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国鉄の複々線拡張、高架化による被害補償に関する質問主意書
衆議院 第78回 第16号
質問本文
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
国鉄の複々線拡張、高架化による被害補償に関する質問主意書
日本国有鉄道の複々線拡張及び高架線化による沿線住民への被害は、日照被害、テレビ受信障害、車中からの投下物による被害、振動・騒音など各種に及び、住民の精神的、肉体的苦痛は放置できないものとなつている。
これは杉並区阿佐が谷駅周辺にとどまらず、全国的にも早急な解決が求められている問題となつており、国民の健康かつ文化的生活を保障するため、以下具体的に政府に質問する。
一 国鉄の複々線拡張、高架化によつて生じた被害にたいする政府の基本姿勢について問う。また住民の要求については積極的かつ前向きに対処すべきと考えるが、その用意はありやなしや。
二 各種被害にたいする補償について
(1) 日照権―線路の高架化により日照時間が皆無及び極めてきん少となつた地域は、朝から点灯を強いられるとともに布団の日光乾燥も不可能となり、冬期は一般家庭に比して暖房費も大幅に増加するなど生活条件は極めて劣悪である。そこで以下の補償方法が考えられるが、検討する考えはないかどうか。
イ 年間を通じて日照皆無あるいは日照がきん少となつた住民にたいして布団乾燥車を無償で提供すること。
ロ 冬期間、一世帯につき一ヶ月四カンの灯油を無償提供するなど住民の暖房措置にたいする援助を行うこと。
ハ 朝からの点灯を余儀なくされていることにたいする電気料金の一部負担
(2) 列車、電車の通過時に発生する乱波によるテレビ受信障害解決のため、国鉄の完全負担で共同アンテナの設置及び各家庭までの有線ケーブル敷設を行う考えはないか。
(3) 列車、電車からの投下物防止
投下物は空びん、空かんをはじめとして弁当のから、新聞紙はては汚物付着のトイレット・ペーパーにまで及び、住民は危険防止や落下物の除去作業のため毎日労苦を強いられている。この解決のため、次の措置を講ずる考えはないか。
イ 線路際へのフェンス設置など万全の策を講じること。
ロ すでに受けた被害について屋根等の修理を含めた補償を行うこと。
(4) 振動、騒音防止について
杉並区役所が今年六月十七日より二十九日にわたつて測定した結果によれば、騒音八十五ホン、振動は深夜においてさえ八十一デシベルもあり、早急な対策が必要となつている。そのため、次の措置をとる考えはないか。
イ 枕木の下にクッション等の消音措置を施すなど効果的措置を行うこと。
ロ 騒音防止策のできるまで被害住民に防音用二重窓を国鉄の責件で取り付けること。
ハ 家の土台、屋根瓦のズレ、壁・タイルのひび割れ等の被害実態を調査し、修理等必要な措置をとること。
三 被害実態の一例として私は今年八月、国鉄当局にたいし阿佐が谷駅沿線住民の具体的被害について早急なる調査と善処を求めたが、未だ十分な調査が行われていない。
早急に被害実態を調査し、沿線住民の要求にたいして対策を講ずるべきと考えるが、どうか。
右質問する。
政府答弁書
一について
国鉄の高架化に当たつては、従来から、防音等を兼ねた高欄の設置、ロングレールの敷設等騒音、振動等の防止対策を種々講じ沿線の環境保全に努めており、今後ともこれらの対策を講じていく所存である。また、振動等による家屋等の実害に対しては、修理等所要の措置を講ずるよう国鉄当局を指導してまいりたい。
二について
(1) 最近の高架化に当たつては、側道を設ける等日陰による沿線家屋等への影響を極力軽減するよう努めているところであるが、それでもなお生ずる日陰による損害については、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱の施行について」(昭和三十七年六月二十九日閣議了解)の第三により損害等の発生が確実に予見されるような場合には、事前賠償により対処する方針で現在国鉄当局において具体的な検討を進めているところである。
(2) 最近の高架化に当たつては、国鉄当局において、共同アンテナの設置等テレビの受信障害を解消するための措置を講じているところである。
(3) 高架化に当たつては、従来から、防音等を兼ねた高欄を設置し、高架橋からの落下物の防止を図るとともに、列車からの投下物等による沿線住民の被害を防止するため、列車外へびん等を投棄しないこと等について、車内放送等を通じ旅客に協力を要請してきたところである。今後万一、沿線家屋等に投下物等による実害が生じた場合は、その実情を調査し、修理等所要の措置を講ずるよう国鉄当局を指導してまいりたい。
(4) 高架化に当たつては、従来から、防音等を兼ねた高欄の設置、ロングレールの敷設等騒音及び振動の軽減に配慮してきたところであり、今後とも騒音及び振動の軽減に努めることとしている。また、振動により生じた沿線家屋の実害については、その実情を調査し、修理等所要の措置を講ずるよう国鉄当局を指導してまいりたい。
三について
沿線住民から具体的に被害の申出があつた場合は、速やかにその実情を調査し、振動等による家屋等の実害が認められるものについては、修理等所要の措置を講ずるよう国鉄当局を指導してまいりたい。
右答弁する。
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