ことばで探す › 衆議院 第196回
裁量労働制における偽造比較データ問題に関する質問主意書
衆議院 第196回 第118号お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2個別の事案 ×1
質問本文
二〇一五年三月に民主党厚生労働部門会議(当時)に政府から示された比較データに偽造があった。これは事実か。具体的にどの点が偽造だったのか。
この問題のデータは、一般労働者においては法定時間外労働のみを聞き取り、それに八時間を加算して、実労働時間としていた。所定労働時間が八時間未満の事業場があったとすれば、不適切と考えるが如何か。
所定労働時間が八時間未満の事業場はあったのか。
この偽造比較データは、ねつ造された疑いがあるが、真実は如何か。一般労働者は一か月で最長の法定時間外労働をした一日を聞き取り、裁量労働制の労働者には平均の一日の労働時間を聞き取り、両者を比較して裁量労働制の方が実労働時間は短いとしていた。誰でも比較してはならないとわかる比較をすることは、意図があったと考えるのが自然だが、真実は如何か。どのような意図があって比較してはならないデータを比較したのか。
この比較データを作成したのは当時の厚生労働省労働基準局労働条件政策課で間違いないのか。当時は同課には何人の課員がいたのか。作成した人物は特定されているのか。その人物に作成意図を確認すべきと考えるが如何か。首相や厚労大臣、あるいは首相官邸サイドから裁量労働制導入に有利になるようなデータの提示を厚労省にほのめかしたことはあるか。
ねつ造疑惑を解明するための調査はするおつもりはあるか。
国会答弁や諸々の会議、打ち合わせで、この偽造比較データを使ったことがあれば、日付とともにお示し願いたい。
本年三月四日、新聞報道にあったように野村不動産で過労自殺があったことは把握しているか。加藤厚生労働大臣がその事実を把握したのはいつか。国会で野村不動産の不適切な裁量労働制適用事例について質問を受ける前だったのか。野村不動産で過労自殺をされた方は適正な企画業務型裁量労働制の適用労働者だったのか。
「平成二十五年度労働時間等総合実態調査」(以下、当該調査という)は何件、何事業所でデータの誤りがあったのか。この誤り以外の誤りはもう無いと考えてよろしいか。当該調査をもって「議論の出発点」としたい、と二〇一三年九月二十七日の第百三回労働政策審議会労働条件分科会で、厚労省村山労働条件政策課長は発言している。この発言は、後の高度プロフェッショナル制度導入・裁量労働制の拡大も含む「議論の出発点」という意味での発言だったのか。
安倍首相は衆議院予算委員会で「答弁は撤回するが、データは撤回しない」との趣旨の答弁をしている。首相のいうデータとは何を示すのか。そのデータには間違いはないのか。データの精査はいつ終了するのか。その精査次第によっては、首相が「データを撤回」することもあるのか。
今回、裁量労働制の法人営業への拡大を断念した理由をお示し願いたい。データの不備が理由であるとすれば、高度プロフェッショナル制度の導入も断念しなくてはならない。高度プロフェッショナル制度導入を断念しない理由をお示し願いたい。
年収千七十五万円以上でこれまで過労死、過労自殺をされた方は何人か、お示し願いたい。また、裁量労働制適用者で過労死、過労自殺をされた方は裁量労働制導入以来、何人か。
裁量労働制を違法に適用して、罰金を科せられた事例は裁量労働制の導入以来何件あるのか、お示し願いたい。
裁量労働制は労働時間把握が適切になされているのか、適切になされているか否かの調査があれば、調査結果とともにお示し願いたい。
裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度導入の趣旨は、労働者代表のいない産業競争力会議で決定された。それは事実か。このような労働者代表のいない場での働き方の意思決定があった過去の事例をお示し願いたい。
今回、首相は答弁を撤回・謝罪したが、なぜか。その理由をお示し願いたい。また、一連の偽造比較データ問題に関する政治責任を首相はどう考えるのか、内閣の見解をお示し願いたい。
右質問する。
政府答弁書
お尋ねの「二〇一五年三月に(中略)日付とともにお示し願いたい」については、お尋ねの「データ」の意味するところが「平成二十五年度労働時間等総合実態調査結果」(以下「平成二十五年度調査結果」という。)ならば、現在精査中であり、お答えすることは困難である。また、「偽造比較」及び「ねつ造疑惑」についても、現在、平成二十五年度調査結果を精査中であり、お答えすることは困難である。なお、お尋ねの「今回、首相は・・・内閣の見解をお示し願いたい」については、平成三十年一月二十九日の衆議院予算委員会における安倍内閣総理大臣の「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもあるということは御紹介させていただきたい」という答弁について、引き続き精査が必要な平成二十五年度調査結果を基に行ったものとして、撤回し、おわび申し上げたところである。
お尋ねの野村不動産における過労自殺については、個別の事案に関することであり、お答えを差し控えたい。
お尋ねの「「平成二十五年度労働時間等総合実態調査」・・・誤りはもう無いと考えてよろしいか」については、平成二十五年度調査結果について、現在精査中であり、その内容について現時点でお答えすることは困難である。
お尋ねの「当該調査をもって(中略)発言だったのか」については、平成二十五年九月二十七日の第百三回労働政策審議会労働条件分科会において、今後の労働時間法制等の検討の際に必要となる資料の一つとして、平成二十五年度調査結果を当該分科会に報告する旨発言したものである。
お尋ねの「安倍首相は衆議院予算委員会で(中略)「データを撤回」することもあるのか」については、安倍内閣総理大臣が、平成三十年二月十四日の衆議院予算委員会において、「引き続き精査が必要なデータをもとに行った一月二十九日の本委員会における私の答弁は撤回をするとともに、おわびを申し上げたいと思います」と答弁したところであるが、当該データは、平成二十五年度調査結果を指したものである。平成二十五年度調査結果の内容については、現在精査中であり、その精査の終了時期等について現時点でお答えすることは困難である。
お尋ねの「今回、裁量労働制の法人営業への拡大を断念した・・・高度プロフェッショナル制度導入を断念しない理由をお示し願いたい」については、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十八条の三及び第三十八条の四の規定によるみなし労働時間制度については、その実態について把握し直した上で議論し直すため、労働政策審議会が昨年九月に答申した働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱中、第一の五「企画業務型裁量労働制」に関係するものについて削除した上で、法案を提出することとしているところであり、一方、いわゆる高度プロフェッショナル制度については、新しい制度として議論されたものであるため、法案に盛り込むこととしているところである。
お尋ねの「年収千七十五万円以上でこれまで過労死、過労自殺をされた方」の数については、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による保険給付の支給の決定又は不支給の決定に当たり、被災労働者の年収を確認していないため、把握していない。
お尋ねの「裁量労働制適用者で過労死、過労自殺をされた方」については、平成二十三年度から平成二十八年度までの間において、労働者災害補償保険法に基づき脳・心臓疾患に起因する死亡として認定された件数は七件であり、精神障害に起因する自殺(未遂を含む。)として認定された件数は六件である。なお、平成二十二年度以前において、脳・心臓疾患又は精神障害に起因する死亡として認定された者の件数については、集計を行っておらず、お答えすることは困難である。
お尋ねの「裁量労働制を違法に適用して、罰金を科せられた事例」の件数については把握していないが、労働基準監督署が平成二十八年及び平成二十九年に検察官に送致又は送付した事件について集計した結果によると、お尋ねのような事例はない。
お尋ねの「裁量労働制は労働時間把握・・・調査結果とともにお示し願いたい」については、御指摘の観点からの調査は現時点において行っていない。
お尋ねの「裁量労働制の拡大・・・事例をお示し願いたい」については、裁量労働制の拡大等の「趣旨」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×6趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2個別の事案 ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。