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環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に係る政府による国民への説明等に関する質問主意書
衆議院 第177回 第13号お答えすることは困難 ×1
質問本文
昨年十月一日、菅直人内閣総理大臣は、所信表明演説の中で環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定(TPP)に関し、「私が議長を務めるAPEC首脳会議では、米国、韓国、中国、ASEAN、豪州、ロシア等のアジア太平洋諸国と成長と繁栄を共有する環境を整備しなければなりません。かけ橋として、EPA、FTAが重要です。その一環として、環太平洋パートナーシップ協定交渉等への参加を検討し、アジア太平洋自由貿易圏の構築を目指します。」と述べている。また本年一月二十四日の施政方針演説(以下、「演説」という。)では「環太平洋パートナーシップ協定は、米国を始めとする関係国と協議を続け、今年六月を目途に、交渉参加について結論を出します。」と述べている。右と「政府答弁書」(内閣衆質一七六第九二号)を踏まえ、質問する。
一 「政府答弁書」で政府は、「TPP協定交渉の内容については、我が国が交渉に参加していないことから、政府としてお答えする立場にはない。」との答弁がなされていたが、現在政府として、例えば本年一月十三日、十四日の日程で、米国ワシントンにおいて米国通商代表部と協議を行っているように、TPP交渉またはTPPの内容そのものに関する情報収集を行っていると承知する。現時点に至るまで、政府としてどこの国とどの場でどのような協議を行い、TPP交渉またはTPPの内容に関する情報収集を行ってきているのか、すべて明らかにされたい。
二 一の収集活動によって得られた情報を、政府としてこれまで国民に対して可能な限り明らかにし、説明をしてきているか。
三 そもそも政府、菅直人内閣として、TPP交渉への参加を検討し始めたのはいつか。
四 「演説」において菅総理は、「農林漁業の再生」として、「『平成の開国』を実現するため、もう一つの大目標として農林漁業の再生を掲げます。貿易を自由化したら農業は危うい、そんな声があります。私は、そのような二者択一の発想は採りません。」と述べている。我が国がTPPに参加し、すべての貿易品目の関税が完全に撤廃された場合、大きな影響を受ける産業の具体例として、農業はじめ第一次産業が挙げられることが多い。しかし、現在TPP参加国が二十四の分野について協議を進めているように、TPPが対象とする分野は第一次産業だけに留まるものではないと承知する。例えば米国は、オバマ大統領が昨年三月に「外国貿易障壁報告書」を発表した中で、我が国の医療サービス市場を海外企業に開放することを求めている。仮に我が国の医療サービス市場が海外企業に全面的に開放された場合、国民皆保険を旨とする我が国の医療体制が大きく変わり、安心安全な医療を受けられなくなる国民が出てくる可能性もある。このように、TPP参加により我が国が受ける影響は非常に多岐に渡るものであり、単に農業再生を図れば良いというものではないと思料するが、この点につき、政府として、国民にどのような説明をしてきているか。
五 TPPに関し、北海道に限らず、第一次産業従事者はじめ地方に住む人たちが最も危惧し、不満に感じているのは、当方が各方面の意見を聞く限りでは、政府、菅内閣が昨年十月一日、突如この話題を持ち出し、また何の説明もないまま、参加に向けて前のめりに走っていることであると考える。また昨年、前原誠司外務大臣がTPP参加について、「我が国のGDPに占める比率が一.五%しかない農業のために、残りの九八.五%が犠牲になっている」旨の発言をしたことに対しては、多くの第一次産業従事者が強い不満、憤りを感じている。昨年十月一日に政府がTPPについて言及して今日に至るまで、またそれ以前においても、政府としてなぜTPPへの参加を目指しているのか、参加により我が国の産業構造、つまり国の形がどのように変わるのか等について、国民に対する説明は十分ではなく、またいたずらに第一次産業について「平成の開国」を拒む抵抗勢力化のような表現を用いてしまったことで、国民の間に混乱と不安を招いてしまったのではないのか。政府の見解如何。
六 五で指摘したことにつき、少なくとも政府として明確な釈明、説明がない限り、TPPに関する国民の広い理解を得ることは困難であると考えるが、政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定については、随時、関係国との間で情報収集や協議を行ってきており、在外公館や出張者によるもの等、その態様は様々であるが、お尋ねについて明らかにすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。
二について
関係国との間で情報収集や協議を行った結果得られた情報については、国民の理解を深めるため、政府として可能な限り説明するよう努めてきており、今後とも努めていく考えである。
三について
昨年六月に発足した菅内閣としては、「新成長戦略」(平成二十二年六月十八日閣議決定)を策定し、その中で「国内産業との共生を目指しつつ、・・・質の高い経済連携を加速するとともに、国内制度改革等を一体的に推進」し、「特に、・・・二〇一〇年にAPEC(アジア太平洋経済協力)をホストする機会を通じて・・・FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の構築のためのあり得べき道筋を探求するに当たって強いリーダーシップを発揮する」こととしたが、TPPはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)への道筋の中で唯一交渉が開始されている協定であり、政府部内においては、新成長戦略を策定する段階から、TPPその他の様々な経済連携についての検討は行われていた。
四について
我が国としては、現段階では、TPP協定交渉に参加しておらず、同交渉における関係国の立場が必ずしも明らかでないことから、仮に我が国がTPP協定に参加した場合に予想される影響については、御指摘の医療サービス分野を含めどの分野にどのような影響があるかを具体的にお示しすることは困難である。
五及び六について
TPP協定を含む包括的経済連携に関する我が国の取組については、政府は、これまで、「包括的経済連携に関する基本方針」(平成二十二年十一月九日閣議決定)を策定するとともに、国民各層の議論のための材料となる資料を提供すること等を通じ、国民に対する説明に努めてきたところであり、今後とも、広く国民の理解が得られるよう努めてまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。