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平成二十年四月十七日の名古屋高等裁判所確定判決に関する質問主意書

衆議院 第169回 第352号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2008年5月2日
内閣転送 2008年5月7日
答弁書受領日
2008年5月13日
提出から11日
答弁の項目数
2
質問 876字/答弁 939字

質問本文

平成二十年四月十七日に名古屋高等裁判所において下された判決(事件番号平成十九(ネ)五八、平成十八(ネ)一〇六五並びに平成十八(ネ)四九九)(以下前記判決という。)にイラクにおいて航空自衛隊が行っている空輸活動は、武力行使を禁止したイラク特措法二条二項、活動地域を非戦闘地域に限定した同条三項に違反し、かつ、憲法九条一項に違反する活動を含むものであるとしている。この判決に基づく政府の対応について質問する。

一 前記判決は五月二日午前零時をもって確定したが政府の見解如何。また航空幕僚長が「そんなの関係ねぇ。」と発言したと報道されているが事実関係如何。またその発言が事実であれば三権分立に反するものと考えるが、かかる発言に対する処分はどのように考えているのか回答を求める。

二 前記判決がイラクにおいて航空自衛隊が行っている空輸活動は憲法違反を含むものであるとし、その判決が確定した以上は航空自衛隊の撤退を行わなければならないと考えるが政府の見解如何。

三 前記判決では航空自衛隊が米国からの要請を受け平成十八年七月から実施しているバグダッド空港への空輸活動について、多国籍軍の戦闘行為にとって必要不可欠な軍事上の後方支援を行っていると認めその上で他国による武力行使と一体化した行動であって、自らも武力の行使を行ったとの評価を受けざるを得ないとし、これが憲法違反を含む行為とされたと解するが政府の見解如何。

四 前記判決ではイラクへの自衛隊派遣差し止めについては控訴人らが違憲な戦争の遂行や協力などを強制される事態にはなっていないとし、控訴人の訴えを退けている。政府においては違憲な戦争を遂行する当事者であり、派遣差し止めを求められていると考えるが政府の見解如何。

五 そもそもこれまで政府はイラクにおいて非戦闘地域が存在し、そこに自衛隊を派遣すると説明してきた。しかし前記判決においてイラク、特にバグダッドはイラク特措法が自衛隊の活動を認めていない戦闘地域に該当すると認定した以上、イラクへの自衛隊派遣は法律違反と解するが政府の見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一、二及び四について

御指摘の名古屋高等裁判所の判決(以下「本件判決」という。)は、控訴人らから被控訴人である国に対する自衛隊のイラク派遣等の違憲確認請求及び差止請求について不適法なものであるとして却下し、損害賠償請求について棄却した第一審判決に対する控訴を棄却する旨の国側勝訴の判決であり、航空自衛隊のイラクでの空輸活動は憲法に違反する活動を含んでいる旨を述べた部分は、判決の結論を導くのに必要のない傍論にすぎず、政府としてこれに従う、従わないという問題は生じないと考える。

田母神航空幕僚長は、平成二十年四月十八日の記者会見において、本件判決後のイラク復興支援派遣輸送航空隊の雰囲気について、必ずしも正確な表現ではないが、自らの言葉で御指摘のような発言をしたものと承知しており、同航空幕僚長は、同月二十五日の記者会見において、発言の一部の表現が不適切であったとの認識を示している。防衛省として、同航空幕僚長に対して人事上の処分を行うことは考えていない。

三及び五について

イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号。以下「イラク特措法」という。)においては、我が国の活動をそれ自体は武力の行使ではないものに限定し、現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域に限って実施することとするなど、我が国の活動が他国の武力の行使と一体化することがないことを制度的に担保する仕組みを採用しているところである。

政府としては、自衛隊が対応措置(イラク特措法第二条第一項に規定する対応措置をいう。)を実施する区域については、これまでに我が国が独自に収集した情報、諸外国等から得た情報等を総合的に判断し、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域に該当すると考えている。

したがって、政府としては、航空自衛隊のイラクでの活動は、憲法の範囲内でイラク特措法に基づき適法に行われているものと認識している。

衆議院の原文

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