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業務に営業活動が含まれる労働者に対する裁量労働制の適用の適否等に関する質問主意書
衆議院 第196回 第28号お答えすることは困難 ×4検討してまいりたい ×6
質問本文
第百四十一回労働政策審議会労働条件分科会で示された、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(諮問時からの変更点を反映させたもの)」(以下、「働き方改革推進法案要綱」という。)において、「企画業務型裁量労働制」の対象業務の追加が規定されています。
この点に関し、以下、質問します。
一 業務の一部が営業である労働者に対し、現行の企画業務型裁量労働制を適用することが、合法となる可能性はありますか。可能性がある場合には、その条件を示して下さい。
二 「働き方改革推進法案要綱」で業務が追加された企画業務型裁量労働制を、業務の一部が営業である労働者に対し適用することが合法になる可能性はありますか。可能性がある場合には、その条件を示して下さい。
三 一では合法ではないが、新たに二で合法となる一部の業務としての営業は、どのような営業ですか。
四 業務の一部として、個人を対象とする営業と、法人を対象とする営業を担当している労働者に対して、現行の企画業務型裁量労働制を適用することが、合法となる可能性はありますか。可能性がある場合には、その条件を示して下さい。
五 「働き方改革推進法案要綱」で業務が追加された企画業務型裁量労働制を、業務の一部として、個人を対象とする営業と、法人を対象とする営業の両方を担当している労働者に対し適用することが合法になる可能性はありますか。可能性がある場合には、その条件を示して下さい。
六 ファストフードや弁当、スポーツクラブなどのチェーン店の店長は、「働き方改革推進法案要綱」で業務が追加された企画業務型裁量労働制の対象になり得ますか。
七 裁量労働制の適用について、過去五年間で、労働基準監督署が、実際の労働時間が、設定されたみなし労働時間に比べて短いことについて事業所に指導した件数を、一年ごとに示して下さい。また、みなし労働時間が適正か否かを、どのような点に着目し、どのような手法で監視や情報収集を行っているのかについて示して下さい。
八 二〇一七年十二月に東京労働局が是正勧告を行った野村不動産の事案は、「働き方改革推進法案要綱」で業務が追加された企画業務型裁量労働制では、是正勧告の対象となりますか。政府の認識とその理由を示して下さい。
九 野村不動産の事案等から、現状でも裁量労働制が適切に適用されていることを監視することは困難と考えられる中で、裁量労働制を拡大することは、不適切な適用を増大させる恐れがあります。この点に関する政府の見解を示して下さい。
十 裁量労働制が適用されていた労働者について、検証の結果、その適用が違法であり無効と判断された場合、当該期間の残業代の支払いを行う以外に、事業主に罰則の適用等はありますか。
十一 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)について、基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準とはいくらですか。また、賃金には、残業代や業績給は含まれますか。もし含まれる場合、つまり、基本給は六百万円程度でも、残業代等が多く、年収が基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準であれば、高度プロフェッショナル制度は適用されますか。
十二 高度プロフェッショナル制度を適用された労働者が、適用後に年収が下がり、基準年間平均給与額の三倍を下回った場合、自動的に高度プロフェッショナル制度の適用から外れますか。
右質問する。
政府答弁書
一及び四について
御指摘の「営業」、「個人を対象とする営業」及び「法人を対象とする営業」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではなくお答えは困難であるが、現行の労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十八条の四の規定によるみなし労働時間制度(以下「企画業務型裁量労働制」という。)における同条第一項第一号に規定する対象業務(以下「対象業務」という。)については、その要件を同号において「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」と規定しており、この要件に該当するものに限り対象業務となる。
二、三、五、六及び八について
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の内容については、現在検討中であることから、お尋ねについてお答えすることは困難である。
なお、労働政策審議会が昨年九月に答申した働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱(以下「法案要綱」という。)においては、企画業務型裁量労働制について、「事業の運営に関する事項について繰り返し、企画、立案、調査及び分析を主として行うとともに、これらの成果を活用し、当該事業の運営に関する事項の実施状況の把握及び評価を行う業務」及び「法人である顧客の事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析を主として行うとともに、これらの成果を活用し、当該顧客に対して販売又は提供する商品又は役務を専ら当該顧客のために開発し、当該顧客に提案する業務(主として商品の販売又は役務の提供を行う事業場において当該業務を行う場合を除く。)」を新たに対象となる業務(以下「新対象業務」という。)に追加することとされており、これらの要件に該当するものに限り新対象業務とすることを検討中である。また、法案要綱において「既製品やその汎用的な組み合わせの営業は対象業務になり得ないこと及び商品又は役務の営業活動に業務の重点がある業務は該当しないことを指針に定めることとする」とされており、厚生労働大臣が労働基準法第三十八条の四第一項に規定する委員会が決議する事項について定める同条第三項に規定する指針において、その旨を定めることを検討中である。
七について
お尋ねの観点からは、統計をとっておらず、お答えすることは困難である。
また、労働基準監督署がどのような手法等で監督対象事業場の選定、情報収集等を行うかについては、これを公にすることにより、監督指導等の事務の性質上当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えは差し控える。
九について
企画業務型裁量労働制については、労働基準法第三十八条の四の規定において、その委員の半数については事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者により指名された者であること等の条件に適合する委員会において、対象業務に就かせたときはその決議で定める時間労働したものとみなされることとなる者の範囲、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定めた時間労働したものとみなすことについて当該労働者の同意を得なければならないことなどを決議することなどその導入については、同条に規定する要件に適合することを求めている。さらに、労働基準監督署の監督指導においても、企画業務型裁量労働制に不適切な状況があれば、指導を行っているところである。新対象業務についても、適切に運用されるものとなるよう、その導入の要件について検討中である。
十について
労働基準法第四章の労働時間に関する規定の適用に当たっての労働時間のみなしの効果が生じないことにより、同法第三十二条又は第三十七条第一項の違反が認められた場合には、同法第百十九条により、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金の対象となる。
十一及び十二について
お尋ねの「基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準」については、法案要綱において、「基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」としており、当該厚生労働省令で定める額は、平成二十七年二月に労働政策審議会で取りまとめられた今後の労働時間法制等の在り方について(報告)において、「具体的な年収額については、労働基準法第十四条に基づく告示の内容(千七十五万円)を参考に、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で規定することが適当」とされ、今後労働政策審議会での検討を踏まえ検討することとしており、現時点でお答えすることは困難である。
また、いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象労働者の年収要件は、法案要綱において、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が(中略)厚生労働省令で定める額以上であること」としており、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金」については、労働の状況等に応じて支払われることとなる「残業代や業績給」は含めないこととすることを検討中である。また、法案要綱においては、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が(中略)厚生労働省令で定める額以上であること」を制度上の要件としており、労働契約において当該要件を下回ることとなる可能性がある場合には、いわゆる高度プロフェッショナル制度の対象労働者とならないものとすることを検討中である。
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