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環太平洋戦略的経済連携協定と為替に関する質問主意書
参議院 第177回 第73号仮定の質問 ×1
質問本文
菅直人総理大臣は、昨年十月、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を検討する旨表明した。そして、菅総理大臣は、本年一月二十九日、スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)において、「開国と絆」と題する講演を行い、本年を「第三の開国」の年とし、諸外国との経済連携を進める考えを表明し、「第三の開国」をいわば国際公約とした。
そこで以下のとおり質問する。
一 菅総理大臣は、我が国がTPPに参加するか否かを本年六月までに決定するとしているが、本年を「第三の開国」の年と位置づけていることと、我が国のTPPへの不参加は矛盾するのではないか。政府の見解を示されたい。
二 TPPに参加するメリットとしては、輸出相手国の関税が撤廃されることであると目される。例えば、日本製のカラーテレビのアメリカにおける関税は五パーセントであるが、TPPへの参加により関税が零パーセントとなる。ただ、例えば円高が進み一ドル=八十五円から八十円になった場合、我が国の製造業にとって、TPPへの参加による関税撤廃の恩恵は相殺されてしまうのではないか。政府の見解を示されたい。
三 平成十八年一月の平均と現在の為替レートを比較した場合、韓国ウォンは日本円との関係でどの程度安くなっているのかについて明らかにされたい。
四 電子機器産業、自動車製造業を含む我が国の製造業は、近年海外市場において韓国製品との競争に直面し、苦戦を強いられている。苦戦の原因としては、関税の差よりも近年の円高ウォン安の方が大きいのではないか。政府の見解を示されたい。
五 我が国の製造業の国際競争力を維持するためには、TPPへの参加による関税撤廃よりも、過度の円高を防止しつつ世界各国による通貨安競争を阻止する方が重要なのではないか。政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
本年一月二十九日に行われた世界経済フォーラム年次総会において、菅内閣総理大臣は、「開国と絆」と題する特別講演を行い、「今年を「第三の開国」を実現するという大きな目標を掲げたところであります。その具体的な政策の大きな一つが経済連携の推進です。(中略)私の政権では昨年十一月、積極的に経済連携を進めるために、「包括的経済連携に関する基本方針」を閣議決定いたしました」と述べたところである。「包括的経済連携に関する基本方針」(平成二十二年十一月九日閣議決定)では、アジア太平洋地域及びそれ以外の主要国・地域との経済連携を推進していくこととしている。環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定については、政府としては、我が国がTPP協定に参加した場合のメリット、デメリット等を勘案した上で、本年六月を目途に交渉参加について判断することとしており、お尋ねのような仮定の質問にお答えすることは差し控えたい。
二及び四について
TPP協定を含む自由貿易協定や経済連携協定(以下「FTA・EPA」という。)に参加するメリットとしては、輸出相手国の関税を撤廃することや、国際貿易・投資に関する幅広い分野で新たなルールの形成に関わることにより、我が国と締約国との間の貿易・投資環境を改善できることが挙げられる。主要貿易国間において高いレベルのFTA・EPAのネットワークが広がる中で、この動きに遅れると、我が国の製造業者は、FTA・EPAのメリットを享受できずに、他国の製造業者よりも厳しい競争条件を強いられることとなる。他方、為替相場の過度の変動は、我が国の製造業者の競争条件に影響を及ぼし得るが、FTA・EPAによる競争条件の改善とは別の問題として対応すべきものであると考える。
三について
平成十八年一月の韓国ウォンと日本円の平均為替レートは、百韓国ウォン当たり約十一・七五円である一方、本年二月二十一日現在の為替レートは、百韓国ウォン当たり約七・四三円となっており、平成十八年一月の平均レートから約三十七パーセントの韓国ウォン安となっている。
五について
FTA・EPAによる我が国の製造業者の競争条件の改善と、為替相場の過度の変動への対応については、その双方が重要であると考える。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。