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日本銀行の自主性に関する質問主意書

参議院 第164回 第23号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2006年2月17日
内閣転送 2006年2月22日
答弁書受領日
2006年2月28日
提出から11日
答弁の項目数
7
質問 1,729字/答弁 1,834字

質問本文

政府と中央銀行との関係は、各国で議論がなされている。日本では、平成十年に施行された改正日本銀行法において、中央銀行である日本銀行の自主性が大幅に担保されることとなった。

この点に関し、以下質問する。

一 日本銀行法では第三条において「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない。」とされ、第五条第二項において「この法律の運用に当たっては、日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない。」とされている。この点に関して、「通貨及び金融の調節」及び「業務運営」の定義をそれぞれ示されたい。また、ここでいう「尊重」と「十分配慮」との間には、いかなる差異が存在するのか、政府の見解を示されたい。

二 日本銀行法第三条における「通貨及び金融の調節における自主性」について、日本銀行には政策目標に関して政府からの自主性があるのか、それとも政策目標実現のための手段に関する自主性を持つに過ぎないのか、政府の見解を示されたい。

三 現行の日本銀行法は、金融制度調査会による平成九年二月の「日本銀行法の改正に関する答申」を基礎としており、特に、経費に関する予算の財務大臣認可を定めた第五十一条の規定は、この答申の第六「会計」の部分を受けたものである。「日本銀行法の改正に関する答申理由書」では、第六「会計」の説明において、日本銀行の公的性格からその経費の公的チェックの必要性を指摘している。今日においてもこの説明で示された考え方が適切であると考えるか、政府の見解を示されたい。

四 今後の銀行券取扱物量の増大に対応するためとして、平成十五年四月から稼働した戸田分館(発券センター)において行われている業務は、銀行券の現物の受払、鑑査及び保管であり、日本銀行法では「第四章 業務」ではなく、「第五章 日本銀行券」に定められている事項であると考える。したがって、日本銀行法第一条第一項で定める目的のうち「銀行券を発行する」ことに関連する業務であり、「通貨及び金融の調節を行うこと」には含まれない。

すなわち、戸田分館の計画、設計、建設及び運営等にかかる経費は、日本銀行法施行令第十四条第七号における「(業務の用に供する不動産を除く。)」という除外規定には当たらず、日本銀行法第五十一条第一項における「通貨及び金融の調節に支障を生じさせないものとして政令で定める経費」に当たることから、財務大臣の認可を受ける予算に含まれていると考える。このような理解でよいか、政府の見解を示されたい。

また、財務大臣による認可について、戸田分館に関する予算に関してどのような手続きを過去に行い、そして現在行っているのかを明らかにされたい。

五 現在の銀行券受払状況を勘案すると、戸田分館建設計画時の想定と大幅な乖離が生じており、戸田分館に係る経費は妥当なものとは言えないと考える。この点について政府の見解を示されたい。

六 日本銀行は政府からの出資が二分の一以上を占めており、会計検査院法第二十二条第四号の「日本銀行が国のために取り扱う現金、貴金属及び有価証券の受払」のみならず、同条第五号の「国が資本金の二分の一以上を出資している法人」としても会計検査院の検査対象となっている。会計検査院は、適時適切な検査を日本銀行に対して行っているのか否かを明らかにされたい。

七 戸田分館の着工以来現在に至るまでの期間である平成十一年度から平成十六年度の日本銀行への会計検査に関する「申報書」「質問・回答」「検査報告提案審議資料」及び「検査資料(会計検査院実地検査調書)」等を公開するよう会計検査院に求めたが、会計検査院からは行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号。以下「情報公開法」という。)及び情報公開請求に対する審査基準(平成十三年会計検査院長決定。以下「審査基準」という。)により公表しないこととしている旨の回答があった。

このような会計検査院の対応や、会計検査院長が決定した審査基準そのものは、全府省統一的に情報公開を進めようとする情報公開法の趣旨に合致しないものではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

「通貨及び金融の調節」とは、日本銀行が、債券・手形オペレーション等を通じ通貨発行量や金利水準を調節することをいい、いわゆる日本銀行の金融政策を意味している。

「業務運営」とは、日本銀行がその目的を達成するために、業務を行うことをいう。

また、日本銀行の「通貨及び金融の調節」については、その理念である物価の安定の達成のために高い独立性が付与されるよう、日本銀行の自主性が「尊重」されなければならないとされているのに対して、日本銀行の業務運営については、認可等による政府の関与を認めた上、最高意思決定機関が政策委員会であることにかんがみ、日本銀行の自主性が「十分配慮」されなければならないとされている。

二について

御指摘の政策目標等の意味が必ずしも明らかではないが、日本銀行法(平成九年法律第八十九号。以下「法」という。)第三条第一項において自主性についての尊重義務が規定されている通貨及び金融の調節については、その理念が、法第二条において「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」と規定され、また、政府との関係が、法第四条において「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」と規定されており、日本銀行は、これらの規定に従って通貨及び金融の調節を行うこととなる。

三について

「日本銀行の経費が通貨発行益により賄われていること等の日本銀行の公的性格から、その経費を公的にチェックすることは必要である」とする御指摘の「日本銀行法の改正に関する答申理由書」の第六「会計」の説明で示された考え方は、適切であると考える。

四について

予算について財務大臣の認可を受けなければならない経費は、法第五十一条第一項において、「通貨及び金融の調節に支障を生じさせないものとして政令で定める経費に限る」とされており、日本銀行法施行令(平成九年政令第三百八十五号。以下「令」という。)第十四条第七号に規定する「業務の用に供する不動産」の取得に要する経費は、これから除かれている。

また、一についてで述べたとおり、「通貨及び金融の調節」には、日本銀行が通貨発行量を調節することが含まれることから、「銀行券を発行する」ことは、「通貨及び金融の調節を行うこと」と密接不可分の関係にあり、法第五十一条第一項に規定する「通貨及び金融の調節に支障を生じさせないもの」に該当しない。

したがって、銀行券の発行が行われている戸田分館に係る不動産は、令第十四条第七号に規定する「業務の用に供する不動産」に該当し、戸田分館に関する経費については、当該不動産の取得に要する経費を除いた部分の予算につき、財務大臣の認可を受けることとなる。

戸田分館に関する経費の予算については、平成十年度以降、毎事業年度開始前に、不動産の取得に要する経費を除いた部分の予算が、他の経費の予算と併せて日本銀行から提出され、これについて、日本銀行の効率的な業務運営の確保等の観点から審査した上で、財務大臣が認可している。

五について

戸田分館の建設計画の策定時における銀行券の受払いが増加基調にあったこと等から、既存の設備で対応可能な限界を超えることが見込まれたため、法第七条第二項の規定に基づき、戸田分館の設置認可を行ったところである。

また、戸田分館に係る不動産の取得に要する経費については、令第十四条第七号に規定する「業務の用に供する不動産」に該当することから、日本銀行において、その妥当性を判断したものと承知している。

当該不動産の取得に要する経費を除いた部分の経費については、銀行券の受払いの実績等を勘案し、法第五十一条第一項の規定による認可を行っており、必要かつ妥当なものであると考える。

六について

会計検査院は、会計検査院法(昭和二十二年法律第七十三号)に基づき、日本銀行に対し、毎年度会計実地検査を行うなど適時適切に会計検査を実施していると承知している。

七について

会計検査院においては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の趣旨に沿って「情報公開請求に対する審査基準」(平成十三年三月二十九日会計検査院長決定)を定め、同法に従って開示等についての決定を行っているものと承知している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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