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国及び地方公共団体の施設と宗教との関連に関する質問主意書
衆議院 第63回 第8号
質問本文
衆議院議長 ※(注)田 中 殿
国及び地方公共団体の施設と宗教との関連に関する質問主意書
最近、国及び地方公共団体の施設と宗教との関連について憲法第二十条、第八十九条などの解釈につき論議があるが、次の点につき別紙の実例を参照のうえ、政府の見解を伺いたい。
一 公共の施設内において宗教儀式を行なうことは、必ずしも憲法第二十条に違反するものではない。ただし、その宗教儀式に参加を強制することは何人たりとも許されない。
二 国又は公の団体が宗教的色彩を有する施設を所有し、維持管理することは、憲法第二十条及び第八十九条に必ずしも違反するものではない。
三 国又は公の機関が社会習慣上一般に認められている宗教儀式を行なうことは、必ずしも憲法第二十条に違反するものではない。ただし、その儀式への参加強制は何人に対しても許されない。
右の三点のとおりに解釈して政府の解釈と相違はないかどうか。
右質問する。
(別紙)
質問三点に対する実例
一 (公的施設における儀式の執行)
国立千鳥ケ渕墓宛における各宗教団体の儀式執行
東京都震災慰霊堂における仏式大法会、および日常の仏式供養の例。
二 (所有維持管理)
東京都震災慰霊堂(仏教) 湯島聖堂(儒教)
刑務所及び国立療養所等における宗教礼拝堂等の例。
三 (儀式の執行)
国家施設造営の場合の起工式、竣工式等の神式行事
国鉄その他の事故、又は殉職犠牲者に対する仏式葬儀又は法会。
政府答弁書
一について
御質問の趣旨は、主意書別紙の一の実例から推して、宗教団体が、国または地方公共団体が所有し、もしくは維持管理する施設において、宗教儀式を行なうことは、憲法第二十条の規定に違反するかどうか、にあると解せられる。
憲法第二十条第一項後段は、いかなる宗教団体も、国から特権を受けてはならない旨を定めているが、同条項にいう特権とは、宗教団体であることを理由として与えられる特殊な利益をいうものと解されるから、宗教団体が国または地方公共団体の施設を使用するについて、当該団体が一般の国民または団体と同一条件でその使用が認められている限り、同条項に違反するものとは考えられない。
また、このようにして当該施設を使用することを認められた宗教団体が、当該施設において宗教儀式を行なうことは、同条項に違反するものでないことはいうまでもない。
二について
主意書にいう「宗教的色彩を有する施設」の意味が明確でないので、一概に論ずることはできないが、憲法第二十条第三項は、国およびその機関の行なう宗教的活動を禁止しているから、同項にいう宗教的活動にあたるような施設の所有および維持管理が許されないことはいうまでもない。
なお、国または公の団体が宗教的色彩を有する施設を所有し、かつ、維持管理することは、憲法第二十条の問題となりえても、第八十九条の問題とはならないものと考える。
三について
宗教にその起源を有する行為であつても、今日、その行為が広く一般国民の間において宗教的意義のあるものとして受け取られず、単に社会生活における習俗となつているようなものについては、国またはその機関がそれを行なつても、憲法第二十条の趣旨に違反するものではないと考える。
右答弁する。
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