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整理回収機構・預金保険機構の債権回収業務に関する質問主意書

衆議院 第180回 第296号

提出者
新党大地・真民主
提出日
2012年6月18日
内閣転送 2012年6月20日
答弁書受領日
2012年6月26日
提出から8日
答弁の項目数
19
質問 2,408字/答弁 3,099字

質問本文

整理回収機構は預金保険機構が全額出資する会社であるにもかかわらず、役員の選任が不透明であり、債権回収の方法、また、預金保険機構の財産調査および、立入調査、これを受けた整理回収機構は、きわめて恣意的であると批判されたところである。

また、預金保険機構による預金保険法附則等にもとづく財産調査、立入調査が権限を濫用していると批判も多い。

そこで、整理回収機構および預金保険機構について以下のとおり質問する。

一 整理回収機構の納税状況について

(1) 整理回収機構によれば、「整理回収機構では、各勘定で利益が発生すると、同額を預金保険機構に納付することになっており、納付金は、税務計算上の損金となるため、整理回収機構が発足した平成十二年度以降平成二十二年度まで課税所得は発生していない」とあるが、会計検査院の調査で、整理回収機構は、平成十一年度から平成十二年度まで、預金保険機構に納付していない利益計約一八三七億円があったことが判明している。

会計検査院の指摘を受けたこれら預金保険機構に納付していない一八三七億円の利益について、整理回収機構はどのように処理をしたのか。

(2) 整理回収機構は、整理回収機構が発足した平成十一年度以降、平成二十二年度まで課税所得は発生していないというが、整理回収機構が行っている金融サービサー業務による利益についても、納税していないのか。

二 二次損失について

(1) 整理回収機構は、住専債権の最終処理にあたり、回収額が取得額を下回る二次損失は一兆四〇一七億円であると発表しているが、住専債権の取得額および住専債権の回収額ならびに二次損失の内訳を明らかにせよ。

(2) 整理回収機構は、上記の二次損失は、預金保険機構や整理回収機構が積み立てた利益などで穴埋めし、税金による追加負担はないというが、整理回収機構が、二次損失を補てんする利益の額を勘定別に明らかにされたい。

三 整理回収機構の組織体制について

(1) 整理回収機構の株主総会は非公開か。非公開だとすればその理由は何か。

(2) 整理回収機構の役員の選任については、株主総会において、整理回収機構からの議案の提出を受けたうえで、預金保険機構が株主として議決することにより選任しているというが、整理回収機構はどのような選任基準にもとづいて役員候補者を提案しているのか。

(3) 預金保険機構は、株主総会における議決権行使にあたり、財務省や金融庁とは、協議を行うのか。決算書類のチェックは、預金保険機構、財務省、金融庁のいずれが行うのか。それらのチェックは、どのように行っているのか。

(4) これまでの株主総会、役員会議議事録の公開の必要性については如何か。

(5) 在職七年以上の整理回収機構の役員は、志田康雄副社長、橋本聰専務、藤井保憲監査役の三名であるということだが、これら役員の在職期間が長い理由は、どうしてか。

(6) 整理回収機構が顧問弁護士に支払っている報酬は、平成二十一年度は顧問弁護士十六人に合計二億円、平成二十二年度は十三人に一億円となっており、平均一二五〇万円から七六九万円と、一般民間会社の顧問弁護士に支払われる額に比して高額である。

どのような基準でこのような報酬を決定しているのか。

(7) 整理回収機構の役員報酬について取締役五名に監査役三名を加えた報酬総額は、一億一九〇〇万円であるという。

どのような報酬基準にもとづいてこのような報酬額を算出しているのか。

(8) 整理回収機構に社長代行をおくのはどのような場合か。

四 預金保険機構の財産調査および立入調査について

(1) 預金保険機構が行った財産調査および立入調査について、債務者比を旧住専・破綻金融機関・健全行別に明らかにされたい。

(2) 財務省には、これまで債務者から、預金保険機構の財産調査、立入調査に対する苦情は、どのくらい寄せられているか。

(3) 財務省は、これらの苦情や異議申立に対して、逸脱した行為があったかどうか調査したか。

(4) 預金保険機構は、立入調査を行う要件を定めたマニュアルはあるが、今後の立入調査の円滑な実施、ひいては債権回収業務の遂行に支障をきたすおそれがあるから、その提出は差し控えたいと提出を拒否している。預金保険機構の財産調査や立入調査は、刑事事件の捜索令状のような司法機関のチェックがないだけに、濫用のおそれがある。恣意的な財産調査、立入調査を防止するためにも、マニュアルを開示することは必要だと考える。是非マニュアルを開示されたい。

五 企業再生

(1) 整理回収機構は、どのような要件の具備をもって「事業再生」というのか。

(2) 整理回収機構は、事業再生の再生区分に、法的再生、私的再生とならんで債権売却等がある。この債権売却による再生というのは、具体的にはどのような方法による再生なのか。この場合、債権売却先は、どこか明らかにされたい。

六 債権回収の規制

(1) 整理回収機構は、債権回収のために、債務者の給与、売掛金の差押(仮差押をふくむ)を行っている件数を明らかにしているが、給与、役員報酬の差押で回収している金額は、一件あたり、約一〇〇万円から二〇〇万円である。また、売掛金の差押で回収しているのも、一件あたり、七〇万円から七〇〇万円である。給与の差押も、売掛金の差押も、債務者にとっては、まさに死活問題である。整理回収機構が、債権回収する場合、給与や売掛金の差押は、原則禁止すべきではないか。

(2) 平成十四年から平成十五年にかけて整理回収機構の役員の海外旅行に同行した債務者に対する整理回収機構の対応に比して、平成二十三年に整理回収機構が破産申立をしたのは、一件である。これは、全債権者比で〇・〇〇三パーセントである。整理回収機構の対応に問題なしと考えるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(1)について

平成十一年度及び十二年度に株式会社整理回収機構(以下「RCC」という。)の協定後勘定において整理回収業務から生じた利益である千八百三十八億円については、RCCの住専勘定のいわゆる二次損失の処理のため、平成二十三年度にその全額が同勘定に繰り入れられた。

一の(2)について

RCCによると、法人税の課税所得は、サービサー業務による利益も含めRCC全体の利益から算出されることとなるが、平成十一年度から二十二年度までは課税所得は発生していないとのことである。

二の(1)について

RCCの住専勘定において回収等の対象となった債権等の額は、株式会社住宅金融債権管理機構(当時)が平成八年に特定住宅金融専門会社から譲り受けた債権等(以下「住専債権等」という。)六兆千百二十九億円から現預金及び営業用資産の額を差し引いた四兆八千九百九億円であり、このうち、平成二十三年十一月三十日までに三兆三千百六十七億円を回収するとともに、同日に同勘定に残存する債権等千七百二十五億円を協定後勘定に移管することにより、住専勘定における住専債権等の回収等は完了したことから、これに伴い生じたいわゆる二次損失の額は、四兆八千九百九億円から三兆三千百六十七億円及び千七百二十五億円を差し引いた一兆四千十七億円である。

二の(2)について

いわゆる二次損失の処理については、「住専処理方策の具体化について」(平成八年一月三十日閣議了解)により、政府及び民間が二分の一ずつ負担して行うこととされ、政府の負担分については、住専勘定の簿価超回収益二千百八十九億円、住専勘定の累積利益の二分の一相当額千三百八十八億円、住専勘定に贈与された社団法人新金融安定化基金の運用益千六百六十二億円及び協定後勘定の利益千八百三十八億円が充てられ、民間の負担分については、住専勘定の累積利益の二分の一相当額千三百八十八億円、住専勘定への金融安定化拠出基金運用益からの助成金千四百五十六億円及び住専勘定への金融安定化拠出基金元本からの助成金四千二百三十三億円が充てられた。

三の(1)について

RCCによると、株主以外の株主総会への参加について規定する法律はないことから、株主総会は公開していないとのことである。なお、RCCは、その業務の重要性に鑑み、役員人事等の重要な事項については、株主総会等の結果をウェブサイト等により公表しているものと承知している。

三の(2)について

RCCは、役員の選任に当たっては、RCCの業務が、資産管理回収業務等、専門性の高い業務であることを勘案し、法曹界、官界、金融界等の適任と思われる人物を候補者として提案しているものと承知している。

三の(3)について

預金保険機構(以下「機構」という。)は、RCCの株主として株主総会において議決権を行使するに当たっては、必要に応じて金融庁や財務省と協議を行っているものと承知している。

また、RCCは、会社法(平成十七年法律第八十六号)第三百二十八条に基づく会計監査人設置会社として、その計算書類について、監査役及び会計監査人の監査を受けている。なお、機構、金融庁及び財務省においては、RCCの決算の概要について各々報告を受けている。

三の(4)について

RCCによると、株主総会議事録及び取締役会議事録の公表について規定する法律はないことから、これらは公表していないとのことである。なお、RCCは、その業務の重要性に鑑み、役員人事等の重要な事項については、株主総会等の結果をウェブサイト等により公表しているものと承知している。

三の(5)について

RCCによると、RCCの役員については、取締役は毎年、監査役は四年毎に株主総会において選任しているところであるが、業務の必要性等に応じ、役員の再任をお願いしているとのことである。

なお、志田康雄副社長及び藤井保憲監査役については、平成二十四年六月二十日の株主総会の終了をもって退任したと承知している。

三の(6)について

RCCによると、弁護士報酬については、他の報酬事例や業務の困難性等を勘案して決定しているとのことである。

三の(7)について

RCCによると、役員報酬については、RCCからの議案の提出及び株主総会における決議によりその総額を決定しているほか、個々の役員報酬については、担当業務の責任や内容等に応じて、株主総会で決議した報酬総額の範囲内で、取締役の報酬は取締役会において決定し、監査役の報酬は監査役会において監査役全員の同意により決定しているとのことである。

三の(8)について

RCCによると、社長を補佐する等、業務上の必要性が認められる場合には、社長代行を置くこととしているとのことである。

四の(1)について

機構によれば、平成二十三年度中に着手した財産調査の対象となった債務者数の買取先機関別の比率については、特定住宅金融専門会社からの買取りが十八パーセント、破綻金融機関からの買取りが六十四パーセント、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(平成十年法律第百三十二号)第五十三条第一項第一号に規定する者からの買取りが十八パーセントとなっているとのことである。なお、機構は同年度には立入調査は実施していないとのことである。

四の(2)及び(3)について

財務省によると、同省が受け付けた苦情に係る記録のうち、機構の財産調査及び立入調査に関するものは存在しないとのことである。

四の(4)について

預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)、特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法(平成八年法律第九十三号)及び金融機能の再生のための緊急措置に関する法律の規定に基づき、機構は、債務者の財産が隠蔽されているおそれがあるものその他その債務者の財産の実態を解明することが特に必要であると認められるものについて、その債務者の財産の調査を行うことができるとされ、また、機構の職員は、財産調査を行う場合において必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、債務者等が所有し、若しくは占有する不動産に立ち入ること等ができるとされており、これにより、機構は、財産調査や立入調査を適切に実施しているものと承知している。お尋ねのマニュアルについては、機構は、今後の財産調査や立入調査の円滑な実施、ひいては債権回収業務の遂行に支障をきたすおそれがあることから、開示しないこととしていると承知している。

五の(1)について

「事業再生」という用語は、一般に、企業等の不振事業の再生に関連する様々な手法について用いられており、RCCも、定款で定められた資産管理回収業務等の一環として、こうした一般的な意味での「事業再生」に当たる業務を実施することがあると承知している。

五の(2)について

お尋ねについては、RCCが債務者会社の再生計画の策定の支援を行った上で、入札等により、スポンサー、投資家等へ当該会社に対する債権を売却することにより当該会社を再生させる等の方法を指して債権売却による再生と呼ぶ場合があると承知している。なお、具体的な売却先については、RCCは開示しないこととしていると承知している。

六の(1)について

RCCは、給与や売掛金の差押えについては、慎重に検討の上、債務者の状況に応じて適切に対応しているものと承知している。

六の(2)について

RCCは、破産の申立てについては、慎重に検討の上、債務者の状況に応じて適切に対応しているものと承知している。

衆議院の原文

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