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年金の遅延利息等に関する質問主意書

衆議院 第167回 第22号お答えすることは困難 ×4承知していない ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2007年8月8日
内閣転送 2007年8月10日
答弁書受領日
2007年8月31日
提出から23日
答弁の項目数
7
質問 2,380字/答弁 1,253字

質問本文

国は、いわゆる宙に浮いた年金記録問題につき、年金記録の訂正等の結果、過去分の年金を遡及して支払うにあたり、差額の額面相当分しか追加支給していない。すなわち、遅延利息・損害金等の支払いや、年金の現在価値への引きなおしを否定しており、これはいわゆる年金時効特例法の成立後についても同様である。

従って、次の事項について質問する。

一 遅延利息等を付さない理由について

1 国のミスによって支給されていなかった年金については、本来支払うべき時期に遡り、利息ないし遅延損害金を付して受給者にお支払いすべきものであると考える。にもかかわらず、国は、およそ年金を遡及して支払うにあたり、一切遅延利息等を付けていない。その根拠は何か。

2 1の点につき、国会等で「これまでの判例等々」に照らして遅延利息を付す性質のものではない、との説明がなされたことがあるが、この「判例」とは具体的に何を指すのか、明らかにされたい。

3 政府は、年金記録の誤りによって、本来の年金額を受け取れなかったことの責任は、国にあると考えるのか、受給者本人にあると考えるのか、明言されたい。

4 受給者からの年金の給付の裁定の請求が遅れ、そのために年金の裁定が遅れて、それに伴って本来の受給日より年金の支払いが遅れた場合については、現行法上、遅延利息を付する規定がなく、利息は支払われない扱いが定着している。

しかしこれは、現行法の採用する申請主義(その是非はともかくとして)を前提に、本人が申請しないことに一定の責任を負わせているものであって、国に帰責性がある場合を同一に論じることはできないと考えるがどうか。

二 何らかの填補措置の必要性について

1 年金保険料の追納には加算金が課せられる。すなわち、現状、学生納付特例等の納付猶予制度を利用した場合、二年を過ぎた分の未納保険料の追納については、加算金が上乗せされる。

この点、税金も、滞納に対しては延滞税が課せられる点、同様である。しかし一方で、税については、納めすぎの還付金には一定の利息が加算される。この還付加算金の趣旨は、まさに国税の納付遅延に対し、延滞税が課されることとの権衡にあると理解するところである。

この考え方からすれば、年金保険料の追納に加算金を課すこととの権衡上、支払いの遅延した年金にも利息を付すことが妥当ではないか。なお、利息等について税金には明文があり(国税通則法五十八条等)、国民年金法等に明文がないことは承知しており、あくまでも制度の妥当性の価値判断を問うものである。政府の見解をうかがう。

2 年金業務上のミスによって生じた年金記録の誤りに基づき、国が誤った裁定を行ったために本来の額の年金を受給できなかったとすれば、これは、国(公務員)の故意・過失に基づく違法な行為によって、年金受給者に損害を与えたものである。

すなわち、年金記録の誤りによって本来の年金額を受けとれなかった年金受給者は、国の不法行為によって損害を蒙ったものであり、その損害賠償として遅延損害金を請求する権利を有すると考えるが、政府の見解をうかがいたい。

3 年金元本についても再評価が必要ではないか。五年程度の範囲ならまだしも、年金時効を適用しないことにより、遡って支払われる年金は、場合によって数十年前まで遡ることになる。とすれば、当時と今との貨幣価値の違いは無視できるものではないし、現実にも、物価スライド等による水準是正が、例年実施されてきたところである。

とすれば、遅延利息や損害金をどう考えるかは別としても、当時の年金額をそのまま支給して足りるとするべきではなく、現在価値に引きなおして支給すべきと考えるがどうか。

4 年金生活者のうち相当数は、公的年金だけでは生活費を賄うことができず、借り入れによってそれを補っていることが少なくない。極端な例では、生活のために違法な年金担保貸付の被害に遭うケースも散見されてきたところである。

仮にこうした借り入れ等がないとしても、年金生活者がその額を本来の時期に入手していれば、相当の利子・運用益を享受できたはずであって、その額は到底無視できるものではない。

このような年金生活者の実態に鑑みれば、本来給付されるべき年金額の額面を支払うだけでは、年金受給者の受けた損害は回復されたとは言いがたいと考えるが、政府は利息等を一切付さない現在の対応を適切かつ十分と考えるのか、見解をうかがいたい。

5 以上の点について、受給者は、国家賠償請求その他の訴訟に訴えれば、遅延損害金などを請求できると考える。しかし国は、受給者に訴訟の負担をかけることなく、自らその損害を填補する措置を講ずるべきである。

したがって、以上挙げさせていただいた各填補措置につき、現行法、年金時効特例法の中で対応可能か否か、お答えをいただきたい。また現行法では対応できない場合、政府は、立法措置を含め何らかの手段によって手当てを講ずる必要を認めるか否か、見解をうかがいたい。

三 その他について

1 社会保険庁の年金記録の誤りの訂正によって、過去に遡って受給額の増額の裁定を受けた年金受給者は、これまで、累計何人に上るか。

2 右の方々から、これまで、遅延利息等は支払われないのかとの趣旨のご質問はどれほどあったか。またそれらの問い合わせに対し、請求の余地は一切ない、との趣旨の回答をしたことはないか。

3 仮に、これらの方々に、法定利息を基準に遅延利息等をお支払いするとした場合、必要となる経費はいかほどか。

4 同様に、今後の年金記録の確認作業の結果、増額の裁定を受けた受給者にも遅延利息等をお支払いするとした場合、一切利息等を支払わない現在の対応と比べて、必要となる経費はどれだけ増加すると見込まれるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1及び4について

現在、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)及び厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)(以下「国民年金法等」という。)においては、大量の年金給付事務の簡易迅速な処理を図る必要があることから、個別事案における国の帰責性に着目して遅延利息を付す旨の規定は設けられておらず、今回の厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律(平成十九年法律第百十一号。以下「年金時効特例法」という。)においても、こうした現行法の整理を踏まえて、特に遅延利息を付す旨の規定が設けられなかったものと承知している。

一の2について

お尋ねの判例は、平成九年四月二十八日神戸地方裁判所判決(平成八年(行ウ)第一四号遅延損害金請求事件)及びその控訴審判決である平成十年一月二十九日大阪高等裁判所判決(平成九年(行コ)第二二号遅延損害金請求控訴事件)を指す。

一の3について

政府としては、年金時効特例法に基づく給付の支払決定者の方々に対して、年金記録の問題について国民の皆様の信頼を損ね、お手を煩わせたことを支払決定通知書の裏面等においておわびするとともに、広く国民の皆様に対して、公的年金の加入・納付記録に関し、多大な御心配をおかけし、公的年金の信頼を揺るがしかねない状況を招いていることについて、政府広報や社会保険庁ホームページ等においておわびしているところである。

二の1及び3から5までについて

御指摘の「何らかの填補措置」については、現行の国民年金法等及び年金時効特例法には国がこれを行うことについての規定がなく、これらの法律により対応をすることはできない。また、御指摘の「立法措置を含め何らかの手段によって手当てを講ずる必要を認めるか否か」については、租税に関する法令と社会保険方式を採る保険給付に関する法令その他の給付に関する法令との差異、個別の給付制度の性格、個別の給付事務において誤りが生じた場合の損害賠償の在り方など、様々な要素を踏まえて考えていくべきものと承知している。

二の2について

年金記録の誤りの発生原因については様々なものが考えられることから、遅延損害金を請求する権利を有するかどうかについて、一律にお答えすることは困難である。

三の1から3までについて

年金記録の訂正によって、過去にさかのぼって受給額の増額の裁定を受けた年金受給者の人数の累計については、把握していない。このため、そうした方々に遅延利息を支払うこととした場合に必要となる経費について、お答えすることは困難である。また、そうした方々との個別のやりとりについては、把握し集計する仕組みとはしていないため、質問の件数等について、お答えすることは困難である。

三の4について

年金記録訂正等に伴う受給額の増額の裁定がどの程度行われることになるのか予測できないことから、受給額の増額の裁定を受けた受給者に遅延利息を支払うこととした場合に必要となる経費について、お答えすることは困難である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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