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外国人、母子家庭、障害者等の入居差別に関する質問主意書
参議院 第151回 第15号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×1
質問本文
憲法十四条で「すべて国民は、法の下に平等であつて人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」とされ、またさらに憲法二十二条において「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」ことが保障されている。しかし実際には、人種や民族、国籍あるいは門地、加えて障害の有無や家庭の諸事情などで、日常的に賃貸住居への入居拒否や入居差別が広く行われている現実がある。不当な入居差別に対して何らかの救済措置が必要であるとの認識から、以下質問する。
一 日本は、人種差別撤廃条約を批准していながら、外国人の賃貸住居への入居が拒否されることが多い。こうした状況を放置していることは、人種差別撤廃条約批准国としての責務を放棄していることにならないか、政府の見解を示されたい。
二 今国会において「高齢者の居住の安定確保に関する法律」が成立した。しかし外国人、障害者、母子家庭など高齢者以外にも入居拒否や入居差別が行われている現状にかんがみ、賃貸住居に関する差別の実態を調査し救済する法律を制定する必要があるのではないか、政府の見解を示されたい。
三 高齢者の次に入居拒否や入居差別が多い外国人の居住の権利を守るため、人種差別撤廃条約に対応した国内法規を整備すべきではないか、政府の見解を示されたい。
四 以下は実際にあった具体的な事例であるが、これらは人種差別撤廃条約に違反していないのか。また違反している場合には、いかなる救済が可能なのか政府の見解を示されたい。
1 中国人、韓国人の留学生が、調理の際のにおいで部屋に変なにおいが移るとか、汚れるとの理由で入居を拒否された例
2 不動産屋などの賃貸物件案内に「水商売・外国人ダメ」という入居条件が付けられた例
3 外国人であることを理由に、住居の貸主から入居する家族全員の写真と保証人二名を要求され、しかも保証人は日本人に限るとの条件を提示された例
五 具体的な例として、大阪大学の留学生の総数が九一五人(一九九九年十一月時点)であるにもかかわらず、大阪大学が管理する留学生会館はわずか一六〇室と極めて少ないことが挙げられる。おそらくほとんどの国立大学、私立大学も同様な状況であると考えられる。留学生の住居の確保には、入居差別等で大変な困難を伴う。こうした留学生の住居の確保についても、政府は何かしらの援助措置を講ずる必要があるのではないか、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約(平成七年条約第二十六号。以下「人種差別撤廃条約」という。)は、第五条において「締約国は、特に次の権利の享有に当たり、あらゆる形態の人種差別を禁止し及び撤廃すること並びに人種、皮膚の色又は民族的若しくは種族的出身による差別なしに、すべての者が法律の前に平等であるという権利を保障することを約束する。」とし、「次の権利」の一つとして、同条(e)(iii)において「住居についての権利」を掲げている。我が国は、人種差別撤廃条約の締約国として、諸施策の適正な実施を通じて同条に定める義務を履行しているところである。
二及び三について
外国人、母子世帯、障害者等に対する入居差別等の実態について平成八年度に建設省が委託調査した結果は、別表のとおりである。
公共賃貸住宅については、母子世帯及び障害者に対して、公営住宅の入居者の募集又は選考の段階において、戸数枠を設けて公募する方法又は当選率を有利にする方法により優先的な取扱いを行っており、都市基盤整備公団が賃貸する住宅(以下「公団住宅」という。)の入居者の選考の段階においても、当選率を有利にする方法により優先的な取扱いを行っていると承知している。また、国土交通省においては、公営住宅、公団住宅及び住宅金融公庫の貸付けを受けて建設された賃貸住宅について、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二十二条第二項の規定により永住許可を受けた者等に対して入居申込資格を認めるほか、外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)第四条第一項の登録を受けた者に対しても、可能な限り地域住民と同様の入居申込資格を認めるよう通達等により周知徹底に努めているところである。
民間賃貸住宅については、国土交通省において、関連不動産業団体に対して通達等により人権に関する教育・啓発活動のより一層の推進を求めているところである。また、社団法人全国賃貸住宅経営協会においては、地方公共団体が作成したパンフレットの配布及び講習会の開催を通じて、人種、民族等を理由にした入居拒否等の差別的行為がないよう賃貸人に対する啓発を行っているほか、東京都、大阪府等の地方公共団体等においては、住宅の入居に関する相談窓口を設置していると承知している。さらに、法務省の人権擁護機関においては、各種の人権問題について相談を受け付けている。
政府としては、外国人、母子世帯、障害者等に対する入居差別の現状を踏まえつつ、これらの者に対する入居差別が行われないよう、引き続き、所要の措置を講じてまいりたい。また、人権擁護施策推進法(平成八年法律第百二十号)に基づき法務省に設置された人権擁護推進審議会における人権救済制度の在り方についての調査審議の結果を踏まえ、人種差別を含む様々な人権侵害の被害者救済のための措置や制度について検討してまいりたい。
四について
御指摘の事案が、我が国が人種差別撤廃条約の締約国として撤廃のための政策の実施を義務付けられている人種差別に該当するか否かについては、これらの事案の具体的な事情を勘案する必要があることから、一概に判断することは困難である。
いずれにせよ、法務省の人権擁護機関では、御指摘のような事案について人権侵犯の疑いがあると判断した場合には、速やかに調査し、賃貸人に対する啓発活動を行う等適切な措置を講ずることとしている。
五について
平成十二年度に文部省が行った調査によれば、平成十二年五月現在、我が国で学んでいる留学生の数は約六万四千人であり、そのうち、民間のアパート等に入居している者が約四万三千人、大学、公益法人等が設置した留学生宿舎、一般学生寮等に入居している者が約二万千人である。
留学生の受入れを円滑に推進するためには、留学生の住居を確保することも重要な施策であると考えている。このため、文部科学省においては、国立大学における留学生宿舎の建設、運営等を行うとともに、公益法人が行う、留学生宿舎の建設等の事業、私立大学、地方公共団体等による留学生宿舎の建設等を奨励する事業、企業社員寮の空き室の貸与を留学生にあっせんする事業、民間の良質なアパート等を留学生宿舎として確保する事業、失火や家賃の未払等の場合に留学生等に補償する制度を周知する事業等に対する補助を行っているところであり、引き続き、これらの施策を推進してまいりたい。
別 表
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。