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関節リウマチ患者の医療費負担軽減に向けた施策に関する質問主意書
衆議院 第217回 第299号
質問本文
関節リウマチ(悪性関節リウマチを除く。以下同じ。)は指定難病ではないが、自己免疫疾患の一種であり、国内患者数は推定約八十三万人とされる。また、女性に多く、三十代から五十代のいわゆる現役世代での発症が多いとのことである。完治の難しい疾患ではあるが、近年、医療の進展で「寛解」を目指せるようになった。
しかし、症状を抑える効果が期待できる生物学的製剤は高価であり、完治の難しい疾患ゆえに生涯にわたって治療を続ける必要から、薬の使用期間は長くなり、患者の経済的負担は重い。
患者が女性に多いこの関節リウマチにおいて、経済的負担が大きく治療を続けられない、疾患に対し家族の理解が得られず肩身が狭い等の患者の声がある。少しでも痛みのない充実した人生を送るため、誰もが適切な治療を受ける権利があるが、経済的負担が大きな課題となっており、早急に対策を検討すべきである。
また、患者数が多いにもかかわらず、関節リウマチについてあまり知られていないという実情がある。二〇二〇年リウマチ白書等によれば、福祉専門員、ケアマネージャー、医療ソーシャルワーカー等の関節リウマチに対する理解と知識の欠如を痛感する声、福祉制度の地域差が大きいとの実感が患者から寄せられている。この地域差の背景には、関節リウマチへの理解の不十分さも要因の一つではないかと推察する。
そこで質問する。
一 関節リウマチについて、患者の医療費負担軽減に向けた施策が必要と考える。
特に、生涯治療を続ける必要があるため治療期間が長期にわたる現役世代患者にとって、治療費が将来の生活設計にも影響する。生物学的製剤を使えば症状が改善し仕事もできるが、子どもの教育費のために治療をやめる等、苦渋の選択を迫られるケースもある。
長期臥床を防ぐ関節リウマチの治療は、早期治療を始めやすく、「寛解」に向けて持続可能なものであるべきで、治療の有益性に着目して、治療額のみで支払負担額を決定する従来の高額療養費制度の枠に囚われない施策が、国の長期的視野からすれば必要と考える。
政府の関節リウマチ患者の医療費負担軽減に向けた施策についての検討状況や見解を伺う。
二 医療の進展で関節リウマチ患者が治療を続けながら働くことが可能となり、就労を希望する者は今後増えると考えられる。関節リウマチ患者が就労支援を受けやすくなるよう、国による施策が必要と考えるが、政府の検討状況や見解を伺う。
三 関節リウマチは原因不明で完治の難しい疾患であり、がんと同様に患者数も多いが、がんと比べて、民間の保険もなく国による支援制度も薄い。
関節リウマチに対する社会全体の適切な理解があればこそ、国による関節リウマチ患者の医療費負担軽減に向けた施策や支援策の設計も進みやすいのではないか。
そこで、政府が関節リウマチについての知識や理解を広める発信をするべきと考えるが、政府の見解を伺う。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、公的医療保険制度上、高額療養費制度を設け、御指摘の「関節リウマチ患者」も含め、「医療費負担」が過重とならないようにし、健康保険法施行令(大正十五年勅令第二百四十三号)第四十二条第一項第一号等に規定する「高額療養費多数回該当の場合」に該当する場合には、更に負担の「軽減」を図っているところであり、御指摘の「関節リウマチ患者」の「医療費負担」について、更に「軽減」することは、他の疾病に罹患している患者との公平性の観点等の課題があり、検討していない。
二について
お尋ねについては、御指摘の「関節リウマチ患者」に係る「就労支援」の「施策」として、公共職業安定所の難病患者就職サポーター(「難病患者就職サポーター設置要領」(平成二十五年五月十六日付け職発〇五一六第一号厚生労働省職業安定局長通達別添(最終改正 令和六年三月二十九日)別紙)に定める「難病患者就職サポーター」をいう。)による症状の特性を踏まえたきめ細かな就労支援の実施、当該者を雇い入れる事業主を助成する発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース助成金(雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)第百十条第十項の発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース助成金をいう。)の支給、「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」(平成二十八年二月二十三日厚生労働省策定、令和六年三月十一日改訂)の策定及び周知等といった支援を行っているところであり、引き続き、これらの取組を通じて、御指摘の「関節リウマチ患者」の「就労支援」を進めてまいりたい。
三について
お尋ねについては、「アレルギー情報センター事業実施要綱」(令和三年五月二十一日付け健発〇五二一第六号厚生労働省健康局長通知別添(最終改正 令和七年四月一日))に基づくアレルギー情報センター事業において、一般社団法人日本リウマチ学会に対して補助を行い、同要綱別紙一「アレルギー相談員養成研修会について」において「保健関係、福祉関係及び医療関係等従事者を対象に、これら疾患について必要な知識を修得させることにより、地域住民等への正しい知識の普及啓発を行うための相談体制の確保を図る」こととしているほか、「リウマチ・アレルギー特別対策事業実施要綱」(平成十八年六月十三日付け健発第〇六一三〇〇一号厚生労働省健康局長通知別紙(最終改正 令和五年四月二十五日))に基づくリウマチ・アレルギー特別対策事業において、地方自治体が「リウマチ・・・に関する正しい知識や理解を得るため、患者及びその家族並びに地域住民等に対する最新の知見に基づいた正しい情報の提供、普及啓発等を実施」した場合に、その実施に要する費用の補助を行うこととし、地方自治体に対しこれらの実施を促しているところであり、「リウマチ」に関する正しい知識を普及させるとともに、国民一人一人の理解が深まるよう、必要な取組を進めてまいりたい。