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農林水産省職員によるヤミ専従問題に関する質問主意書
衆議院 第171回 第222号趣旨が明らかではない ×2承知していない ×1
質問本文
農林水産省の職員百四十二人が、勤務時間中に許可を得ることなく組合活動を行ういわゆるヤミ専従を行っていた疑いが浮上していながら、同省としてそれを隠していた問題につき、本年三月十五日、石破茂農林水産大臣は大臣直属の監察機関を同省内に設置する考えを示した。右を踏まえ、質問する。
一 農水省職員によるヤミ専従問題については、昨年四月一日、農水省の労働組合である全農林労働組合の幹部千三百九十五人を対象にした調査が行われ、結果百四十二人が疑いありとの報告がなされたと承知するが、現在に至るまでほぼ手つかずのまま放置され、本年三月に入ってようやく監察機関が設けられることとなったのはなぜか。
二 本年三月十六日付読売新聞朝刊一面と三面には、農水省職員によるヤミ専従問題を報じた記事(以下、「読売記事一」という。)が掲載されている。その中に「組合組織率が下がっている最近でも、入省直後に組合に入る職員は少なくない。ある職員は、『入らないと異動で冷や飯を食うよ』と言われ、入らざるを得なかったと振り返る。」との記述があるが、右は事実を反映しているか。農水省において、職員が全農林労働組合に入らないと、人事異動の際に冷遇されるということがあるのか。
三 「読売記事一」には「『とがめる人なんて誰もいなかった』。首都圏の農政事務所に勤務していた当時、全農林青年部に所属し役員を務めていた元職員(三十)は振り返る。一泊二日で出かける組合の会合は年二回。所属長に『組合で泊まりがあるので行ってきます』とひと言伝えるだけで、年休は取らなかった。各地の地方自治体などでヤミ専従問題が批判を集め始めた二〇〇四年からは、県外に出る場合は年休扱いにするよう指示されたが、別の日に出勤扱いで休めることに。『組合の会合に行ってきたので、代休とります』と言えば、上司は当たり前のように処理してくれたという。」との記述があるが、農水省において、右記述にある様に、休暇を申請することなく、組合活動のため職務を離れることが当然の様に認められるという慣行があったのか。
四 三で、あったのなら、三の記事にある様な慣行は農水省のどこの部署において行われていたのか明らかにされたい。
五 本年三月十六日付読売新聞夕刊十五面に「ヤミ専従疑惑『発覚なら組織維持できぬ』農水省課長 口止めか 農政事務所長らに発言」との見出しの記事(以下、「読売記事二」という。)が掲載されている。「読売記事二」によると、松島浩道農水省秘書課長が、同省において百四十二人の職員がヤミ専従を行っていたことが明らかになった昨年四月三日の翌四日に、全国の農政事務所長ら四十六の出先機関の幹部を前にして「このようなことが明るみに出たら地方組織は維持できない」と発言、全農林労働組合にヤミ専従問題について再調査することを予告して、同月九日に全国の農政局並びに農政事務所に文書で再調査の指示を出していたとのことであるが、右は事実か。
六 五が事実ならば、松島課長はどの様な意図の下、「読売記事二」にある様な発言をしたのか。全国の農政局並びに農政事務所に対してヤミ専従問題について明らかにしない様口止めする意図があったのか。
七 五の松島課長の発言に対する石破大臣の見解如何。
八 農水省を除く中央省庁のうち、職員が労働組合を組織している省庁はあるか。あるのなら、その省庁並びに組合の名称を明らかにされたい。
九 八の組合のうち、これまでヤミ専従問題が報告されているものはあるか。
十 昨年十二月厚生労働省は、同省職員がヤミ専従を行いながら不正に給与を受け取っていたとして四十人を刑事告発し、不正に受け取った給与八億三千万円を国に返還させていると承知するが、農水省において、ヤミ専従を行っていた同省職員に対しても、右の厚労省と同様の対応をとる考えはあるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「ヤミ専従問題」の意味が必ずしも明らかではないが、無許可専従(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の六第一項ただし書の規定に基づく許可を受けることなく職員団体の業務に専ら従事することをいう。以下同じ。)の事実の有無については、平成二十年五月から九月にかけて、総務省の指示により全府省による一斉点検が行われた。農林水産省の調査においては、点検の対象に該当するような事実は確認できなかったところであり、その旨を総務省に報告している。
一方、平成二十年四月に農林水産省が行った調査は、この全府省における一斉点検とは別に、同年三月、一部の地方農政事務所において、組合幹部は仕事をしていない旨の投書があったことを受け、職員団体役員の勤務実態を幅広く把握し、不適切な状況があれば是正することを目的として、農林水産省が独自に実施したものである。
この調査について、例えば、職員団体役員本人への十分な聞き取りや、勤務実態を示す文書の確認を行わなかったことなど、不十分な面があったことから、改めて徹底した確認を行うこととし、農林水産省において再調査を行っているところである。
二について
職員団体への加入の有無により人事上、優遇又は冷遇されるということはない。
三及び四について
農林水産省において、御指摘のような慣行があるということは把握していない。
五から七までについて
平成二十年四月七日に農林水産省において行った職員の配置転換に関する説明会の終了後、各地方農政局総務部長及び地方農政事務所長に対して、大臣官房秘書課長から、無許可専従問題は、農林水産省の組織に対する国民の信頼を失墜する行為であるため、無許可専従を疑われるような状況の是正に努めてほしいとの趣旨の発言をしている。仮に、一部の者が、その趣旨を取り違え、無許可専従問題について口止めを指示したと受け止めたとすれば、遺憾である。
八について
お尋ねの「労働組合」の意味が必ずしも明らかではないが、農林水産省を除き、職員が国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体を組織していることが確認されている府省は、会計検査院、人事院、内閣府、宮内庁、公正取引委員会、金融庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省及び環境省であり、各府省が把握しているその名称は、会計検査院においては会計検査院職員労働組合、人事院においては人事院職員組合及び人事院九州事務局労働組合、内閣府においては内閣府職員労働組合、沖縄総合事務局開発建設労働組合及び沖縄国家公務員労働組合、宮内庁においては宮内庁職員組合、公正取引委員会においては公正取引委員会職員組合、金融庁においては金融庁職員組合、総務省においては総務省人事・恩給局職員組合、全行管職員組合、全自治職員組合、全情報通信労働組合、総務省郵政職員組合及び総務省統計職員労働組合、法務省においては全法務省労働組合、外務省においては外務省職員組合、財務省においては財務省職員組合、全財務労働組合、日本税関労働組合、全国税関労働組合、国税労働組合総連合及び全国税労働組合、文部科学省においては文部職員労働組合行政部会、厚生労働省においては全厚生職員労働組合、全日本国立医療労働組合、全労働省労働組合、東京職業安定行政職員労働組合、富山労働局非常勤職員労働組合、大阪労働局職業安定行政職員労働組合、沖縄非現業国家公務員労働組合労働支部、全国社会保険職員労働組合、社会保険庁非常勤職員労働組合全国協議会及び中央労働委員会事務局労働組合、経済産業省においては全経済産業労働組合及び特許庁事務職員協議会、国土交通省においては国土交通省全建設労働組合、国土交通省職員組合、全運輸労働組合、全運輸省港湾建設労働組合、全北海道開発局労働組合、全気象労働組合、国土交通省管理職ユニオン及び国総研横須賀職員組合並びに環境省においては全環境省労働組合である。
九について
社会保険庁において、年金業務・組織再生会議の要請を受けて、平成十九年十二月から職員の服務違反全般について調査を行ったところ、過去において三十人の職員が無許可専従を行っていたことが平成二十年四月までに判明した。これを受け、他の府省においても同様の事実がないかどうかを政府として一斉に点検することとし、平成二十年五月から点検を行い、同年九月までに各府省の報告を取りまとめて公表した。この中では、厚生労働省(社会保険庁を除く。)の職員二人が過去(一人については平成十五年度から平成十六年度までの間、他の一人については平成十八年度)において無許可専従を行っていた事実が確認されたところである。なお、社会保険庁については、服務違反調査委員会を設け更に調査した結果、新たに四人の無許可専従が報告されたところである。
十について
一についてで述べたように、現在、農林水産省において再調査を行っているところであり、調査の結果、仮に、不適切な事例が明らかとなった場合には、法令に照らして、厳正に対処することとしている。
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