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イージス・アショアに関する第三回質問主意書

衆議院 第198回 第302号

提出者
未来日本
提出日
2019年6月21日
内閣転送 2019年6月26日
答弁書受領日
2019年7月5日
提出から14日
答弁の項目数
5
質問 2,438字/答弁 801字

質問本文

一連の質問主意書に対する答弁書(内閣衆質一九八第一〇七号(以下「一〇七号答弁書」という。)及び内閣衆質一九八第一八三号(以下「一八三号答弁書」という。))、本年六月十八日の本院安全保障委員会(以下「委員会」という。)の質疑、及びこの間、明らかになった情報を基に、以下、質問する。

一 LMSSRとAESA技術について

(1) 米海軍は、最新鋭イージス艦向けに、SPY−6のレーダー・システム(「送受信モジュール」、「信号処理装置」、「冷却装置」及び「電力供給装置」)を、一基約百三十六億円(換算レート一ドル=百円で計算)で調達した実績があると報じられている。他方、我が国がイージス・アショア向けのレーダーとして導入を予定するLMSSRは、二基で三百五十一億円とされており、一基約百七十五億円と聞いている。また一〇七号答弁書「二の(1)について」によれば、LMSSRは、「一般輸入により調達される」が、委員会において政府は、「レーダーとシステム部分を接ぐ機微な部分については、FMSの契約範囲」と答えている。

「一般輸入により調達される」一基約百七十五億円のLMSSRの契約範囲には、「レーダーとシステム部分を接ぐ機微な部分」は含まれないと理解してよいか。

また、そうであれば、一基約百七十五億円の対象となる「レーダーとシステムを接ぐ機微な部分」以外の主要な部分とは何か。イージス・アショアの具体的な対処能力を明らかにするおそれがない表現、例えば、「アンテナ」、「信号処理装置」など、一般的な用語を用いて示されたい。

(2) 一〇七号答弁書「二の(3)について」によれば、LMSSRは、アラスカ州に配備される予定のLRDRと「同様の技術を用いて製造される」とされている。また、一八三号答弁書「一の(5)について」によれば、「主要な部品において」、「LRDRと共通のものが用いられる」とされている。ところで、LRDRには高度な技術である「アクティブ電子走査検式アンテナ(AESA)技術」が採用されていると聞く。このAESAの調達方法について、防衛省は委員会で、LMSSRのレーダー本体は、DCS(企業からの直接購入)で調達する旨の答弁を行ったが、AESAを含むレーダーとシステムを接ぐ機微な部分についてはFMS(米政府を通じての購入)での調達を行なうことが明らかになった。

他方、アメリカの国防関連機関に適用される国防安全保障協力局(DSCA)のメモランダム(二〇一六年十二月五日)によればAESA技術はFMSを通してしか他国に供与できないと読める(C4.3.5.2. FMS Only List)。LMSSRがAESA技術を採用している中で、DCS方式で企業から直接購入することはできるのか。もし可能だとしても、DCS方式の場合、米政府による維持管理・技術更新支援を得られるのか。LMSSRがLRDRと「同様の技術を用いて製造される」ならば、アンテナ部分も含め、米国政府からの保証が得られるFMS方式を追求すべきではないのか。そうでなければ、運用開始後の維持管理におけるコストがすべて日本政府の負担となるおそれがあり、コスト増の可能性がある。仮にAESA技術について、国内の防衛産業の技術水準が十分ならば、コスト削減の可能性も出てくると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 LRDRとイージス・アショアの関係について

一〇七号答弁書「二の(3)について」によれば、LMSSRは、アラスカ州に配備される予定のLRDRと「同様の技術を用いて製造される」とされている。同様に、一八三号答弁書「一の(5)について」によれば、LMSSRは、「主要な部品において」、「LRDRと共通のものが用いられる」とされている。

我が国が導入を予定するLMSSRと「同様の技術」や「共通のもの」を用いているLRDRは、イージス・システムで採用していると言えるのか。また、LRDRを使用する施設も、我が国のイージス・アショアと同じく、迎撃ミサイルSM−3を用いて、対象脅威を迎撃するためのものであると理解してよいか。

三 イージス・システムのソフトウェアについて

我が国のイージス・アショアで使用するイージス・システムのソフトウェアは、アナログレーダー向けに開発され、現在、米海軍で運用されている「ベースライン9」と聞いている。他方、米国においては、現在、デジタルレーダー向けに、最新型のソフトウェア「ベースライン10」が開発中であり、二〇二三年には初期運用能力(IOC)を取得する予定と報じられている。また、米海軍では、今後、現在運用中の「ベースライン9」から、新たに開発される「ベースライン10」へと、順次更新される予定であるとも聞いている。

そうした状況の下、我が国は「ベースライン9」を採用する予定とされているが、将来、安全保障環境の変化等により、イージス・アショアで使用するイージス・システムのソフトウェアを、「ベースライン10」などに「更新」または「向上」させる可能性はあるのか。

四 ライフサイクルコストについて

平成三十年七月三十日付「陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)の構成品選定結果について」によれば、評価に当たり、「経費は、単に構成品購入経費のみならず、ライフサイクルコストを重視し、運用開始までに必要な経費(初度費、教育訓練費、補用品費、技術支援費)及び維持・運用に要する経費も評価対象に含めることとした」とされている。また、同資料によれば、「維持・運用に必要な経費(現時点の提案において判明しているものに限る)」を導出する際に念頭に置いた期間は「三十年間」とされている。

「維持・運用に要する経費」を導出する際、その根拠は「現時点の提案において判明しているものに限る」ため、「三十年間」、同じソフトウェアを使用することを想定したと理解してよいか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(1)について

我が国に配備する予定の陸上配備型イージス・システム(以下「本件イージス・システム」という。)に搭載するレーダーであるLMSSRについては、一般輸入により調達することとしており、当該調達の対象には、アンテナ本体、冷却装置及び電源装置が含まれる予定である。他方で、御指摘の「レーダーとシステム部分を接ぐ機微な部分」については、米国の有償援助により調達することとしている。

一の(2)について

御指摘の「国防安全保障協力局(DSCA)のメモランダム」について、政府としてお答えする立場にないが、LMSSRを一般輸入により調達することについては、一の(1)についてで述べたとおりであるところ、政府としては、このことを前提とした上で、LMSSRを含む本件イージス・システムの維持・運用が適切になされるよう、引き続き米国政府等との調整を進めていく考えである。

二について

米国が二千二十年にアラスカ州に配備する予定のレーダーであるLRDRについては、同国の装備品であり、お尋ねについて政府としてお答えする立場にない。

三について

LMSSRについては、先の答弁書(平成三十一年四月二日内閣衆質一九八第一〇七号)三の(1)についての後段で述べたとおり、御指摘の「ベースライン9」を用いることで十分な性能を発揮させることが可能であると見込んでいるところであり、現時点において御指摘の「ベースライン10」を用いる必要があるとは考えていないが、LMSSRの運用期間中に必要が生じることがあれば、当該「ベースライン9」を適宜更新することも想定しているところである。

四について

LMSSRの選定に当たっての米国政府等の提案におけるLMSSRの維持・運用に要する費用については、LMSSRに用いられるソフトウェアである「ベースライン9」をその運用期間中に適宜更新することがあり得ることも踏まえたものである。

衆議院の原文

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