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外来生物の防除のあり方に関する質問主意書

衆議院 第204回 第108号趣旨が明らかではない ×1

提出者
立憲民主党・無所属
提出日
2021年4月21日
内閣転送 2021年4月26日
答弁書受領日
2021年4月30日
提出から9日
答弁の項目数
7
質問 2,264字/答弁 1,816字

質問本文

南米原産のゴキブリ「アルゼンチンモリゴキブリ」が千葉県の野外で確認されたとの事例がある。このゴキブリは、ペットとして飼われている爬虫類や魚の生き餌として大量に輸入されており、一部が野外に放たれたとみられ、加えて、平成二十九年から令和二年まで四年間、ほぼ同じ場所で生息していることも確認され、野外で繁殖している可能性がある。現時点で生態系への影響は不明ではあるが、繁殖が容易なため在来種を駆逐したり、人間にとって新たな害虫になるおそれもある。そこで、以下の事項について質問する。

一 植物防疫法関係について

1 南米原産のゴキブリ「アルゼンチンモリゴキブリ」など海外に生息する昆虫や生物が国内で野外に放たれた場合、在来の生物等への影響が懸念されるが、生き餌、いわゆる生きている昆虫や生物はどのくらい輸入されているのか、輸入の状況について伺いたい。

2 我が国の農作物や樹木などの植物に大きな影響を与えるおそれのある昆虫や生物は、植物防疫法により生きたままでの輸入が禁止されている検疫有害動物に該当し、輸入することができないこととなっている。

しかし、検疫有害動物に該当しない場合であっても、生きている昆虫や生物を輸入する場合には消毒などが十分ではなく、病害虫やウイルス等が付着していることも考えられるのではないか。

生きている昆虫や生物を輸入する際は、植物検疫法においてどのような手続きが必要とされているのか。また、輸入時には防疫のための検査等が行われているのか、植物防疫法における規制の状況について伺いたい。

3 これまで我が国に生息していなかった昆虫や生物が生きている状態で輸入され、国内で野外に放出された場合に生じる生態系や農林水産業への被害の危険性や、蚊などが媒介する感染症が人命に脅威を与えている状況等を鑑みると、生きている昆虫や生物を安易に輸入することには慎重になるべきではないかとも考えられる。

生きている昆虫や生物の輸入は原則禁止として許可制にするなど、輸入規制の強化について政府の見解はいかがか。

二 外来生物法関係について

1 特定外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止するために、いわゆる外来生物法がある。問題を引き起こす海外起源の外来生物を特定外来生物として指定し、その飼養、栽培、保管、運搬、輸入といった取扱いを規制し、特定外来生物の防除等を行っている。

アルゼンチンモリゴキブリは、特定外来生物に指定されていない。しかし、国内での繁殖が疑われるような状況であり、生態系等に被害を及ぼすおそれがあるかどうか調査を行う必要があるのではないか。調査を実施していない場合には早急に実施すべきだと考えるが、いかがか。

2 現行の外来生物法における特定外来生物の指定については、指定までに時間がかかり、その間に生息域が拡大してしまう、との指摘がなされている。生息域が拡大すればするほど、その防除には多くの予算や時間がかかることになり、被害も大きくなる。特定外来生物の指定に際し、手続きを迅速化させる必要があるのではないか。

3 平成二十七年、環境省と農林水産省により、侵略性の高い外来種を科学的知見から選定した、「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」が策定されている。外来生物法の規制対象となる特定外来生物や未判定外来生物以外にも生態系等への被害が顕在化している外来生物が存在している中、生態系被害防止外来種リストを活用し、法体系の中に特定外来生物等以外の外来生物を位置付け、対策を講じることが必要ではないか。特定外来生物等以外の外来生物に対する規制の強化に対する見解を伺いたい。

4 特定外来生物の防除は、地域の特性や事情等を勘案しながら、地域ごとに進めることが重要である。とりわけ近年では、ヒアリ等の侵入に見られるように、特定外来生物がコンテナや荷物などに紛れ込み、非意図的に持ち込まれてしまう事例も頻発している。こうした状況を踏まえ、防除に関する民間事業者や地方公共団体等の果たす役割は一層大きくなっていることから、国と地方公共団体や民間事業者等との間での防除の役割分担や連携のあり方について改めて見直すべきではないか。今後の特定外来生物の防除のあり方についての見解を伺いたい。

三 国際的取組について

1 貿易の自由化が進む中、貿易に係る物流量が増加し、非意図的にも外来生物が国内に侵入する可能性が一層高くなっている。また、日本原産の生物が他国の地域の生態系等に影響を及ぼす可能性も考えられる。外来生物に対する方策としては、侵入後の防除や根絶より、未然の水際における侵入・移出防止が効果的であると考える。その意味で、貿易に関わる各省庁の連携の下に、水際対策として外来生物の国際検疫等の取組強化が必要だと考えるが、政府はどのような取り組みをしているか。

2 先に述べたとおり、外来生物の侵入・移出防止として、輸出・輸入いずれの際にあっても検疫等を強化することが外来生物に対する方策として最も効果的と考える。我が国と貿易相手国との間での効果的な検疫手法やモニタリング手法の開発とその共有の国際的取組はどの程度進んでいるのか。さらには、外来生物の生態情報の共有や侵入ルートの解明等を通じた国際連携の強化を始めとして、水際対策としての外来生物の防除等の体制を強化する国際的システムを早急に構築すべきだが、政府の見解を伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

お尋ねの「生き餌、いわゆる生きている昆虫や生物はどのくらい輸入されているのか」に特化した調査は実施していないが、財務省の「貿易統計」によると、昆虫類の輸入量は、令和二年は約三十五トンである。

一の2について

我が国の輸入植物検疫は、国際植物防疫条約(昭和二十七年条約第十五号)及び植物防疫法(昭和二十五年法律第百五十一号)に基づき、同法第五条の二第一項に規定する検疫有害動植物(以下単に「検疫有害動植物」という。)の諸外国からの侵入を防止するために行っている。

具体的には、同法第七条の規定に基づき、試験研究の用その他農林水産省令で定める特別の用に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合を除き、検疫有害動植物の輸入は禁止されている。その上で、同法第八条第一項の規定に基づき、植物又は輸入禁止品を輸入した者は、遅滞なく、その旨を植物防疫所に届け出て、植物防疫官から検疫有害動植物があるかどうかについての検査を受けなければならないこととされており、同法第七条の規定に違反して輸入された検疫有害動植物があるときは、同法第九条第三項の規定に基づき、植物防疫官がこれを廃棄することとされている。

一の3について

御指摘の「生きている昆虫や生物の輸入は原則禁止として許可制にするなど、輸入規制の強化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、検疫有害動植物に関しては、植物防疫法第七条の規定に基づき、試験研究の用その他農林水産省令で定める特別の用に供するため農林水産大臣の許可を受けた場合を除き輸入が禁止されており、また、学識経験者等の意見を聴いた上で、輸入植物検疫の対象となる有害動植物を定期的に見直しているところである。

なお、特定外来生物(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)第二条第一項に規定する特定外来生物をいう。以下同じ。)に指定された生物に関しては、同法第七条の規定に基づき、学術研究等の目的でこれの飼養等をするため主務大臣の許可を受けた者以外の者の輸入が禁止されており、また、学識経験者の意見を聴いた上で、特定外来生物を順次新たに指定しているところである。

二の1について

環境省としては、御指摘の「「アルゼンチンモリゴキブリ」が千葉県の野外で確認されたとの事例」については、研究者や地方公共団体から情報提供を受け、研究者や地方公共団体に対して、「アルゼンチンモリゴキブリ」の駆除に当たっての助言を行っているところであり、引き続き、関係機関と連携し、情報収集に努めてまいりたい。なお、同省としては、現時点では、「アルゼンチンモリゴキブリ」が「生態系等に被害を及ぼすおそれがある」との情報を得ていない。

二の2、3及び4について

お尋ねの「特定外来生物の指定に際し、手続きを迅速化させる」こと、「特定外来生物等以外の外来生物に対する規制の強化」及び「今後の特定外来生物の防除のあり方」については、現在、環境省の請負契約者が運営する「外来生物対策のあり方検討会」において議論が行われているところであり、政府としては、その結果を踏まえて適切に対応してまいりたい。

三の1について

検疫有害動植物に関しては、国際植物防疫条約の枠組みの中で新たに策定された国際基準も踏まえ、輸入植物検疫を行い、諸外国からの侵入防止に努めている。

また、特定外来生物のうち、特に著しい被害を及ぼす可能性のあるヒアリに関しては、関係省庁による会議を設置し、水際での調査の実施や関係者への注意喚起を行っている。

三の2について

有用な植物に損害を与えるおそれがある有害動植物に関しては、国際植物防疫条約に基づき設置された「植物検疫措置に関する委員会」において、我が国を含む締約国の間で、その侵入及びまん延を防止するための共同の、かつ、有効な措置を確保するため、規制有害動植物に対する植物検疫処理等の国際基準の策定が行われ、また、新たな国際基準の策定に向けた検討が行われている。

また、生物の多様性に関する条約(平成五年条約第九号)に基づき設置された締約国会議での採択に向け、我が国を含む締約国の間で、生物多様性に関する新たな世界目標について検討が行われており、外来生物への対応についても目標の一つとして議論されている。

政府としては、引き続き、これらの国際的な取組に積極的に参画してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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