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土砂災害防止対策等の実効性確保に関する質問主意書
衆議院 第212回 第9号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
近年、頻発する大規模自然災害に、国・地方とも迅速な人命救助の他、家屋やインフラ施設の被害軽減、社会経済活動維持のための実効性ある取組の重要性が再認識されている。防災・減災のための施策も徐々に広がりを見せつつある。ただ、そうした施策の活用は不十分であり、自治体ごとの支援の差も大きい。より実効性を高め有効な取組となるよう具体的施策の展開につながることを期待し、以下、質問する。
一 土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域や同特別警戒区域の指定が全国で進められている。神奈川県においても取組の進捗があり、県内では横浜市が最も多く区域指定されている。こうした区域指定によって地域住民への注意喚起は図られるものの、当該区域に生活の拠点を構える住民からは資産価値が目減りする等の不利益をもたらしかねないなどと懸念する声が寄せられている。こうした地域住民の懸念を払しょくするための経済的損失を軽減する等、施策はあるか。あれば同施策の内容について明らかにされたい。
二 指定区域内の既存建築物については一定の要件を満たすものに対し、改修費用の一部を補助する住宅・建築物安全ストック形成事業があるものの、対象範囲は狭く、補助率も低いため、その活用実績はきわめてとぼしい。現状についてどう認識しているか。見解を問う。また活用促進のための施策についての検討状況を問う。
三 指定区域から住宅を移転する場合など国からの間接補助はあるものの、支援の具体的施策については地方公共団体にゆだねられており、地域ごとに大きな差が生じている。地域の実情に応じた支援策については一定程度理解するが、全国的により実効性を高め、支援の底上げを図るためには全国一律の支援策の拡充が求められるものと考える。政府の認識、見解を問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の「こうした地域住民の懸念を払しょくするための経済的損失を軽減する等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、平成十二年四月二十六日の衆議院建設委員会において、加藤建設政務次官(当時)が「土砂災害特別警戒区域における規制は、その土地が自然に持っている危険性によるものであって、住民みずからの生命、身体を守るために必要最小限度のものであることから、財産権の侵害には当たらないと考えております」と答弁したとおり、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成十二年法律第五十七号)第七条第一項に規定する土砂災害警戒区域又は同法第九条第一項に規定する土砂災害特別警戒区域(以下「土砂災害特別警戒区域」という。)の指定は、損失補償を要するものではないと考えているため、国として、損失補償又はこれに類する施策は行っていない。
二について
御指摘の「住宅・建築物安全ストック形成事業」による支援を行った件数は、令和二年度に一件、令和三年度に一件である。地方公共団体からの意見を踏まえると、土砂災害特別警戒区域に居住する住民に対する住宅の改修の必要性に関する周知が十分に図られていない等の実情があると考えられる。こうした状況を踏まえ、国土交通省において、令和五年七月に、各都道府県知事に対して、「建築物防災週間における防災対策の推進について」(令和五年七月三十一日付け国住事防第八号国土交通省住宅局長通知)を発出し、同通知において、地方公共団体から住民に対して住宅の改修の必要性を周知するよう要請するなどして、同事業の周知及び活用の働きかけを行ってきたところである。今後とも、地方公共団体の実情の把握に努めるとともに、様々な機会を活用して、地方公共団体に対して同事業の周知及び活用の働きかけを行ってまいりたい。
三について
御指摘の「指定区域から住宅を移転する場合」の支援に関しては、政府としては、住宅・建築物安全ストック形成事業及び防災集団移転促進事業により、地方公共団体の取組を支援している。御指摘の「全国一律の支援策の拡充」の意味するところが必ずしも明らかではないが、土砂災害特別警戒区域からの住宅の移転に対する支援については、地域ごとの災害の危険性等の実情に応じて実施されるべきと考えており、引き続き、地方公共団体の取組を支援してまいりたい。