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沖縄県の雇用及び失業問題に関する質問主意書

衆議院 第84回 第36号検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1978年5月13日
内閣転送 1978年5月17日
答弁書受領日
1978年5月30日
提出から17日
答弁の項目数
17
質問 7,089字/答弁 4,846字

質問本文

衆議院議長 保利 茂 殿

沖繩県の雇用及び失業問題に関する質問主意書

本年四月二十八日に総理府統計局が発表した三月分の統計によると、沖繩県の完全失業者は三万二千人、完全失業率七・一パーセントを記録し、全国平均の約三倍という高い数字を示している。

失業者の大半は、三十五歳未満の若年層と四十歳以上から五十四歳未満の中高年層で、なかでも若年層は全体の失業者の半分を占めている。

本年二月の沖繩県全体の求職倍率も一〇・二倍に達しており、例えば那覇市の職業安定所では、求職者一万二百四十四人のうち就職できたのはわずか三百七十六人(うち県外就職二百五十九人)という状態である。

言うまでもなく、かかる失業の深刻な事態は今に始まつたことではなく昭和四十七年の沖繩復帰から今日までなんら解決されることなく一貫して続いており、失業が「慢性化」さえしている。

しかも、沖繩県は海洋博後の需要落込み、石油ショック特に最近の円高など長期不況の影響を最も強く受け、中小企業の倒産も相次ぐなど雇用、失業情勢は一層悪化している。

沖繩県における雇用、失業対策は緊急を要すると考える。

従つて、次の事項について質問する。

一 沖繩県の失業の原因は、何よりもまずアメリカが沖繩基地をアジア最大の軍事拠点と位置付け、その再編、合理化を進めるため基地労働者を一方的に大量解雇してきたことにある。

このことは、復帰から昨年末までの軍解雇者数が一万四百七十八人に達していることをみても明らかである。

しかも、もともと沖繩県の経済は、二十七年間にわたる異民族の軍事支配のもとで第三次産業中心のいびつな形にとどめられてきたうえ、復帰後六年を経過した今も産業活動にとつて欠かすことのできない多くの土地や財産が米軍基地に奪われているのである。

さらに、これに加えて政府が、復帰後県民本位の産業、経済の施策を十分に講じてこなかつたために農業や第二次産業の振興が著しく遅れ、県内の雇用機会を極めて少なくしていると考える。

ここに沖繩県の失業を深刻にし「慢性化」させている根本原因があると思うが、このことについての見解を示されたい。

二 失業多発地域である沖繩県において、とりあえず政府は、失業手当の新設等、失業給付の改善による失業者の生活保障及び公共事業の拡大、失業対策諸事業の統合、拡充により失業者の就労機会の拡大を図るなど緊急対策を講ずべきである。

このことについて、本年一月二十五日の衆議院本会議で、私の質問に対して藤井労働大臣は「沖繩等の失業多発地帯におきましては、各種の援護措置の活用を図りつつ、広域職業紹介を実施するなどにより、失業者の再就職の促進を図つておるところでありますが、さらに中高年齢者を雇い入れる事業主に対しては、(略)新しい助成措置によつて雇用機会の拡大を図りたい」と答弁している。

「中高年齢者を雇用する事業主に対する助成措置」のほかは、これまでと比べ特に目新しい施策は講じられていないように思うが、これで雇用拡大が効果的に図れると考えているのか。

三 本年一月二十五日の衆議院本会議で、また私の同じ質問に対して藤井労働大臣は「公共事業については、その法律に基づく失業者吸収率制度を、沖繩においては六〇パーセント、積極的に活用する等によつて、失業者の雇用機会の拡大を図りたい」と答弁している。

確かに昭和四十六年十二月に沖繩振興開発特別措置法が制定され、特に深刻な沖繩県の雇用、失業問題に対処するため、同法第三十九条には、沖繩振興開発計画に基づく事業などに就労する労働者のうち無技能労働者六〇パーセントの失業者を使用するという、いわゆる「失業者吸収率制度」のことが規定されている。

この制度の積極的な活用を図り、失業者の就労の機会を確保することは極めて重要なことである。

しかしながら、昨年の十一月十八日の衆議院沖繩及び北方問題に関する特別委員会では、労働省の谷口労働大臣官房審議官は「六〇パーセントと決まつているけれど、これがほとんど活用されていない」と答えている。

この制度が発足してからすでに六年を経過し、国会でも何度か指摘されてきたにもかかわらず活用されてこなかつたというのは何故か、その理由を具体的に明らかにされたい。

積極的な活用を図るため、これまでどのような具体的措置を講じたのか。

四 沖繩県労働商工部では、この「失業者吸収率制度」が活用できていない問題点として、�@公共職業安定所に対して公共事業を施行する業者が提出を義務付けられている使用労働者数などを記載した「施行通知書」の提出状況が悪い。�A職業安定所と発注機関(国、県、市町村など)の連絡が十分でない。�B施行業者の機械化などによつて一工事当たりの無技能労働者の使用数が減少しているうえ、不況の反映で手持労働者が増加しているという趣旨の指摘をしている。

このことについて同様の認識を持つているのか。

また、施行業者に手持労働者が増加し失業者の吸収率が悪くなつているとするならば、これに対してはどういう具体的な施策を講ずるのか。

五 「沖繩振興開発特別措置法に基づく就職促進手当の支給等に関する省令」第二条で、国又は地方公共団体等(その事業を施行する者も含む。)は、事業開始前(緊急の場合は事業開始後)に事業に使用すべき労働者数を職種別に公共職業安定所に通知することと義務付けられている。

にもかかわらず「使用労働者数」の通知状況が悪いというのは、所管省の指導、監督が徹底されていなかつたということになるが、どうか。

六 「失業者吸収率制度」の積極的活用を図るためには、職員の適切な配置を含む必要な態勢をとり、指導、監督を強めるとともに、公共職業安定所と国及び地方公共団体など発注機関との連絡を十分とるべきである。

また、施行業者が公共職業安定所に対し「使用労働者数」を通知するだけでなく、国及び地方公共団体などの発注機関も施行業者との契約時に当該業者の「使用労働者数」を把握して、公共職業安定所へ通知するなどの措置を講ずべきと思うが、どうか。

七 沖繩県においては、失業者の就業の機会を確保するためにも公共事業の拡大を図つていくことは、特に重要だと考える。

公共事業の在り方については県民の福祉、生活向上に役立つ雇用効果(失業吸収率)の高い事業で、しかも全国と比べて立遅れの著しい医療施設、学校、保育所、身心障害児のための福祉施設などの拡充、整備事業にも今後重点を置くべきと思うが、どうか。

また、下水道の建設、河川の改修、公園、排水溝や生活道路の整備、低家賃公共住宅の建設、治山治水、造林、水資源開発など生活密着型の公共事業をさらに拡大していくべきと思うが、具体的な方針を明らかにされたい。

八 昭和五十三年度の沖繩県交通方法変更関係予算は、総額で百三十八億六千三百万円である(昭和四十九年度から五十三年度までの総額百九十三億三千六百万円)。

このうち交通方法変更に伴う公共事業などについても失業者の吸収、県内企業への優先的発注などの面で十分な措置を講ずべきである。

昨年十一月十八日の衆議院沖繩及び北方問題に関する特別委員会でも、沖繩開発庁の亀谷総務局長は「できるだけ地場労働雇用に資するよう執行率をあげている」と答弁している。

失業者吸収、県内企業への優先的発注という点で、どのような具体的措置を講じてきたのか。

その結果、どういう効果をあげてきたのか。

九 公共事業の発注については失業、雇用対策の面からも県内企業に資するよう優先して行うべきである。

例えば沖繩県当局が行つた土木・建設関係の昭和五十一年度県内、県外別発注状況は、全体の発注件数が八百六十二件で、そのうち県内企業八百三十七件、県外企業二十五件と九〇パーセント以上を県内企業に発注している。

ところが昭和五十二年度上半期で国が行つた公共事業は、県外企業が五〇・八パーセント、公団、公社にいたつては県外企業が七六・三パーセントということである。

もし、このことが事実ならば、公共事業を拡大してもそれが必ずしも県内企業に資するということになつていないことになる。

現在、公共事業の発注状況はどうなつているのか。

県内企業に優先的に発注されているのかどうか、明らかにされたい。

もし、そのとおり発注されていないとすれば、その理由は何か。

また、それを解決するためどういう施策を講ずるつもりか。

十 国が行う公共事業については、大半が本土大企業や地元大企業に発注されているという批判もある。

従つて、公共事業については県内の中小零細企業に対しても発注すべきである。

中小零細企業の受注の機会を確保するため分割入札、共同受注などの方法を講じ仕事を保障すべきである。

このことに関しては、本年二月二十八日の衆議院沖繩及び北方問題に関する特別委員会で、沖繩開発庁の美野輪振興局長は「中小企業の育成という観点からも(略)、できるだけその発注を拡大するということに努力してきた」と答えているが、これまで具体的にどういう措置を講じて努力してきたのか。

その結果どういう効果をあげたのか、今後さらにどういう措置を講じていくのか。

十一 沖繩県労働商工部の資料によると、昭和五十一年度の国及び地方公共団体等の公共事業で吸収された失業者数は、わずかに千八百三十四人(昭和五十一年度月平均の完全失業者数二万六千人)である。

従つて、できるだけ多くの失業者に就業の機会を確保するためには、「失業者吸収率制度」の活用、公共事業の拡大と同時に失業者が安定した雇用につくまでの間、失業者対策を目的とした「公的就労事業」をおこしていくことが極めて重要だと考える。

その意味においても、沖繩振興開発特別措置法第三十八条の「労働大臣は沖繩県知事の意見を聞いて(略)就業の機会の増大を図るための事業の実施その他必要な事項に関する計画を作成し、その計画に基づき必要な措置を講ずるものとする。」とある規定を踏まえて、「就業の機会の増大を図るため」のなんらかの事業を実施すべきと思うが、どうか。

このために、失業者の要求や実態の把握はもとより、沖繩県においてはどういう種類の事業が適切かつ可能かということ、また、その実施方法等についても沖繩県当局をはじめ地元関係者の意見を聴取するなどの事前調査を実施すべきだと考えるが、どうか。

十二 沖繩振興開発特別措置法第三十八条の規定があるにもかかわらず、昭和四十七年から今日まで「就業の機会を図るための事業」については、なんら実施されてこなかつた。

昭和五十一年五月、労働省は同法第三十八条に基づき「沖繩県の労働者の職業安定のための計画」を遅ればせながら策定しているが、その計画にさえ「就労の機会を図るための事業」の実施については全く触れていない。

沖繩振興開発特別措置法第三十八条に基づく「就業の機会を図るための事業」について、これまで実施はもとより計画さえ策定しなかつた理由について明らかにされたい。

十三 沖繩県全体の完全失業者のうち四十歳から五十四歳未満の中高年齢者は、本年二月で二〇・八三パーセントを占めており、その多くは軍解雇者である。中高年齢の失業者については、県内就職はもとより年齢や生活要件など不利な条件も重なつて県外への就職も容易でなく、再就職が極めて困難な状態にある。

特に中高年齢者の雇用については、昭和四十六年五月十八日の参議院社会労働委員会において「沖繩の特殊事情をも配慮しつつ、中高年齢者等の雇用及び福祉につき遺憾なきを期すること」との附帯決議も採択されている。

中高年齢失業者に対しては、就職促進のための各種援護措置の改善をはじめ職業紹介、職業訓練の拡充、強化などの対策を進める必要がある。

これまでどのような措置を講じてきたのか、特に職業訓練についてはその内容も明らかにされたい。

今後、さらにどのような対策を考えているのか。

失業者全体のなかには県内で就職を希望する人も多いので、職業訓練については沖繩県の雇用条件など実情に即した、しかも将来農業や第二次産業の振興に伴いそれに従事できる内容のものも十分に配慮していくべきと考えるが、どうか。

十四 中高年齢失業者に対しても「就業の機会を確保していくための事業の実施」は緊急を要すと考える。

沖繩県の場合、沖繩振興開発特別措置法第三十八条及び同法第三十九条の制定によつて、「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」第二十一条(特定地域における措置として中高年齢失業者に対する就業の機会を増大するための計画、実施など)及び同法第二十二条(公共事業に対する国庫補助及び中高年齢失業者の吸収率制度)の適用を除外されている。

にもかかわらず沖繩振興特別措置法第三十八条に基づく「就業の機会を拡大するための事業」は、これまで一度も実施されたことがないのである。

このために沖繩県の中高年齢失業者は、「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」第二十一条の適用を除外されたうえ、沖繩振興開発特別措置法第三十八条に基づく事業の実施も行われず、就労の機会も確保されないまま困難な状況に置かれていると指摘せざるを得ない。

中高年齢失業者に対して就業の機会を確保していくということについて、どう考えているか、明確に答えられたい。

十五 雇用機会の拡大を図るために広域職業紹介に力を注いでいるようだが、「Uターン現象」もあつてあまり実効をあげていないようである。

沖繩県の資料によると昭和五十一年度の県外常用就職者は五千四百九十五人で、同年度に「Uターン」した者は二千八百八十八人という状況である。

しかも「Uターン」者のうち四六・九パーセントは「県内で働きたい」との希望を持つている。

現在の状況のもとで、広域職業紹介を進めることはある程度必要だと考えるが、何よりも県内で就職できる条件をできるだけ早くつくることが大前提だと思うが、どうか。

また、県外への就職が定着しないということについて受入れ側の企業の対応にも問題があるとの指摘も聞いている。定着しない要因がどこにあると考えているのか。県外への就職を図るために、今後どのような措置を具体的に講ずるつもりか。

十六 昭和五十二年十一月十八日の衆議院沖繩及び北方問題に関する特別委員会で、沖繩開発庁の亀谷総務局長は「(沖繩県の)雇用問題の基本は、産業基盤を整備し、雇用機会を確保することだ」と述べている。

しかし、沖繩総合開発審議会総務部会が出した昭和五十一年十月の「沖繩振興開発中期展望」では、「県内での雇用拡大は産業振興なくしては考えられない」と指摘しながらも、産業振興による雇用拡大は相当の期間を必要とし、沖繩振興開発計画の後期五年では見通しは極めて暗いという趣旨の判断を下している。

従つて、これまでの雇用、失業対策を続けていくだけでは、沖繩県の深刻な失業は解決されず、少なくともさらに五年間今日のような事態が続くということが予想されるのではないのか。

仮にそうだとすると、復帰後十年間もこの異常とも言うべき失業情勢が続くということになる。

実際に予想されるこの事態についてどういう認識を持つているのか。

十七 沖繩県の深刻な失業を根本的に打開するためにも、これまで指摘した点の改善も含め雇用、失業の緊急対策を講ずるとともに、雇用、失業対策の面からも沖繩県の農業、漁業、伝統工芸産業をはじめとする工業、観光業の県民本位の本格的な振興を図るべきと考える。

このことについてこれまでどのような施策を講じてきたのか、また、このことに関する今後の基本的な考えと方針を明らかにされたい。

十八 昭和四十七年十二月に政府が策定した沖繩振興開発計画のなかで、交通、通信体系の整備については、水資源開発とともにとくに重視して位置付けている。

その交通、通信体系の整備の中核として、沖繩県に国鉄の導入を図るべきと考える。

国鉄の導入は沖繩振興開発の背骨をなすものであり、生活基盤と産業基盤を確立していくうえで、重要な意味をなすものである。

しかも、沖繩県民のほとんどの人が導入を強く望んでおり、そのための鉄道建設事業は長期にわたり相当多くの失業者を吸収できる効果を持つと考える。

このことについて、昭和五十年二月二十六日の衆議院予算委員会第五分科会で私の質問に対して、当時の木村運輸大臣は「どういう交通システムで、経営主体はどういうのがいいのかということをよく調査してかかるのが先決である。(略)沖繩における陸上の交通機関としては、道路だけでは将来を考えた場合不十分であるので検討していきたい」旨の答弁を行つている。

さらに同じ私の質問に対して、昨年二月四日の衆議院本会議で福田総理大臣は「慎重に検討したい」と答弁している。

しかしながら、その後において調査はもとより検討したということも見られないようだが、どうなつているのか経過を含め明らかにされたい。

沖繩県に国鉄を導入するという方向で調査、検討すべきだと考えるが、どうか。また、その意思はあるか。

十九 共産党は、向こう五年間に少なくとも一兆円を超える財源を「沖繩復興特別資金」として国が保障し、産業振興を本格的に図るべしとの提案をしている。

このことについて検討する用意があるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

沖繩県における雇用失業情勢は深刻な状況にあるが、その原因としては、

(1) 産業の振興が十分でないことによる県内の雇用機会の不足

(2) 本土復帰に伴ういわゆる復帰失業者及び米軍基地の整理統合に伴う関係離職者の発生

(3) 県外就職者のUターンが多いこと

等によるところが大きいものと考えている。

二について

沖繩県における雇用機会の確保を図るためには、基本的には沖繩振興開発計画に基づく産業振興の施策等を積極的に実施していくことが重要であると考えるが、当面する雇用失業情勢に対処するため、各種就職援護措置の活用により広域職業紹介を実施して失業者の再就職の促進を図るとともに、中高年齢者雇用開発給付金等の活用により民間の活力を生かした雇用機会の拡大、沖繩振興開発特別措置法に基づく失業者吸収率制度の積極的活用による公共事業における失業者の就労促進などに努めているところであり、今後ともこれら対策の一層の推進を図つてまいりたいと考える。

三及び四について

沖繩振興開発特別措置法に基づく失業者吸収率制度については、沖繩県の雇用失業情勢の現状にかんがみ、その積極的な活用に努めているが、同制度の運用に当たつては、事業のは握がこれまで必ずしも十分でなかつたことや、工事施行方法の機械化、省力化が進展していること、施行業者が多数の手持労働者を抱えていることなど失業者の吸収を制約する事情もあつて十分な成果を挙げていない面もあつた。

しかし、昭和五十三年度予算において公共事業の大幅な拡充が図られたことにかんがみ、これら公共事業における失業者の就労機会確保の一層の推進を図るため、今後とも関係機関との連携を強化し、事業の施行前は握を更に徹底するなどにより、制度の活用にできるだけの努力をしてまいりたいと考える。

五及び六について

沖繩振興開発特別措置法に基づく就職促進手当の支給等に関する省令第二条の使用労働者数の通知については、公共事業施行通知書の提出によつて行うこととされており、これまでもその提出の励行に努めてきたところであるが、今後とも公共事業の発注機関と職業安定機関との連携を強化しつつ、公共事業の施行状況の早期は握等により同通知書の提出の徹底を図つて、同法に基づく失業者吸収率制度の積極的活用に努めてまいりたい。

七について

公共事業を含む沖繩振興開発事業は、沖繩振興開発計画に基づき、本土との格差是正と沖繩の自立的発展の基礎条件の整備を目標とし、年々その拡充に努めているところであり、その中では特に、県内経済の発展を図るための産業基盤整備のほか、医療施設、文教施設、道路等の県民の生活基盤整備、水資源開発等にも充分配慮して取り組んでいるところである。今後も沖繩振興開発計画に基づき、現下の雇用経済情勢をも考慮しつつ、これらの重点的拡充に努めたい。

八について

交通方法変更に伴う道路事業等については、県内企業発注に努めるとともに、早期発注、工事促進をも図つているところである。なお、昭和五十二年度発注の交通方法変更関係道路事業においては、国直轄、補助事業とも、すべて県内企業(共同請負による場合を含む。)へ発注されている。

九について

昭和五十二年度上半期の沖繩における国直轄公共事業については、件数にして全体の約七十パーセント(県外企業との共同請負約三パーセントを含む。)が県内企業に発注されている状況である。発注に当たつては、施工上要する高度な技術、特殊な機器等を有する企業又は工事の規模に対応する指名基準に適格する企業が県内にない場合等の困難な場合もあるが、可能な限り県内企業の発注機会の拡大に努めているところであり、今後も、発注標準を遵守し、契約予定金額に対応する等級より上位の建設業者の選定を極力避けるとともに、分割発注、共同請負制度の活用等により県内企業の受注機会の確保に一層の努力をし、県内建設業者の育成・指導にも努めたい。

十について

沖繩県下における公共事業等の発注に関しては、従来より分割発注、共同請負制度の活用等により可能な限り中小企業の受注機会の確保を図るよう努めており、国直轄事業の中小企業への発注率(件数による)は、昭和四十九年度五十七パーセント、五十年度七十六パーセント、五十一年度八十三パーセントと年々向上している。今後も、更にきめ細かい配慮を行い、中小企業の受注機会の確保に努めたい。

十一について

1 沖繩県における雇用機会の確保を図るためには、基本的には、沖繩振興開発計画に基づく産業振興の施策等を積極的に実施することが必要であると考えられるが、当面の対策として県外への広域職業紹介の推進等と相まつて民間の活力を生かした雇用機会の拡大や公共事業への失業者の就労促進に努めているところである。

2 特に公共事業については、昭和五十三年度予算において、事業費の大幅な増加が図られたところであり、関係機関との連携を密にして、沖繩振興開発特別措置法に基づく失業者吸収率制度を積極的に活用するなどにより、これら拡大実施される公共事業における就労機会の確保に努めているところである。

3 今後ともこれら対策の一層の推進により現下の雇用失業情勢に対処してまいりたい。

十二について

1 沖繩県の深刻な雇用失業情勢に対処するためには、基本的には産業の振興による県内における雇用機会の確保を図ることが重要であるが、雇用対策の面においては、

(1) 沖繩県の失業者の特性を十分考慮して本土への広域職業紹介を積極的に推進すること。

(2) 失業者に対する職業指導、職業紹介及び職業訓練の充実を図ること。

(3) 失業者吸収率制度を活用して公共事業への就労の促進を図ること。

(4) 沖繩県における産業の振興等の施策と相まつて各種就職援護措置の活用等により地元雇用機会の創出を図ること。

等が必要であると考えられ、このような観点から、民間における雇用の場を最大限に活用することをねらいとして「沖繩県の労働者の職業の安定のための計画」は策定されたものである。

2 このような民間における雇用の場の活用については、現状においては、まだ努力の余地はあるものと考えており、したがつて、今後このための施策の推進に更に努力を重ねることとしている。

十三について

1 沖繩県における中高年齢労働者の雇用の促進については、沖繩振興開発特別措置法等に基づき、

(1) 就職促進手当の支給と積極的な職業紹介、職業訓練の実施

(2) 各種就職援護措置の実施

(3) 公共事業への失業者の吸収

等の施策の実施に努めてきたところである。

2 職業訓練については、沖繩県においては、県立、雇用促進事業団立合わせて四校の公共事業訓練施設を設置し、これら職業訓練校において中高年齢の失業者など職業転換を必要とする人を対象とする訓練を行うとともに、委託訓練、速成訓練等を拡大し、労働市場の実情に対応した職業訓練の積極的実施を図つてきたところである。

3 中高年齢者等を対象とするこれらの訓練の規模については、本土復帰時の昭和四十七年度においては、十一科四百四十八人の訓練規模であつたが、その後、施設の拡充整備と相まつて訓練定員の拡大を図り、昭和五十三年度においては、施設内二十三科六百十四人、施設外十二科三百五十人、計三十五科九百六十四人の訓練規模で実施することとしている。

4 今後においても、施設・設備の整備に努めるとともに、今後の沖繩県の産業の振興にも対応できるよう訓練科目の設定にも配慮する一方、なお深刻な雇用情勢に対応して、委託訓練、速成訓練等の活用を図るなどにより、沖繩県の実情に即した職業訓練の円滑な実施に努めてまいりたい。

十四について

1 沖繩振興開発特別措置法第四十七条の規定により沖繩については、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法(以下「中高年雇用促進法」という。)第二十一条及び第二十二条の規定の適用を除外することとされているが、これは、次のとおり沖繩については、措置の対象を中高年齢者に限定することなく、広く沖繩県内の失業者を対象としていることによるものである。

(1) 沖繩振興開発特別措置法第三十八条では、中高年雇用促進法第二十一条のように対象を中高年齢失業者に限定することなく広く沖繩の労働者全般について、その職業の安定のための計画を作成することとしていること。

(2) 沖繩振興開発特別措置法第三十九条では、中高年雇用促進法第二十二条のように中高年齢失業者に限定した失業者吸収率ではなく広く沖繩の失業者全般について失業者吸収率を定めていること。

2 今後とも、沖繩県においては、沖繩振興開発特別措置法による諸施策等を積極的に推進することとし、取り分け関係機関との密接な連携の下に公共事業の拡大と失業者吸収率制度の積極的な活用を図るとともに、中高年齢者雇用開発給付金等の援護措置を積極的に活用して、その就業機会の確保に努力したい。

十五について

1 沖繩県の深刻な雇用失業情勢に対処するためには、基本的には産業の振興による県内における雇用の場の確保が必要であり、このため、沖繩振興開発計画に基づき、関係各省庁が一体となつてそのための施策の推進に努めているところである。

一方、沖繩県における失業情勢の特徴の一つとして若年失業者が多いことがあげられ、これら若年失業者については、今後とも広域職業紹介による本土就職の積極的な推進に努めることとしたい。

2 また、県外就職者の定着については、十分ではなく、この原因として、�@就職前における職業に対する知識経験が十分でないこと、�A本土との生活習慣の違いがあること等によることが大きいものと考えられる。

このため、今後、県外就職者に対し、就職前における職業情報の提供、就職指導の徹底、就職後における職場定着指導の強化等に努めることとしたい。

十六について

沖繩県の失業情勢の特徴としては、基地労務者の減少並びに本土からのUターン者及び就職経験のない学卒者を含め若年層が多いことがあげられるが、これらの対策としては、県内の産業の振興による雇用機会の確保を図るとともに、若年層の失業者については広域職業紹介による県外就職を促進しており、一方、公共事業の拡大による失業者の吸収にも努めているところである。

十七について

沖繩の自立的発展と県民所得の向上及び雇用機会の確保を図るためには、第一次産業から第三次産業までのあらゆる産業の振興に努める必要があり、沖繩振興開発計画においても、積極的に振興を図ることとしている。

このため、道路、港湾等の産業基盤の整備を図るとともに、農業については優良農地の確保、農業経営の近代化等を推進し、漁業については生産基盤の整備、経営の近代化、流通機構の整備、資源培養型漁業の開発等を推進し、伝統工芸をはじめとする工業については経営の近代化を図るため沖繩振興開発金融公庫からの投融資、優遇税制措置、共同利用施設の助成等を行い、観光の振興については海洋博覧会記念公園の整備をはじめとする観光基盤整備等を推進しており、今後ともこれらの施策を推進していくこととしている。

十八について

沖繩県に鉄道が必要であるかどうかについては、沖繩振興開発計画においても、交通体系の整備に当たつては、各種輸送機関の特性を生かした合理的な機能分担の下に、計画的、一体的整備を進める必要がある旨記述されているところでもあり、輸送需要その他の陸上交通の現状及び今後の見通し等を十分踏まえ、経営主体の問題をも含め、引き続き慎重に検討してまいりたいと考えている。

十九について

現在、沖繩においては、沖繩振興開発特別措置法及び沖繩振興開発計画に基づき、積極的に沖繩振興開発事業を推進しているところである。

右答弁する。

衆議院の原文

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