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沖縄戦没者遺骨収集の加速化と本島南部からの土砂採掘計画の撤回を求めることに関する質問主意書
衆議院 第204回 第236号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2承知していない ×1
質問本文
戦没者の遺骨収集を「国の責務」と位置付けた二〇一六年のいわゆる戦没者遺骨収集推進法の制定から五年が経過した。しかしながら収集数は減少の一途をたどり、身元特定も遅々として進まない現状である。
こうした中、名護市辺野古の新基地建設に使う埋め立て土砂を沖縄本島南部から採取する計画が明らかになった問題で、昨年四月に沖縄防衛局が県に提出した工事の設計変更申請によれば、糸満市と八重瀬町からは県内土砂調達可能量の七割に当たる約三千二百万立方メートルを調達するとされている。また、南部地域は沖縄戦跡公園に指定され、自然公園法で開発が規制されているにもかかわらず、糸満市米須では土砂採掘業者が同法に基づく開発の届け出を出さないまま開発に着手。県からの指導を受け、今年一月に届出を提出した経緯がある。県はさらに五月十四日に採掘開始前に遺骨の有無を確認することなどを求める措置命令を発出している。関連して以下質問する。
一 政府は沖縄戦最後の激戦地となった南部地区の土砂には、現在も多くの戦没者の遺骨が残っていることを認識しているか。
二 このような遺骨が混入した沖縄南部地区の土砂を辺野古埋め立てに使用する計画について、厚生労働省が認識したのはいつか。その際、防衛省に説明を求めたのか。
三 南方等戦闘地域の遺骨については、交戦国の国立公文書館等に所蔵されている戦闘報告書、地図、写真等の海外資料から、日本人戦没者の埋葬等に関する記述を抽出・取得・分析することにより有効な遺骨情報を収集することとされ、その結果、現時点で遺骨収集等の実施に繋がる可能性のある埋葬地点は、推定で千六百九十五か所とされている。
沖縄については百七十七か所だが、そのうち調査を終えたところは現在何か所で、収容に移行しているところは何か所か。
また、戦後すぐから伝承等で遺骨があるとされ、従前から収集に取り組んできた箇所は何か所あるか政府として把握しているか。明らかにされたい。
四 戦没者遺骨収集推進法により、二〇一六年(平成二十八年)〜二〇二四年(令和六年)までを集中実施期間として取り組みの促進を図るとされ、さらに二〇一九年(令和元年)十二月に決定した戦没者遺骨収集推進計画における現地調査の加速化により、現地調査は二〇二〇年(令和二年)〜二〇二二年(令和四年)の三年間で実施することとされたが、すでに本年で二年目である。
糸満市での遺骨収集に繋がる可能性のある情報についての個所数は十五か所、八重瀬町は二十三か所、合計三十八か所であるが、このうち調査が終了しているのは十か所のみである。期限となる来年までに調査が終了する見通しはあるのか。
五 調査結果を踏まえて、二〇二四年(令和六年)までに遺骨収集を実施するという計画であるが、このペースでは到底収集まで至らないことは明白である。調査体制の見直しが急務と考えるがどうか。
六 令和二年度第四回戦没者の遺骨収集に関する有識者会議資料(令和二年十二月十七日)によれば、沖縄県の戦没者概数は十八万八千百三十六人、収容遺骨概数十八万七千四百六十六柱、未収容遺骨概数六百七十柱とされている。一方沖縄県は未収容遺骨数を二千七百九十柱と公表している。この差は何か。可能な限り詳細に説明されたい。
七 沖縄平和祈念資料館は沖縄戦の死者数を、日本十八万八千百三十六人、アメリカ一万二千五百二十人と公表している。米国国防総省のDPAA(戦争捕虜・行方不明者捜索総合指令部)の報告書では、沖縄戦で死亡し、遺骨が未回収となっている米兵数は、判明しているだけで二百二十八人とのことである。沖縄において現在までに確認された米兵の遺骨は何柱か。政府の把握するところを答えられたい。
八 今回の辺野古埋め立てのための土砂採掘計画により、土砂に遺骨が混入する可能性のあることについて、政府は米国DPAAに情報提供はしているのか。しているとすれば米兵の行方不明者の遺骨収集の今後について、どのような意見交換が行われたのか。
九 米国DPAAは六百人を超える専属スタッフにより、「国の約束を果たす」として、過去の戦争で行方不明になった兵士らの捜索、遺骨収集、遺族への情報提供、遺骨返還を行っている。こうしたDPAAの体制、遺骨収集作業の具体的内容に積極的に学び、取り入れ、情報共有しつつ、日本での作業に活かすべきではないか。
十 戦没者遺骨収集推進計画において二〇二〇年度(令和二年度)における現地調査の派遣回数を昨年度からほぼ倍増することを計画したものの、当該年度以降は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、海外への現地調査派遣は行われていない。
かつて民主党政権下において菅直人首相が政府内に特命チームを作り、硫黄島の遺骨収集に精力的に取り組んだ結果、収容数を飛躍的に増やした貴重な経験がある。コロナ禍において海外派遣がままならない現在、そのマンパワーを沖縄の調査・収容に集中し、総力を挙げて取り組んではどうか。
十一 戦没者遺骨収集推進法第二条には、「『戦没者の遺骨収集』とは、今次の大戦により沖縄、東京都小笠原村硫黄島その他厚生労働省令で定める本邦の地域又は本邦以外の地域において死亡した我が国の戦没者の遺骨であって、いまだ収容され、又は本邦に送還されていないものを収容し、本邦に送還し、及び当該戦没者の遺族に引き渡すこと等をいう」とある。遺骨は集めて終わりではなく、身元を特定し遺族に引き渡すことが国の責務であり目標である。
戦没者の血が染み込み、遺骨が混入している沖縄県南部地区の土砂を軍事基地建設のための埋め立てに使うのは、戦没者の尊厳を冒涜する行為であり、国の責務を自ら放棄する行為ではないか。
右質問する。
政府答弁書
一及び十について
先の大戦において凄惨な地上戦が行われ、多くの尊い命が失われた沖縄県においては、戦後間もなくより沖縄の方々によって戦没者の遺骨収集が行われる等、これまでに多くの戦没者の遺骨が収容されてきたが、同県内では、今日においてもなお、地下壕や開発工事の現場等において、戦没者の遺骨が発見されているところである。
こうした歴史的経緯を踏まえ、同県内では、厚生労働省と同県とが役割を分担しながら、戦没者の遺骨収集事業を実施しており、ボランティアや開発業者等が遺骨を発見した場合には、市町村や警察へ通報し、同県が設置した戦没者遺骨収集情報センター(以下「センター」という。)が戦没者の遺骨を収容する仕組みが構築されているところである。
政府としては、今後とも、こうした仕組みの下、同県と戦没者の遺骨収集を進めていくこととしている。
なお、国外における戦没者の遺骨収集については、新型コロナウイルス感染症の影響により、関係国への入国が困難な状況であるが、当該感染症の感染状況を踏まえ、速やかに、国外における戦没者の遺骨収集事業を再開できるよう、関係国政府等との協議等を引き続き行っているところである。
二、八及び十一について
普天間飛行場代替施設建設事業については、令和二年四月二十一日、沖縄防衛局長から沖縄県知事に対し、公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第四十二条第三項において準用する同法第十三条ノ二第一項の規定に基づく都道府県知事の承認に係る申請を行ったところであるが、当該承認がなされた後における埋立てに使用する土砂の調達先については、工事の実施段階で決まるものであり、沖縄県内と同県外のいずれから調達するか、また、御指摘のような「沖縄南部地区の土砂を辺野古埋め立てに使用する」か否かも含め、現時点で確定していない。このため、同県内から当該土砂を調達することを前提としたお尋ねにお答えすることは困難である。
三から五までについて
御指摘の「百七十七か所」の意味するところが必ずしも明らかではないが、仮にそれが米国の国立公文書館等が保有する資料の調査により戦没者の遺骨収集につながる可能性があるとされた百七十七箇所の情報を意味するのであれば、当該百七十七箇所については、国が沖縄県に委託している戦没者の遺骨収集等に係る事業の一環として、センターが計画的に調査を実施しているところであり、引き続き、御指摘の糸満市や八重瀬町も含め、速やかに調査を進めていきたいと考えている。
また、当該百七十七箇所のうち、令和三年三月末現在で調査を終了したところは、七十九箇所であるが、いずれも戦没者の遺骨の収容にはつながっていない。
さらに、お尋ねの「戦後すぐから伝承等で遺骨があるとされ、従前から収集に取り組んできた箇所」については、その意味するところが必ずしも明らかではないが、同県においては、米国施政下の戦後間もなくより沖縄の方々によって多くの戦没者の遺骨が収容されてきたことから、当該収容が行われた箇所の数については把握していない。
六について
沖縄県においては、国立沖縄戦没者墓苑に納骨した遺骨の数及びセンターにおいて保管されている遺骨の数を合計したものを、同県における戦没者の遺骨の収容数として公表しているものと認識している。
他方で、政府としては、戦後間もなくより沖縄の方々によって収容された遺骨の数、琉球政府によって収容された遺骨の数、同県によって収容された遺骨の数及び政府によって収容された遺骨の数を合計したものを、同県における戦没者の遺骨の収容数として公表している。
御指摘の「差」については、こうした違いから生じているものと認識している。
七について
政府が実施する戦没者の遺骨収集事業においては、平成二十六年に沖縄県浦添市において米国通貨等とともに二柱の遺骨を収容し、鑑定機関の鑑定により、米国人である可能性が高いとの結果が示されたことから、平成二十八年に米国側に返還している。
九について
厚生労働省と米国国防総省捕虜・行方不明者調査局との間では、平成三十一年四月に「社会・援護局が代理人となる日本国厚生労働省と捕虜・行方不明者調査局が代理人となるアメリカ合衆国国防総省との取決め」を結び、DNA鑑定等の技術面での情報交換を行うなど連携しているところであり、今後とも、情報交換や技術面での交流を進めていくこととしている。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2承知していない ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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