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朝鮮半島エネルギー開発機構に対する日本の支援に関する質問主意書

衆議院 第165回 第72号

提出者
無所属
提出日
2006年10月12日
内閣転送 2006年10月16日
答弁書受領日
2006年10月20日
提出から8日
答弁の項目数
2
質問 636字/答弁 2,424字

質問本文

一 米朝核合意枠組みに基づいて日本が約束した支援総額はいくらで、これまでの日本の支出額は毎年度いくらか。政府支出と国際協力銀行拠出について示していただきたい。

二 二〇〇二年一〇月初旬に米国のジェームス・ケリー国務次官補を代表とする北朝鮮訪問団に対し、北朝鮮側はウラン濃縮プログラムを進めていることを認めたうえ米朝核合意枠組みを無効とみなすと言明したと伝えられる事件があり、さらに二〇〇二年一二月プルトニュウム型施設の凍結解除を行い国際原子力機関査察官の国外退去措置をとった。このような情勢は日本政府も当然承知したはずであるから、この時点で朝鮮半島エネルギー開発機構に対する支援を見合わせるべきであったのに、そうしなかったのは何故か。

三 仮に二〇〇二年段階では情勢を見守るとの判断を選択したとしても二〇〇三年八月に第一回六カ国協議が開催され、その直後に北朝鮮は使用済み核燃料棒の再処理完了を表明しているのであるから遅くてもこの時点で朝鮮半島エネルギー開発機構に対する支援を凍結すべきであった。そうしなかったのは何故か。

四 朝鮮半島エネルギー開発機構に対する支援の凍結を日本は主張したことがあるのか。

五 北朝鮮は事実関係を積み重ねるたびに、米朝核合意枠組みを破棄していることを表明してきたにも拘わらず、日本は朝鮮半島エネルギー開発機構を支援してきた。北朝鮮に対する一方的な期待が今回の核実験につながったとの批判がある。このような批判をどう考えているのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

軽水炉プロジェクトの実施のための資金供与に関する日本国政府と朝鮮半島エネルギー開発機構との間の協定(平成十一年条約第七号。以下「KEDO資金供与協定」という。)第一条は、軽水炉プロジェクトの実施のため、一千百六十五億円の額までの円貨による貸付けが、国際協力銀行により朝鮮半島エネルギー開発機構(以下「KEDO」という。)に対し我が国の関係法令に従って行われることとなる旨規定している。同条の規定に関し、国際協力銀行は、同銀行とKEDOとの間で締結された貸付契約(以下「貸付契約」という。)に基づき、KEDOに対し、約四百七十三億円の貸付けを行っている。

KEDO資金供与協定第三条は、我が国政府は、KEDOに対し、KEDOが貸付契約に基づいて国際協力銀行に支払う利子の総額に相当する額の贈与を行う旨規定している。我が国政府は、同条の規定に基づき、KEDOに対し、約四十二億円の支出を行っている。

朝鮮半島エネルギー開発機構の設立に関する協定(平成七年外務省告示第二百六十三号)第十条(b)は、KEDOの各加盟国は、KEDOに対して任意の拠出を行うことができる旨規定している。我が国政府は、同条の規定を踏まえ、KEDOに対し、約四千二百万米ドルの任意の拠出を行っている。

各年度の国際協力銀行による貸付けの額、我が国政府による贈与及び任意の拠出の額は、それぞれ次のとおりである。

千九百九十四年度  五百八十万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

千九百九十五年度  一千九百万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

千九百九十六年度  三百七十三万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

千九百九十七年度  三百七十三万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

千九百九十八年度  三百五十万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

千九百九十九年度  三百五十万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

百十億七千五百万円(国際協力銀行による貸付けの額)

二千年度      三百四十一万七千百三十三米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

四億八千六百六十一万一千八百五十円(我が国政府による贈与の額)

百二十三億六千五百八十万円(国際協力銀行による貸付けの額)

二千一年度     五百八十九万一千米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

五億五千七百四十四万七千百三円(我が国政府による贈与の額)

八十二億九千六百七十五万円(国際協力銀行による貸付けの額)

二千二年度     三百万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

三億三千八百三十七万六千六百二十六円(我が国政府による贈与の額)

五十四億九千二百五十三万八千四百二十三円(国際協力銀行による貸付けの額)

二千三年度     六百万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

七億二千二百七十六万百八十四円(我が国政府による贈与の額)

七十七億五千八十五万五千九百五十三円(国際協力銀行による貸付けの額)

二千四年度     八十三万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

八億一千五百四十七万三千三十五円(我が国政府による贈与の額)

十八億七千百五十五万五千六百四十八円(国際協力銀行による貸付けの額)

二千五年度     二百八十八万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

八億二千七百三十三万一千四百十四円(我が国政府による贈与の額)

四億八千八十九万四千四百五十四円(国際協力銀行による貸付けの額)

二千六年度     二百八十四万米ドル(我が国政府による任意の拠出の額)

四億一千五百三十六万五千三百九円(我が国政府による贈与の額)

二から五までについて

二千二年十月、アメリカ合衆国政府は、北朝鮮が濃縮ウランを利用した核兵器プログラムを有していることを認めたことを発表した。これを受け、同年十一月、KEDOは、同年十二月から重油の供給を停止すること等を決定するとともに、軽水炉プロジェクトは依然として国際社会が北朝鮮の核開発を阻止するための現実的な手段であるとの立場に立ち、北朝鮮に対して核兵器プログラムを迅速に除去するよう求め、北朝鮮の対応を見極めることとした。

その後、北朝鮮は同月に黒鉛実験炉等の封印を撤去し、二千三年一月に核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号)からの脱退を宣言し、さらに、同年十月に核燃料棒の再処理を完了した旨宣言する等、北朝鮮の核開発をめぐる状況は悪化した。このような状況の悪化を受け、KEDOは、北朝鮮とKEDOとの間で締結された軽水炉プロジェクトの北朝鮮への供給に関する協定(以下「供給協定」という。)に従って軽水炉プロジェクトを継続するために必要な条件が満たされなくなったと判断し、軽水炉プロジェクトを同年十二月から停止することを決定した。それ以降、軽水炉プロジェクトに係る経費が大幅に削減されたため、同年以降の国際協力銀行による毎年の貸付けの額も大幅に削減されることとなった。

その後も、北朝鮮は、二千五年二月に核兵器を製造した旨発表する等、供給協定において定められている義務を依然として履行しなかった。こうした状況を受け、我が国政府としても、同年七月以降、KEDO理事会の議論の中で軽水炉プロジェクトを終了すべきとの我が国政府の立場を主張してきたところ、本年五月、KEDO理事会は、KEDOは軽水炉プロジェクトを終了するとともに、供給協定に基づき、北朝鮮に対して軽水炉プロジェクトに関連する金銭上の損失の支払を求める旨決定した。

我が国は、KEDOが軽水炉プロジェクトを実施するに当たり、適切な対応を行ってきたと考えている。

また、KEDO軽水炉プロジェクトは今回の北朝鮮の核実験実施表明とは直接関係なく、北朝鮮に対する一方的な期待が今回の核実験実施表明につながったとの批判は当たらないと考える。

衆議院の原文

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