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返還軍用地の適正な管理費補償と跡地利用に関する質問主意書

衆議院 第84回 第34号

提出者
衆議院
提出日
1978年5月9日
内閣転送 1978年5月13日
答弁書受領日
1978年5月19日
提出から10日
答弁の項目数
2
質問 1,410字/答弁 810字

質問本文

衆議院議長 保利 茂 殿

返還軍用地の適正な管理費補償と跡地利用に関する質問主意書

一 沖繩県における返還軍用地の管理費補償は現在、昭和五十年七月八日付防衛施設庁長官通達によつてその処理がなされている。

沖繩県当局や関係団体は、この通達が提示された直後から、返還軍用地の地籍が未確定であり、その調査も困難である等の理由により、通達通りの処理では関係地主に大きな不利益を与えることになるので、返還地の実情に応じた適正な管理費補償を行うよう強く政府に要請してきたところである。

ところが、この問題に対する政府の具体的な方策が講じられておらず、すでに返還された土地で地籍調査の中途にあるものは土地の跡地利用ができない実情にありながら、管理費補償が二年目からはわずか一〇パーセントに減額され、その後は全く補償がない。

関係地主は、このような仕打ちに強い不満を表明して、受領を拒否している地主も数多くいるとのことである。

本来管理費補償は、土地の返還に伴いその土地の利用が不可能な期間を補償すべきものであり、通達をもつて一方的に補償期間を限定することは、極めて不合理な措置だと断ぜざるをえない。政府はこのことについてどのように認識し、その実態を把握しているのか。管理費補償の受領を拒否している地主、市町村、団体等はどのくらいあるのか。また、その総額はいくらになつているのか。

二 返還される軍用地周辺の社会環境の変化、地形等の著しい変質、変化を来していて、原状回復がむつかしいのが返還土地の実態である。

地主が、なんの損失も被らずに跡地利用が完全にできるようにするためには、単なる形式的、名目的な復元補償あるいは地籍等の明確化作業ばかりでなしに、都市計画、区画整理あるいは土地改良事業等を併せて国の責任において完全に実施し、地主が、返還土地の跡地利用をするのに支障を来すようなことがあつてはならないと考える。政府の見解いかん。

また、このことと関連して「沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法」の第十九条(返還地の利用促進のための措置)の運用、政令等の公布はどうなつているのか、明らかにしてほしい。

三 軍用地の持つ歴史的背景、その特殊性を指摘するまでもなく、「沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法」の趣旨からしても、返還軍用地の跡地利用を含めて地籍を明確にすることは、国の責任であると思料する。しかし、現況は復帰後返還された土地でさえ、そのほとんどが管理費補償期間内に位置境界の明確化、地籍等の確定ができないまま関係地主に多大な不利益を与えている。

このことから現行の法律、政令、制度等に不備欠陥があるように思われる。現在、防衛施設庁が返還軍用地に適用している「土地等損失補償要綱」は、昭和二十七年七月四日の閣議了解に基づくものである。

またこの要綱や、管理費補償の算定基準の内容は、沖繩の返還以前に策定されたものがその大半である。

従つて、沖繩の現状にそぐわない面が多いように思われるし、さらに、沖繩の返還軍用地のほとんどは私有地であることにもつと留意すべきである。

政府は、これらの諸点を踏まえて「駐留軍の用に供する土地等損失補償等要綱及び同評価基準」の内容を抜本的に改定すべきだと考えるが、見解を問う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び三について

御質問の通達は、沖繩県にある位置境界不明地には特殊事情があることにかんがみ、駐留軍ノ用ニ供スル土地等ノ損失補償等要綱(昭和二十七年七月四日閣議了解)第四条に基づき、米軍の用に供していた当該土地が所有者に返還された場合の管理費の額の特例を定めたものであり、この管理費の額の特例を定めるに当たつては、復帰前琉球政府によつてなされた地籍確定作業の事例等を参考の上、原則として、関係土地所有者による位置境界の確認の協議に必要と認められる期間としての一年分の借料相当額とその協議成立後登記までに要すると認められる期間における当該土地の利用の制約の度合等を考慮したものとしての借料相当額一年分の十分の一の額とを合計して算定しているところである。また、復帰後行われている位置境界明確化作業の事例に照らしても、通常の場合には、右の管理費の額は妥当であると考える。

なお、右の金額の支払は、当該土地の所有者との合意により行うものであるが、現在までに米軍から返還された位置境界不明地については、管理費を支払済みであるか、又は所有者と協議中であるかのいずれかである。

二について

返還跡地については、返還時において地主に対し原状回復補償を行つてきているところであるが、更に、沖繩の狭あいな土地の有効利用を進めるため、生活環境の整備、第一次、第二次産業等への土地利用の促進、無秩序な開発行為の規制等を図ることが必要と考えている。

このような趣旨から、今後、必要に応じ、具体的な事業計画に即して公共事業等の推進を図つてまいりたい。

また、沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第十九条に関しては、政令で特に措置する必要はないと考えているが、同条に規定する事業の実施が必要な場合には、現行の法律、予算措置を十分活用し、土地の有効利用の促進に資することといたしたい。

右答弁する。

衆議院の原文

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