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子宮頸がん予防ワクチンの副反応被害と被害者の救済に関する質問主意書
衆議院 第190回 第106号お答えすることは困難 ×1
質問本文
厚生労働省は、二〇一〇年から子宮頸がんワクチン接種緊急促進事業として、公費負担により子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の予防接種を促進してきた。
初年度の二〇一〇年は任意であるが接種を推奨し、二〇一三年三月の予防接種法の改正に伴い四月から定期接種にして積極的な接種に切り替えた。
しかし、全国で接種後の健康被害が報告されたことから、同年六月に「積極的に勧奨しない」方針に変更するなど、対応が二転三転し、しかも対策も十分ではなく、また副反応を訴える被害者への救済も後手に回っているという批判が相次いでいる。
そこでお尋ねする。
一 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の予防接種が任意の接種勧奨から定期接種へ、そして積極的に勧奨しないよう留意するという具合に、政府の取り組みが二転三転した理由は何か。
二 世界保健機関(WHO)が予防接種プログラムに組み込むよう各国に勧めているといえども、我が国で勧奨ないし定期に接種することとする場合、当然、副作用や効果等について一定の臨床実験や検査等所定の手続きを経た上で、実用化に及ぶものと思われる。今回の子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の場合はどのような手続きや実験、検査、確認を経て接種という実用化に及んだのか。
三 子宮頸がんワクチンの成分が未公表と聞くが、実際はどうか。未公表ならばなぜ公表できないのか。子宮頸がんワクチンの成分を公表するよう製薬会社に求めるべきではないか。未公表の成分のワクチンを使用することは予防接種法上可能なのか。
四 厚生労働省は、専門家による研究班を組織し、子宮頸がんワクチン成分と接種後の副反応被害との因果関係を徹底的に調査するとしている。なぜ未だに因果関係の解明や有効な治療方法の確立ができないのか。
五 子宮頸がんワクチンを接種した人が増加するにつれて、複合性局所疼痛症候群(CRPS)が特異的に見られるようになったとのことである。接種後の被害の実態調査を実施しているか。実施しているのであれば、これまでの接種者数、CRPSを訴える被害者数を接種時期別、地域別、年齢別、症状別に公表せよ。実施していないのであれば、その理由と今後の展望と対策を明らかにせよ。
六 政府は、今回の勧告で「子宮頸がんワクチンの接種を中止したわけではなく、定期接種の対象から外したわけでもない。定期接種希望者への周知を呼びかけるとともに、接種機会の確保を求める」とのことである。子宮頸がんワクチン成分と接種後の副反応被害との因果関係が解明されていない中で、このような勧告や取り組みは、子宮頸がんの発生率の高い若い女性に対する説明や対策としては極めて不十分であり、かつ、無責任なものであると思われる。政府の考えはどうか。がん予防の観点から政府はもっと積極的に若い女性に説明や対策を講じるべきではないか。
七 因果関係が明らかでないとして救済の手立てが講じられていない子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種後の副反応被害者を国の支援の下、早急に救済すべきではないか。
八 接種者は若年者が主体であると聞く。副反応が生じたならば、将来にわたる健康不安の問題が存在することになり、長期間の診察・検査を余儀なくされるため被害者とその家族に経済的・精神的負担が過大となることが考えられる。政府は今後どのような救済策や対策を講じる考えか。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
子宮頸がん予防ワクチンのうち、サーバリックスについては平成二十一年十月十六日に、ガーダシルについては平成二十三年七月一日に、厚生労働省において、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条第一項の承認を与えたものである。
子宮頸がん予防ワクチンについては、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会が平成二十二年十月に取りまとめた意見書を受けて、同年十一月から平成二十五年三月まで、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業により、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が実施する当該ワクチンの接種を支援したところである。また、同年四月から、ヒトパピローマウイルス感染症を予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)による定期の予防接種の対象としたところである。
その後、子宮頸がん予防ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が接種後に特異的に見られたことから、平成二十五年六月に開催された薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会及び厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の合同会議(以下「合同会議」という。)における議論を踏まえ、市町村に対して、「ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)」(平成二十五年六月十四日付け健発〇六一四第一号厚生労働省健康局長通知)により、当該疼痛の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間は、積極的な接種の勧奨を差し控えることを勧告したものである。
三について
子宮頸がん予防ワクチンの成分は、製造販売業者の添付文書等において、公表されているところである。
四について
子宮頸がん予防ワクチン接種後に生じた症状に関する病態の解明及び治療方法については、平成二十五年度から厚生労働科学研究費補助金により研究を行っているところであるが、政府としては、当該症状が多岐にわたるため、病態の解明及び治療法の確立を直ちに行うことは困難であると考えている。
五について
厚生労働省においては、平成二十六年十月に、ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状に係る追跡調査を実施し、平成二十七年九月の合同会議において子宮頸がん予防ワクチンが販売されてから平成二十六年十一月までの同ワクチンの接種者数の合計を公表しているところである。
また、予防接種法第十二条第一項及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第六十八条の十第一項及び第二項に基づき子宮頸がん予防ワクチンの製造販売業者又は医師から複合性局所疼痛症候群(以下「CRPS」という。)と厚生労働省に報告された症状の数、接種時期、年齢については、合同会議において公表している。なお、お尋ねの「地域別」のCRPSを訴える被害者数については、子宮頸がん予防ワクチン接種後に生じた症状を分析するに当たり必要な情報ではないため公表しておらず、今後も公表の予定はない。
六について
政府としては、引き続き、子宮頸がん予防ワクチンの有効性及び安全性等に関する情報提供を積極的に行ってまいりたい。
七及び八について
厚生労働省としては、子宮頸がん予防ワクチン接種後に生じた症状について、通常の医学的見地によれば接種後の症状の原因として予防接種以外の要因が考えられるが、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定はできない場合も救済の対象とするとの我が国の予防接種に係るこれまでの方針を踏襲し、合同会議における議論を踏まえ、救済を進めることとしている。また、患者及びその保護者の様々な相談に応じるため、平成二十七年十一月に、全都道府県に相談窓口を設置したところであり、引き続き、子宮頸がん予防ワクチン接種後に症状を生じた患者及びその保護者に対する支援を適切に行ってまいりたい。
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