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緑資源機構による官製談合と天下りに関する質問主意書
衆議院 第166回 第239号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×2
質問本文
農林水産省所管の独立行政法人緑資源機構(以下「機構」という。)を舞台とした官製談合疑惑については、昨年三月一日及び本年二月二十八日の本院予算委員会第六分科会においても取り上げたところであるが、今般、刑事事件に発展した。中川昭一前大臣及び松岡利勝大臣に対しては、同分科会において一般競争入札が全く行われていない不適切な契約実態や、官製談合の温床と指摘されるいわゆる天下りについて質したが、両大臣とも問題意識のかけらも感じられない答弁に終始しており、度重なる官製談合事件を招いた政府与党の責任は大きい。特に、内部調査によって自浄能力を発揮すべきとの指摘に対し、公正取引委員会による調査を「見守る」と答弁した松岡大臣の姿勢は、倫理観の欠落と自浄能力の欠如を露呈しており、安倍総理の任命責任が厳しく問われるべきである。以下、機構の官製談合と天下りについて質問する。
一 松岡大臣は、機構の発注する工事や調査の受注先企業・団体から多額の政治献金を受け取っていたことが明らかになっているが、当該工事や調査に関し、大臣就任以前を含め松岡氏(秘書等の事務所関係者を含む。以下同じ。)からいわゆる「口利き」はなかったのか。判断根拠となる具体的事実とともにお示し願いたい。なお、「口利き」とは、不当要求になるおそれがある要求として、松岡氏が機構及び農林水産省(以下「機構等」という。)の職員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないように、要望、相談、苦情等を面談、電話等により当該職員に伝えることをいうものとする。
二 本件事案の徹底的な事実関係の究明のため、本件事案等に関係のある機構等職員を始めその他機構等職員、機構等勤務経験者で機構等を退職し受注先企業・団体に再就職している者(以下「OB」という。)等に対し、聴取りによる調査を行うべきではないか。なお、昨年一月三十一日に防衛施設庁に設置された「防衛施設庁入札談合等に係る事案に対する調査委員会」においては、同様な聴取りによる調査が行われたものと承知している。
三 談合の疑いが持たれている林道調査業務の受注先企業・団体に再就職しているOBの人数を、機構・農林水産省の別に、企業・団体毎に示されたい。また、国家公務員では原則禁止されている退職二年以内に再就職したOBの人数についても併せて示されたい。なお、旧日本道路公団発注の橋梁談合事件においては、再発防止策として公団OBの再就職先の企業名及び人数を毎年公表しているものと承知しており、把握していない場合は当該企業・団体に対する聴取り等によって調査の上、回答すべきものと考える。
四 機構の林道建設業務の受注先企業・団体に再就職しているOBの数を、機構・農林水産省の別に、企業・団体毎に示されたい。また、国家公務員では原則禁止されている退職二年以内に再就職したOBの人数についても併せて示されたい。
五 機構の林道建設業務について官製談合はないのか。
六 入札談合により生じた損害について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)及び民法(明治二十九年法律第八十九号)等の規定に基づく損害賠償請求を行うべきではないか。
七 昨年十月の公正取引委員会による立入調査以降、林道調査業務の受注先企業・団体にOBが再就職した実績はあるか。また、当該企業・団体への再就職は無期限に自粛すべきではないか。
八 本年一月十八日に機構に設置された「入札制度等改革委員会」には、今般逮捕された森林業務担当理事が委員として参加しているものと承知している。当時既に当該理事が官製談合への関与を指摘されていたにもかかわらず、当該理事を入札制度改革の当事者として任命するとは、国民感覚とはかけ離れており、機構の自浄能力の欠如は甚だしい。当該理事を委員として任命した理由及び理事長の任命責任について、政府の見解を示されたい。
九 本年五月十八日に開催された「緑資源機構談合等の再発防止のための第三者委員会」は非公開とされたと承知しているが、農林水産省の自浄能力の欠如を示すものであり、資料に個人情報が含まれることを理由として全体を非公開とすることは、国民の理解が得られない。会議を公開とするとともに、議事録についても公開すべきではないか。
右質問する。
政府答弁書
一及び五について
独立行政法人緑資源機構(以下「機構」という。)による緑資源幹線林道の測量・建設コンサルタント業務の発注に関する談合疑惑をめぐる問題について、昨年十月に公正取引委員会が立入検査を行い、本年五月二十四日に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号。以下「独占禁止法」という。)に違反する犯罪があったと思料するとして、公正取引委員会が財団法人林業土木コンサルタンツ、株式会社フォレステック、財団法人森公弘済会及び株式会社片平エンジニアリング(以下「四法人」という。)を告発し、検察当局の捜査が行われているところであり、現在関係当局により調査・捜査中であるところ、お尋ねの点については、お答えは差し控えたい。
二について
機構の談合疑惑をめぐる問題については、農林水産省に設置された「緑資源機構談合等の再発防止のための第三者委員会」(以下「第三者委員会」という。)において、抜本的な再発防止策を検討しているところであり、また、関係当局により調査・捜査が行われているところである。こうした中で、農林水産省による聴き取り調査については、関係当局による調査・捜査の妨げになることがないことを基本として、第三者委員会における今後の議論を踏まえつつ、適切に検討してまいりたい。
三について
公正取引委員会により告発された四法人に、平成十八年四月一日までの十年間に機構から再就職した人数は、独立行政法人の組織等に関する予備的調査(武正公一君外五十四名提出、平成十八年衆予調第三号)によると、財団法人林業土木コンサルタンツについては該当なし、株式会社フォレステックについては一名、財団法人森公弘済会については十七名、株式会社片平エンジニアリングについては一名となっている。
また、平成十六年から平成十八年までの「再就職状況の公表」では、平成十五年八月十六日以降の三年間に、農林水産省の課長・企画官相当職以上で離職し、四法人に、離職後二年以内に最初の再就職をした人数は、財団法人林業土木コンサルタンツについては七名、株式会社フォレステック、財団法人森公弘済会及び株式会社片平エンジニアリングについては該当なしとなっている。
なお、平成十六年以降に国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百三条第三項に基づく承認申請を行い、農林水産省を離職後二年以内に株式会社フォレステック、株式会社片平エンジニアリングに再就職した事例はない。
四について
お尋ねについては、受注先企業及び団体の数が多く、これらに再就職した者の数を確認する作業が膨大となることから、お答えすることは困難である。
六について
現在、公正取引委員会により告発されるとともに、検察当局による捜査が行われているところであり、お答えは差し控えたい。
七について
昨年十月の公正取引委員会による立入検査以降、平成十八年度末までの過去五年間に緑資源幹線林道事業の測量・建設コンサルタント業務を受注した企業及び団体(以下「受注法人」という。)に農林水産省から再就職した者は確認できなかった。なお、機構から受注法人に再就職した者は一名であるとの報告を受けている。
また、本年四月二十六日以降、受注法人への林野庁及び機構からの再就職については自粛しているところである。
八について
本年一月十八日に機構が設置した「入札制度等改革委員会」は、昨年十月に公正取引委員会の立入検査を受けたことを踏まえて設置されたものであり、入札制度の在り方等を検討するためには、実態に精通している者を含め、すべての理事を参画させることが必要であったとの報告を機構から受けている。
本年四月二十六日に、農林水産大臣より機構の理事長に対し、機構による測量・建設コンサルタント業務及び工事の発注について、直ちに一般競争入札に切り替えるよう指示をしたところである。
また、本年五月二十四日に、独占禁止法に違反する犯罪があったと思料するとして、公正取引委員会が四法人を告発したことを受け、農林水産大臣より機構の理事長に対し、本件の原因の徹底的な解明とその原因を根絶するための具体的な対策について、外部の有識者により早急に検討するよう指示をしたところである。
九について
第三者委員会については、抜本的な再発防止策についての検討を行う場として、委員間の率直な意見交換を確保すること等が必要であり、こうした観点から、会議の運営等については、同委員会の主体的な判断にゆだねることが適当であるものと考えられた。本年五月十八日に開催された第三者委員会については、同委員会の判断として、公正取引委員会による調査が行われている案件を含め事実関係について委員の共通認識を形成する過程にあったことから、会議を非公開としたが、委員会の終了後、委員の主な意見について、その概要の公表を行ったところである。
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