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看護基礎教育現場におけるハラスメント防止と看護師養成教育の質の保障に関する質問主意書

衆議院 第217回 第214号趣旨が明らかではない ×4承知していない ×1

提出者
立憲民主党・無所属
提出日
2025年6月3日
内閣転送 2025年6月9日
答弁書受領日
2025年6月13日
提出から10日
答弁の項目数
12
質問 6,870字/答弁 3,767字

質問本文

近年、看護専門学校の多くで定員割れが常態化し閉鎖が相次いでいる。特に、地方では看護大学は少なく、看護師養成は看護専門学校が担っているが、このままでは地方の医療を守る人材の供給が途絶えかねないと考える。

このような危機的な状況に加えて、現在看護基礎教育の現場で問題となっているのは、学生に対する教員及び実習指導者からのハラスメントである。これらのハラスメントによって心身の不調をきたし、休学・留年・退学、最悪の場合は自殺に追い込まれる学生の存在が頻繁に報道されていると承知している。看護基礎教育現場における人権侵害の根絶、並びに医療を支える人材の確保及び看護の質向上のために、看護師養成基礎教育の抜本的見直しについて、以下政府に対し質問する。

一 ハラスメントの実態について

北海道は、道立看護学院における教員からのハラスメントに関して学生及び遺族からの申立てを受け、第三者委員会による調査(道立江差高等看護学院を巡る諸問題への対応に関する第三者調査委員会)を実施し、二〇二一年に五十二件、二〇二三年に四件のハラスメントを認定した。認定されたハラスメントは、軽微の規則違反に対する行き過ぎた処分(書類の提出期限に一分遅れたことをもって再試験を受けさせず留年を確定させた等)、指導の放棄・拒否や進級卒業の妨害、暴言・人格を否定する発言(「看護師になれると思ってんの」「看護師に向いてない」等)及び留年退学の示唆(「学生辞めちゃえば」「学校辞めたら」「いつでもお前の首なんて切れるから」等)であった。

こうしたハラスメントは、道立看護学院固有の問題ではなく、全国各地の看護専門学校に共通して発生していると承知している。

千葉県木更津看護学院では、教員のハラスメントを原因として大量の退学者が生じているとの報道を受け、第三者委員会による調査(木更津看護学院ハラスメント調査委員会)が行われた結果、二〇二三年一月に七件がハラスメント行為として認定された。具体的事例は、「記録を床に投げつける、怒鳴って指示をする等の指導時における威圧的態度」、「生徒を馬鹿にする言動」、「看護師に向いていない、辞めた方がいい等と生徒の人格を否定する言動」、「具体的な指導を行わず、闇雲に記録の再提出を繰り返し求めたこと」等である。

愛知県蒲郡市立の看護専門学校におけるハラスメントに関する調査委員会(蒲郡市立ソフィア看護専門学校のハラスメントに関する調査委員会)は、二〇二三年七月に十五件をハラスメント、四件をハラスメントの疑いがある事実と認定した。ハラスメントとして認定された事例は、「文句があるならどうぞ学校を辞めてください」「あなたを落とす」「あなたの声は患者に不快感を与える」等の発言や、実習の予定を教えない、課題の提出を認めない等であった。

兵庫県相生市の看護専門学校でも、複数の生徒らが教員からのパワーハラスメントを訴え、設置者が調査(相生市看護専門学校ハラスメント防止対策委員会)を行った。生徒に連帯責任を負わせようとする発言や、「どう責任をとるのか」「けじめをつけろ」「誠意が感じられない」「ずる賢い」「プライドが高い」などの発言等四件を、「不適当な指導、妥当性を欠く指導」と判断し、教員四名に対し口頭訓告などの処分が行われたと承知している。

生徒に連帯責任を求める発言については、北海道立看護学院に対する北海道の調査報告書でも「相当な範囲を逸脱する不適切な指導」として事実認定されている。なお、相生市看護専門学校では一九九四年二月に実施されたアンケート調査で、五十%の学生が学内でハラスメントがあると回答している。

福井県越前市にある看護専門学校においても、教員のハラスメントについて複数の学生から告発があった。

「無言で記録物を叩きつけられ」「お前アホじゃねえけ」「看護師に向いていない」「あなたは看護師になったら大きなミスをする。絶対に人を殺す」等、十件以上の被害の訴えに対し、第三者委員会は五件を不適切な言動として認めているとされている(福井新聞オンライン 看護専門学校パワハラ問題、教職員の不適切言動確認 調査委員会の報告書公表 福井県越前市 二〇二五年四月二十六日)。

以上のように、それぞれの第三者委員会が認定した事実から、看護専門学校において、現在の一般社会では許容できない言動が、教員等から学生に対し繰り返し行われていることがうかがわれる。

また、公益社団法人日本医師会は、二〇二四年三月に公表した「二〇二二・二〇二三年度医療関係者検討委員会報告書」(以下、医師会報告書)において、学生に対するハラスメントの背景に、「伝統的に看護教育の中で伝達されてきた「人の命に関わる仕事であるから厳しいのは当たり前」という根強い価値観や、「自分の時はそのように教えられたから」という自分の体験を元にした悪しき看護教育の連鎖があるように思えてならない」と指摘している。

厚生労働省の地域強化型看護基礎教育カリキュラム調査検証事業において、学生の実態調査が必要とされているが、学生及び元学生に対する教員等からのハラスメントの実態に関する調査も実施すべきではないかと考えるが、政府の見解を述べられたい。

二 専任教員の採用について

北海道立看護学院の事例で第三者委員会座長は、「臨床現場に配置しにくい人材に退職してもらうことができず、直接患者を受け持たない学校という現場に転勤させてきた」と指摘している。看護現場に不適切な人材を、看護基礎教育現場に配置するなどということは本末転倒であり、将来のある学生のためにも、看護の質向上のためにも看過できないと考える。

1 北海道内看護学校の二〇一九年までの九年間の平均卒業率は八十九・三%であったが、ハラスメントが問題となった二校では七十四・五%及び七十・六%であった。専任教員として適切な人材の採用が担保されているか。特に退学・留年・休学が多発している看護専門学校については、教育現場の実態調査が必要と考えるが、政府の見解を述べられたい。

2 性暴力と同様に、過去にハラスメントを行ったことを原因として懲戒・分限処分等を受けた者が、その事実を秘匿して再び教員として採用され、新たな被害を生むことがないよう、教員採用段階において何らかの取組をすべきと考えるが、政府の見解を述べられたい。

三 専任教員の養成について

看護専門学校の専任教員には、五年以上の看護業務経験があり、なおかつ専任教員養成講習会における三十一単位(六百六十時間)以上を取得し修了が認められた者等がなることができるとされている(看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン第五及び専任教員養成講習会実施要領)。

専任教員養成講習会及び教務主任養成講習会ガイドラインでは、看護基礎教育の基盤となる能力を「学生の尊厳や人権を擁護するとともに、意志決定を支え援助する能力」「相互理解を基本とした援助関係を形成する能力」「学生の生活背景や価値・信条、文化を理解する能力」等と定義している。

一方、北海道立看護学院の調査書は、「教員全員が学生を育てるよりもふるい落とすような教育方針ないし態度をとっていた」と指摘している。

1 現在の専任教員養成講習会における三十一単位(六百六十時間)のうち、ハラスメントに関する研修に充てられているのは何時間か示した上で、看護基礎教育の基盤となる能力の習得に照らして、現状の専任教員養成講習会のカリキュラムは十分と考えるか。政府の見解を述べられたい。

2 医師会報告書では「二〇二一年度時点で全教員が「専任教員資格要件」を満たしていると回答した課程は三百七十九課程中百七十九課程」に留まっている。つまり半数以上の看護専門学校で「専任教員となることのできる者」の条件を満たさない人材が採用されている可能性がある。各地で起きているハラスメント事例は教員の質が担保されていないことに原因の一端があるのではないか。最低限、専任教員資格要件を義務化すべきと考えるが、政府の見解を述べられたい。

四 教務主任の養成について

看護専門学校の教務主任には、三年以上の専任教員経験があり、なおかつ、教務主任養成講習会における十一単位(二百五十五時間)以上を取得し修了が認められた者等がなることができるとされている(看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン第五及び教務主任養成講習会実施要領)。

教務主任講習会は、「看護師等養成所において、統括的役割を果たすために必要な能力を開発する」ために設けられ、主務教員には、「学校運営に起こりうる課題や問題事例に倫理的に向き合い、真摯な態度で管理者責任が果たせること、リスクマネジメントにおいて関係者がチームとなって対応・解決しうるための統制力を身につけていること」等が求められている(専任教員養成講習会及び教務主任養成講習会ガイドライン)。

民主的な教育を実現するため経験を積んだ教員によるリーダーシップが求められる中、医師会報告書では「閉鎖的な人間関係の中で、「影響力の大きい教員」に引きずられ、「見よう見まね」「従来通りのやり方」で学生に関わる」と指摘されている。

北海道立看護学院の調査書では、副学院長が「実質上のトップとして君臨し、他の意見を受け付けない体質により、教員が意見をさしはさむことを控え、教務室内においてハラスメントに遭わないよう自己保身のため、従う構造」があったと記載されている。蒲郡市立看護学校の調査書では、一部教員による学生へのハラスメントや行き過ぎた指導を副学校長が黙認ないし助長させたばかりでなく、あろうことか副学校長自身が、ハラスメント調査委員会から提出を求められた学生に対するアンケートを廃棄処分したことが認定されている。

1 教務主任講習会等において、専門学校運営の中心を担う人材に対してもハラスメントに関する研修の徹底が必要であると考えるが、政府の見解を述べられたい。

2 医師会報告書によれば「二〇二二年度に教務主任の役割を担うもので教務主任養成講習会、あるいはそれに準ずる必要な研修を受講済みの課程は三百七課程中百五十五課程(五十・四%)」に留まっている。およそ半数の看護専門学校で「教務主任となることのできる者」以外の者がその役割を担っている可能性がある。政府は、毎年度の都道府県からの報告によりこの事実を認識できると考えるが、しかるべき指導をしたのか。したとしたらどのような形で行ったのか。具体的に述べられたい。

3 教務主任資格要件を義務化すべきと考えるが、政府の見解を述べられたい。

五 外部の第三者による相談体制の整備について

医師会報告書によれば、三年課程の看護専門学校においては、専任教員八名と事務職員二名の合計十名という非常に小規模な組織で運営を行っている養成機関も多いとされている。相談者のプライバシー保護はハラスメント防止のために講ずべき措置の一つ(厚生労働省の事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針 二〇二〇年一月十五日)であるが、教職員十名の組織に構築された校内の相談体制では、プライバシーの保護は実際上不可能である。また、ハラスメントがすでに蔓延している組織においてハラスメントの疑義が生じた場合、内部での「事実関係を迅速かつ正確な確認」も現実的に不可能であると考える。

北海道立看護学院の調査書で示された事例では、外部相談窓口が設置されていることが、学生等に周知徹底されていなかった。二〇一九年に学生が自殺し、二〇二〇年から二〇二一年に苦情・通報が複数寄せられたが、設置者の対応は口頭指導に留まった。その後も度重なる訴えを受けて北海道調査委員会は学生並びに教員への聴取を実施したが、まとめられた報告内容は事案をかなり過小評価あるいは矮小化したもので、第三者調査委員会の設置まで事態は深刻と受け止められなかった。

木更津看護学院では、二〇〇七年頃より、生徒や家族等からのクレームが増加し、スクールカウンセラーから提言が出されたものの、改善策が検討されることはなかった。二〇一六年に決議されたキャンパス・ハラスメントガイドラインも実際には運用されず、生徒等からの訴えに対してハラスメント委員会は開催されなかった。生徒に対しハラスメントを訴える中立な場が保障されていなかったとされている(木更津看護学院ハラスメント調査員会報告書 二〇二二年十二月二十八日)。

蒲郡市の看護専門学校では、教員の指導が不適切あるいはパワハラである旨の発言が教務主任や学生の保護者より出たが、副学校長は事実を確認せず学生が悪いと叱責し、教員による不適切な指導を放置容認したとされる(蒲郡市立ソフィア看護専門学校のハラスメントに関する調査委員会報告書 二〇二三年七月六日)。

これらを踏まえ、ハラスメント防止のための措置を機能させるため、看護専門学校において、外部の第三者による相談体制の整備、学生保護者等への周知徹底、通報や相談に対して解決までのフローを定めるなど、具体的な取組が急務であると考えるが、政府の見解を述べられたい。

六 看護学生からの個別相談担当部局について

1 看護専門学校におけるハラスメントに関する相談窓口であるが、一部の都道府県の担当部局においては、学生からのハラスメントに関する個別の相談には対応しないと公言するところがあると承知している。看護専門学校生からのハラスメントに関する相談については、各都道府県の看護師等養成所の所管部局において対応するとの政府方針に間違いはないか。

2 各都道府県の所管部局において対応するのであれば、教員から学生へのハラスメント禁止をまず指定規則に明記し、国の方針を明確にすることが順当ではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

七 臨地実習中の睡眠不足について

看護学生が睡眠時間を削って臨地実習に取り組んでいることは様々に報告されているところであり、記録・課題の多いことがその要因の一つと分析されている。

そもそも、一単位の授業科目は「四十五時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準」(大学設置基準第二十一条第二項の規定の例による)とすると定められている。理学療法士専門学校の学生が臨床実習中に自殺し、遺族が提起した事件で、裁判所は、厚生労働省が「臨床実習における学習時間を一週間当たりおおむね四十五時間以内とするよう求め」たのに、「(当該学生の)学習時間が質的・量的に過重であったにもかかわらず、(実習指導者が)実情を把握せず改善の指導をしなかったこと」を実習指導者の違法行為と認定している。また、「(学生に対し)具体的な作業時間や睡眠時間等の確認(中略)すらしたことがなかった」専門学校に対し安全配慮義務違反と認定した(二〇一八年六月二十八日大阪地裁判決)。

看護師養成の臨地実習においても、「長時間の学習によって学生が過度の疲労や心理的負荷等を蓄積し、その心身の健康を損なってしまうことのないように、学生を保護する」(同判決)必要があることは、理学療法の臨床実習と同じである。一単位の時間数である「四十五時間」とは、臨地実習の時間外に当該臨地実習に必要な書類の作成等を行う時間も含むものであることを指定規則及びガイドラインで明示すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

八 教育の質保証の観点からの情報公表の必要性について

看護専門学校も高等教育機関として教育の質の保障を社会から求められていると考える。中央教育審議会は、「学修者や社会が期待する学修成果が認められるかを自ら示すことができて、はじめて教育の質が保証されていると言える」(中央教育審議会大学分科会 新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について 二〇二二年三月十八日)としている。

看護師学校養成所においても、教育の質の保障の観点から「教育活動に伴う基本的な情報」については公表が必要不可欠であると考えるが、政府の見解を示されたい。

九 ガイドラインの形骸化について

医師会報告書では、資格を有しないものが専任教員並びに教務主任となっている事実以外に、「ガイドラインで望ましいとされている教員数が「配置基準未満」と回答したのは三百五十八件/千六百十八件(二十二・一%)」とも報告されている。相当の看護専門学校で専任教員数さえ担保されていない実態が明らかであり、一単位四十五時間の規定についても同様である。

看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインは完全に形骸化していると考える。まずは看護専門学校における義務と努力義務を峻別し、義務は指定規則への格上げが急務であると考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文経過

政府答弁書

一について

看護師等養成所における御指摘の「ハラスメントの実態」については、令和四年度に厚生労働省が都道府県を対象として実施した「看護師等養成所における学生支援体制に関するアンケート」等を通じて把握しているところ、同省が令和六年度から実施している御指摘の「地域強化型看護基礎教育カリキュラム調査検証事業」については、「地域強化型看護基礎教育カリキュラム調査検証事業一式 仕様書」に基づき、「次回のカリキュラム改正の検討に必要な情報の収集と、令和四年度からの新カリキュラムの効果を検証するため、実習場所・教育内容や方法・卒業時到達度等の調査を行う」こととしているが、当該調査の中で、御指摘の「ハラスメントの実態に関する調査」を行う予定はない。

二の1について

お尋ねについて、「専任教員養成講習会及び教務主任養成講習会ガイドライン」(平成二十二年四月五日付け医政看発〇四〇五第三号厚生労働省医政局看護課長通知別添。以下「講習会ガイドライン」という。)において、都道府県に対して、「教員に求められるもの」として「教員として学生の人権を擁護するとともに、学生が人間の尊厳や倫理について考察できるように指導を行うこと」等と示し、また、保健師助産師看護師法施行令(昭和二十八年政令第三百八十六号。以下「施行令」という。)第十四条第一項の規定において、「指定学校養成所の設置者は、毎学年度開始後二月以内に、主務省令で定める事項を行政庁に報告しなければならない」と、施行令第十五条の規定において、「行政庁は、指定学校養成所につき必要があると認めるときは、その設置者又は長に対して報告を求めることができる」とし、さらに「第十一条第一項に規定する主務省令で定める基準に照らして、指定学校養成所の教育の内容、教育の方法、施設、設備その他の内容が適当でないと認めるときは、その設置者又は長に対して必要な指示をすることができる」としているところ、行政庁である各都道府県において、御指摘の「特に退学・留年・休学が多発している看護専門学校」も含め、「専任教員として適切な人材の採用が担保されているか」等の「教育現場の実態」について、適切に把握されるべきものと考えており、現時点において、政府として当該実態の調査を行う予定はない。

二の2について

御指摘の「専任教員の採用」については、二の1についてで述べたとおり、各都道府県において、その実態について適切に把握されるべきであり、その上で、適切に対応すべきものと考えており、御指摘のような「性暴力と同様に、・・・教員採用段階において何らかの取組」を講ずることについては、慎重に検討すべきものと考えている。

三の1及び四の1について

御指摘の「看護基礎教育の基盤となる能力の習得に照らして、・・・カリキュラムは十分」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、お尋ねの「何時間か」については把握していないところ、令和四年十一月八日の参議院厚生労働委員会において、政府参考人が「パワーハラスメント防止も視野に入れた学生との関わり方に関する教材を作成いたしまして、都道府県等が開催しております看護教員を対象とした研修会でも使用しているところでございます」と述べているとおり、御指摘の「専任教員養成講習会」及び「教務主任講習会」も含め、当該研修会を開催する都道府県等において、当該教材を使用し、御指摘の「ハラスメントに関する研修」が適切に実施されているものと承知しており、引き続き、当該研修の実施について周知してまいりたい。

三の2及び四の3について

御指摘の「専任教員資格要件」及び「教務主任資格要件」を「義務化すべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、これらの「資格要件」を保健師助産師看護師学校養成所指定規則(昭和二十六年文部省・厚生省令第一号。以下「指定規則」という。)に規定すべきとの御質問であるとすれば、施行令第十六条第一項の規定において、「行政庁は、指定学校養成所が・・・主務省令で定める基準に適合しなくなつたと認めるとき・・・は、その指定を取り消すことができる」としているところであり、これらの「資格要件」を指定規則に規定することは、その影響等も踏まえ、慎重に検討すべきものと考えている。

なお、御指摘の「専任教員養成講習会」及び「教務主任養成講習会」の受講を促進するため、平成二十五年度から、就労しながらでもこれらの講習会を受講できるよう、講習会ガイドラインに示す「eラーニング」を導入するとともに、受講の機会を拡大するため、平成二十六年度から、地域医療介護総合確保基金事業による「看護師等養成所における教育内容の向上を図るための体制整備」事業において、都道府県等におけるこれらの講習会の開催経費の補助等の支援を行っているところである。

四の2について

看護師等養成所における教員の配置状況、教育の内容、教育の方法等に関しては、各都道府県において、施行令第十四条第一項及び第十五条の規定に基づき、各看護師等養成所からの報告の内容に応じ、必要な指示を行っているものと承知しており、政府としては、御指摘の「指導」は行っていない。

五について

御指摘の「外部の第三者による相談体制の整備」に関しては、令和六年に厚生労働省が一般社団法人日本看護学校協議会に委託して作成した「看護師等養成所におけるハラスメント対応事例収集事業報告書」(以下「ハラスメント対応事例収集事業報告書」という。)において、「相談窓口が内部のみでは、ハラスメントを相談すること自体を躊躇することも想定されることから、看護学校として外部機関の相談窓口も用意することが理想」と、また、御指摘の「学生保護者等への周知徹底」に関しては、ハラスメント対応事例収集事業報告書において「大学などでは、リーフレットを利用して、ハラスメントの概念やハラスメントを受けたり発見したりした場合の相談窓口を周知しているところも多い。看護学校においても検討する必要がある」と記載され、さらに、御指摘の「通報や相談に対して解決までのフロー」に関しては、ハラスメント対応事例収集事業報告書の「事例集」により、「考えられる対応案」として、「行政」、「養成所」及び「法律家」の「立場から」のもの等が記載されているところ、これらについて、「「看護師等養成所におけるハラスメント対応事例収集事業報告書について」(周知)」(令和六年五月十七日付け厚生労働省医政局看護課事務連絡)において、都道府県を通じて各看護師等養成所に対して周知を図るとともに、同省のホームページで公表しており、引き続き、こうした周知を進めてまいりたい。

六の1について

御指摘の「学生からのハラスメントに関する個別の相談」の内容は様々であることから、一律に「各都道府県の看護師等養成所の所管部局において対応する」のではなく、「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」(平成二十七年三月三十一日付け医政初〇三三一第二十一号厚生労働省医政局長通知別添。以下「看護師等養成所運営指導ガイドライン」という。)において、看護師等養成所で、「学生の生活やハラスメント等に対する相談、カウンセリング等を行う者が定められ、当該者が必要な支援を受けられる体制の確保等の工夫を講じることが望ましいこと。加えて、看護師等養成所内のハラスメント防止に必要な体制を整備することが望ましいこと」と示し、また、ハラスメント対応事例収集事業報告書においては、学生からの「相談」に対する「行政の立場」からの考えられる対応案についても記載がされているところであり、相談内容に応じて、都道府県又は看護師等養成所のいずれも、御指摘の「相談窓口」になることがあると考えている。

六の2について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、御指摘の「教員から学生へのハラスメント禁止」については、ハラスメント対応事例収集事業報告書や研修等を通じて、明確にしているものと考えており、また、指定規則に規定することについては、慎重に検討すべきものと考えている。

七について

御指摘の「当該臨地実習に必要な書類の作成等」については、様々な内容等が考えられるため、当該作成等に係る時間について、一律に「臨地実習」の時間に含むべきではないと考えており、看護師等養成所運営指導ガイドラインにおいて、「臨地実習は、実践活動の場において行う実習のみを指すものであること。ただし、臨地実習を充実させるために、実践活動の場以外で行う学習の時間を臨地実習に含めて差し支えない」と示しているところである。

八について

お尋ねについては、先の答弁書(令和七年三月七日内閣衆質二一七第六七号)一及び二についてでお答えしたとおりである。

九について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、御指摘の「義務」等について指定規則に規定することについては、三の2及び四の3について並びに六の2についてで述べたとおり、慎重に検討すべきものと考えており、また、御指摘の「配置基準」については、指定規則第四条において規定しているところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×4承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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