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JRによる不当労働行為に対する救済命令の実効性確保に関する質問
参議院 第149回 第13号
質問本文
JRによる不当労働行為に対する救済命令の実効性確保に関する質問主意書
一、JRは、これまで多くの地方労働委員会の救済命令に対して不履行を続けている。地方労働委員会の救済命令は、行政処分としての効力をもつ。すなわち、使用者がその命令につき再審査あるいは行政訴訟で争っている場合でも、それが中央労働委員会によって取り消されるか、裁判所の取消判決が確定するまでは命令の効力があり、これを履行しなければならない。現行の法律も次のように規定している。
(1) 労働委員会の救済命令は、その命令書の「交付の日から効力を生ずる」(労働組合法第二七条四項)
(2) 使用者は、「遅滞なくその命令を履行しなければならない」(労働委員会規則第四五条一項)
(3) 中労委への再審査の「申立は、当該命令の効力を停止せず、その命令は、中央労働委員会が第二五条の規定により再審査の結果、これを取り消し、又は変更したときに限り、その効力を失う」(労働組合法第二七条五項)
(4) 裁判所への「処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない」(行政事件訴訟法第二五条一項)
したがって、救済命令の不履行は違法行為と考えるが、政府の見解を示されたい。
二、例えば、JR東日本は、本年六月二十八日の株主総会での監査報告書で、「取締役の職務遂行に関する不正の行為又は法令に違反する重大な事実は認められません。」と述べ、また、株主からの質問に対する回答でも、小島紀久夫常務取締役は、「係争中の間、労働委員会命令に従わないことになるが、これはわが国の法制上許容されるところであって、問題はございません。」としている。
しかし、労働委員会命令の不履行自体が、再審査や行政訴訟中であっても、前述のように法令の規定に反する行為である。その数は現在およそ百件にも及んでいる。
加えて、昨年十一月十五日には、神奈川バッジ事件の不当労働行為救済命令確定(最高裁上告不受理)により、会社は松田社長名の謝罪文掲示や夏期手当カット分の支払いをし、また、本年四月二十八日には東京地裁判決で、労働基準法違反として時間外労働の割増賃金の支払いを命じられている。
それを違法行為なしとするのは、商法第四九八条一項一九号の「監査報告書ニ不実ノ記載ヲ為シタルトキ」及び同項五号の「総会ニ対シ不実ノ申述ヲ為シタルトキ」として、過料に処せられるべき行為ではないか。
また、政府は裁判所に過料制裁の申立をする等、早急に是正措置をとるべきではないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二十七条第四項に基づく地方労働委員会の救済命令については、その交付の日から効力を生ずることとされるとともに、同条第九項の規定に基づき救済命令が確定した場合に使用者がこれを履行しなければ、同法第三十二条に基づき過料に処せられ、また、確定判決によって救済命令が支持された場合に使用者がこれを履行しなければ、同法第二十八条に基づき禁錮又は罰金の刑に処せられる。
しかしながら、救済命令については、使用者は中央労働委員会に再審査の申立てをし、又は救済命令の取消しの訴えを裁判所に提起することができ、こうした再審査の申立てがなされ、又は救済命令の取消しの訴えが提起されて、当該救済命令が確定しない間は、同法第二十七条第八項の規定により裁判所が当該救済命令の取消しの訴えを提起した使用者に対し当該救済命令の全部又は一部に従うべき旨を命ずるいわゆる緊急命令を発した場合を除き、使用者は刑罰又は行政罰により当該救済命令の履行を強制されることはない。
二について
資本の額が五億円以上又は最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が二百億円以上の株式会社については、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和四十九年法律第二十二号)第十四条第三項第三号に基づき、監査報告書には、取締役の職務遂行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があるときはその事実を記載すべきものとされ、また、同法第三十条第一項第五号に基づき、監査報告書に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたときは過料に処することとされている。
ある事実が同法第十四条第三項第三号の事実に該当するか否かは、株主及び債権者に対して監査事項についての情報を開示するという監査報告書作成の趣旨にかんがみ、事案に応じて個別具体的に判断されるべきものであるが、御指摘の事案について東日本旅客鉄道株式会社が監査報告書に記載しなかったことについては、同法第三十条第一項第五号に明らかに該当するというものではないと考えられる。
また、御指摘のような株主総会における取締役の発言は、法律解釈に関する一つの見解を述べたものであって、一般に、商法(明治三十二年法律第四十八号)第四百九十八条第一項第五号の「不実ノ申述」に該当しないものと考えられる。
したがって、現時点においてお尋ねの措置を採ることは考えていない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。