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死亡事故を起こしたシンドラー社製エレベーターをはじめ警察に押収された事故を起こした製品の調査に関する質問主意書
衆議院 第170回 第303号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×5
質問本文
二年半前の平成一八年六月三日、東京都港区で、シンドラー社製のエレベーターがドアを開いたまま急上昇し、一六歳の高校生男子がはさまれ窒息死した。
警察が事故機を押収したが、未だ遺族には原因も知らされていない。
エレベーター所管省庁の国土交通省ですら二年半たってやっと警察に押収された事故機を見せてもらうという。
そこでお尋ねする。
一 国土交通省は、これまでなぜ、当該事故機を実際に見て、調査しなかったのか。また、これまで警察に事故機を調査させてほしい旨の依頼をしたのか。依頼をしていなければ、なぜなのか。
二 事故から二年半も国土交通省が事故機の調査をしなかったことに関して政府は適正だったと考えるか。なぜ、二年半たった今、事故機の調査をするのか。
三 なぜ、警察はこれまで当該事故機を国土交通省にすら見せなかったのか。同じ公務員で守秘義務も課されているのになぜなのか。そしてなぜ、今、事故機を国土交通省に見せるという決断をしたのか。
四1 本事故以前及び本事故後、シンドラー社製のエレベーター事故は何件把握しているのか、件数を本事故以前と本事故後に分けてそれぞれお示し願いたい。また、事故ごとに原因など詳細をお示し願いたい。
さらに、事故機と同機種を現在も使用しているケースがある場合、安全性は保障できるのか。
2 本事故後に再度事故がある場合は、二年半たっても事故原因の解明ができないために、その後の事故が防止されなかったということなのか。見解を問う。
3 本事故以前及び本事故後、シンドラー社製以外のエレベーター事故は何件把握しているのか、件数を本事故以前と本事故後に分けてそれぞれお示し願いたい。また、事故ごとにメーカー名と原因など詳細をお示し願いたい。メーカー名が公表できない場合は、どのような法令に基づいて公表しないのか、根拠法令もお示し願いたい。
4 また、国家公務員のエレベーターメーカーや関連保守会社等への天下り人数をお示し願いたい。把握していないのであれば、すべての天下りを調査するつもりはないのか。
5 今後の事故防止のために、どのような対策を取るのか。対策ごとに期限を記載してお示し願いたい。
6 シンドラー社製またはシンドラーグループ社製のエレベーターの海外の事故は何件把握しているのか。また、今回と類似の事故はあったのか。
7 諸外国において、二重ブレーキを義務化または法制化した時期をお示し願いたい。二重ブレーキを義務化または法制化した理由を併せて各国ごとにお示し願いたい。
8 日本でも二重ブレーキを義務化する予定だが、本件事故は、今回義務化する二重ブレーキがあれば防げたものだったのか。
そうだとすれば、なぜ今まで義務化されていなかったのか。
五 いつごろを目処に遺族へ事故原因を伝えるのか。年内なのか、もう一年かかるのか。また、今回の事故において政府の責任はあるのか。あるとすれば、政府は遺族に謝罪するつもりはあるのか。
六 今回のケースのように、同種製品等で、再発可能性のある事故が発生した場合、警察は捜査の秘密を盾に、押収した事故機を製品所管省庁にすら見せないことがある。この対応では、原因究明・再発防止を大幅に遅らせてしまう。
今後、同種製品等で、再発可能性のある事故が発生した場合、警察は、事故機を押収した直後から、事故機の所管省庁や関係省庁には、事故機の現物を見せて調査を認めるという措置を取るようにすべきと考えるが、いかがか。
警察庁は、そのような通達を出すべきと考えるが、いかがか。
以上、内閣の見解を問う。
質問番号を束ねて粗く不誠実な回答をするのではなく、質問番号ごとに分けて誠実に回答を頂くことをお願いする。
右質問する。
政府答弁書
一について
国土交通省としては、御指摘の事故に関し、特定行政庁である東京都から、警視庁により事故現場への立入りが事故発生当初禁止されている旨の報告を受けたこと及び当該事故機が警視庁により捜査のため押収されたことを踏まえ、事故発生から本年九月までの間、警視庁に対して同省による事故機の調査に関する要請を行わなかったところである。
二について
お尋ねの点については、これまで警視庁による捜査を優先してきたものであり、政府としては適正な対応を行ってきたと考えている。
国土交通省としては、御指摘の事故の発生から約二年半が経過しても事故原因が明らかになっていないこと等を踏まえ、本年十月に、警察庁を介して警視庁に対し、事故の再発防止の観点からの社会資本整備審議会による事故機の調査について要請したところ、捜査当局から調査は可能である旨の回答があったことから、調査することとしたものである。
三について
警視庁によると、御指摘の事故機を押収した後、国土交通省から事故機の調査に関する要請を受けたことはなかったところ、本年十月に、同省から当該要請を初めて受けたことから、これに応じることとしたとのことである。
四の1及び2について
国土交通省において、過去五年間に発生したシンドラーエレベータ株式会社製エレベーターに係る人身事故として把握しているものは、「本事故以前」である平成十五年八月一日から平成十八年六月三日までの間に発生した一件の事故及び「本事故後」である平成十八年六月四日から平成二十年八月二十日までの間に発生した三件の事故であり、それぞれの事故の発生日及び態様は、特定行政庁によれば、次のとおりである。なお、御指摘の事故と類似の態様のものはなく、また、これらの事故の原因については把握していない。
(1) 「本事故以前」
�@平成十八年一月十四日 かごの着床位置のずれ
(2) 「本事故後」
�@平成十八年六月二十四日 かごの着床位置のずれ
�A平成十八年十月二十九日 かごの着床位置のずれ
�B平成十九年九月十二日 主索のすべり
また、お尋ねの「事故機と同機種を現在も使用しているケース」の安全性については、先の答弁書(平成二十年十月二十四日内閣衆質一七〇第一二五号)三についてでお答えしたとおりである。
四の3について
国土交通省において、過去五年間に発生したシンドラーエレベータ株式会社製以外のエレベーターに係る人身事故として把握しているものは、「本事故以前」である平成十五年八月一日から平成十八年六月三日までの間に発生した八件の事故及び「本事故後」である平成十八年六月四日から平成二十年八月二十日までの間に発生した十七件の事故であり、それぞれの事故の発生日、事故機のメーカー名等及び態様は、特定行政庁等によれば、次のとおりである。なお、これらの事故の原因については把握していない。
(1) 「本事故以前」
�@平成十五年十月十七日 ナショナルエレベーター工業株式会社 戸のすき間からの転落
�A平成十六年七月八日 三菱電機株式会社 戸への挟まれ
�B平成十六年七月十五日 フジテック株式会社 戸のすき間等への引き込まれ
�C平成十七年一月二十七日 日本オーチス・エレベータ株式会社 戸のすき間からの転落
�D平成十七年五月七日 横浜エレベータ株式会社 戸を突き破って転落
�E平成十七年七月七日 フジテック株式会社 戸の開閉異常
�F平成十七年十一月十三日 株式会社日立製作所 閉じ込め
�G平成十八年三月二十七日 フジテック株式会社 閉じ込め
(2) 「本事故後」
�@平成十八年七月八日 株式会社日立製作所 閉じ込め
�A平成十八年八月七日 個人 かご下面への挟まれ
�B平成十八年八月十四日 株式会社日立製作所 かごの着床位置のずれ
�C平成十八年八月十八日 日本オーチス・エレベータ株式会社 閉じ込め
�D平成十八年八月二十二日 三精輸送機株式会社 戸のすき間等への引き込まれ
�E平成十八年八月二十七日 日本オーチス・エレベータ株式会社 戸のすき間等への引き込まれ
�F平成十八年九月二十六日 株式会社日立製作所 戸に引っかかったひもによる指の切断
�G平成十八年十月二十五日 株式会社日立製作所 戸に引っかかったひもによる指等の切断
�H平成十九年四月十八日 株式会社日立製作所 戸の開放による転落
�I平成十九年六月五日 フジテック株式会社 かごの着床位置のずれ
�J平成十九年六月八日 フジテック株式会社 戸のすき間等への引き込まれ
�K平成十九年七月二十八日 株式会社日立製作所 戸のすき間等への引き込まれ
�L平成十九年九月十四日 日本オーチス・エレベータ株式会社 閉じ込め
�M平成二十年三月三日 三菱電機株式会社 かごの着床位置のずれ
�N平成二十年三月七日 東芝エレベータ株式会社 戸のすき間等への引き込まれ
�O平成二十年七月十六日 フジテック株式会社 戸のすき間等への引き込まれ
�P平成二十年八月十二日 株式会社日立製作所 戸のすき間等への引き込まれ
四の4について
御指摘の「エレベーターメーカーや関連保守会社等」の対象範囲が明確でなく、お尋ねについて網羅的にお答えすることは困難であるが、平成十六年度から平成十八年度までの間に中央省庁の課長・企画官相当職以上で退職した国家公務員のうち、社団法人日本エレベーター協会の会員であって、同協会が把握している平成十九年度末におけるエレベーターの設置台数に占めるシェアが一パーセントを超える会社(三菱電機株式会社、株式会社日立製作所、東芝エレベータ株式会社、日本オーチス・エレベータ株式会社、フジテック株式会社、パナソニックホームエレベーター株式会社、クマリフト株式会社、シンドラーエレベータ株式会社、日本エレベーター製造株式会社及びサイタ工業株式会社)及びその関連会社であってエレベーターの保守点検等を行っている会社(三菱電機ビルテクノサービス株式会社及び株式会社日立ビルシステム)に再就職した者の人数をお示しすると、二名である。
四の5について
御指摘の事故の再発を防止する観点から、社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会の報告を踏まえ、建築基準法施行規則(昭和二十五年建設省令第四十号)の改正等を行い、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第十二条第三項に基づく定期検査等の具体的な検査方法等を規定し、平成二十年四月一日に施行したところである。また、建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)の改正を行い、駆動装置又は制御器に故障が生じ、かごの停止位置が著しく移動した場合等において自動的にかごを制止する装置(以下「戸開走行保護装置」という。)の設置を義務付け、平成二十一年九月二十八日に施行することとしたところである。
四の6について
シンドラーホールディングAG及びその関連会社が製造したエレベーターに係る海外における人身事故については、米国及び香港においてそれぞれ一件の事故があったと承知しているが、現時点においては、これらの詳細については把握していない。
四の7について
お尋ねの諸外国における「二重ブレーキ」の設置の義務付けの状況については把握していない。なお、米国においては、米国機械学会が定めるエレベーターの統一的な規格において戸開走行保護装置の設置に係る規定が、欧州連合においては、欧州標準化委員会が定めるエレベーターの統一的な規格において「二重ブレーキ」の設置に係る規定がそれぞれ設けられていると承知している。
四の8について
お尋ねは、建築基準法施行令の改正による戸開走行保護装置の設置の義務付けに関するものと思われるが、同改正は、かごの戸及び昇降路の戸が開いたままエレベーターのかごが昇降することによる事故の発生を防止するためのものであり、御指摘の事故が戸開走行保護装置により防げたものであったかについては現時点ではお答えできない。
なお、当該事故発生前に、かごを主索で吊るエレベーターにおいて、当該事故と類似の態様の事故が発生していたとの事実は、把握していない。
五について
警察庁としては、御指摘の事故については、警視庁において現在捜査中のところ、当該捜査の結果を御遺族に連絡する時期を現段階でお答えすることは困難であるが、警視庁において、捜査の進捗状況を、今後の見通しも含め、適時に御遺族に連絡しているものと承知している。
なお、国土交通省としては、社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会及び同部会のエレベーターワーキングチームにおいて、エレベーターの安全確保の観点から当該事故について審議を行い、その結果については、適時に、御遺族に説明してきたところである。
また、政府としては、御指摘の事故に関し、国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)に定める損害賠償責任を政府が負うものではないと考えている。
六について
御指摘の「同種製品等で、再発可能性のある事故が発生した場合」が何を指すかについては必ずしも明らかではないが、警察庁においては、エレベーター等の工作物に起因する事故に関し、都道府県警察が押収した当該工作物の調査等に関する要請が国土交通省からなされた場合には、捜査に支障のない範囲で協力する必要があることについて、都道府県警察に対し、通達を発出する等により指導を行っている。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1承知していない ×5
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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