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東富士演習場問題に関する質問主意書

衆議院 第38回 第10号お答えすることは困難 ×2

提出者
衆議院
提出日
1961年3月10日
内閣転送 1961年3月11日
答弁書受領日
1961年3月24日
提出から14日
答弁の項目数
0
質問 1,374字/答弁 1,615字

質問本文

衆議院議長 ※(注)※(注)一※(注) 殿

東富士演習場問題に関する質問主意書

一 東富士演習場における根本問題は、昭和三十四年一月十六日閣議了解に基づく周辺農家の民生安定策を実施することにあるが、すでに二箇年有余を経過するも、なお、一向に進展を見ないため、民心はとみに動揺しつつあり、向後予断を許さぬ緊迫した状況を看取されるにつき、大いに憂慮するところであるが、これに対処するための重大課題である次の諸点を明らかにされたい。

1 東富士演習場は、昭和三十四年十二月までに合衆国から返還されることになつており、さらにその後、江※(注)前防衛庁長官の言明により、昭和三十五年末までにこれを実現する趣に承知していたが、今日、なんら具体化されないのはいかなる理由によるか。またこれが確たる時期を明示されたい。

2 国有地五百六十ヘクタール(うち水田用地四百二十ヘクタール、農用林用地百四十ヘクタール)を昭和三十五年末までに開放することになつていたが、これが進ちよく状況及び実施の時期いかん。

3 民生安定策の基本である九百四十七ヘクタールの開田事業は、昭和三十四年度から三箇年計画で実施することになつているが、極く一部に限り着手されているのみで、用水が確保できないために、もつともこれを必要とする被害の激甚地においては実施のメドが立たない状態である。

よつて、用水需給の全体計画をすみやかに確立するとともに、閣議了解にある畜産振興事業を実施することが緊急施策としてきわめて有効であり、関係農民もこれを強く要望しているにかんがみ、「東富士演習場周辺農業整備事業」を根本的に再検討し、特別措置を講ずる必要があると考えるが、これに対して政府は、いかなる措置をとるか、具体的な方策を示されたい。

二 東富士演習場内入会地は、農業経営上不可欠の生産要件である実態にかんがみ、演習行為に起因する林野産物の損失補償は、入会地固有の経済価値の破壊に対する補償を至当とする。しかるに、現行補償体系は、これによらず、被害年度の入山可能日数等の不確定要因を補償算定の基準としているために、年々係争をひき起こしているところである。

長年にわたる演習行為により、今日、入会地及び入会道路は荒廃をきわめ、資源の保有量は激減しており、入山日数方式による損失測定が実態を表わさないことは明らかであるため、昭和三十三年度及び同三十四年度の補償は、いまだに解決されておらない現況にある。

よつて、補償体系を、個人補償から入会集団補償に切り替えるとともに、集団の管理する固有の入会地に対する定額的補償方式に改めることが必要と思うが、これが対策いかん。

三 今日、各地においては、諸種の産業経済計画が実施され、経済力のいちじるしい伸張を示しつつあるが、演習場周辺農家は、経営用地の多くを接収されて、絶えず発生する演習被害の補てん策としての補償を受けるに留まり、なんらの発展も期待できないのみか、現状維持すらも困難な状況にある。

演習場周辺における特別損失防止対策事業は、その事業費が全額国庫負担によることから、かなりの整備を見ているにかんがみ、同様主旨によつて、これら農家を再建するとともに、時運に対応する経済力の充実を図るために、特別法制定の措置をとる必要があると思うがどうか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一 1 昭和三十四年一月十六日「東富士演習場返還に伴う措置について」の閣議了解は、当時岸・アイク共同声明によつて駐留軍の地上部隊の本土からの撤退が顕著になつたのに伴い、米陸軍の演習場使用度合が減少したのに対し、自衛隊の必要度合が強くなつたので、これを日本側に返還を受けて自衛隊の施設とし、米軍には随時使用を認めること、また、自衛隊が本演習場を使用するに際しては、自衛隊の演習と地元民生の安定とが両立するよう措置することを目途としたものであつた。

政府は右の方針により米軍との返還交渉に入つたのであるが、その後、米軍の本演習場に対する必要性が著しく強まつたこと、また、現在の演習場の規模は演習を有効にするための最少限度のものであり、これを縮少することはきわめて困難であるとの意向が米側から強く表明されたことから、交渉は難行している。

したがつて、返還の確たる時期を明示することは困難である。

2 国有地五六〇ヘクタール(演習場内三六〇ヘクタール、演習場外二〇〇ヘクタール)については、現在米軍に提供中の開田予定地域を除き、演習場外の一部の国有地四六ヘクタールは、昭和三十六年七月一日を目途として大蔵省普通財産から農林省開拓財産に所管換するよう目下東京農地事務局と東海財務局の間において手続中であつて、なお残余の演習場外約一四〇ヘクタールについては、所管換の準備を取りすすめている。

所管換完了後農林省は開拓計画を樹立し、農地法に基づいて本用地を買受希望者に売り渡すことになる。

米軍に提供中の国有地についても、米軍から返還後は、同じ手続により売り渡される。

3 「東富士演習場周辺農業整備事業」として実施中の九四七ヘクタールの開田事業については、目下静岡県が事業の推進に努めており、すでに開発された用水源をもつて、昭和三十六年三月までに八六ヘクタールの開田が終了している。

ただし、この水源が比較的低部に開発されたため、最も演習場に関連の深い印野、須山等の高部に送水できない事情にあつた。

しかしながら、最近にいたり印野、須山等に送水できる高部の水源として、三味線林山附近に有望な地下水を探査することができたので、現在直ちに「東富士演習場周辺農業整備事業」の計画を根本的に再検討することなく、できるだけすみやかにその水量を確定し、従来の計画を推進いたしたい。

二 林野特産物に対する現行の損失補償は、入会慣行のあつた土地が施設区域として駐留軍に提供されたことによつて、その慣行が阻害された場合に、各農家が受けた実損を補償することを建前としている。補償額の算定にあたつては、各農家は場外採草地において、また立入許可日に採取を行なうものとし、以上によるもなおかつ不足する分について実損を補償することとしている。したがつて実損の多寡により補償額が変動することは当然である。

以上の建前をかえて「集団の管理する個有の入会地に対する定額補償方式」を採用することは

(イ) 現行の建前が前記のごとく入会慣行の阻害に対する実損補償であつて、入会権そのものの権利侵害に対する補償ではないこと。

(ロ) 演習行為により場内の入会慣行のあつた土地が荒廃することは事実であるが、荒廃度がすすんで採草量に影響するような事態が生じた場合には算定の過程においてこの要素を考慮に入れることもありうること。

(ハ) 補償算定の基礎的な要素について補償申請者とあらそいのある場合には事実の認定について、更に現地調査を行なうなどの措置により解決を計つていること。

等の理由により、直ちにその必要はみとめられない。

しかし、なお、十分検討したいと考える。

三 演習場等の周辺に居住する農民の生活再建のための措置は従来ともその必要性を認めて、極力実現に努力してきたが時運に対応する経済力の充実を図るための特別法の制定については今後検討を要すべきものと考える。

右答弁する。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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