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東日本大震災発生を受けたいわゆる「復興外交」に関する質問主意書
衆議院 第177回 第163号承知していない ×1
質問本文
三月十一日午後二時四十六分、宮城県牡鹿半島の東南東約百三十キロメートルを震源地とするマグニチュード九.〇の大地震が発生した。それに伴う巨大津波により、特に岩手、宮城、福島の三県の沿岸部では甚大な被害が発生し、一九九五年の阪神・淡路大震災を超える死者が出て、更には、津波により冷却機能が破壊された東京電力福島第一原発では、一号機から四号機まで炉心が融解し、多量の放射線が発生する事態が生じ、大熊町はじめ同原発から半径二十キロメートル圏内の地域は警戒区域とされ、住民は強制退避を余儀なくされている。右を踏まえ、質問する。
一 東日本大震災発生を受けて、松本剛明外務大臣はいわゆる「復興外交」なるものを提唱していると承知するが、右の詳細な内容につき説明されたい。
二 東日本大震災発生後、世界各地より百四十カ国を超える国・地域から、我が国に対して心温まる数多くの多岐に渡る支援が寄せられている。それに対し、本年四月十二日、菅直人内閣総理大臣はインターナショナル・ヘラルド・トリビューンはじめ世界各国の七紙に感謝広告を出している。右に関し、同月二十一日の衆議院安全保障委員会で、松本大臣は、
「まず、御質問でありますが、総理メッセージを掲載した七紙についての掲載費用は、概算で三千五百万というふうに承知をいたしております。
その際も、外務委員会でも御答弁をさせていただきましたが、七紙のうち、英字紙三紙はいわゆるワールドワイド版ということで、日本語で申し上げれば国際版というんでしょうか、掲載させていただきました。
そもそも、やはり広告そのものは有料であるということから、復興等に少しでも予算を振り向けていこうという今の状況の中で、私がぎりぎりと申し上げたのは、今我が国が持っているお金がぎりぎりという意味ではなくて、国民の理解を得られる範囲で、なおかつ最も効果的な形でということで、私どもとしては、国際社会への広告効果や近隣の国であるということなど、我が国との関係を総合的に勘案して、御存じの七紙に掲載することにしたものであります。
なお、私どもとしては、このメッセージを在外公館からメディアに情報提供する形で掲載していただくとか、もちろん各国政府に対しても大使を通じて謝意のメッセージを届けているわけでありますが、各国のメディアの御協力もいただきまして、私どもが確認をしているところでは、四月の二十日、きのうの夕方のところで、五十六カ国・地域の百九十一紙に無料で新聞広告が掲載または記事として内容が紹介をされるという形になっておりまして、謝意を広く伝える一定の効果があったのではないかというふうに考えております。」
との答弁をしている。松本大臣は「謝意を広く伝える一定の効果があったのではないか」と述べているが、自国の国名が明記された感謝広告が出ていないとの不満が世界各国から寄せられたという事実はないか。確認を求める。
三 二の答弁に対し、本年四月二十一日の衆議院安全保障委員会で、感謝広告というものは、大手の媒体に出し、それが波及していくことを期待するのではなく、全ての国・地域に対し、一つも漏らすことなく現地の言語を用いたものを出すべきであり、予算に制限があるのなら、外務省の各在外公館において使用が認められている報償費、いわゆる機密費を用いた上で、一日も早く右の措置を取るべきだと当方が質問したところ、松本大臣は、
「大臣として、省内のことについては、会計上のことも含めて掌握をしている、私自身はそういう認識で行っております。
今お話をさせていただきましたように、当然、各国の大使館においては、各国の現地の言葉でホームページに掲載をする、また各国のメディアにも、各国のそれぞれの言葉で、記事でありますから、多くの国民がごらんになるような形でごらんいただくということで、広く謝意は伝わっているものと思っております。
報償費については、これも国民の税金でありますので、その目的などは報償費にふさわしい目的で使うことが適当だというふうに思っておりますし、いずれにせよ、国民の税金をどのように有効に活用するかという視点は心がけた上で、私自身として判断をしているところでございます。」
との答弁をしている。現時点に至るまで外務省として、我が国に対し支援の手を差し伸べてくれた全ての国・地域に対し、一つも漏らすことなく現地の言語を用いて、支援に対する感謝と同時に、福島第一原発事故により多大な心配と迷惑をかけていることについての謝罪の広告を出しているか。確認を求める。
四 四月末から五月初めにかけての大型連休を利用し、松本大臣はじめ外務省政務三役は諸外国を訪問していると承知する。外務省HP等によると、松本大臣は四月二十九日から五月四日にかけて米国、ドイツ、セネガル、ベルギー、イギリスを、伴野豊外務副大臣は五月四日から十一日にかけてロシア、エストニア、リトアニア、ポーランドを、高橋千秋外務副大臣は四月二十九日から五月四日にかけてイタリア、セネガル、米国を、菊田真紀子外務大臣政務官は五月二日から八日にかけてスリランカ、ブルネイ、ブータンを、徳永久志外務大臣政務官は五月三日から九日にかけてアルメニア、アゼルバイジャン、エジプトを、それぞれ訪問し、または訪問する予定でいると承知する。右の政務三役の訪問国は、どのような理由により決められたのか説明されたい。
五 四月四日から十一日にかけ、福島第一原発から低レベル汚染水の海中への放出作業がなされた。右は諸外国、特に我が国に最も近く隣接し、海洋汚染の影響を直接被る韓国や中国、ロシア等の隣国に対し、適切な説明がなされることなく実施され、我が国に対する諸外国の不信を助長させたものと考える。四の訪問国の中に、韓国や中国が含まれておらず、また我が国にとって安全保障上も経済上も密接な関係にあるインドも含まれていないが、右はなぜか。
六 松本大臣が提唱する「復興外交」は、我が国の国益に資する形で展開されているか。松本大臣の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一及び六について
外務省としては、東日本大震災後の復興を進めるに当たっては、東日本大震災に対する国際的支援に感謝する決議(平成二十三年四月十五日参議院本会議)及び東日本大震災への国際的支援に対する感謝決議(平成二十三年四月二十二日衆議院本会議)においても示されているように、国際社会との協調・協力の推進という視点が重要であると考えている。このような考えの下、諸外国の活力も取り込みながら未来志向の「開かれた復興」を行うことを目指して、被災地域の雇用と経済の発展に資する形で諸外国の資源・知見を活用していくとともに、東日本大震災後の新たな状況を踏まえ、「開かれた復興」に資する経済外交を推進していくこととしている。また、当面の喫緊の課題として、各国が行っている我が国への渡航制限や我が国の農産物等に対する輸入制限等に対して、各国政府への働きかけを行ってきているが、これに加え、企業等幅広い対象への積極的な説明等の戦略的な取組について、各府省間で連携しつつ進めていく考えである。こうした復興に向けた外交上の取組は、我が国の国益に資するものと考えている。
二について
外務省としては、世界各国・地域の政府等から、お尋ねのような「不満」が寄せられたとは承知していない。
三について
外務省としては、我が国への支援国・地域に対し、迅速かつ丁寧な謝意の表明に意を尽くしているところである。例えば、首脳間・外相間の会談や電話会談における言及のほか、各国首脳・外相等からの見舞状への返書、各国大使や救助チーム等への直接の謝意表明、外国メディア向けブリーフィングにおける各国からの支援の紹介とこれに対する謝意の表明、テレビコマーシャルを使った謝意広告等の方法により、支援国等への感謝の気持ちを伝えてきている。
本年四月十一日には、東日本大震災後一か月の機会を捉え、菅内閣総理大臣から全世界に対し謝意を伝える新聞広告を御指摘の七紙から発出するとともに、在外公館等からメディアに対し積極的に情報提供する等の働きかけを行った結果、これまでに、六十四か国・地域で二百紙を超える新聞において、同様の謝意広告が掲載され、又はその内容が紹介された。加えて、同日、菅内閣総理大臣の新たな感謝メッセージを、首相官邸ホームページに日本語及び英語で掲載するとともに、英語を始め四十か国語に翻訳して在外公館等のホームページにも掲載し、在外公館等を通じて各国政府やメディアに伝達する等、積極的に謝意の表明を行っている。
また、本年五月十一日には、東日本大震災後二か月の機会を捉え、在京外交団、国際機関、支援関係者等を招いた「感謝の集い」を開催した。
なお、お尋ねのような「謝罪の広告」は出していない。
四及び五について
本年四月から五月の大型連休を利用した外務省政務三役の外国訪問については、東日本大震災を受けた国内外の状況、現下の国際情勢、国際会議を含む外交日程等の種々の要素を総合的に勘案しながら、我が国の安全や繁栄の維持・強化、諸外国との二国間関係の発展、国際社会の平和と繁栄の確保への貢献等の観点から、訪問先を決定したものである。
韓国及び中国については、本年三月十九日に日中韓外相会議を我が国で開催するとともに二国間会談を実施しており、本年五月二十一日及び二十二日には日中韓首脳会議を開催することとしている。また、インドについては、適切な時期に首脳の相互訪問や外相間戦略対話等を実施することとしており、これにより、引き続き関係の強化を図ってまいりたい。
なお、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に関する諸外国への情報提供については、外務省政務三役の外国訪問を含むあらゆる機会を捉え、丁寧な説明やできる限りの情報提供に一層努めてまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。