Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第155回

柔道整復師の施術に係る療養費の支給に関する質問主意書

参議院 第155回 第8号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2002年11月26日
内閣転送 2002年12月2日
答弁書受領日
2003年1月31日
提出から66日
答弁の項目数
8
質問 2,095字/答弁 1,801字

質問本文

柔道整復師の施術に係る療養費の支給に関する保険不正請求問題については、平成五年に会計検査院から厚生大臣あてに「柔道整復師の施術に係る療養費の支給について」の是正要求(以下「是正要求」という。)が提出されたが、それ以後どのように解決されたか疑問である。現在も保険不正請求に関する問題が指摘されており、柔道整復師が打撲や捻挫で施術をしたとして支給を申請した療養費の推計額が増大の一途をたどっている。

そこで、以下の点につき質問する。

一、平成五年の会計検査院からの是正要求や、平成七年九月に医療保険審議会柔道整復等療養費部会がまとめた「柔道整復等の施術に係る保険給付について」(以下「部会意見」という。)では、審査体制の充実が求められた。今日までの是正の状況及びその評価について厚生労働省としての見解を示されたい。

二、平成五年に会計検査院から是正要求とともに、「会計検査院柔道整復施術調査結果」(平成五年十二月)が示された。なかでも「はり、きゅう、マッサージの振り替え請求」において、はり、きゅう、マッサージの施術をして、保険請求は柔整施術として行っている。この件についても、どのような是正がなされたか、明らかにされたい。

三、平成七年の部会意見では、「打撲・捻挫は、関節等に対する可動域を超えた捻れや外力による外傷性の疾患であり、療養費の対象疾患は、急性又は亜急性の外傷性であることが明白な打撲・捻挫に限るべきである」とされた。また、平成九年四月に出された「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」では、「療養費の支給対象となる負傷は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと」とある。亜急性及び外傷性の定義について明らかにされたい。

四、柔道整復師の中に「人間は寝ている間も筋や腱が動いており、患者は肩こりだと思っても、知らない間に捻挫していることもある」という施術判断をする者が多い。捻挫などのけがをしたときに患者自身に自覚がないということは常識的には考えにくい。厚生労働省としては「患者が知らない間にも捻挫することがある」との見解に立っているのか明らかにされたい。

五、看板に「各種保険取扱」として「神経痛、腰痛、五十肩」や「肩こり、全身疲労、腰痛」と病名を掲げる柔道整復師の施術所もある。外傷ではないこうした病名は療養費の支給対象となるのか。また、広告表示においても違法性はないのか。

六、厚生労働省の「患者調査」で用いる傷病小分類のうち、柔道整復師の療養費の支給対象となるのは「損傷、中毒及びその他の外因の影響」のうちの骨折、脱臼、捻挫、ストレインであり、「筋骨格系及び結合組織の疾患」は対象外であるとの解釈で正しいか。また、「国民生活基礎調査」で用いる傷病のうち、施術への療養費の支給対象となるのも同様の理解でよいか。見解を示されたい。

七、平成七年の部会意見では、審査体制の充実が求められている。そこで、柔道整復の療養費に関する審査委員会の現状について以下の点に関するデータを都道府県別に示されたい。

1 審査委員会の設置状況。

2 審査委員会の発足時期。

3 委員の人数と構成(保険者、施術者及び学識経験者それぞれの人数)。なお、学識経験者に医師は入っているか。医師が入っている場合、整形外科医や外科医が入っているか。

4 審査委員会は全保険者の全申請書を審査しているか。全数でない場合、審査している申請書の割合はどのくらいか。

5 これまでの審査で減額された請求はあるか。ある場合、その件数及び金額を示されたい。

八、過去の国民生活基礎調査によると、「骨折以外のけが、やけど」で「あんま、はり、きゅう、柔道整復師」に通う人は、平成元年九万六千人、平成四年九万一千人、平成七年六万三千人、平成十年九万四千人、平成十三年十万八千人と、ほぼ横ばいで推移してきた。しかし、骨折、脱臼、捻挫、打撲で申請された柔道整復師の療養費の推計額は、平成二年の一六六九億円から平成十二年には二七四八億円と一・六五倍に増えており、同じ期間の国民医療費の伸び(一・四七倍)を上回る増加であった。けがをする人が増えないのに療養費が伸び続けるのはなぜか、その理由を示されたい。

九、柔道整復師が打撲や捻挫で施術をしたとして療養費の支給を申請している患者の数は、厚生労働省「国民生活基礎調査」で示された「骨折以外のけが、やけど」で通院している患者数を大幅に上回っている。平成十二年十一月十六日の参議院国民福祉委員会での西川きよし議員の質問に対し、津島雄二厚生大臣は「給付と負担の両面において公平な制度であるよう不断の見直しを進めてまいりますとともに、制度の公正な運営を図ることによって国民の方々の納得が得られるよう努力をしてまいりたい」と答弁しているが、「公正な運営」のためには放置できない事態であり、数字の乖離が生じている原因を調査する必要がある。いつまでにどのような方法で調査をするのか具体的に示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

医療保険制度により支給される柔道整復師の施術に係る療養費(以下「療養費」という。)については、平成五年十二月三日付けの会計検査院からの処置要求及び平成七年九月八日付けの医療保険審議会柔道整復等療養費部会の意見を踏まえ、その適正な支給を確保するため、次に掲げるような措置を講じたところである。

1 平成六年以降、長期にわたる又は多くの部位にわたる療養費についての逓減制を順次強化するとともに、療養費の支給対象となる疾患を明確化する等療養費の算定基準を見直した。

2 平成十一年に、全都道府県において医療保険者、施術者及び学識経験者により構成される審査委員会を設置することとし、審査体制の整備を図った。

3 平成十一年に、施術者に対する指導及び監査に関する基本事項について定める指導監査要綱を策定した。

これらの措置により、療養費に係る審査並びに指導及び監査のために必要な体制が整備されたところであり、今後ともこれらの適正な運用を図ってまいりたい。

三について

「亜急性」とは、身体の組織の損傷の状態が急性のものに準ずることを示すものであり、「外傷性」とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すものである。

四について

患者が捻挫等を自覚するか否かについては、患者が受けた外力や身体の組織の損傷の程度、患者の状態等によって異なるものと考えられる。

五について

御指摘の「神経痛、腰痛、五十肩、肩こり、全身疲労」が医学的に見てどのような範囲の疾病を指すのか明らかではないが、療養費の支給対象は、急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫並びに急性又は亜急性の介達外力(間接的に加えられる外力)による筋又は腱の断裂であり、これらに該当しない場合は療養費は支給されない。

また、柔道整復の業務又は施術所に関する広告については、柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第二十四条第一項第一号から第三号までに掲げる事項及び同項第四号に基づき現在厚生労働大臣が定めている事項である「医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)」以外の事項を広告することは、違法である。

六について

五についてで述べたとおり、療養費は急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲及び捻挫並びに急性又は亜急性の介達外力による筋又は腱の断裂を支給対象としているところであり、「患者調査」で用いられている傷病小分類の「筋骨格系及び結合組織の疾患」の中には療養費の支給対象となるものもあり得ると考えている。なお、柔道整復の施術所は同調査の対象施設には含まれない。

また、「国民生活基礎調査」において記入することとされている傷病は、調査対象者が最も気になる傷病を主観的に選択するという調査方法を踏まえて分類されているものであり、医師の診断に基づき記入される傷病名とは異なることから、同調査にいう「筋骨格系」の各傷病等が療養費の支給対象となるか否かを一概にお答えすることは困難である。

七について

平成十五年一月時点での療養費に係る審査委員会の設置状況等は、別表のとおりである。

なお、地方社会保険事務局及び国民健康保険団体連合会に設置されている療養費に係る審査委員会においては、政府管掌健康保険、船員保険、国民健康保険、老人保健等に係るすべての支給申請書について審査を行うこととされている。

八について

「国民生活基礎調査」では、調査対象者が、保険診療か自由診療かを問わず、最も気になる傷病を主観的に選択して記載しているものであり、例えば、調査対象者が複数の傷病を有する場合に、療養費の支給対象となる疾患が傷病名として記載されないこともあるため、同調査における「骨折以外のけが、やけど」による通院者数の推移と療養費の支給額の推移とを単純に比較することは、必ずしも適当でないと考えている。

九について

療養費については、その適正な支給を確保するため、審査委員会における審査、地方社会保険事務局長及び都道府県知事による指導及び監査並びにこれらに必要な調査が適切に実施されることが重要であり、厚生労働省においても、関係者に対する指導を行うとともに、審査状況等の把握に努めてまいりたい。

別表(1/2)

別表(2/2)

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

似た質問主意書

件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。

提出 1997年4月15日 冬柴鐡三 答弁 1997年4月25日
衆議院 第140回 第15号承知していない ×1
提出 2005年2月2日 内山 晃(民主党・無所属クラブ) 答弁 2005年2月10日
衆議院 第162回 第13号趣旨が明らかではない ×1
提出 2012年7月11日 平山 泰朗(国民新党・無所属会) 答弁 2012年7月24日
衆議院 第180回 第336号お答えすることは困難 ×1
提出 2012年9月4日 平山 泰朗(国民新党・無所属会) 答弁 2012年9月11日
提出 2020年3月13日 丸山 穂高(無所属) 答弁 2020年3月27日
衆議院 第201回 第118号趣旨が明らかではない ×1
提出 2018年6月13日 青山 大人(国民民主党・無所属クラブ) 答弁 2018年6月22日
衆議院 第196回 第381号趣旨が明らかではない ×1

件名の語が重なる質問主意書

提出 2024年6月18日 大島 九州男 答弁 2024年6月28日
参議院 第213回 第188号検討してまいりたい ×2
提出 2014年6月18日 丸山 穂高(日本維新の会) 答弁 2014年6月27日
衆議院 第186回 第236号
提出 2013年8月6日 大久保 勉 答弁 2013年8月13日
参議院 第184回 第12号

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる