ことばで探す › 衆議院 第75回
飲用向け乳価交渉の促進に関する質問主意書
衆議院 第75回 第19号
質問本文
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
飲用向け乳価交渉の促進に関する質問主意書
世界的に食糧は、人口増加、異常気象に伴い、非常に不安定な状況におかれており、必要最小限の食糧を自給することは、極めて重大なことである。
牛乳・乳製品の需要については、食生活の洋風化、高度化に伴い、急速に増大し、国民の食生活に定着している。
他方、日本国民に動物性食品として欠くことのできない水産資源については、漁獲制限等に伴いますます縮小の傾向にある。
このような情勢の中で、牛乳・乳製品の自給を図ることは、国民の食糧を確保することであり、極めて重要な政治課題である。
しかるに、酪農の実態は、酪農家戸数の減少と共に、乳牛頭数も減少に転じ、生乳の生産は酪農史上初めて、四八、四九年と二年間連続して、前年度の実績を下回る酪農危機に陥つている。
このような酪農危機を打開するため、指定生乳生産者団体は、当面生産者乳価の引上げを行い、低落傾向に歯止めをかけたいとしている。
このため、既に、二月に要求乳価を決め、政府に対しては、加工原料乳保証価格の引上げと、乳業者に対しては、飲用向け乳価の引上げをそれぞれ要求し、加工原料乳保証価格については、政府が四月一日より、一四・七%の引上げを行つている。
他方飲用向け乳価については、取引当事者の交渉に任されているが、生産者の度重なる強い値上げ要求にもかかわらず、乳業者は財源難を理由として、一切応じていないのが実態である。
これをこのまま放置しておれば、酪農に見切りをつけ、酪農家の離脱が続出し、我が国酪農が崩壊することは明らかである。
よつて、政府は、以上のごとき実態を十分勘案し、現在紛争状態に入りつつある飲用向け乳価交渉に対しどのように対処しようとしているのか質問する。
一 加工原料乳保証価格を、四月一日より、一四・七%値上げされているが、値上げした要因は何か。
二 生乳の円滑な流通を図るため、飲用向け乳価と、加工原料乳保証価格との適正な価格バランスは、どの程度に考えているか。
三 飲用向け乳価交渉は、二月以来既に四箇月を経過しようとしているが、このまま放置すれば紛争状態に陥り、生乳並びに牛乳の生産流通上において、重大な障害が出て、社会問題化が懸念されるが、政府はこれをこのまま、放置するのか、又は、行政指導するつもりか、どうか。
四 各都道府県に、指定生乳生産者団体が設立されてからは、その連合体である、中央機関が、生乳取引上の指導を行い、さらに、各乳業者に対する乳価交渉は、各指定生乳生産者団体より委任を受けた者(全国指定団体乳価対策委員会)が行つており、毎回交渉は長期(半年以上)にわたつて難航しているのが実態である。
このため、上記の者が酪農振興法第二四条による調停又は、あつせんの項の対象者となり得るか、又なり得なければ、交渉の実態に合わせて、改正する意志があるのか。
五 生乳は、毎日生産され、かつ腐敗しやすく、長期保存が困難な性質をもつているため、生産者は、取引上極めて、不利な立場におかれている。特に、自由取引となつている飲用向け原料乳に対し、この取引上の不利を取除くため、いかなる措置を考えているか。
右質問する。
政府答弁書
一について
昭和五十年度の加工原料乳保証価格については、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法(昭和四十年法律第百十二号。以下「暫定法」という。)第十一条第一項の規定に基づき、生産される生乳の相当部分が加工原料乳である地域における生乳の再生産を確保することを旨として生乳の生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮して、飼育労働費、流通飼料費、飼料作物費等の増加を反映するよう一キログラム当たり八〇円二九銭(前年度比一四・七%アップ)としたものである。
二について
加工原料乳保証価格は、加工原料乳の主要な生産地域における生乳の再生産の確保を旨として農林大臣が定めているが、飲用向け乳価は、生産者と乳業者の間で飲用に向けられる生乳の生産条件、牛乳の需給事情その他の経済事情を考慮しつつ自主的に形成されているので、保証価格と飲用向け乳価との間に価格差が生ずるものとなるが、その格差はそのときどきの経済事情を反映するものであり、どのような価格差が適正なものであるか一概にいうことはできない。
三について
飲用向けの乳価については、従来から生産者と乳業者の間で飲用に向けられる生乳の生産条件、牛乳の需給事情その他の経済事情を考慮して自主的に形成されてきており、今回の飲用向け乳価についても、現段階では当事者間で円満に解決されることを期待し、今後交渉の推移を見守つてまいりたい。
四について
酪農振興法(昭和二十九年法律第百八十二号。以下「酪振法」という。)第二十四条の規定に基づく農林大臣の調停は、同法第二十条の規定により、当事者(委任を受けた者を含む。)が都道府県知事に調停の申請をした後、知事が農林大臣に申し出た場合に、必要に応じ、行うものであり、この手続を経ずに直接農林大臣に調停を申し出ることはできないこととなつている。
また、飲用向け乳価は、地域の実情に応じて形成され、したがつて紛争も地域の実情に応じて解決されることが望ましいので、このような考え方に立つ現行のあつせん又は調停に関する仕組を変える必要性は、乏しいと考える。
五について
暫定法に基づき、各都道府県の区域ごとに知事が一の生乳生産者団体を指定することにより、生産者団体による生乳の共同販売体制の強化を図るほか、酪振法に基づき、生乳等取引契約の文書化等を推進するとともに、行政庁による紛争のあつせん又は調停等を行いうることとし、生乳取引の特質に即し、生産者団体の強化に配慮しているところである。
右答弁する。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。