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未成年養子の基本的人権擁護のための戸籍及び健康保険被保険者証の記載様式改定に関する質問主意書
衆議院 第87回 第46号
質問本文
衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿
未成年養子の基本的人権擁護のための戸籍及び健康保険被保険者証の記載様式改定に関する質問主意書
血縁のない親子の福祉、未成年養子の基本的人権擁護の立場から、昭和五十三年二月二十八日第八十四回国会予算委員会第一分科会において、戸籍を公開するものと非公開にするものとに分けて、一般公開する戸籍からは、親子関係を証明するには長幼の序列を記載するに止め、血縁欄を抹消し、出生の事実を記載したものは非公開として別に保存し、必要なときは当事者にのみ公開するようにしてはどうかとの意見を述べ、政府の見解をただしたが、具体的な解答を得るに至つていない。
未成年養子の基本的人権問題が、菊田医師事件の決着と一緒に社会からほうむり去られる危険を心から憂え、国際児童年の事業の一環として、子の人権を守るため、ここに改めて検討を要するものと考える。
従つて次の事項について質問する。
一 現在の戸籍は、公的身分証明書であり、血統をたどることは不可能となつている。にもかかわらず一般公開される身分証明書に、血縁のない親子にとつては、幾多の悲劇をまきちらす精神公害を押しつけてまで、血縁の有無を記載しておかねばならない必要性がどこに存在するのであろうか、よつて、戸籍を公開、非公開に分け、一般公開する身分証明書としての戸籍には、親子関係を証明するものとして長幼の序列を記載するに止め、血縁欄はなくす。このように記載様式を改定することに対して是非を問う。
二 戸籍から自動的に転写されるものの一つに、健康保険被保険者証の被扶養者欄の続柄の記載がある。この続柄の記載は、保険者証の目的からして全く無意味なものであるので、続柄欄は抹消してしかるべきであると考える。
戸籍法の改正が行われない現在においても、未成年養子の基本的人権擁護の立場から、直ちに改定できることと考えるが、その意思の有無を問う。
右質問する。
政府答弁書
一について
戸籍制度は、実体法である民法によつて定められた身分関係を手続法である戸籍法に基づいて如実に記載公証することを目的とするものであり、それだけに戸籍制度は実体法である民法の規定するところと深くかかわりあつている。
すなわち、実体法である現行民法においては、養子縁組により養子と実親との関係は切断されてしまうものではなく、養子と実親又はそれらの者の血族相互間の親族関係は依然として継続し、これを基礎として相互の間での相続、扶養その他の法律関係が生じるものとされている。
したがつて、戸籍制度は、このような実体法を前提として当該養子をめぐる相続関係若しくは扶養義務者の範囲の確定又は婚姻、縁組が禁止される者の確定等の機能を果たし得るものでなければならない。
結局、御提案のような戸籍制度を考えるとすればその前提として養子縁組制度全般にわたる実体法の在り方そのものを検討しなおす必要があり、法制審議会における慎重な検討をまちたいと考える。
二について
健康保険の被保険者証における被扶養者の被保険者との続柄に関する記載は、被扶養者の氏名、男女別及び生年月日の記載と併せて、保険医療機関について療養を受ける被扶養者が正当な受給資格を有することを証するためのものであり、被保険者証における被保険者との続柄欄を廃止することは考えていない。
右答弁する。
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