事業者は、約五千三百事業者である。

運輸安全マネジメント評価は、平成十八年十月より実施しており、平成十八年十二月八日時点において、鉄道分野六社、航空分野一社、自動車分野一社、海運分野二社の計十社に対して実施したところである。今後、届出された安全管理規程等の内容も踏まえ、他の事業者についても順次実施していくこととしている。

三について

国土交通省において、西日本旅客鉄道株式会社(以下「JR西日本」という。)に対する運輸安全マネジメント評価を行ったところ、JR西日本においては、平成十七年五月に福知山線における列車脱線事故を踏まえて定めた「安全性向上計画」に基づき、各種の安全対策を進めてきているところであった。国土交通省としては、JR西日本の安全管理体制の構築に係る一連の取組は相当程度評価できるものであったと考えているが、事故の芽情報の具体的な活用方策の確立、更なる部内コミュニケーションの充実、経営管理部門を対象とした内部監査体制の確立等については、今後、安全管理体制の更なる改善に向け、より一層の改善努力が求められると考えている。

国土交通省では、これらの評価を踏まえたJR西日本の努力により、一層の輸送の安全の強化が図られるものと考えている。

四について

国土交通省において、株式会社日本航空インターナショナル(以下「日本航空」という。)に対する運輸安全マネジメント評価を行ったところ、日本航空においては、従来から安全管理体制の構築、実施及び維持に関する取組の整備・充実が相当程度図られていたところであり、国土交通省としては、日本航空の安全管理体制の構築に係る一連の取組については評価できるものであったと考えているが、安全重点施策の達成度の把握手法の確立、経営層と中間管理層との間のコミュニケーションの活性化、安全教育の有効性を確認し改善につなげる仕組みの構築、経営管理部門を対象とした内部監査体制の確立等については、今後、安全管理体制の更なる改善に向け、引き続き努力する余地があると考えている。

国土交通省では、これらの評価を踏まえた日本航空の努力により、一層の輸送の安全の強化が図られるものと考えている。

五について

警察としては、御指摘の「三鷹事件」について、その旨の報道がなされていることは承知しているが、被害の届出等がなく、刑事事件として把握していない。

御指摘の「浦和事件」は、平成十三年一月二十一日から同年六月三十日ころまでの間に、東日本旅客鉄道労働組合(以下「JR東労組」という。)の組合員である被疑者七人が、東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)大宮支社浦和電車区事務所等において、他の労働組合の組合員と行動を共にするなどしたJR東労組の組合員を集団で脅迫し、同組合から脱退させ、さらに、JR東日本から退職させた強要事件のことであると思われる。当該事件については、警視庁において、所要の捜査を行い、平成十四年十一月一日に被疑者七人を強要罪で逮捕し、翌日、東京地方検察庁検察官に送致したものと承知している。

御指摘の「佐久事件」は、JR東労組の組合員が、同組合の組合員から傷害を受けたとして、平成十八年十月六日、長野県警察に告訴した事件のことであると思われる。当該事件については、現在捜査中であり、その具体的な内容については、答弁を差し控えたい。

御指摘の「長岡事件」は、平成十七年四月二十五日、JR東日本の社員である被疑者二人が、新潟県長岡市内において、同社の社員三人に暴行を加えた事件のことであると思われる。当該事件については、新潟県警察において、所要の捜査を行い、平成十七年八月十七日に被疑者二人を傷害罪で新潟地方検察庁検察官に送致したものと承知している。

なお、警察は、刑罰法令に触れる行為があると認める場合には、引き続き、厳正に対処していくこととしている。

お尋ねの「革マル派と事件との係わり」については、「浦和事件」で逮捕された七人の中には、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)の活動家とみられる者がいると承知している。警察としては、引き続き、全日本鉄道労働組合総連合会及びJR東労組という公共交通機関の労働組合における革マル派の動向について、公共の安全と秩序の維持の観点から重大な関心を払うこととしている。

国土交通省においては、従来から鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)に基づき、輸送の安全の確保という観点から、鉄道事業者に対し、鉄道運転事故、輸送障害等の報告を求めているところであるが、これまでのJR東日本からの報告の中で、御指摘の四つの事件に係る報告は受けておらず、輸送の安全に係る問題が生じたとは承知していない。したがって、国土交通省からJR東日本に対してこれらの事件に係る指導、助言はしていない。

六について

御指摘の「革マル派の浸透問題」については、JR東日本が適切に事業を運営していく上で必要となる労使関係をいかに構築していくかというJR東日本の経営上の問題であることから、国土交通省として指導、助言はしていない。

七について

国土交通省においては、従来から鉄道事業法に基づき、輸送の安全の確保という観点から、鉄道事業者に対し、鉄道運転事故、輸送障害等の報告を求めているところであるが、これまでのJR東日本からの報告の中で、御指摘の四つの事件に係る報告は受けておらず、輸送の安全に係る問題が生じたとは承知していない。

運輸安全マネジメント評価においては、JR東日本に限らずすべての事業者に共通して、経営幹部への面談調査等を行い、安全に係る経営幹部と現場との双方向のコミュニケーションの確保の体制が構築され、それがシステムとして機能しているかについて、評価を実施しているものであり、評価の際に、それらの体制が未構築であること、システムとして機能していないこと等を確認した場合には、国土交通省として必要な助言をすることとしている。

輸送の安全の確保に問題があるか否かに関しては、列車衝突事故等の発生するおそれがあると認められる事態等の個別の事案に基づき判断することとしている。

八について

運輸安全マネジメント評価においては、JR東日本に限らずすべての事業者に共通して、経営幹部への面談調査等を行い、安全に係る経営幹部と現場との双方向のコミュニケーションの確保の体制が構築され、それがシステムとして機能しているかについて、評価を実施しているものであり、御指摘の「革マル派浸透問題」については、JR東日本が適切に事業を運営していく上で必要となる労使関係をいかに構築していくかというJR東日本の経営上の問題であることから、国土交通省として指導、助言はしていない。

九について

参議院議員山下八洲夫君提出JR総連・JR東労組などJR労組に浸透する革マル派の実態等に関する質問に対する答弁書(内閣参質一六四第五三号)については、国土交通省として承知している。

十について

JR東労組内に革マル派が浸透しているとされる問題についてのJR東日本経営陣の対応に関しては、JR東日本が適切に事業を運営していく上で必要となる労使関係をいかに構築していくかというJR東日本の経営上の問題であり、これに対するJR東日本の経営陣の対応については、国土交通省が答弁する立場にない。

十一及び十二について

お尋ねの点については、政府として輸送の安全の確保及び公共の安全と秩序の維持の観点から重大な関心を持ち、関係機関がそれぞれの所管に基づいて、必要に応じて関係者と連携するとともに、輸送の安全に問題が生じた場合や刑罰法令に触れる行為があると認められる場合等においては、引き続き、厳正に対処することとしている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

承知していない ×3個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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