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シリアの治安情勢に関する第三回質問主意書

参議院 第180回 第201号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

提出者
参議院
提出日
2012年7月20日
内閣転送 2012年7月25日
答弁書受領日
2012年7月31日
提出から11日
答弁の項目数
8
質問 1,175字/答弁 2,252字

質問本文

報道によれば、二〇一二年七月十七日、シリアの首都ダマスカスの治安機関本部を狙った爆弾攻撃によりシリア国防相等が死亡し、また、翌十八日もダマスカス郊外で政府軍のヘリコプターが葬列を攻撃して参列していた住民ら百三十人以上が死亡、多数が負傷し、十九日も南部ミダン地区などを中心に戦闘は続いているとされる。

他方、国連安保理では、国連停戦監視団の期限延長とシリア制裁を含んだ決議案は、ロシアと中国の拒否権行使により否決され、治安改善に向け国連も有効な手段を取りづらい状況にある模様である。

右を踏まえ、以下質問する。

一 日本政府はシリア国内の状況を内戦か否か答弁するのは難しいとしているが、これまで日本政府が内戦と認めた紛争はあったか。特にレバノンやカンボジア国内での紛争をこれまでどのように表現し、国会で答弁していたか、明らかにされたい。

二 シリア国内、特にダマスカスでの治安状況をどのように日本政府は評価しているか。また、国防相が爆弾により死亡したことはアサド政権や反政府勢力にどのような影響を与えると認識しているか、日本政府の見解を問う。

三 最近のダマスカスの治安状況が国連兵力引き離し監視隊(以下「UNDOF」という。)の活動にどのような影響を与えているか、または、影響を与えていないのか、日本政府の見解を問う。

四 UNDOFへ派遣中の自衛隊部隊の活動は、治安状況に鑑み、ダマスカス及びその周辺地域では行っていないとの答弁があったが、イスラエル側やレバノンでの活動は継続中と認識して良いのか。また、シリア国内での国連業務はキャンプ・ファウアール以外で実施している場所はないとの認識で良いか、日本政府の見解を問う。

五 UNDOF司令部があるキャンプ・ファウアール周辺及びゴラン高原付近の治安状況を日本政府はどのように認識しているか。また、国内治安対応のため、ゴラン高原からシリア軍が移動・減少していることにより、他の勢力がゴラン高原に流入してはいないか。その兆候も含めて、日本政府の認識を問う。

六 UNDOF派遣中の自衛隊の活動が、仮に地域的にイスラエル側に重点を置いているとした場合、これが長期にわたれば、中立性の観点から問題はないのか、日本政府の見解を問う。

七 日本政府は、シリア国内の在留日本人の数をどのぐらいと把握し、その保護のためにどのような対策を講じているか。また、日本大使館閉鎖以降、国外に避難した在留日本人の数はどのぐらいか。

八 国連安保理でのロシアと中国の反対により、シリアへの制裁を含んだ決議案が否決された。本件に関する日本政府の見解を問う。また、今後のシリア情勢の安定化のため、アサド大統領の退陣に向けた日本政府の取組方針如何。特にロシアや中国への働きかけ、国連での活動について日本政府の見解を問う。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

「内戦」については、国際法上その具体的な意味について確立された定義があるとは承知しておらず、国際社会における個々の紛争がこれに該当するかどうかについて判断することは困難である。これまで政府が国会答弁等において、御指摘のレバノン共和国やカンボジア王国の状況を含め、国際社会における紛争について「内戦」と表現した場合は存在するが、この場合の「内戦」の用語は、一国の領域内において統治権力の獲得等をめぐって行われる実力を用いた争いという一般的な意味で用いたものである。

二について

シリア・アラブ共和国(以下「シリア」という。)においては、十六か月にわたり弾圧と暴力が続き、ダマスカスを含む各地において連日多数の死傷者が発生しており、平成二十四年七月十八日には、ダマスカスにおいて、ダーウード・ラージハ国防相を含む複数の政府高官が爆弾により死亡するなど、シリアの治安状況は、極めて深刻な状況にあると認識している。こうした状況を踏まえ、政府としては、アサド政権の現状や反政府勢力の動向は予断を許さない状況にあると考えており、引き続き、今後のシリアの情勢を注視していくこととしている。

三について

最近のダマスカスの治安状況が、国際連合兵力引き離し監視隊(以下「UNDOF」という。)の活動に対する直接的な脅威となっているとは認識していないが、UNDOFは、二についてで述べたダマスカスを含む各地の治安状況等に鑑み、シリア等の情勢に関する情報収集等を強化し、要員の安全に十分配慮して活動を実施していると承知している。その一環として、UNDOFの司令官が本年六月下旬に指図の内容を変更したため、UNDOFの活動に必要な日常生活物資等の輸送を行っているUNDOFに派遣されている自衛隊部隊(以下「UNDOF派遣部隊」という。)は、現時点でダマスカスとUNDOFの宿営地との間の輸送を行っていない。

四について

現在、UNDOF派遣部隊は、イスラエル国国内においてUNDOFの活動に必要な日常生活物資等の輸送を行っているが、レバノン共和国国内においては業務を行っていない。

お尋ねの「シリア国内での国連業務」の意味するところが必ずしも明らかではないが、UNDOF派遣部隊は、現在、シリア国内においては、キャンプ・ファウアール以外でも、昭和四十九年(千九百七十四年)五月にイスラエル国とシリアとの間で締結された兵力引き離し協定に規定する兵力引き離し地帯及び兵力制限地帯内で、UNDOFの活動に必要な日常生活物資等の輸送及び道路等の補修等の業務を行っている。

五について

お尋ねの地域の治安状況については、二についてで述べたダマスカスを含む各地の治安状況の影響はあるものの、おおむね落ち着いているものと認識している。「他の勢力がゴラン高原に流入してはいないか」との御指摘については、「他の勢力」が具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、一概にお答えすることは困難である。

六について

UNDOF派遣部隊がイスラエル国及びシリアのいずれの国内において業務を行っているかにかかわらず、UNDOFは、ゴラン高原地域における両国間の停戦監視及び両国の軍隊の兵力引き離し等に関する合意の履行状況の監視を行っており、現時点においても、イスラエル国及びシリアのいずれの紛争当事者にも偏ることなく実施されており、問題はないものと考えている。

七について

シリアにおける在留邦人数は、報道関係者等の短期渡航者を除くと、平成二十四年七月十九日現在で、UNDOFの要員十五人を含め、三十七人であると承知している。政府としては、当該在留邦人の安全確保のため、在ヨルダン日本国大使館内にある在シリア日本国大使館臨時事務所を通じて当該在留邦人と緊密に連絡を取り、その安全確認を行うとともに、シリアの治安状況に関する情報提供を行ってきている。また、当該在留邦人のうちUNDOFの要員等の国際機関職員を除く者に対しては、国外への退避を繰り返し勧告しているところである。

在シリア日本国大使館を一時閉館した平成二十四年三月二十一日以降、国外に退避した在留邦人数は同年七月十九日現在で、十七人であると承知している。

八について

我が国を含む国際社会は、これまでシリアにおける全ての暴力を断固として非難し、暴力の行使を即時停止するよう強く働きかけを行ってきているにもかかわらず、シリアにおいては、十六か月以上にわたり弾圧と暴力が続いている。国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)において御指摘の決議案が否決され、このような非人道的な状況に対して、安保理が効果的な対応を決定できなかったことは、極めて遺憾である。バッシャール・アサド大統領については、同大統領が適切に国を統治することは困難であると考えていることから、平成二十三年八月十九日に「道を譲るべきものと考えます。」との外務大臣談話を公表したところである。このような我が国の立場については、ロシア連邦(以下「ロシア」という。)及び中華人民共和国(以下「中国」という。)にも伝えてきている。政府としては、ジュネーブにおいて平成二十四年六月三十日に開催されたシリア情勢に関する国際会議においてロシア及び中国を含む参加国が合意した共同声明に基づき、シリア人の主導による政権の移行が進むよう、引き続き国際連合を含む国際社会と連携しつつ、シリア情勢の改善に向けて取り組んでいく考えである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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