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雇用促進住宅の全面廃止に関する質問主意書

衆議院 第170回 第50号お答えすることは困難 ×1

提出者
日本共産党
提出日
2008年9月29日
内閣転送 2008年10月1日
答弁書受領日
2008年10月7日
提出から8日
答弁の項目数
9
質問 3,156字/答弁 835字

質問本文

政府は先ごろ、かねてから進めている雇用促進住宅の廃止に関わって、本年四月までに廃止決定を行った住宅の入居者に発出を始めていた「契約更新拒絶通知書」をいったん撤回するとともに、すべての廃止決定済み住宅で「全入居者に対して十分かつ丁寧な説明を行う」(日本共産党国会議員団への説明)までは、契約更新拒絶通知を行わないなどの方針(以下、新方針)を決め、これを受けて目下、独立行政法人雇用・能力開発機構(以下、「機構」)が発出済み文書の取り消し連絡などの作業を進めている。

今回、新方針で生まれた一定の時間的余裕は、入居者が自らの今後の生活プランを考え、準備する機会となりうることはいうまでもないが、この際、国においても、国民とともに住宅廃止問題をあらためて深く検討しなおす機会とするべきである。現時点でも国が全住宅廃止の方針を変えようとせず、全国の三十数万人に及ぶ人々の住居を奪うという前代未聞の暴挙が、入居者、国民の間ではもちろん国会でもほとんど議論されないまま、閣議決定のみで推進されていることは、まったく正当性を得ていない。

当職ならびに日本共産党はこの間も、政府が全廃方針をただちに撤回し、根本的な再検討を行うことが必要だとの立場から、対応を申し入れてきたところであるが、同時に現在、「機構」もこのたびの新方針を部内に徹底する過程にあることも手伝って、住宅の現場では種々の疑問や当惑など混乱が生じており、早急に適切な対応が必要な状況であると考える。そこで以下、政府に対し質問する。

一 厚労省が新方針を決めた八月以降も、「機構」の実務との間にズレがあるため、契約期限切れでの退去を求める旨の内容証明便が送り続けられているという情報を耳にしているが、現時点ではどのようになっているか。また、まだ発出が続いているなら、当然、ただちに停止するべきではないか。

二 新方針は「全入居者に対して十分かつ丁寧な説明を行う」としているが、住宅の性格上も勤務等でやむをえず説明会を欠席せざるをえない人が相当数にのぼると考えられる。今回の住宅廃止と退去要請は、従来、公営住宅等の建て替え時に行われた代替住居の提供やあっせんも行われる予定がなく、まさに入居者の生活権の根本に関わる重大な問題となっているだけに、説明会はきわめて重要である。その点で、

(1) たとえ一部であれ、面談と肉声による説明を受け各自の意見や事情を述べる機会がないまま、退去通告を受けるようなことがあってはならないと思うが、説明は一世帯も欠かすことなく完全に行う方針と考えてよいか。

(2) 説明される内容について入居者から、即答が困難な質問や新しく検討すべき問題の提起があった場合、また、説明会場(説明者)により内容に不一致が明らかになった場合などには当然、追加説明のための会合を開催しなければならないと考えるが、どうか。

三 「機構」は今年五月以後、住宅廃止や契約終了に関する事前の連絡文書をきわめて事務的にポストへ投函しただけで、自ら「鉄則」としていた「面談による説明」をもないがしろにして退去手続きを進めていたことを陳謝した。また、定期契約者に対しては「自動的に契約が終了するので、説明は不要」と、無条件退去を求めてきたが、ようやくこのたびの新方針で、全入居者への説明会開催とともに、「適切かつ公平に退去に向けた準備期間を確保するよう努める」ことがうたわれるに至った。ところがなお、普通契約者については少なくとも説明会完了予定の本年三月末までは一律固定的に退去期限が延長されているのに対して、定期契約者については現在の契約期間が終了した後、平成二十二年十一月末までの再契約は「退去困難と認められる事由がある場合」に限られるとされている。その結果、定期契約の入居者は、説明会が開催されないままでも日時の経過とともに刻々と退去期限に迫られ、事態を理解し得ないまま不安の日々を送っているのが実情である。早ければ本年十二月末にも一部の契約期間が満了することを考えれば、そうした入居者は説明会開催を待たず退去をさせられることになりかねない。これは「全入居者に対して十分かつ丁寧な説明を行う」「適切かつ公平に退去に向けた準備期間を確保するよう努める」という新方針の大前提に背反するものといわなければならない。

そこで質問する。

(1) これまでも契約期間満了に六ヶ月以上を残していない普通契約者には契約更新が行われるとされてきたが、新方針による説明会の完了が来年三月よりも遅れる場合、契約更新拒絶通知の発出がその分だけ順次繰り下げられ、契約更新の行われる期間も延長されると理解して差し支えないか。

(2) 右のように、説明会完了の遅れにより新たに発生する契約更新の対象者については、来年三月末の説明会完了期限の経過を待つことなく、一定の期間を確保してその旨をあらかじめ通知するべきであると考えるが、どうか。

(3) 前述したこの間の状況に鑑みるとき、定期契約者についても普通契約者と同じく、説明会完了までは契約期間終了の対象としないこと、少なくとも、説明会完了の時点で契約期限に六ヶ月を残していない場合は「退去困難と認められる事由」と見なして再契約するべきであると考えるが、どうか。

(4) 当職のもとには、新方針決定以前に契約終了予告を受けたため、新居の建築による移転を決意したが、完成までに要する数ヶ月間の入居延長を要望したものの拒否され、やむをえず他の雇用促進住宅への入居契約を結ぼうとしたところ、二年間の定期契約を求められ、新築のローンとの二重払いに悩み続けた入居者からの相談も寄せられた。こうした問題も元をただせば、政府・「機構」の身勝手な住宅廃止方針と不適切な対応、方針変更によるものであり、国および「機構」は誠意をもって丁寧に対応し解消に努める必要がある。こうした問題をどのように考えているか。

四 いまだ廃止決定されていない住宅においてはもちろん、廃止が決定された住宅であっても、入居者がそこにおいて生活する以上は、その間の正当な要求に対して、「機構」は誠実に対応しなければならない。その点で、

(1) これまで滞りがちとの批判が多い営繕について、どのように対応していくつもりか。

(2) エレベーターのない高層階に住む高齢の入居者が、低層階への移転を希望している要望を、当職も少なからず耳にする。廃止未決定住宅はもとより空室が増えている廃止決定住宅においても、残る入居期間でも生活の便益を得たいとの要望には応えるべきではないかと考えるが、どうか。

五 現時点で廃止決定された約半数の住宅においてさえ、生活の本拠たる住宅を奪われる人々の不安と怒りはきわめて大きく深刻であるが、今後、残りの住宅のすべてをも廃止決定し、入居者に退去を迫ることになれば、それによって惹起される事態は想像を絶するものになることは疑いない。よって、これ以上の廃止決定拡大は決して行うべきではない。しかし、その一方、政府・「機構」の方針でも最終的な廃止期限が平成三十三年度までと設定されているもとで、入居者の事情はもとより、耐用年数経過など建物の状況にも特段の事由がないにも関わらず、ただ「閣議決定」の一点で一方的、恣意的に早々と廃止決定され、退去を求められている多くの入居者にとっては、この差別と格差はとうてい受容できないところである。そうした点から、今回の新方針に至る一連の経過は、全廃方針そのものが、生活権を無視した道理のない不当・不法なものであることを示している。したがって、住宅廃止そのものの撤回を含めて、問題を根本的に再検討すべきと考えるが、どうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

独立行政法人雇用・能力開発機構(以下「機構」という。)から聴取したところによると、現時点では、借地借家法(平成三年法律第九十号)第二十六条第一項に基づく賃貸借契約の更新を拒絶する旨の通知を発出しているという事実はないとのことである。

二の(1)について

機構から聴取したところによると、勤務等でやむを得ず説明会を欠席せざるを得ない入居者については、宿舎管理人が説明のため、個別に訪問することとしているとのことである。

二の(2)について

機構から聴取したところによると、御指摘のような場合には、必要に応じて、追加の説明を行うこととしているとのことである。

三の(1)及び(2)について

機構から聴取したところによると、説明会については、今年度中にすべての住宅において完了する予定であるとのことである。

三の(3)について

機構から聴取したところによると、建物賃貸借契約の内容が借地借家法第三十八条に規定する定期建物賃貸借である入居者については、個別の事情に応じ、退去することが困難であると認められる事由がある場合には、平成二十二年十一月三十日までの再契約を締結することとしているとのことであり、厚生労働省としては、御指摘の措置は必要ないものと考えている。

三の(4)について

御指摘のような住民からの個別の要望については、賃貸借契約の当事者である機構において、適切に対応すべき問題であると考えている。

四の(1)について

法令又は契約に基づく必要な修繕については、機構において、適正にされるべきものと考えている。

四の(2)について

御指摘のような住民からの個別の要望については、機構が適切に対応すべき問題であると考えている。

五について

雇用促進住宅については、平成十九年六月二十二日に閣議決定された「規制改革推進のための三か年計画」において、「遅くとも平成三十三年度までにすべての処理を完了する」こととされており、この方針を再検討することは考えていない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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