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農林水産省職員によるヤミ専従問題に係る調査の組合側への事前通告に対する農林水産大臣及び同省事務次官の認識に関する質問主意書
衆議院 第171回 第235号
質問本文
農林水産省の職員百四十二人が、勤務時間中に許可を得ることなく組合活動を行ういわゆるヤミ専従を行っていた疑いが浮上していながら、同省としてそれを隠し、またヤミ専従問題について、松島浩道農水省秘書課長が、同省において百四十二人の職員がヤミ専従を行っていたことが明らかになった昨年四月三日の翌四日に、全国の農政事務所長ら四十六の出先機関の幹部を前にして「このようなことが明るみに出たら地方組織は維持できない」と発言、全農林労働組合にヤミ専従問題について再調査することを予告して、同月九日に全国の農政局並びに農政事務所に文書で再調査の指示を出していたことが明らかになっている。更に、全農林労働組合に対してヤミ専従問題についての調査(以下、「調査」という。)を行う際、事前に組合側に通告することを、当時の若林正俊農林水産大臣や白須敏朗農水事務次官にも報告していたことを、本年三月十八日、井出道雄農水事務次官と松島課長が記者会見で明らかにしたと承知する。右を踏まえ、質問する。
一 「調査」を行う際、事前に組合側に通告することを当時の若林大臣や白須次官に報告していた者は誰か。その者の官職氏名を明らかにされたい。
二 一の報告をすることを発案した者は誰か。その者の官職氏名を明らかにされたい。
三 一の報告はどの様な経緯で行われていたのか。当時の若林大臣や白須次官からの要求によってか。
四 一の報告は過去何度に渡り、いつ、どこで行われたか、それぞれの日にち、場所を全て明らかにされたい。
五 一の報告を記録した文書は農水省において保管されているか。
六 一の報告を受け、当時の若林大臣や白須次官は何らかの指示を下したか。
七 農水省によるヤミ専従問題の推移を見ても、同省においてこれまで「調査」が適切に行われて来たとは到底言えないと考えるが、農水省の見解如何。
八 そもそも農水省において、一の報告が行われていたのはなぜか。右は、二の者が、同省の最高幹部を巻き込み、ヤミ専従問題の事実関係を隠蔽しようという意図を持っていたということか。
九 農水省において、一の報告が行われていたことは適切であったか。石破茂農林水産大臣の見解如何。
十 農水省におけるヤミ専従問題につき、本年三月十五日、石破大臣は大臣直属の監察機関を同省内に設置する考えを示したと承知するが、ヤミ専従問題に係る当時の最高幹部の関与についての事実関係を明らかにし、国民に説明を行うべく、右の監察機関を通じ、当時の若林大臣や白須次官に対して一の報告等について話を聞く考えはあるか。石破大臣の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一から四まで及び六について
平成二十年三月、一部の地方農政事務所において、組合幹部は仕事をしていない旨の投書があったことを受け、同年四月、農林水産省において、職員団体役員の勤務実態を幅広く把握し、不適切な状況があれば是正することを目的として調査を実施したところである。同調査に先立って松島農林水産省大臣官房秘書課長から当時の白須農林水産事務次官に対し、農林水産事務次官の執務室において、調査を行うに当たって、投書の内容、無許可専従(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の六第一項ただし書の規定に基づく許可を受けることなく職員団体の業務に専ら従事することをいう。以下同じ。)問題への基本的な対応方針等について説明を行い、了解を得ている。また、調査終了後に、松島農林水産省大臣官房秘書課長から当時の白須農林水産事務次官に対し、農林水産事務次官の執務室において、調査結果の概要及び当該結果を踏まえた対応方針等について、説明を行っている。その際に、当時の白須農林水産事務次官からは、全農林労働組合にも是正方策をしっかり検討してもらうことが必要との趣旨の指摘があったところである。
松島農林水産省大臣官房秘書課長から当時の若林農林水産大臣に対し、調査終了後に農林水産大臣の執務室において、投書の内容、調査結果の概要、無許可専従問題に対してとった基本的な対応等について、説明を行っている。その際に、当時の若林農林水産大臣からは、このような問題はしっかり是正することが必要であるとの趣旨の指摘があったところである。
五について
御指摘の報告の内容を記録した文書は作成していない。
七について
無許可専従の事実の有無については、平成二十年五月から九月にかけて、総務省の指示により全府省において一斉点検が行われた。農林水産省の調査においては、点検の対象に該当するような事実は確認できなかったところであり、その旨を総務省に報告している。
一方、平成二十年四月に農林水産省が行った調査は、一についてで述べたとおり、この全府省における一斉点検とは別に、同年三月、一部の地方農政事務所において、組合幹部は仕事をしていない旨の投書があったことを受け、職員団体役員の勤務実態を幅広く把握し、不適切な状況があれば是正することを目的として、農林水産省が独自に実施したものである。
この調査について、例えば、職員団体役員本人への十分な聞き取りや、勤務実態を示す文書の確認を行わなかったことなど、不十分な面があったことから、改めて徹底した確認を行うこととし、農林水産省において再調査を行っているところである。
八及び九について
当時の白須農林水産事務次官に対しては、職員団体役員の勤務実態を幅広く把握し、不適切な状況があれば是正することを目的とした調査を行うに当たり、投書の内容、無許可専従問題への基本的な対応方針等について、また、当該調査終了後に、調査結果の概要及び当該結果を踏まえた対応方針等について、それぞれ了解を得る必要があると考えたため、説明を行ったものである。一方、当時の若林農林水産大臣に対しては、調査終了後に、投書の内容、調査結果の概要、無許可専従問題に対してとった基本的な対応等について、報告を行う必要があると考えたため、説明を行ったものである。
なお、農林水産省が、平成二十年四月の調査に際し、事前に職員団体に対し説明を行ったのは、職員団体役員の活動内容についての調査を含むことから、組合活動への不当な介入であるとの誤解が生じる可能性をできるだけ減じようと考えたためであると承知している。しかしながら、当該調査の性格を考慮すれば、これに先立ち事前に職員団体に説明を行ったことは、国民の疑念を招くものであったと考えている。
十について
平成二十一年三月二十七日時点で、農林水産省において御指摘の監察機関のような部局は設置されていないが、無許可専従問題に係る点検調査の実施、調査結果の検証等を客観的かつ公正に行うため、同月十九日付で「労使関係問題特別調査チーム」が設置されたところであり、当該チームにおいて、必要に応じ、過去の対応の適否についても検証を行うこととしている。
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