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裁量労働制で働く労働者と一般の労働者の労働時間の長さに対する認識等に関する質問主意書

衆議院 第196回 第46号お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×7

提出者
希望の党・無所属クラブ
提出日
2018年2月1日
内閣転送 2018年2月5日
答弁書受領日
2018年2月9日
提出から8日
答弁の項目数
9
質問 3,512字/答弁 4,521字

質問本文

第百四十一回労働政策審議会労働条件分科会で示された、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(諮問時からの変更点を反映させたもの)」(以下、「働き方改革推進法案要綱」という。)において、「企画業務型裁量労働制」の対象業務の追加が規定されています。

この点に関し、以下、質問します。

一 労働基準監督署の是正勧告等の行政指導の裁量労働制の適用に関わるものの件数、及び、裁量労働制の適用に関して労働基準監督署から送検したものの件数を、それぞれ、過去五年間、年度別に、企画業務型と専門業務型に分けて示して下さい。また、その件数を踏まえ、政府として、裁量労働制の適正な運用に十分に対応できているか否かについての見解も示して下さい。なお、件数についてデータがなければ、それぞれいつまでに調査して公表するのかを示して下さい。

二 平成三十年一月二十九日の衆議院予算委員会での長妻委員に対する安倍総理の答弁で、「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」とありますが、当該データの出所を示し、その出所のどのページをとらえて、「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短い」としたのか示して下さい。併せて、「平均的な方」とは、どのような基準で抽出し、どのように集計しているかについても示して下さい。なお、このような見解を、政府はこれまで示したことはありましたか、それとも今回の答弁が初めてですか。

三 平成三十年一月三十一日の参議院予算委員会での森本委員に対する加藤大臣の答弁で、「裁量労働制の方が実際の一般の働き方に比べて長いという資料もございますし、他方で、平均で比べれば短いという統計もございます」「平成二十五年度労働時間等総合実態調査、これ、厚生労働省が調べたものでありますけれども、平均的な一般労働者の時間が、これは一日の実労働時間ですが、九時間三十七分に対して企画業務型裁量労働制は九時間十六分と、こういう数字もある」とありましたが、このことは、労働政策審議会の資料等で公表されている平成二十五年度労働時間等総合実態調査結果のどこに掲載されていますか。もし公表されていないのであれば、「九時間三十七分」「九時間十六分」と算出するために使用したデータ、計算式を公表して下さい。

四 平成二十五年度労働時間等総合実態調査で、一般労働者のうちの平均的な者について、一日、一週間及び一ヶ月の実労働時間の平均はそれぞれ何時間ですか。同様に専門業務型裁量労働制および企画業務型裁量労働制の平均的な者について、一日、一週間及び一ヶ月の実労働時間の平均はそれぞれ何時間ですか。

五 平成二十五年度労働時間等総合実態調査で、一般労働者、専門業務型裁量労働制を適用された労働者、企画業務型裁量労働制を適用された労働者の実労働時間は、それぞれどのようなデータもしくは手法で把握しましたか。

六 独立行政法人労働政策研究・研修機構の「裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果労働者調査結果」(平成二十六年五月三十日)では、一ヶ月の労働時間の平均は、通常の労働時間制、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制について、それぞれ何時間ですか。政府の承知するところをお示し下さい。また、当該調査結果では、企画業務型裁量労働制の方が、通常の労働時間制よりも労働時間が長いという結果が出ており、平成二十五年度労働時間等総合実態調査と反対の結果となっていますが、その理由は何ですか。

七 平成三十年一月三十一日の参議院予算委員会での森本委員に対する加藤大臣の答弁で、「裁量労働制ということで、じゃ、しっかりフォローしていく必要があるというのは、それは私どももそういう必要があるということで、過去の分も含めて、今そういった観点から、統計というんでしょうか、把握に努めていきたい」とありますが、この把握はいつまでに実施し、その結果をいつまでに公表しますか。

八 平成三十年一月三十一日の参議院予算委員会での森本委員に対する加藤大臣の答弁で、「裁量労働制を導入している事業場に対して、まず事業主自ら法令に従った運用がなされているかを点検し、その結果を報告して頂いて」とありますが、この報告はいつまでに求め、その結果はいつまでに公表しますか。

九 安倍総理は、働き方改革で拡大される企画業務型裁量労働制について、「営業、販売のみを事業内容とする営業所で働く方は対象とならない」と答弁しているが、こうした労働者を対象とするとどのような問題や弊害があると認識していますか。

十 平成二十七年三月二十五日の衆議院厚生労働委員会で、当時の塩崎厚生労働大臣は、「企画立案調査分析業務と組み合わせる業務が、個別の製造業務や備品等の物品の購入業務とか、あるいは庶務経理業務とか、こういう単純な業務ではないということであって、そうすれば(中略)二百万でそういうようなことをやることはまずあり得ない話でありまして、そういう人たちではないということがまず第一であります。」と答弁していますが、年収が二百万円に満たない労働者に、現在、企画業務型裁量労働制を適用することは、禁止されていますか。事業主に罰則や罰金は適用されますか。また、禁止されている、あるいは違法なら、根拠となる条文や通達等を示して下さい。なお、「あり得ない」ことは、どのように確認していますか。

十一 十について、禁止や違法とする条文や通達があれば、年収がいくら以下の労働者に、企画業務型裁量労働制の適用が禁止もしくは違法とされていますか。

十二 十について、禁止や違法とする根拠がなければ、年収が二百万円に満たない労働者にも、企画業務型裁量労働制が適用され得るということですか。もしくは、適用されても、禁止されていない、違法ではないということですか。

十三 十について、働き方改革で拡大される企画業務型裁量労働制では、年収が二百万円に満たない労働者に適用することは禁止される、あるいは違法となりますか。事業主に罰則や罰金は適用されますか。

十四 ハローワークでは、新卒を対象とする求人で、裁量労働制の適用を明記しているものを掲載していますか。もし掲載しているのであれば、そのハローワークの求人は、どのような場合は適切で、どのような場合は不適切ですか。具体的に例示して見解を示して下さい。例えば、職種に「プログラマー」および「営業」とのみ記載のある求人は適切ですか、それとも不適切ですか。

十五 損害保険会社の法人営業を行う部署では、顧客の建物や設備に合わせた火災保険の商品設計を行い提案するとともに、従業員向けの保険商品の提供なども行っています。こうした部署で働く労働者は、働き方改革で拡大される企画業務型裁量労働制の対象になりますか。また、現在の企画業務型裁量労働制の対象になりますか。

十六 損害保険代理店の営業は、法人の顧客の建物や設備に合わせた火災保険等の商品設計・提案、募集をするとともに、従業員向けの保険商品の提案なども行いながら、一般の個人の自動車保険、火災保険について保険商品の設計・提案も行っています。こうした部署で働く労働者は、働き方改革で拡大される企画業務型裁量労働制の対象になりますか。また、現在の企画業務型裁量労働制の対象になりますか。

十七 マンション販売会社で、効率的な資金調達方法と併せて法人のマンション購入を提案するとともに、個人向けのマンション購入の提案や販売を行っている労働者は、働き方改革で拡大される企画業務型裁量労働制の対象になりますか。また、現在の企画業務型裁量労働制の対象になりますか。

十八 印刷会社で、法人の印刷物の企画提案、受注を担当する労働者は、働き方改革で拡大される企画業務型裁量労働制の対象になりますか。また、現在の企画業務型裁量労働制の対象になりますか。

十九 平成二十六年五月二十八日の第四回産業競争力会議課題別会合での厚生労働大臣提出資料の中で、「※以下の労働者は、『裁量労働制の新たな枠組みの構築』の対象に含めない」とありますが、ここに列挙されている四つのそれぞれの属性の労働者像は、働き方改革で拡大される企画業務型裁量労働制の対象に含まれないという認識でよいですか。もし、この認識が異なるのであれば、どのような議論を経て、この四つの属性の労働者のすべてあるいは一部が、対象に含まれることになりましたか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び七について

お尋ねの観点からは、統計をとっておらず、お答えすることは困難である。

現在、厚生労働省において労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十八条の三及び第三十八条の四の規定によるみなし労働時間制度(以下「裁量労働制」という。)に係る監督指導を実施した件数や送検した件数の集計方法等について検討を行っているところである。

二及び三について

御指摘の平成三十年一月二十九日の衆議院予算委員会における安倍内閣総理大臣の答弁及び同月三十一日の参議院予算委員会における加藤厚生労働大臣の答弁は、平成二十五年十月三十日の第百四回労働政策審議会労働条件分科会における配付資料のうち、平成二十五年度労働時間等総合実態調査結果(以下「平成二十五年度調査結果」という。)の第五十二表において、労働基準法第三十八条の四の規定によるみなし労働時間制度(以下「企画業務型裁量労働制」という。)の対象労働者のうち、事業場ごとの労働時間が「平均的な者」については、一日の実労働時間が平均九時間十六分となっていることと、一般労働者(労働基準法第三十二条の四に規定する一年単位の変形労働時間制の対象労働者及び労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準(平成十年労働省告示第百五十四号)第五条に規定する事業等に従事する労働者以外の労働者をいう。以下同じ。)のうち、事業場ごとの労働時間が「平均的な者」については、一日の法定時間外労働時間が平均一時間三十七分となっていることを比較して述べたものである。

なお、平成二十五年度調査結果においては、一般労働者の「平均的な者」とは、「調査対象月において最も多くの労働者が属すると思われる時間外労働時間数の層に属する労働者」であり、その法定時間外労働時間を集計しているところである。

また、労働基準法第三十八条の三の規定によるみなし労働時間制度(以下「専門業務型裁量労働制」という。)の対象労働者又は企画業務型裁量労働制の対象労働者の「平均的な者」とは、「労働基準法第三十八条の三第一項第四号又は第三十八条の四第一項第四号に規定する労働時間の状況として把握した時間」が平均的な者であり、その労働時間を集計しているところである。

なお、平成二十七年七月三十一日の衆議院厚生労働委員会において、塩崎厚生労働大臣(当時)が「労働時間の長さは、平均的な方については、実は、今ある専門業務型の裁量労働制、それから企画業務型の裁量労働制、それと一般の方々との比較であるわけでありますけれども、これは言ってみれば、長い時間働いていらっしゃる方々、・・・平均的な方を見てみると、実はこの三つを比べてみるとそう変わらないわけです。例えば平均時間でいきますと、専門業務型の裁量労働制だと九時間二十分、企画業務型の裁量労働制だと九時間十六分、むしろちょっと専門業務型よりも少ない。一般労働者でいきますと九時間三十七分ということで、若干、むしろ一般労働者の方が平均でいくと長い。」と答弁しているところである。

四及び五について

平成二十五年度調査結果において、一般労働者のうち事業場ごとの労働時間が「平均的な者」で、一日の法定時間外労働時間は平均一時間三十七分、一週間の法定時間外労働時間は平均二時間四十七分、一か月の法定時間外労働時間は平均八時間五分となっている。

また、専門業務型裁量労働制の対象労働者のうち事業場ごとの労働時間が「平均的な者」で、一日の実労働時間は平均九時間二十分、企画業務型裁量労働制の対象労働者のうち事業場ごとの労働時間が「平均的な者」で、一日の実労働時間は平均九時間十六分となっている。専門業務型裁量労働制の対象労働者及び企画業務型裁量労働制の対象労働者にあっては、一週間及び一か月については調査していない。

当該調査は、平成二十五年四月から六月に全国の労働基準監督署の労働基準監督官が事業場を訪問する方法により実施したものである。

六について

裁量労働制等の労働時間制度に関する調査結果(労働者調査結果)(以下「機構調査結果」という。)における一か月の労働時間の平均は、厚生労働省が無作為に抽出した事業場で働く労働者については、通常の労働時間制(労働基準法第三十二条に規定する労働時間制度をいう。以下同じ。)では百八十六・七時間、専門業務型裁量労働制では二百三・八時間、企画業務型裁量労働制では百九十四・四時間となっている。また、民間の調査会社の事業所データベースに登録されている事業場について無作為抽出した事業場で働く労働者については、通常の労働時間制では百八十五・〇時間、専門業務型裁量労働制では二百六・五時間、企画業務型裁量労働制では百九十七・二時間となっている。

機構調査結果は、平成二十五年度調査結果とは調査対象、調査方法等が異なることから、単純に比較することは困難である。

八について

お尋ねの「報告」については、裁量労働制を導入している事業場の事業主に対し、平成三十年二月中に報告をするよう求めているところである。現在、厚生労働省において、当該報告の結果を取りまとめる時期や方法について検討を行っているところであり、お尋ねについてお答えすることは困難である。

九について

御指摘については、第百四十回労働政策審議会労働条件分科会において、労働者代表委員より、企画業務型裁量労働制の対象となる業務(以下「対象業務」という。)について、業務の進め方等に裁量がない法人営業全体に拡大しかねないといった趣旨の懸念が示され、また、労働政策審議会が昨年九月に答申した働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(以下「法案要綱」という。)において、企画業務型裁量労働制の対象に追加することとされた業務(以下「新対象業務」という。)について、「対象業務に従事する労働者は、対象業務を適切に遂行するために必要なものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する知識、経験等を有するものに限るものとすること」とされるとともに、「既製品やその汎用的な組み合わせの営業は対象業務になり得ないこと及び商品又は役務の営業活動に業務の重点がある業務は該当しないことを指針に定めること」とされており、対象業務及び新対象業務に係る企画業務型裁量労働制について、当該要件を満たすことを必要とすること等を検討中である。

十から十三までについて

企画業務型裁量労働制の対象労働者についての収入に関する要件はない。労働基準法第三十八条の四第一項の規定において、「対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者」であること等が必要とされており、これらの要件を満たす場合は、企画業務型裁量労働制を適用することができる。労働基準監督署においては、これらの要件を満たしているか否か等を確認し、不適切な状況があれば、指導を行っているところである。

また、これらの要件を満たさず、労働基準法第四章の労働時間に関する規定の適用に当たっての労働時間のみなしの効果が生じないことにより、同法第三十二条又は第三十七条第一項の違反となる場合には、同法第百十九条により、六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金の対象となる。

なお、法案要綱においては、「対象業務に従事する労働者は、対象業務を適切に遂行するために必要なものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する知識、経験等を有するものに限るものとすること」とされており、これを企画業務型裁量労働制の対象労働者の要件として定めることを検討中である。さらに、新対象業務に係る裁量労働制についても、当該要件を満たすことを必要とすることを検討中であり、罰則についても検討中である。

十四について

公共職業安定所が新規大学卒業予定者等を対象として受理した求人であって、裁量労働制を適用することを記載しているものはある。

お尋ねの「新卒」及び「プログラマー」については、具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、労働基準法第三十八条の三に規定する要件を満たす場合には専門業務型裁量労働制を適用することが可能である。

また、「営業」については、具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。

なお、企画業務型裁量労働制について、法案要綱においては「対象業務に従事する労働者は、対象業務を適切に遂行するために必要なものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する知識、経験等を有するものに限るものとすること」とされており、これを企画業務型裁量労働制の対象労働者の要件として定めることを検討中である。さらに、新対象業務に係る企画業務型裁量労働制についても、当該要件を満たすことを必要とすることを検討中である。

十五から十九までについて

個々の労働者の業務が対象業務又は新対象業務に該当するか否かについては、個別具体的に判断する必要があるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、対象業務については、その要件を労働基準法第三十八条の四第一項第一号において「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」と規定しており、この要件に該当するものに限り対象業務となる。

また、法案要綱においては、企画業務型裁量労働制について、「(一)事業の運営に関する事項について繰り返し、企画、立案、調査及び分析を主として行うとともに、これらの成果を活用し、当該事業の運営に関する事項の実施状況の把握及び評価を行う業務」及び「(二)法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を主として行うとともに、これらの成果を活用し、当該顧客に対して販売又は提供する商品又は役務を専ら当該顧客のために開発し、当該顧客に提案する業務(主として商品の販売又は役務の提供を行う事業場において当該業務を行う場合を除く。)」を新たに対象業務となる業務として追加することとされており、この要件に該当するものに限り新対象業務とすることを検討中である。

なお、これに関し、法案要綱においては、(一)については「事業の運営に関する事項の実施方法の改善を行うものであることを指針に定めること」、(二)については「法人である顧客の事業の運営に関する事項を改善するために行うものであることを指針に定めること」並びに(一)及び(二)については「既製品やその汎用的な組み合わせの営業は対象業務になり得ないこと及び商品又は役務の営業活動に業務の重点がある業務は該当しないことを指針に定めること」とされており、厚生労働大臣が労働基準法第三十八条の四第一項に規定する委員会が決議する事項について定める同条第三項に規定する指針においてその旨を定めることを検討中である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×5趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×7

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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