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全国信用協同組合連合会並びに永代信用組合の不正事件に関する質問主意書

衆議院 第34回 第10号

提出者
衆議院
提出日
1960年5月25日
内閣転送 1960年5月28日
答弁書受領日
1960年6月3日
提出から9日
答弁の項目数
0
質問 1,655字/答弁 1,067字

質問本文

衆議院議長 ※(注)※(注)一※(注) 殿

全国信用協同組合連合会並びに永代信用組合の不正事件に関する質問主意書

一 昭和三十五年二月十二日付質問第一号をもつて「中小企業向け金融機関の不正融資並びに不正業務に関する質問主意書」を提出したが、同質問主意書の第四項において永代信用組合の制限外融資について言及した。

右については、同年二月二十三日付答弁第一号をもつて回答があり、特に永代信用組合の業務運営については、「貸出限度を越えるものが若干認められる」旨の回答があつた。

二 しかるにその後の調査によれば、永代信用組合は鎌倉ハム株式会社及び一元青果株式会社のほかに興国農機株式会社に対する大口貸付がある。

すなわち同会社は、昭和三十三年三月十一日の手形事故以来永代信用組合より多額の資金の注文を受け、同年五月二十日永代信用組合理事長山屋八万雄を同社会長に迎え、爾後永代より総額二億五千万円内外の借入が可能となつたといわれている。

かくのごとき手口をもつて山屋八万雄は数社の社長若くは会長におさまつている由であるが、右は明らかに中小企業等協同組合法の精神に違反していると思うが、その真相を調査の上回答されたい。

三 なお、山屋八万雄が理事長をしている全国信用組合連合会と永代信用組合との間には次のごとき不正があり、昭和三十五年三月十九日付をもつて東京地検に対し追加告発がなされている事実がある。すなわち

(一) 昭和三十二年八月三十一日における全信連の永代信用組合に対する貸付限度額は全信連の出資総額二億三千四百五十万円の百分の二十五、すなわち五千八百六十二万五千円と当日の全信連に対する永代の預金総額一億一百八十万円の合計たる一億六千四十二万五千円であるにもかかわらず、右期日の永代に対する実際の貸付額は二億一千七百七十六万八千五百三十円である。

すなわち全信連は、五千七百三十四万三千五百三十円の不正貸付を永代に対して行なつているわけである。

この事実を陰蔽するために、各月末には永代より全信連に対して小切手で右超過部分相当額を返済させ、翌月はじめに当該小切手を落すために全信連が永代に対して右同額の貸出をして帳簿上の操作を行なつているのである。

(二) 山屋八万雄は全信連に対し、永代の名義をもつて、自己の資金約三千万円程度を常時定期預金をしているが、永代の帳簿にはこの預金の記載はない。

しかして山屋は第三者振出の約束手形の割引を行ない、かつ当該手形に永代の裏書をした上、これを前記定期預金を裏付けとして全信連で再割引を行ない、もつて利さやを取つている疑がある。

(三) 全信連が永代に対して貸付けている金額は、全信連の帳簿によるものと、永代の帳簿によるものとは一致しない。

これは全信連に対する検査は大蔵省が行ない、永代に対する検査は東京都が行なつており、両者で照合することがなかつたからである。すなわち昭和三十二年三月三十一日現在で全信連が永代に貸付けた金額として商工中金に対してなされた報告書の貸付記載金額は一億五千三百二十八万三千三百四十四円であるのに対し、永代が東京都に対してなした報告書の記載金額は五千七百五十四万三千三百四十四円であつて、この間実に九千五百七十四万円の開きがある。

この差額をいかに処理しているのか、多大の疑問をいだかせるものがある。

(四) 全信連は、創立以来、定期預金に対して、通常の利息以外に「拡充費」と称する自主金利を支払つており、その利率は、一年定期五厘、六箇月定期四厘、三箇月定期三厘となつているが、全信連が永代に支払つた右「拡充費」は永代に入つておらずに山屋個人が着服している確実な証拠がある。

四 以上が追加告発状の一部であるが、右は昭和三十一年九月一日付をもつて追加提出された上申書にすでに明らかにされているのにかかわらず、検察当局においていかなる措置が執られているか、前項の各号に対する回答とともに、その措置についてもあわせて回答されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一 東京都からの報告によれば、昭和三十五年一月十一日永代信用組合を検査した結果、興国農機株式会社に対して純債二億五千万円内外の貸出しがあり、また同信用組合長山屋八万雄氏が同会社の取締役会長に就任している事実が認められた。この貸出しは、同組合の業務方法書に定める一組合員に対する貸出限度を超過するものであるので、東京都においては示達書等により減額、回収方を指示し、その履行状況を監視中である。

二 昭和三十二年八月三十一日における全国信用協同組合連合会の永代信用組合に対する貸出金が同連合会の業務方法書に定められた一会員に対する貸出限度額を超過していたことは事実であると認められる。

また、月末において一時的な回収が行なわれた事例も認められる。

三 東京都の永代信用組合に対する検査(昭和三十五年一月十一日現在)並びに大蔵省の全国信用協同組合連合会に対する検査(昭和三十五年四月十二日現在)のいずれの時点においても、同組合の同連合会に対する預け金の残高と同連合会の同組合からの預り金の残高とは一致しており不符合は認められなかつた。

また全国信用協同組合連合会が永代信用組合から受け入れている預金の一部を担保として手形の再割引を行なつていることは認められるが、検査時点においては山屋氏個人の割引にかかる手形は認められなかつた。

四 昭和三十二年三月三十一日現在において全国信用協同組合連合会の永代信用組合に対する貸出金額と同組合の同連合会からの借入金額とは、両者の帳簿上一致していないことは事実であり、東京都からの報告によればこの差額は同組合の帳簿上たとえば別段預金等他の勘定科目によつて処理されていた。

五 全国信用協同組合連合会が通常の利息以外に拡充費の名目で利息の支払いを行なつていることは事実である。

昭和三十五年一月十一日東京都が永代信用組合を検査した際に同組合が全国信用協同組合連合会から受け取つた拡充費の金額と同連合会から同組合に支払つた拡充費の金額とを照合した結果ではその金額に不符合は認められなかつた。

六 前記山屋八万雄理事長については、昭和三十一年九月十三日佐々木正泰弁護士より東京地方検察庁に、全国信用協同組合連合会より金員を騙取した事実があるとして詐欺罪をもつて告発がなされ、同検察庁において捜査の上、同三十四年三月七日告発事実を証明するに足る証拠がないので不起訴処分をなしたことはあるが、右告発事実中には、主意書三掲記の事実は含まれていない。

なお、右告発は同三十四年二月二十五日取消されている。

右答弁する。

衆議院の原文

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