Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 衆議院 第198回

原子力規制委員会が職業上の放射線防護のための国際基準の和訳を非公開としていることに関する再質問主意書

衆議院 第198回 第260号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×3承知していない ×2

提出者
立憲民主党・無所属フォーラム
提出日
2019年6月19日
内閣転送 2019年6月24日
答弁書受領日
2019年6月28日
提出から9日
答弁の項目数
12
質問 3,263字/答弁 2,149字

質問本文

原子力規制委員会が職業上の放射線防護のための国際基準の和訳を非公開としていることに関する質問主意書(以後、前質問)による答弁で、原子力規制委員会は既に、被ばくから労働者を保護するための新たな基準のドラフトであるDS453も、内容が確定したGSG−7も委託事業として和訳をさせ入手しているが、IAEA(国際原子力機関)許諾を理由に、そのどちらも現時点では非公開としていることが分かった。

また、それに先立っては、同基準をテーマに、一民間企業である株式会社千代田テクノルが「我が国の了解の下で」、五日間の国際ワークショップを二〇一七年十月にIAEAと主催したことも確認できた。その千代田テクノルは「政府を代表して」開催したとのレポートを載せた情報誌を発行しており、「了解」と「代表」の間で認識にズレがあるなど、不可解な点もある。

よって、再質問する。

一 前質問二の1「規制庁がDS453は政府および原子力規制庁の施策にとって重要性または緊急性の高いものだと判断したのは何故か」について、政府は「原子力規制委員会として、原子力の安全の確保に関する規制活動等に関する最新の知見の一つであると判断した」と答弁したが、二〇一八年三月に既に「翻訳を行った」と書かれた時点から、少なくとも一年三か月が経過した。許諾を得る手続きはいつ開始され、その後の進捗はどうであるのか、明らかにされたい。

二 前質問三で、仮訳があるのに、それを提供できない合理的な根拠を尋ねたが、明確な答弁がなかった。重要かつ緊急なものであれば、原子力規制委員会や原子力規制庁が先んじて内部で利用するだけではなく、国会にも仮訳段階で提供できることを、国がIAEAに確認すべきである。その担当は外務省か原子力規制委員会か、明らかにされたい。

三 前質問四への答弁で、DS453の翻訳は「平成二十九年度放射線対策委託費(国際放射線防護調査)事業」の全体の予算は千七百三十四万五千円の内数であるとのことである。

1 DS453の翻訳費だけでいくらか。

2 これには、確定版であるGSG−7の翻訳費は含まれているか。含まれていないのであれば、誰にどのように委託をしたか、また、その委託費を明らかにされたい。

3 答弁によればDS453の翻訳は「規制の見直しの必要性の有無等を検討する際の参考」に活用しているということであり、既に業務に使われていると判断する。そうであれば翻訳は公表すべきである。参考の結果、実際に見直された点があるのかどうか、また、今後の見直しについての見通しも明らかにされたい。

四 前質問五で尋ねた二〇一八年二月一日発行の「FB News」についての答弁が不明確なので、再確認する。

1 千代田テクノルのウェブサイトによれば、「FB News」とは、同社が毎月一回発行している「放射線安全管理総合情報誌」であるとしているが、原子力規制委員会および原子力規制庁は、この情報誌の存在を認識しているか。

2 二〇一八年二月一日発行の「FB News」には、二〇一七年十月に五日間をかけて茨城県大洗町で開催した職業上の放射線防護に関する国際ワークショップについて、「千代田テクノルが日本政府の代理としてIAEAと共同開催した世界初の試みである」と書いてある。

一方、政府答弁では「『日本政府の代理として』の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の『国際ワークショップ』は、国際原子力機関の活動の一環として、我が国の了解の下で、我が国において、同機関と株式会社千代田テクノルが主催したものである」と答弁を行っている。

�@ 千代田テクノルが「日本政府の代理としてIAEAと共同開催した」との認識は、千代田テクノルの勘違いで、政府には「代理」をさせた認識はないのか。

�A 「我が国の了解の下で」とはどのような意味か。了解を与えたのは、原子力規制委員会か、原子力規制庁か、別の部署か、明確に答弁されたい。

�B 原子力規制庁と千代田テクノルとの関係性は不明瞭で、本来、原子力規制庁の業務とすべきIAEAとの情報共有の場を、了解してあるいは代理として千代田テクノルに行わせることは不適切であると思うが、どうか。

�C 日本政府は千代田テクノルとIAEAが主催した国際ワークショップ開催にかかる費用について千代田テクノルに支出を行った事実はあるか。またその金額を明らかにされたい。

�D 国際ワークショップには、「原子力規制庁より寺谷氏」がオブザーバーとして参加したと書かれているが、他には日本政府からは誰が参加したか。

�E 東京電力福島第一原子力発電所から講師とオブザーバーが参加したと書かれているが、講師としては何を講義したのか。

�F ワークショップ四日目に、「参加国を四つにグループ分けしたのちに各グループにDS453で述べている内容に関する命題を与え、討議を行ってもらった」とある。この討議内容について原子力規制委員会または原子力規制庁は報告を受けたか。

�G 日本政府が千代田テクノルに了解を与えて、「職業上の放射線防護」をテーマに国際ワークショップを開催したのは、何のためだったか。

五 前質問への政府答弁で既に行われていることが分かったGSG−7の和訳の許諾を得る作業はいつ始めたのか。いつまでに公開をおこなうべく調整を行っているのか。

六 IAEAが作成する基準や報告書は、通常、国連の公用語と同様の五ヶ国語に翻訳される。それらはGSG−7を含めインターネット上で公開されて世界中で共有されている。すなわち、五ヶ国語のどれかに精通する者であれば、誰でも支障なく読める。

しかし、たとえば日本語を母国語とする多くの日本人には、アクセスはできても理解ができず、実質的な非公開状態にある。和訳されてはじめて、五ヶ国語に精通した国民と同等の情報共有が行われた状態となる。ところが、前質問への答弁で判明したのは、日本における規制者、被規制者、そして規制によって保護される者のうち、規制者は委託翻訳によってIAEAによる許諾前の和訳を入手し、「規制の見直しの必要性の有無等を検討する際の参考」に活用しているということである。

また、規制者と規制者の一部関係者、および被規制者だけは、一民間企業である千代田テクノルがIAEAと共に主催した国際ワークショップで新たな国際基準への理解を深めていた。

その間、本来、規制によって保護されるはずの者たちは新たに採用されるべき基準を知らされず、長期にわたって実質非公開のまま放置されている。

1 五ヶ国語に精通する者と日本語のみを日用語としている国民等に情報格差が生じないよう、積極的に和訳を行うべきではないか。

2 規制者と規制者の一部関係者に比べて、被規制者や保護されるべき公衆に不利益が生じないよう、和訳からその公開までの時間を可能な限り短くすべきではないか。

3 原子力規制委員会のウェブサイトには、IAEAによって策定された新基準、その和訳公開予定日や和訳の中身などを分かりやすく一覧掲載し、アクセスし易くすべきではないか。

4 翻訳やその許諾に関するIAEAとの合意事項があるとすれば、日本語を日用語としている国民に不利益が生じないよう内容を改めるべきではないか。

七 冒頭で触れたレポートからは、千代田テクノルは、DS453およびGSG−7の英語版を、日本の一般国民より早く入手したことが推察でき、英語版でさえ、日本国民との情報格差があったと解される。同時点で規制庁などは英語版の情報開示に努めたのか。努めたならばその根拠を提示されたい。

更に日本語版に関しても千代田テクノルなど一部の特定者のみに情報共有され、大多数の国民が非開示状態を強いられたと解される。原子力規制行政の根幹である国民との情報共有、理解の促進に関して、著しいマイナス、情報格差をもたらしたと思われるが政府の認識を問う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び五について

お尋ねの「DS453」(以下「DS453」という。)については、国際原子力機関に訳文の公開の許諾を得るための同機関との調整は行っていない。また、お尋ねの「GSG―7」(以下「GSG―7」という。)の訳文の公開の許諾を得るための同機関への手続は本年六月に既に開始しており、できるだけ早く同機関の許諾を得るべく今後の手続を進めてまいりたい。

二について

お尋ねの「担当」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国際原子力機関の刊行物のうち、GSG―7などの原子力安全規制に関する刊行物について、その訳文を作成し公開するために必要な許諾を得るための調整は、業務に必要な範囲において、原子力規制委員会が行っている。

三の1について

お尋ねの「翻訳費」に係る予算には、DS453を含む複数の文書の翻訳の原案作成のための百二十六万円に加え、専門的見地から原案を修正することを目的の一つとした会議の開催に要する費用等が含まれることから、御指摘の「千七百三十四万五千円」からDS453の翻訳に要する費用のみを取り出して算出することは困難である。

三の2について

GSG―7は国際原子力機関から平成三十年十月に出版されたものであるため、その訳文の作成は、御指摘の「平成二十九年度放射線対策委託費(国際放射線防護調査)事業」ではなく、公益財団法人原子力安全研究協会に委託して実施した平成三十年度放射線対策委託費(国際放射線防護調査)事業(以下「平成三十年度委託事業」という。)により行った。平成三十年度委託事業に要した費用は、千八百二十四万千八百九十一円である。

三の3について

お尋ねのDS453の訳文については、先の答弁書(令和元年六月十四日内閣衆質一九八第二〇八号)四についてでお答えしたとおり、原子力規制委員会において、規制の見直しの必要性の有無等を検討する際の参考としているところ、現時点においては規制の見直しは行っておらず、引き続きその必要性の有無等を検討していくこととしている。

四の1について

御指摘の「FB News」について、存在は認識しているがその詳細は承知していない。

四の2の�@から�Bまで及び�Gについて

御指摘の「代理」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「国際ワークショップ」については、平成二十九年六月十六日に、国際原子力機関から、原子力規制委員会に対し、同機関が主催する同ワークショップを日本において開催することにつき意見照会とともに、株式会社千代田テクノルが同ワークショップについて同機関を支援する用意がある旨の連絡があり、同月十九日に、同社から同委員会に対し、同ワークショップを開催することになった旨の連絡があったところ、同委員会としては、同機関が日本において同ワークショップを開催することについて異存がないため、同年八月十四日付けで、同機関に対し、同社が日本における同ワークショップの主催者となる意思がある旨の回答を行ったにとどまるものであって、「千代田テクノルに行わせることは不適切」との御指摘は当たらない。

四の2の�Cについて

お尋ねの「国際ワークショップ」の開催に係る費用について、原子力規制委員会が株式会社千代田テクノルに支出を行った事実はない。

四の2の�Dについて

御指摘の「国際ワークショップ」には、御指摘の原子力規制庁職員は参加しておらず、同庁からは他の職員一名が参加している。原子力規制委員会として把握できる限りにおいて、その他の日本政府からの参加者については確認できなかった。

四の2の�Eについて

お尋ねの「国際ワークショップ」の議事次第によれば、東京電力ホールディングス株式会社の講師による講義は、「Engineered Controls, Administrative Controls and PPE」という件名であったと承知しているが、四の2の�Dについてで述べた同ワークショップに参加した職員は当該講義を聴講しておらず、原子力規制委員会としてはその内容について把握していない。

四の2の�Fについて

お尋ねの討議について、原子力規制庁の職員は参加しておらず、また、株式会社千代田テクノルからも報告を受けていない。

六について

原子力規制委員会は、従来より業務に必要な範囲において国際原子力機関が策定する国際的な基準等の刊行物の訳文を作成し、活用してきたところであり、今後、これらの刊行物の訳文の適切な公開等に努めてまいりたい。

七について

お尋ねの「同時点で規制庁などは英語版の情報開示に努めたのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国際原子力機関の策定する安全基準は、ドラフトを含めて同機関のウェブサイトにおいて公開されることから、同機関の策定した英語版の安全基準等について原子力規制委員会として情報開示に向けた取組は行っていない。

また、同委員会が保有するDS453及びGSG―7の訳文について、御指摘の「千代田テクノルなど一部の特定者」に提供した事実はない。今後、同委員会において、六についてで述べたとおり、同機関が策定する国際的な基準等の刊行物の訳文の適切な公開等に努めてまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×3承知していない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 2002年1月21日 北川れん子(社会民主党・市民連合) 答弁 2002年3月1日
衆議院 第154回 第4号趣旨が明らかではない ×1
提出 2024年12月23日 山本 太郎 答弁 2025年1月10日
参議院 第216回 第49号
提出 2017年6月1日 逢坂 誠二(民進党・無所属クラブ) 答弁 2017年6月9日

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる