ことばで探す › 衆議院 第168回
自立支援医療に関する質問主意書
衆議院 第168回 第187号承知していない ×7
質問本文
一 障害者自立支援法施行によって始まった自立支援医療により、精神科医療機関への受診に関してどのような変化があったか厚生労働省は把握しているか。把握している場合、その受診状況の変化はどのようになっているか。把握していない場合、それはなぜか。把握する必要があると考えるが、今後把握していくのか。
二 一に関連して精神科通院患者の負担増により、外来やデイケアあるいは訪問看護の回数を減らすといった受診抑制を招いている実態はないか。そうした実態を把握している場合、なんらかの対策を講じているか。講じている場合、その対策のすべてについてお答えいただきたい。講じていない場合、それはなぜか。今後、なんらかの対策を講じる考えはあるか。
三 精神科通院患者は、自立支援医療によって、受診が不可能になったり、受診を減らすなど大変厳しい状況に置かれている。精神科通院患者および患者を抱える家族の自殺および自殺未遂の件数について厚生労働省は把握しているか。把握している場合、その自殺および自殺未遂の件数はどのように推移しているか。把握していない場合、それはなぜか。把握する必要があると考えるが、今後把握していくのか。
四 自立支援医療による精神科通院患者の受診の際の負担増の結果、高額の薬が使えなくなった実態はないか。把握している状況をお教え願いたい。
五 自立支援医療では自己負担額に上限が設けられているが、これは世帯の収入により決定されることとなっている。そのため、上限額を下げるため、もしくは上限までも払えないという理由で、世帯分離を行い、単独の国保に入ったり、生活保護に移行した障がいの方々がいる。新たに世帯分離をして生活保護を受けるようになった人数についてその実態を把握しているか。その人数は何人か。もし把握していないならば調査すべきと考えるがいかがか。
六
�@ 五で指摘したように障害者自立支援法という法律のために世帯分離せざるを得なくなるのは大変問題である。政府は法律によって世帯分離が増えている現状をおかしいと思わないか。どのように考えているか。
�A 精神障害者手帳の制度が障害者自立支援法に組み入れられなかったことにより、障害年金・障害者手帳・自立支援医療と、それぞれ個別に手続きが必要になり、このことが患者さん、医療機関、自治体担当者の全てに対して非常な負担をもたらしている。厚生労働省はそのような状況を把握しているか。今後なんらかの対応をしていくのか。
�B 精神保健及び精神障害者福祉法第四五条の制度の下においては精神障害者保健福祉手帳の更新が二年ごとであったのに、自立支援医療の制度においては毎年更新になり、患者さんの経済的負担増や、医療機関、自治体担当者の事務的混乱を招いている。厚生労働省はそうした状況を把握しているか。今後なんらかの対応をしていくのか。
�C これまでの精神保健及び精神障害者福祉法第四五条の申請では住所・氏名を書く書類が一枚と診断書だけだったが、自立支援医療になって、申請書、健康保険証のコピー、自治体が所得を調べるための「承諾書」(同一保険に入っている人全員の署名と印)、診断書、重度かつ継続かどうかを記す書類の計五枚が必要になった。その結果、申請後の審査に時間がかかるようになり、地域によっては受給者票が三ヶ月以上発行されないという現実がある。このため一人一人の上限額が分からないので、精神科医療機関は患者さんにいくら負担していただくべきか分からないという事態になっている。またこの間、医療機関はレセプトを提出できないという事態が起こっている。このように受給者票の発行が大幅に遅れることにより、医療機関の事務作業量の増加の実態あるいはレセプト提出を見送らざるを得ないことによる医療機関の収入減の実態を把握しているか。厚生労働省は、なんらかの対策をとっているか。
�D 患者、医療機関、行政担当者の多大な犠牲の上で、自立支援医療は、障害者自立支援法施行前の制度と比較してどれだけの国費削減を生み出しているのか。二〇〇一年度から二〇〇七年度予算ベースまでその推移についてお答えいただきたい。またその額の推移について見解を述べられたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについて、診療報酬明細書(以下「レセプト」という。)の件数の変化についてみると、障害者自立支援法(平成十七年法律第百二十三号。以下「法」という。)の施行前の平成十七年度における通院医療に係るレセプトの一月当たりの平均件数は約百四十六万件である一方、法の施行後の平成十八年度における精神通院医療に係るレセプトの一月当たりの平均件数は約百四十七万件となっている。
二について
厚生労働省としては、御指摘の「受診抑制を招いている実態」については承知していない。
三について
厚生労働省としては、お尋ねの「自殺および自殺未遂の件数」については、これまで調査を実施したことがなく把握していないが、地方自治体等からのレセプト件数の報告等に基づき自立支援医療制度の適正な運用に努めているところであり、「自殺および自殺未遂の件数」について把握するため調査等を実施する考えはない。
四について
厚生労働省としては、御指摘のような実態については承知していない。
五及び六の�@について
厚生労働省としては、お尋ねの「新たに世帯分離をして生活保護を受けるようになった人数」の実態については把握していないが、自立支援医療については、所得の低い方や相当額の医療費が継続的に生じる方を対象として、世帯員の所得や障害者又は障害児の保護者の収入に応じた利用者負担上限月額を設定するなどきめ細かな負担軽減措置を講じていることから、おおむね無理のない利用者負担となっているものと考えており、御指摘の調査を行うことは考えていない。
六の�Aについて
厚生労働省としては、御指摘のような状況については承知していないが、障害年金、精神障害者保健福祉手帳及び自立支援医療については、それぞれ異なる制度として運用されており、その交付又は支給に当たっては、それぞれ所定の手続を行っていただく必要があると考えている。
六の�Bについて
厚生労働省としては、御指摘のような状況については承知していないが、自立支援医療費の支給認定に当たっては、有効期間を一年以内として支給認定の更新手続を行うことにより、公費負担医療の必要性をよりきめ細かく確認し、適切な認定を行う必要があると考えている。
六の�Cについて
厚生労働省としては、御指摘のような実態については承知していないが、五及び六の�@についてで述べた負担軽減措置を適切に実施するためには、申請書の他に複数の書類による一定の事項の確認等が必要であると考えている。
六の�Dについて
法の施行前の育成医療、更生医療及び通院医療並びに法の施行後の自立支援医療(以下「自立支援医療等」という。)に係る国庫負担の推移について、お尋ねの平成十三年度から平成十九年度までの状況をみると、補正後予算では、平成十三年度が約五百十三億円、平成十四年度が約五百一億円、平成十五年度が約六百七十六億円、平成十六年度が約七百五億円、平成十七年度が約七百八十六億円、平成十八年度が約八百六十二億円となっており、また、平成十九年度は当初予算で約千三百十三億円となっているところである。厚生労働省としては、自立支援医療等については、必要な予算額を確保しているものと認識しており、「国費削減を生み出している」との御指摘は、当たらないものと考える。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。