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生活保護医療扶助運営要領に関する質問主意書

衆議院 第169回 第399号お答えすることは困難 ×2承知していない ×1個別の事案 ×2

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2008年5月19日
内閣転送 2008年5月21日
答弁書受領日
2008年5月27日
提出から8日
答弁の項目数
11
質問 2,759字/答弁 1,926字

質問本文

平成二十年四月一日付厚生労働省社会・援護局長通知「『生活保護法による医療扶助運営要領について』の一部改正について」(以下、本件通知)について、以下のとおり質問する。

一 厚生労働省が、平成二十年一月に同年二月八日を回答期限として、各自治体担当者に要請した一ヶ月三万円超の通院移送費に関する調査結果はどのようなものか。また、調査をしながら未だに結果を公表しない理由は何か。今後、公表する予定はないのか。

二 平成十九年度の通院移送費支給実績の全国の結果はどのようなものか。件数、金額を明らかにされたい。

三 平成二十年四月分の通院移送費支給実績の全国の結果はどのようなものか。件数、金額を明らかにされたい。

四 五月十五日の民主党ヒアリングで厚生労働省が配布した資料「生活保護における医療扶助の移送費の見直し」にある「医療扶助人員(入院外)一人あたり移送費、年間約四〇〇〇円」の記載の具体的な根拠は何か。計算式を示されたい。

五 本件通知「一般的給付」は「国民健康保険の例」によるとされているが、国民健康保険における直近の被保険者数、同保険全体の支給実績(件数、支給総額)、本件通知の一般的給付で援用されている四つの場合の各支給実績(件数、支給総額)を明らかにされたい。

六 本件通知「例外的給付」(ア)における「身体的障害等」の「等」には、知的障害、精神障害、疾患等により、移動困難な傷病者等が含まれると理解してよいか。仮に含まれるのであれば、身体障害などの障害者手帳を取得している者に限定されないことを明示して通知する必要があると考えるがいかがか。

七 六において、(ア)で電車、バス等を利用している者を除外した理由は何か。

八 本件通知「例外的給付」(イ)について、「へき地等」の定義および範囲を示されたい。

九 本件通知「例外的給付」(イ)について、東京二十三区であっても「交通費の負担が高額」であれば、「へき地等」に含まれると理解してよいか。

十 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の基準額を示されたい。示せない場合、その理由は何か。

十一 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合、「各実施機関」はどのような統計データに基づいて「高額」と判断するのか。その統計データの名称を具体的に教示されたい。

十二 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合で、かつ、準拠すべき統計データの具体的名称も示さない場合、「各実施機関が『高額』と考えるものが『高額』」という結論になるが、それで「移送費の給付範囲の明確化」を果たしたと考えるのか。

十三 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合で、かつ、準拠すべき統計データの具体的名称も示さない場合、「各実施機関が『高額』と考えるものが『高額』」という結論になるが、それで「移送費の給付範囲の明確化」を果たしたと考える場合、仮に東京都新宿区が「高額」を一万円超と定義し、東京都渋谷区が「高額」を五千円超と定義した場合、政府はそれを「適正」と判断するのか。「適正でない」と判断するとしたら、その根拠は何か。

十四 本件通知「例外的給付」(イ)について、「高額」の定義を示さず、「各地の実情に応じて各実施機関が判断する」という場合で、かつ、準拠すべき統計データの具体的名称も示さない場合、各実施機関から、各実施機関が「高額」と考える基準額とその根拠を示させ、地域間のばらつきを調整する必要が生じると思われるが、今回はそのような措置を取っていない。その理由を教示されたい。また、それで政府としての責任を果たしたと考えるのか。考えるとしたら、その理由を教示されたい。

十五 三月二十七日の参議院厚生労働委員会において厚生労働省の担当者は「基準を厳しくしたということではない」と答弁しているが、従来通院移送費の支給を受けていた者が、本件通知の実施によって、その支給を受けられなくなるという事態は起こりえないという趣旨と理解してよいか。仮に、そうでないとすれば、右の答弁との整合性について説明されたい。

十六 仮に実施機関が本件通知によって要件に当てはまらないと判断したために、二〇〇八年三月まで通院移送費の支給を受けていた者が、同年四月より通院移送費の支給を受けられなくなった場合、治療が受けられずに病気が重篤化する事案や、あるいは最悪の場合、死亡する事案も生じる可能性があると思われるが、政府はそのような事案が生じる可能性の有無を調査しているのか。調査していないとしたら、その理由は何か。

十七 仮に実施機関が本件通知によって要件に当てはまらないと判断したために、二〇〇八年三月まで通院移送費の支給を受けていた者が、同年四月より通院移送費の支給を受けられなくなった場合、治療が受けられずに病気が重篤化する事案や、あるいは最悪の場合、死亡する事案も生じる可能性があると思われるが、その際の主たる責任は厚生労働省にあるのか、各実施機関にあるのか。

十八 仮に実施機関が本件通知によって要件に当てはまらないと判断したために、二〇〇八年三月まで通院移送費の支給を受けていた者が、同年四月より通院移送費の支給を受けられなくなった場合、治療が受けられずに病気が重篤化する事案や、あるいは最悪の場合、死亡する事案も生じる可能性があると思われるが、そのような事態が起こらないよう、本件通知を撤回するつもりはないか。本質問にもかかわらず、本件通知の実施を強行して、結果として前記のような事態をもたらした場合、政府の責任は重大であると考えるがいかがか。

十九 治療を要する被保護者が通院を行うことは自立更生に必要不可欠であるが、「高額」でなければ医療移送費を支給しないという方針は通院に要する交通費は基本的に生活扶助費に含まれるとの考え方に基づくものであるか。仮にそうであれば、その根拠を示されたい。

二十 十九において、アルコール依存症の治療のための断酒会や精神障害者等の社会復帰相談事業を活用する際は自立更生に必要かつ有効であれば所要の金額が高額でなくても交通費が支給されることとの整合性はどうなのか。

二十一 本件通知が、通院移送費が原則として生活扶助費に含まれるとの解釈に基づくとすれば、それは、従来の実務運用や厚生労働省の立場を変更したこととなるが、かかる解釈変更を正当化する根拠は何か。また、生活扶助費のうち幾らが通院移送費相当部分となるのか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの調査結果については、現在取りまとめ中であり、今後公表する予定である。

二及び三について

医療扶助の移送費の支給実績については、厚生労働省において、毎年度六月末日までに、都道府県知事等から前年度の報告を受けることとなっており、現時点でお尋ねの件数及び金額についてお答えすることは困難である。

四について

お尋ねの「年間約四千円」は、平成十八年度の医療扶助の移送費給付総額である四十三億八千五百八十一万二千円を、各月の入院外医療扶助人員数の平均である百九万五千七百四十六人で除して得た値の概数である。

五について

お尋ねについては、平成十七年度国民健康保険事業年報によると、同年度末の老人医療受給対象者を除いた被保険者数は、四千二十六万九千五百二十六人である。また、同年度の移送費の支給実績は、老人医療受給対象者に支給されたものを除き、五百四十九件、二千九十五万六千円である。

御指摘の四つの場合の支給実績については把握していない。

六について

御指摘の「身体障害等」には、知的障害、精神障害、疾患等も含まれるが、御指摘の「移動困難な傷病者等」に対し実際に医療扶助の移送費を給付するか否かについては、福祉事務所において、「「生活保護法による医療扶助運営要領について」の一部改正について」(平成二十年四月一日付け社援発第〇四〇一〇〇五号厚生労働省社会・援護局長通知。以下「移送費通知」という。)で示した一定の手順に従い、個々の事案ごとにその内容を審査の上、判断することとなるものである。厚生労働省としては、「身体障害」が例示であることは明らかであり、御指摘のように「身体障害などの障害者手帳を取得している者に限定されないことを明示して通知する必要がある」とは考えていない。

七について

電車、バス等の利用が著しく困難でない場合には、通常、最寄りの医療機関に受診することが阻害されるとは考えられないからである。なお、電車、バス等を利用する場合であっても交通費の負担が高額になる場合には、移送費の支給対象になる場合がある。

八及び九について

御指摘の「へき地等」については、具体的な範囲等を想定して規定しているものではなく、「へき地」も「最寄りの医療機関に電車・バス等により受診する場合であっても当該受診に係る交通費の負担が高額になる」理由の一例として示したものであり、東京都特別区が排除されるものではない。

十から十四までについて

厚生労働省としては、電車、バス等の料金は地域によって異なるものであり、実際に最寄りの医療機関に行くまでの交通費の負担も地域によって様々であることから、「高額」の基準額を具体的に示すことは困難である。

また、六についてで述べたとおり、実際に医療扶助の移送費を給付するか否かについては、福祉事務所において、移送費通知で示した一定の手順に従い、個々の事案ごとにその内容を審査の上、判断するものであり、移送費の給付範囲を一律に定め、明確化することは適切でないと考える。

今後、移送費通知に照らし不適切な事例が明らかとなった場合には、自治体に対し、必要な指導を行ってまいりたい。

十五について

移送費通知の発出により「移送に必要な最小限度の額」を支給するというこれまでの基準を変更するものではなく、移送費通知に基づいて検証を行い、この基準を満たしていると判断される場合には、従来どおり移送費が支給されるものである。

十六から十八までについて

厚生労働省としては、もとより、移送費通知の発出により、必要な医療が受けられなくなるようなことがあってはならないと考えており、今後とも、移送費通知の趣旨の徹底に努めることとしている。御指摘の調査については、これを実施する予定はないが、現在、各自治体において、移送費通知に照らし適切な取扱いがなされているかどうか検証を行っているところであり、厚生労働省としては、その結果も踏まえ、必要な指導を行ってまいりたい。

十九から二十一までについて

従来より、通院に要する交通費の負担が医療機関に受診することを阻害するものでない場合は、当該交通費は「移送に必要な最小限度の額」に該当せず、医療扶助の移送費を支給しないこととしており、移送費通知の発出により、この方針を変更するものではない。この方針は、医療機関に受診することが阻害されないように医療扶助の移送費を支給するという考え方に基づくものであり、この考え方は「アルコール依存症の治療のための断酒会や精神障害者等の社会復帰相談事業を活用する際」に、その活用が阻害されないよう生活扶助の移送費を支給することと整合性がとれているものと考える。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2承知していない ×1個別の事案 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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