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豪雨発生時における避難・救助対策に関する質問主意書
衆議院 第178回 第31号承知していない ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
前任の菅再改造内閣が総辞職し、内閣総理大臣指名選挙が行われていた同時期、また東日本大震災から半年が過ぎ、防災の日の節目には災害意識が高まっていた日本列島では、台風十二号が紀伊半島を中心に千八百ミリを超える豪雨をもたらし、近年では平成十六年の台風二十三号以来の深刻な被害を与えた。
報道によると、八日午前零時現在のまとめで、死者・行方不明者百十人にのぼっており、特に和歌山県や奈良県などでは山崩れが多発し、河川の増水で家が流され、死者・行方不明者の多くが逃げ遅れたとみられている。また、道路の寸断によって未だに多くの住民が孤立し、自衛隊や警察のヘリコプターが救援活動を続けている状況である。
総務省消防庁によると、台風の接近により十四万人以上に避難指示・勧告が出たものの、実際に避難したのは約四千五百人としており、一部地域では避難指示は出さず、住民の判断に任せたところもあった。
自公政権時の平成十七年から、市区町村に対して求めていた水害発生時に避難勧告などの具体的な基準が着実に進んでいるとは言い難く、その主たる原因は、これまでの鳩山・菅政権における「地方に厳しく、自分に甘い」姿勢が、全国の自治体との信頼及び協力関係を希薄にしてしまったと解釈するからである。
東日本大震災による被災地への対応もさることながら、国は自衛隊、警察、全国の自治体、自治体消防、消防団等との信頼関係を回復させ、有事に備える万全の態勢を整えることが益々重要と考える。
従って、次の事項について質問する。
一 内閣は九月四日、台風の発生に伴い、災害対策関係省庁連絡会議を開催し、非常災害対策本部を設置したが、同日は紀伊半島を中心に八十人を超える死者・行方不明者を出しており、初動の遅れは否めない。台風接近時から直ちに、国土交通省などの知見を持つ高官を現地に派遣し指示させるべきだったと考えるが、野田内閣の見解如何。
二 総務省消防庁が行った平成二十二年十一月一日時点の全国の市区町村における避難勧告等に係る具体的な発令基準の策定状況調査結果によれば、例えば水害に関しては、策定済みである市区町村の割合は、五十九・五パーセントだったが、その後における全国及び今回の台風十二号によって被災した地域の進捗状況はどのようになっているのか示されたい。またこれについてどのように分析しているのか、野田内閣の見解如何。
三 二に関連し、前回調査時点で策定中の市区町村について、その進捗状況はどのようになっているのか。また、未だ策定がなされていない市区町村に、国として今後どのように支援していくのか、野田内閣の見解如何。
四 避難勧告・指示については、市町村長が判断して発令することになっているが、あくまで自治体機能が稼動していることを前提としている。しかし、近年風水害の形態や規模が大型化しているため、その状況変化に適時的確な災害対応が求められ、市町村長の発令を見直す必要があると考えるが、野田内閣の見解如何。
五 急峻な山地では、基幹道路が海岸沿いにあり、山間部の交通網が土砂災害などで通行を遮断され、復旧するまで多くの住民が孤立した状態が続く。土砂災害や冠水の危険性の高い場所を地域で共有し、複数の避難経路や避難場所を設置するなどの対策が必要と考えるが、国としてどのように対応していくのか、野田内閣の見解如何。
六 昨夏、政府の中央防災会議は専門調査会を設置し、住民の災害避難のあり方について再点検を始めていると聞くが、その進捗状況はどのようになっているのか、野田内閣の具体的な見解如何。
七 一〜六に関連し、国は自衛隊、警察、全国の自治体、自治体消防、消防団等との信頼関係を回復させ、市町村に対する支援を一層強化すべきと考えるが、今後財政面などを含みどのような支援を講じていくのか、野田内閣の具体的な見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの台風第十二号への対応については、平成二十三年九月二日午後五時に内閣府情報対策室を、同月三日午前九時に官邸情報連絡室を設置するとともに、同月四日には午前十時三十分から関係省庁連絡会議を開催し、同日午後八時には災害対策基本法(昭和三十六年法律二百二十三号)第二十四条第一項の規定に基づき非常災害対策本部を設置するなど、台風の接近状況や被害状況等を踏まえ、必要な体制を確保したところである。また、同月二日から国土交通省の災害情報連絡担当官を、同月三日から同省の緊急災害対策派遣隊を、同月四日から内閣府、警察庁、消防庁、国土交通省、防衛省等の職員を構成員とする政府調査団を三重県、奈良県及び和歌山県に派遣するなど、適時適切に職員を現地に派遣してきており、政府としては、適切に対応してきていると認識している。
二及び三について
避難勧告等に係る具体的な発令基準(以下「発令基準」という。)の策定状況については、今後、平成二十三年十一月一日時点の状況を調査する予定であり、現時点において、平成二十二年十一月一日後の状況は把握していない。
なお、平成二十二年十一月一日時点の全国の市区町村における発令基準の策定状況調査においては、例えば、水害発生時の発令基準を策定中であると回答した五百五十三市区町村のうち、三百十五市区町村が平成二十三年八月までに策定する予定であると回答しており、今回の台風第十二号により大きな被害があった三重県、奈良県及び和歌山県の三県では、策定中であると回答した三十市町村のうち、二十二市町村が同月までに策定する予定であると回答している。
政府としては、これまでも、毎年の出水期の前に中央防災会議会長(内閣総理大臣)から都道府県防災会議会長に通知するなどにより市区町村における発令基準の策定を促すとともに、先進事例に係る情報提供等を行うことにより市区町村における発令基準の策定を支援してきたところであり、引き続き、未策定の市区町村において発令基準が速やかに策定されるよう、情報提供の充実等に努めてまいりたい。
四、五及び七について
政府としては、「防災基本計画」(昭和三十八年六月十四日中央防災会議決定)に基づき、各地域の実態に即した発令基準の設定やその適切な運用、地形、災害に対する安全性等に配慮した避難経路及び避難場所の確保等が図られるよう、これまでも、地方公共団体に対して適切に対応するよう促してきたところである。
今後とも、今般の災害に係る避難の実態を踏まえつつ、発令基準の速やかな策定や必要な見直しに資する情報提供の充実に努めるなど、適切に対応してまいりたい。
六について
お尋ねについては、中央防災会議の災害時の避難に関する専門調査会をこれまでに五回開催し、災害別の避難場所の在り方など、避難をめぐる様々な課題に対する対応策を検討しているところである。
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