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産科医療補償制度に関する質問主意書

参議院 第171回 第93号

提出者
参議院
提出日
2009年3月30日
内閣転送 2009年4月1日
答弁書受領日
2009年4月7日
提出から8日
答弁の項目数
8
質問 837字/答弁 1,227字

質問本文

分娩機関と妊産婦との契約に基づいて、通常の妊娠・分娩にもかかわらず脳性麻痺となった者に補償金を支払う「産科医療補償制度」が、二〇〇九年一月一日から始まっている。この制度について、以下質問する。

一 分娩機関(病院・診療所、助産所)の産科医療補償制度への加入状況を明らかにされたい。

二 産科医療補償制度では、分娩機関は、補償金の支払いによる損害を担保するため、運営組織が契約者となる損害保険に加入する仕組みになっている。民間の保険会社を活用する制度設計とした理由は何か。国が公的に行う無過失補償制度とすべきではなかったのか。

三 補償対象が通常の妊娠・分娩にもかかわらず脳性麻痺となった場合に限定された理由はなぜか。脳性麻痺以外の障害にはどのように対応していくのか。

四 通常の妊娠・分娩にもかかわらず脳性麻痺となった場合のうち、先天性の脳性麻痺は補償対象外とした理由は何か。

五 通常の妊娠・分娩にもかかわらず脳性麻痺となった場合のうち、身体障害者等級一・二級相当以外の中軽度の脳性麻痺は補償対象外である理由は何か。

六 通常の妊娠・分娩にもかかわらず脳性麻痺となった場合のうち、出生体重が二千グラム未満の場合及び在胎週数三十三週未満の場合は補償外(ただし、在胎週数二十八週以上の者については個別審査により補償対象となる場合があるとされている。)である理由は何か。また、この二千グラム、三十三週、二十八週という基準の根拠は何か。

七 年間の分娩数が約百万件とすると、年間約三百億円の保険料収入となる。一方で補償対象者推計数は年間おおむね五百人から八百人とされており、年間補償金総額は八百人の場合でも約二百四十億円となる。多額の余剰金が発生すると考えられ、その使い道を明確にすべきであると考えるが、政府の認識は如何か。

八 五年を目途に制度の見直しを行うとされているが、前倒しして行うべきではないか。また、補償対象の拡大について、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

産科医療補償制度の運営組織である財団法人日本医療機能評価機構(以下「機構」という。)によると、平成二十一年三月三十日現在、同制度には、分娩を取り扱う病院及び診療所の九十九・七パーセントに当たる二千八百五十六機関が加入しており、また、分娩を取り扱う助産所の九十六・三パーセントに当たる四百十一機関が加入している。

二について

お尋ねについては、分娩に係る医療事故による脳性麻ひは一定の確率で不可避的に生じるものであり、保険の仕組みがなじむものであること及び患者等の救済や紛争の早期解決に資する制度として早急な立ち上げを図る必要があったことから、法律の制定等によって国が公的に行う補償制度を構築するのではなく、民間の損害保険会社を活用することとされたものである。

三について

お尋ねについては、分娩に係る医療事故においては、過失の有無の判断が困難な場合が多く、裁判で争われる傾向にあるが、特に、脳性麻ひについては、その性質上、発生原因が不明な場合が多いことから、紛争が発生しやすく、かつ、長期化する傾向にあり、患者等の救済が速やかに行われない場合が多いため、まずは、分娩に係る医療事故により脳性麻ひとなった場合を補償の対象とすることとされたものである。

産科医療補償制度については、補償対象の拡大を含め、その在り方について、運用状況等を踏まえ、制度開始から遅くとも五年後を目途に見直すこととされているが、当該見直しの際には、厚生労働省としても、同制度がより良いものとなるよう適切に対応してまいりたい。

四について

医療事故が発生した場合の患者等の救済という産科医療補償制度の趣旨にかんがみ、「先天性の脳性麻ひ」の場合については、補償対象とされていないものである。

五について

産科医療補償制度においては、看護及び介護の必要性が高く、家族等の経済的負担が大きい重症者について、特に救済を図るため、身体障害者等級一、二級相当の重度の脳性麻ひの場合が補償の対象とされているものである。

六について

お尋ねについては、一定の出生体重や在胎週数未満の場合に、分娩に係る医療事故によるとは考えがたい未熟性による脳性麻ひの発生率が大きく上昇するという医学的知見に基づき、現行の基準が定められたものである。

七について

機構においては、産科医療補償制度における年間の補償対象者を最大八百人前後と推計しているが、厚生労働省としては、制度運営に要する事務経費を勘案すると、大幅な剰余金は生じないものと考える。

八について

三についてで述べたとおり、産科医療補償制度については、補償対象の拡大を含め、その在り方について、運用状況等を踏まえ、制度開始から遅くとも五年後を目途に見直すこととされており、必要に応じ、五年の経過を待つことなく見直しが行われることもあると考えるが、当該見直しの際には、厚生労働省としても、同制度がより良いものとなるよう適切に対応してまいりたい。

参議院の原文

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