Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第169回

航空自衛隊のイラク派遣に関する質問主意書

参議院 第169回 第115号

提出者
参議院
提出日
2008年4月28日
内閣転送 2008年5月7日
答弁書受領日
2008年5月13日
提出から15日
答弁の項目数
4
質問 1,355字/答弁 1,281字

質問本文

名古屋高等裁判所は、去る四月十七日、航空自衛隊のイラク派遣について、イラク復興支援特別措置法(以下、「イラク特措法」という。)に違反し、憲法第九条第一項に違反する行為がなされている旨の判決(以下、「判決」という。)を言い渡した。

判決では、イラク特措法は、自衛隊の活動は人道復興支援のため「非戦闘地域」で武力行使とは一体化しないと規定しているものの、実際には航空自衛隊は米国からの要請を受け、定期的にクウェートのアリ・アッサーレム空港からバグダッド空港へ武装した多国籍軍兵員を輸送しているが、バグダッドはイラク特措法にいう「戦闘地域」に該当し、また、戦闘要員を含むと推認される多国籍軍の武装兵員の輸送は、現代戦において戦闘行為にとって必要不可欠な事実上の後方支援となり、他国による武力行使と一体化した行動であると事実認定を行い、こうした行為は非戦闘地域に活動を限定したイラク特措法から逸脱し、武力行使を禁じた憲法第九条に違反するとした。特に、判決では、国の主張をも踏まえた上で「バグダッドは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し物を破壊する行為が現に行われている地域というべきで、イラク特措法にいう『戦闘地域』に該当する」と認定しており、国政上、極めて重要な判断が示されたものであり、重く受け止める必要がある。

政府部内では、判決主文は国が勝訴しており、前記指摘は判決の傍論に過ぎないので無視するとの意見も聞かれるが、被告(被控訴人)であった国もイラク派遣の実態について十分に主張立証を行った上での高裁の事実認定であり、容易に無視できるものではない。

よって、同判決を踏まえた政府の姿勢について以下のとおり質問する。

一 名古屋高等裁判所が航空自衛隊のイラクでの輸送支援活動を違憲とした以上、このまま継続すべきではなく、いったん撤退をしたうえで、同判決を真摯に踏まえた検討が必要ではないか。政府は、判決をどのように踏まえているか、またイラク情勢をどのように分析し、航空自衛隊のイラクからの撤退をどのように検討するか、明らかにされたい。

二 航空自衛隊の田母神俊雄航空幕僚長は、翌十八日の会見で、判決に対して「そんなの関係ねえ」と発言したと報じられている。事実とすれば極めて不謹慎な発言ではないか。政府はこうした発言を確認したうえ何らかの注意ないしは指導をしたか、明らかにされたい。

三 同航空幕僚長は、バグダッド空港については、「予断を許さない状況だと思う。ただ自衛隊が戦いに巻き込まれる危険はない」と発言しているが、政府も同様の認識であるか、明らかにされたい。

四 政府は、以前から、首都バグダッドが戦闘地域か非戦闘地域かの判断はしていないが、少なくとも「バグダッド空港と輸送機が飛ぶ経路は非戦闘地域」としていた。政府は、判決の指摘にもかかわらず、バグダッド空港およびクウェートからバグダッドまでの空路はすべて非戦闘地域であるとの認識の当否について、見直しの検討ないしは変更はしないか。バグダッド空港周辺では多数の死傷者を伴ういわゆるテロ事件が何度も発生しており、政府も把握していると思われるが、それでもバグダッド空港は非戦闘地域であると強弁するのであれば、その根拠を明確にされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の名古屋高等裁判所の判決(以下「本件判決」という。)は、控訴人らから被控訴人である国に対する自衛隊のイラク派遣等の違憲確認請求及び差止請求について不適法なものであるとして却下し、損害賠償請求について棄却した第一審判決に対する控訴を棄却する旨の国側勝訴の判決であり、本件判決のうち、航空自衛隊のイラクでの空輸活動は憲法に違反する活動を含んでいる旨を述べた部分は、判決の結論を導くのに必要のない傍論にすぎず、政府としてこれに従う、従わないという問題は生じないと考える。

政府としては、航空自衛隊のイラクでの活動は、憲法の範囲内でイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号。以下「イラク特措法」という。)に基づき適法に行われているものと認識している。

また、今後とも、イラク特措法に基づく航空自衛隊のイラクでの活動については、イラク政府による有効な統治の確立に向けた政治状況の進展、現地の治安に係る状況、国連及び多国籍軍の活動状況及び構成の変化等の諸事情を、政府としてよく見極めつつ、イラクの復興の進展状況等を勘案して、適切に対応してまいりたい。

二について

田母神航空幕僚長は、平成二十年四月十八日の記者会見において、本件判決後のイラク復興支援派遣輸送航空隊の雰囲気について、必ずしも正確な表現ではないが、自らの言葉で御指摘のような発言をしたものと承知している。

同航空幕僚長は、同月二十五日の記者会見において、発言の一部の表現が不適切であったとの認識を示しており、防衛省として同航空幕僚長に対する直接の注意等は行っていない。

三について

政府としては、イラクでは、依然予断を許さない状況が継続していると認識しているが、対応措置(イラク特措法第二条第一項に規定する対応措置をいう。以下同じ。)を実施しているバグダッド飛行場については、これまでに我が国が独自に収集した情報、諸外国等から得た情報等を総合的に判断し、同条第三項における、現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域に該当すると考えており、御指摘の田母神航空幕僚長の発言はこうした趣旨を述べたものと認識している。

四について

御指摘の「非戦闘地域」とは、イラク特措法第二条第三項における、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域をいうと考えられるが、政府としては、バグダッド飛行場及び航空機による輸送の業務における通過地域(空路)を含め、自衛隊が対応措置を実施する区域については、これまでに我が国が独自に収集した情報、諸外国等から得た情報等を総合的に判断し、現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域に該当すると考えている。

参議院の原文

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2008年5月2日 岡本 充功(民主党・無所属クラブ) 答弁 2008年5月13日
衆議院 第169回 第352号
提出 2008年12月18日 喜納 昌吉 答弁 2008年12月26日
参議院 第170回 第136号
提出 2007年4月11日 岡田 克也(民主党・無所属クラブ) 答弁 2007年4月20日
衆議院 第166回 第172号趣旨が明らかではない ×5
提出 2005年6月27日 辻 泰弘 答弁 2005年7月5日
参議院 第162回 第36号検討してまいりたい ×1

件名の語が重なる質問主意書

提出 2018年6月5日 宮川 伸(立憲民主党・市民クラブ) 答弁 2018年6月15日
提出 2018年4月23日 宮川 伸(立憲民主党・市民クラブ) 答弁 2018年5月11日
衆議院 第196回 第249号お答えすることは困難 ×2
提出 2015年7月2日 阿部 知子(民主党・無所属クラブ) 答弁 2015年7月10日
提出 2010年3月11日 赤嶺 政賢(日本共産党) 答弁 2010年3月19日
衆議院 第174回 第251号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる