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精神障害者施策の拡充に関する質問

参議院 第147回 第37号

提出者
参議院
提出日
2000年5月24日
内閣転送 2000年5月29日
答弁書受領日
2000年6月20日
提出から27日
答弁の項目数
3
質問 812字/答弁 1,417字

質問本文

精神障害者施策の拡充に関する質問主意書

我が国における精神障害者の数は二百十七万人に及ぶにもかかわらず、精神障害者に対する国の施策は、身体障害者、知的障害者に対する施策に比し大きく遅れをとっていると言わざるを得ない。

また、精神障害者を取り巻く社会的環境においても、各種多数に及ぶ欠格条項の存在、格段に長期に及んでいる入院期間や公共交通機関での料金減免措置の不在、など他の障害者区分と比し厳しい状況にある。

政府は、昭和六十二年に「精神衛生法」を「精神保健法」と名称を改め、さらには平成七年に「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」とし、人権擁護の徹底や精神障害者保健福祉手帳制度の創設等を行い、福祉としての政策を拡充してきたことは一定の評価ができるものである。しかし、精神障害者福祉の向上に寄与するものとして期待された精神障害者保健福祉手帳の交付は十五万六千三十四人(平成十一年十一月三十日現在)にとどまっており、全体の精神障害者数の一割にも満たない。

交付率が向上しない理由としては、当制度自身がまだ創設後日が浅いということとともに、公共交通機関における運賃割引制度等、優遇措置の不在等が指摘されているところである。

精神障害者保健福祉手帳の交付率の向上を図り、精神障害者に対する国の施策の拡充を求める観点から、以下質問する。

一、精神障害者保健福祉手帳の交付率の向上を図るため、今後どのような方策を工夫されるのか、政府の考えを明らかにされたい。

二、JR乗車料金、NHK受信料等他の身体障害者に付与されている各種の免除は、精神障害者には付与されていない。これらの免除を精神障害者に対しても適用する必要性は高いと思うが、政府の考えを明らかにされたい。

三、身体障害者に対する各種料金の減免措置を民間企業等に全面的に依存している現状を改め、その料金負担を国が行うことについて、政府の考えを明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

精神障害者保健福祉手帳は、その交付を受けた者に対して各方面の協力により各種の支援策が講じられることを促進し、精神障害者の社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進を図ることを目的としており、その交付を受けた者に対して、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)上の障害者控除等の優遇措置が講じられているところである。

精神障害者保健福祉手帳については、平成十四年度から交付申請の窓口を保健所から市町村に移し、精神障害者にとって身近な行政機関で取得できるようにすることを通じて、一層の普及を図っていく考えである。

二について

旅客鉄道会社(旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)第一条第一項に規定する旅客会社をいう。以下同じ。)の運賃の割引については、昭和六十年七月二十六日付けの日本国有鉄道再建監理委員会の「国鉄改革に関する意見」(以下「意見」という。)において、「仮に一定の政策事由がある場合であっても、所要の措置なく、旅客鉄道会社に対し現在の私鉄を上回って当該会社の負担による運賃割引を求めることは適当でない。」とされ、「国鉄改革のための基本的方針について」(昭和六十年十月十一日閣議決定)において、「旅客鉄道会社の自主的判断により決定されることを原則としつつ、「意見」の趣旨に沿って、所要の措置を講じることとする。」とされているところである。

旅客鉄道会社の精神障害者に対する運賃割引は、基本的に各旅客鉄道会社の自主的な判断により決定されるべきものであると考えている。

また、日本放送協会(以下「協会」という。)の受信料については、放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第三十二条第二項において、協会はあらかじめ郵政大臣の認可を受けた基準によるのでなければ免除してはならないとされており、政府としては、受信料免除措置の必要性、これに伴う減収の見通し等を踏まえた協会の判断を待つこととし、当該基準の変更の認可申請があった場合に、その適否を判断することとなる。受信料免除措置は、その見直しを求めた衆議院逓信委員会等の附帯決議を踏まえて、昭和五十三年以降、関係機関の理解を得つつ、逐次廃止されてきたところであり、協会によれば、「個人に対する現行の受信料免除は継続するが、施設に対する受信料免除は関係機関の理解を得つつ、今後、段階的に廃止していきたいと考えている。その上で、精神障害者に対する受信料免除の適用については、今後の全体的な受信料免除の在り方と併せ、総合的かつ慎重に検討していきたい。」とのことであり、精神障害者に対する受信料免除に係る協会のこの方針は妥当なものと考えている。

三について

身体障害者に対する公共交通機関の運賃の割引措置は、各運輸事業者の自主的な判断に基づいて行われているものであり、当該措置に要する費用は、現在のところ、各運輸事業者の運賃収入により賄われることが適当であると考えている。

また、現行の身体障害者個人に対する協会の受信料免除に係る負担は、協会としての社会的使命にかんがみ、協会において行われることが適当であると考えている。一方、身体障害者更生援護施設等の施設に係る受信料については、毎年、協会から関係機関に対し財源措置の要望が行われており、当該要望を踏まえて、今後とも、施設に対する受信料免除の在り方について検討していく考えである。

参議院の原文

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