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東北における国際会議の開催等に関する質問主意書
参議院 第180回 第114号検討してまいりたい ×1
質問本文
近年、日本外交の存在感が薄れている。唯一の被爆国であり、東京電力福島第一原子力発電所の事故を経験している立場にある我が国は、国際会議を始めとする外交の場で、大規模災害やそれに伴う原発事故に関する提言や教訓を発信すべきである。
私は昨年八月十一日の参議院予算委員会において、被災地の意思を前提とした上で「東北の地で国際会議を開催すべき」と提案した。具体的には、①IMF・世界銀行年次総会(二〇一二年)、②省エネ・再生可能エネルギー展(仮称)(二〇一三年)、③国連持続可能な開発のための教育の十年(二〇一四年、日本での開催決定済み)、④第七回国連ハビタット世界都市フォーラム(WUF、二〇一四年、開催地未定)、⑤アジア防災会議(ACDR、二〇一四年、開催地未定)及び⑥国連防災世界会議(二〇一五年、候補地は東京・仙台)の六つの会議名を挙げて開催を提案した。
予算委員会で答弁に立った野田総理(当時は財務相)は六つの会議について、来訪者に震災からの復興を見てもらうだけでなく、地元負担に関して「極力負担の掛からないように配慮して、その自治体の知見と経験が十分に生かされるような、そういう検討をさせていただきたい」と、被災地における国際会議の開催について積極的な答弁を行った。
一方で、本年(二〇一二年)は国連が定める「万人のための持続可能なエネルギー国際年」であり、六月にブラジル・リオデジャネイロにおいて国連会議(リオ・プラス20)が開催される。また、東日本大震災直後に発足した再生可能エネルギーを世界規模で普及促進するための国際機関(IRENA)は、早くも第三回総会を明年(二〇一三年)一月に開催し、それ以降も順次総会が予定されている。
昨年、我が国は、東日本大震災や原発事故によって世界に多大な心配と迷惑をかけた。一方、被災と事故の直後から、世界各国による物心両面にわたる支援や励ましを受けてきた。
国際会議の開催は、知名度アップや観光振興など経済波及効果も当然大きい。しかし、あれほど壊滅的な被害と痛ましい犠牲を受けながらも復旧・復興に立ち上がろうとする東北の人々の行動、さらには、原子力災害の事故対応を通して、世界そして後代の人類に貴重な教訓として受け止めてほしいとの姿勢が何よりも重要である。
そこで、提案した国際会議についての検討状況及び関連事項に関して、以下質問する。
一 「IMF・世界銀行年次総会」の開催に係る支援措置について
本年十月に開催される「IMF・世界銀行年次総会」について、開催に要する費用全額を国の負担とすべきと考える。国の支援内容、費用総額、費用総額に占める国の負担割合など具体的な支援措置について、政府の見解を示されたい。
二 「省エネ・再生可能エネルギー展」(仮称)等の東北開催について
二〇一三年に東京での開催が予定される「エコプロダクツ二〇一三」を、東北地方での省エネルギー・再生可能エネルギー施策の振興を図ることを目的とする「省エネ・再生可能エネルギー展」(仮称)として、東北地方で開催してはどうか。地域産業との連携の観点も踏まえた政府の見解を示されたい。また、明年一月に開催されるIRENA第三回総会を東北地方で開催すべきと考えるが、併せて政府の見解を示されたい。
三 「国連持続可能な開発のための教育の十年」最終年会合の東北開催について
本年六月に開催される国連会議(リオ・プラス20)におけるテーマは持続可能性であり、「幸福の尺度」が議論されると見られる。このような視点に立って、二〇一四年に我が国で開催される「国連持続可能な開発のための教育の十年」最終年会合を東北地方で開催すべきとして提案したが、政府の見解を示されたい。また、被災地以外での開催が決定した場合でも、防災教育などのサブイベントを被災地において開催することについても提案するが、併せて政府の見解を明らかにされたい。
四 「国連ハビタット世界都市フォーラム(WUF)」の東北開催について
「国連ハビタット世界都市フォーラム」は、政府や地方自治体、国際組織、建築専門家、NGOなどの参加者が一堂に会して都市問題について意見交換を行う場である。本年九月一日からイタリア・ナポリで開催されるが、二年後の次回フォーラムの開催地は未定である。被災地域、被災都市の復旧・復興プロセスに関して学問の境界領域を含めた検討が、ますます拡大している。今日、被災地・東北の在り方を相互に共有し、有意義な成果を得るためにも、政府はWUF開催の誘致の意思を表示すべきである。東北地方でのWUFの開催について、改めて政府の見解を明らかにされたい。
五 「アジア防災会議(ACDR)」の東北開催について
アジアにおいても開発の進展に伴い自然災害の数、規模が急速に拡大しつつある。「アジア防災会議」は昨年六月にスリランカで開催された。防災に関する技術や知識の普及に努め、社会の防災力強化についてアジア諸国間の連携を深めるため、二〇一四年の東北地方での開催について提案するが、政府の見解を明らかにされたい。
六 「国連防災世界会議」の仙台市開催について
前回の「国連防災世界会議」は阪神・淡路大震災から十年目(二〇〇五年)に神戸市で初めて開催され、次回の二〇一五年の開催に関して東京都と仙台市が誘致を表明している。仙台市での開催について、政府の見解を明らかにされたい。
七 「リオ・プラス20」におけるグリーン経済指標の創設等について
本年六月にブラジルで開催される国連会議(リオ・プラス20)においては、各国首脳レベルが経済や社会、環境問題などを協議する。また、貧困解消やエネルギー消費抑制の新たな国際目標などが検討される見通しとなっている。我が国として、グリーン経済の振興や大規模災害に備える防災力に関する国際的指標の創設を提案すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
また、いわゆるグリーン経済に関連して、これからの時代は、気候変動など環境政策に関する国際的協調、多国間条約の実効的な在り方がますます問われることとなる。
その場合、エネルギーを含めた環境産業が重要な産業として成立していくことが強く期待される。新しい環境分野における市場形成は、EUにみられるように、環境規制を強化し自ら保持する環境分野の知的財産権などを駆使する国際的展開を指向すると見られる。すなわち従来型の経済の在り方は、自由を旗印に人間の欲望を刺激して市場拡大を図るものであった。しかし、今後は環境規制が経済を拘束するのではなく、市場創出や市場形成につながると考えられる。まずは、グリーン経済そのものをどのように認識しているのか、基本的な定義ともいうべき考えを示されたい。次に、グリーン経済の振興に関する政府の施策を示すととともに、今後のグリーン経済の方向性に関する政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
本年十月に東京で開催される国際通貨基金(ⅠMF)・世界銀行年次総会においては、東日本大震災と同大震災からの復興の経験を参加国が共有し、途上国の開発政策において、防災の重要性の認識の向上と取組の強化が図られるよう、同年次総会の一環として仙台市において防災に関する国際会議を世界銀行との共催で開催する予定であり、地元地方自治体の知見や経験もいかしたものとなるよう、その内容を検討しているところである。開催に要する費用については、地元地方自治体に費用負担のかからない形で開催準備を進めているところである。
二について
「エコプロダクツ展」は、来るべき循環型経済社会に向けて、消費者と生産者の双方の環境意識の向上と環境に配慮した製品及びサービスであるエコプロダクツの普及を目的として、社団法人産業環境管理協会と株式会社日本経済新聞社の共催で開催されるものであり、平成二十五年に開催される「エコプロダクツ二〇一三」の開催場所は、主催者が判断することとなっている。
また、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の総会は、国際再生可能エネルギー機関憲章(平成二十二年条約第三号)第九条Dの規定において、総会の会期は、総会が別段の決定を行う場合を除くほか、機関の所在地で開催される旨定められている。平成二十五年に開催される第三回総会については、本年一月に同機関の所在地であるアブダビで開催された第二回総会において、同じくアブダビにおいて開催される旨合意されたところである。
三について
平成二十六年に我が国で開催される「国際連合持続可能な開発のための教育の十年」最終年会合(以下「最終年会合」という。)については、平成二十三年九月二十七日に開催された内閣官房副長官を議長とする「国際連合持続可能な開発のための教育の十年」に関する関係省庁連絡会議において、閣僚級会合及び全体の取りまとめ会合は愛知県及び名古屋市において、最終年会合の一環として研究者、学校関係者及び民間企業等が参加する会合のうち主なものは岡山市において、それぞれ開催することを決定したところである。政府としては、最終年会合のその他の会合及び行事を東日本大震災の被災地において開催することは非常に意義があるものと認識しており、地元地方自治体の意向を踏まえつつ、適切に対応していく考えである。
四について
平成二十六年に開催される国際連合人間居住計画「世界都市フォーラム」の開催地選定のための具体的手続は現時点で決定されていないため、我が国の対応については、今後検討していく考えである。
五について
アジア防災会議の開催時期及び開催地は、アジア防災センターの運営委員会における合意によって決定されることとなっていることから、我が国としては、今後、同会議の東北地方での開催が実現するよう、同委員会に対して提案していく考えである。
六について
野田佳彦内閣総理大臣は、平成二十三年九月二十三日(現地時間)に行った第六十六回国際連合総会における一般討論演説において、平成二十七年に開催される国際連合防災世界会議を日本に招致する方針を表明したところである。同会議の開催国は今後国際連合総会決議の採択により決定される予定であることから、我が国での開催に向けて各国に働きかけを行っていきたいと考えている。国内の開催地については、今後、地方自治体からの要望を踏まえて検討していくこととしている。
七について
政府は、平成二十三年十月三十一日(現地時間)に、国際連合持続可能な開発会議の事務局へ提出した提案文書において、各国が各々の発展段階に応じたグリーン経済戦略を作成するための仕組みを構築すること、持続可能な開発の実現のためには経済、社会及び環境のそれぞれの側面における持続可能性を考慮する必要があるため国内総生産という単一の指標とは異なる新しい指標を策定すべきこと、並びに持続可能な開発の実現のための政策において主要な要素として防災を位置付けるための具体的な方策を盛り込んだポスト「兵庫行動枠組」を作成することを含む持続可能な開発に向けた具体的取組を提案したところである。
政府のグリーン経済に関する認識としては、環境と経済・社会の関わりが一層広く深いものになり、また、経済活動における環境保全を織り込んだ取組が環境保全のためのみならず経済活動自体のためにも重要であることが明確化してきたことを踏まえ、環境と経済を統合的に捉えた取組を進める必要があると考えている。このような認識の下、「環境基本計画」(平成二十四年四月二十七日閣議決定)においては、今後の環境政策を展開していく上で当面優先的に取り組むべき重点分野として九つの重点分野を示しており、そのうちの一つとして「経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進」を取り上げている。政府としては、これを踏まえつつ、グリーン経済の振興に関する各種施策を進めていく考えである。
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