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政府におけるSPEEDIデータ共有に関する質問主意書

衆議院 第179回 第29号

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2011年11月4日
内閣転送 2011年11月9日
答弁書受領日
2011年11月15日
提出から11日
答弁の項目数
3
質問 1,517字/答弁 1,321字

質問本文

私は平成二十三年十月二十六日の衆議院経済産業委員会において、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故について質問を行った。

その中で、当時の内閣においてSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の存在および同システムによる解析結果がどのように情報共有され、事故対応に反映されたかについて質した。

SPEEDIの解析結果が適切に官邸内で共有されていれば、避難区域の設定や被災者の避難先の確保に十分活かされていたことが予想されるが、私の五月二十五日の経済産業委員会における質疑に対する当時の海江田万里経済産業大臣の答弁のように、政府は、三月二十三日にはじめてのSPEEDIのデータが公表される直前の三月二十日以降までその存在すら知らなかったという有様である。

SPEEDIがなぜ官邸内で共有されなかったのか、SPEEDIのデータが共有されなかったために、どのような深刻な事態を惹起してしまったかなどについては、今後国会に設置される東京電力福島原発事故調査委員会でも重要な調査のポイントとなると考える。

こうした点に関し、当時官房長官として震災対応の陣頭指揮を執った枝野幸男経済産業大臣は、平成二十三年九月十二日の大臣就任記者会見において、三月十一日の「原発事故が起こって、三日目か四日目ぐらいに、SPEEDIというものがあるそうではないか」と官邸内で担当者に尋ねたと発言した。

つまり、事故発生後三日目か四日目には、当時の枝野官房長官はSPEEDIの存在を知っていたということになる。

一方、四月二十七日の衆議院経済産業委員会内閣委員会連合審査会では、枝野官房長官は、「今回の事故では、その放射性物質の放出量が把握できていないためにこの役割は果たせないんだという報告が、先ほど申しました二十三日のちょっと前ぐらいに私のところにございました」と答弁している。

そこで、先般十月二十六日の経済産業委員会において、私が、これら二つの発言、答弁には明らかに時間的な食い違いがあることを指摘したところ、枝野経済産業大臣は、次のように答弁した。

「私の記憶を正確に申し上げますと、今の答弁でもありましたとおり、私が、使えないのかと言って、使えないと言うから、逆算してみたらどうだということを言って、それに基づいて試算を開始されたのが十六日で、その試算結果が公表されたのが二十三日でございますので、十六日の当日か、前日か、前々日か、ここの記憶は正直言ってございません。ただ、十六日の前であるのは間違いないと思います。」

このように、政府の発言、答弁は二転三転し、明らかな食い違いが認められる。

そこで、政府においてSPEEDIデータの共有がどのようになされたかに関し、以下、質問する。

一 当時の枝野官房長官は、平成二十三年三月十一日以降、SPEEDIの存在を、いつ、誰からの報告で知ったのか。

二 枝野官房長官は、SPEEDIの試算又はそのデータの解析について、いつ、誰に、どのような指示をしたのか。

三 枝野官房長官は、その試算又は解析の結果について、いつ、誰から報告を受けたのか。

四 政府は、その試算又は解析の結果を元に、どのように今回の原子力事故対策に活かしたのか、日時、時系列を明らかにして、説明されたい。

五 SPEEDIの試算又はそのデータの解析の共有の経緯について、政府の二転三転する発言によって、国会ひいては国民が正しい情報を得ることができず、混乱している。このことに対して、政府、特に枝野現経済産業大臣は責任を負うべきものと考えるが、政府の認識を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から三までについて

枝野内閣官房長官(当時。以下同じ。)は、平成二十三年三月十六日以前に、内閣総理大臣官邸内の会議において、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(以下「SPEEDI」という。)の存在を知り、その際、SPEEDIを活用して放射線量の分布を推定できるのではないかとの指摘を行った。

枝野内閣官房長官は、同年三月二十三日に、内閣府原子力安全委員会(以下「原子力安全委員会」という。)より、周辺環境における放射性物質の大気中濃度の測定結果等から推定される東京電力株式会社の福島第一原子力発電所からの放射性物質の放出量等に基づき周辺環境における積算線量を試算した結果について、報告を受けた。

また、枝野内閣官房長官は、同年四月二十五日に、原子力安全委員会及び文部科学省より、福島第一原子力発電所から一ベクレルの放射性物質が放出されたと仮定した場合の周辺環境における放射性物質の大気中濃度及び空気吸収線量率の試算等の結果について報告を受けたが、その際、SPEEDIによる試算を行う原子力安全委員会、文部科学省及び経済産業省原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)に対して、以後、それぞれが行った試算結果を原則として公開するよう指示した。

四について

原子力安全委員会が行った周辺環境における放射性物質の大気中濃度の測定結果等から推定される福島第一原子力発電所からの放射性物質の放出量等に基づく周辺環境における積算線量の試算等の結果については、平成二十三年三月二十三日以降、公開するとともに、原子力災害対策本部において、甲状腺等価線量が高くなる可能性があると評価された地域の小児を対象とした甲状腺被ばくの調査に活用した。

文部科学省が行った福島第一原子力発電所から一ベクレルの放射性物質が放出されたと仮定した場合の周辺環境における放射性物質の大気中濃度及び空気吸収線量率の試算等の結果については、同年四月二十六日以降、公開している。

保安院が行った福島第一原子力発電所から様々な量の放射性物質が放出されたと仮定した場合の放射性物質の大気中濃度及び空気吸収線量率の試算等の結果については、同年五月三日以降、公開するとともに、原子力災害対策本部において、福島第一原子力発電所における原子炉建屋の開放に伴う環境への影響評価に活用しているほか、福島県が実施する県民の被ばく線量の推定への協力を行うに当たり独立行政法人放射線医学総合研究所が行うシステム開発にも活用している。

五について

政府においては、一定の仮定の下での試算結果を含め、SPEEDIの試算結果については、その具体的な活用、情報共有、公開の在り方等について十分でないところがあったと認識しており、今後、適切に対応していく体制を整備する観点から、「原子力安全規制に関する組織等の改革の基本方針」(平成二十三年八月十五日閣議決定)に基づき、原子力安全規制に係る関係業務を一元化することとし、SPEEDIの運用を含めた環境モニタリングの司令塔機能及び事故発生時の初動対応その他の危機管理の役割を担う「原子力安全庁(仮称)」を設置することを目指して作業を行っているところである。

衆議院の原文

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