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奨学金に関する質問主意書

参議院 第185回 第54号趣旨が明らかではない ×1

提出者
参議院
提出日
2013年11月11日
内閣転送 2013年11月13日
答弁書受領日
2013年11月19日
提出から8日
答弁の項目数
4
質問 1,734字/答弁 1,027字

質問本文

一 奨学金の返還猶予期限が五年に制限されている点について

日本学生支援機構の奨学金返還猶予は、経済的困難を理由とする場合、給与所得者については、本人年収が三百万円以下であれば五年間のみ認められている。しかし、猶予期間の五年間が過ぎれば、本人年収の額にかかわらず返還を請求される。

これでは、五年間の猶予期間後に本人年収が三百万円以下であっても、奨学金の返還が請求される。昨今の雇用状況の悪化は、とりわけ若年層の非正規雇用化を増加させており、低賃金が長期化していることは明らかである。この状況では、奨学金返還困難者、さらには延滞者が増加することは確実である。こうしたなかで猶予期間を五年間としていることには合理的な理由はないと考えるが、その理由を示されたい。

また、昨今の雇用状況を考えれば奨学金返還猶予期間を限定するよりも、本人年収(例えば年収三百万円)を返還猶予の基準とすることの方が合理性をもつと考えるが、本人年収基準を採用しない理由を示されたい。

二 延滞金発生以後の奨学金返還の充当順序について

日本学生支援機構の奨学金返還において延滞金が発生した場合、それ以後の返還は延滞金、利息、元本の順に充当される。このことが返還者にとって元本を減らすことを困難にし、奨学金返還の長期化を招いている。延滞金と利息は、貸付を行っている金融機関や回収を行っている債権回収会社に流れており、これからの学生への奨学金の原資とはなっていない。

日本学生支援機構からは学生に対して「返還金がこれからの学生の奨学金の原資となる」と説明がなされているが、それならば充当順序は元本から開始すべきである。元本から開始せず、延滞金と利息を優先するのは、債権回収会社や金融機関の利益を優先していると見なされてもおかしくない。「返還金がこれからの学生の奨学金の原資となる」と説明されているにもかかわらず、延滞金発生後の奨学金返還が、延滞金、利息、元本の順となっているのはなぜか、政府の見解を示されたい。

三 延滞金について

日本学生支援機構の奨学金において延滞が発生した場合、元本に対して年率十パーセントもの延滞金が発生する。この延滞金の存在が返還者の多くを窮地に追い込んでいる事例が、日本弁護士連合会が二〇一三年二月一日に行った「全国一斉奨学金返済問題ホットライン」や新聞などの報道によって、数多く報告されている。三か月以上の延滞者の八十三・四パーセントが年収三百万以下であるというデータからも明らかなように、奨学金の延滞は、延滞者の怠慢ではなく延滞者の貧困に主たる原因があることは明らかである。この状況において返還者に延滞金を課すことは、返還へのインセンティブを高めるのではなく、経済的に困っている返還者をより一層追い込むことになってしまう。

二〇一三年八月に文部科学省から、延滞金の利率を年率十パーセントから年率五パーセントへ引き下げる概算要求が出されたことは、この延滞金の過酷さを認識したものと解釈できるが、これだけでは返還者の困難を根本的に解決することにはならない。奨学金の延滞が延滞者の怠慢ではなく延滞者の貧困に主たる原因があることが明らかである現在において、延滞金を課す理由を示されたい。

四 日立キャピタル債権回収株式会社とエム・ユー・フロンティア債権回収株式会社による回収について

二〇一二年度、奨学金の延滞債権回収業務を受託した日立キャピタル債権回収株式会社は二十一億九千五百四十五万三千八十一円を回収し、一億七千八百二十六万円を売り上げ、エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社は二十億三千九百二十七万九千四百七十五円を回収し、一億三千四百七十一万円を売り上げている。

奨学金の延滞の主たる原因が延滞者の貧困にあり、年利十パーセントの延滞金が奨学金返還者にとって大きな負担となっている現状において、前述の両社に多額の利益が発生していることは、奨学金事業の公共的性格とは齟齬をきたすと思われるが、この点について政府の見解を明らかにされたい。

また、両社が利益追求の観点から強引な回収を行う危険性が危惧されるが、回収の実態について政府の承知するところを示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」という。)が実施する奨学金事業における奨学金の返還期限の猶予期間については、限られた財源の中で多くの学生等に奨学金を貸与することができるよう、生活保護を受けている等の事情がある場合を除き、最長五年とされているところである。なお、文部科学省においては、返還期限の猶予期間を最長十年に延長するための経費を平成二十六年度予算の概算要求に計上しているほか、機構においては、平成二十四年度から、奨学金の受給者が卒業後、一定の収入を得るまでの間、その返還を猶予する「所得連動返還型無利子奨学金制度」を導入している。

二について

機構が実施する奨学金事業における返還金の充当の順序は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百九十一条第一項の規定に準じて定めているものと承知している。

三について

文部科学省においては、一についてで述べたとおり、奨学金の返還が困難となった者の負担の軽減に取り組んでいるところであるが、機構が実施する奨学金事業における延滞金は、奨学金の返還が可能な者に対し期限までに返還するよう促すとともに、期限までに返還している者との公平性を確保するために賦課しているものである。

四について

御指摘の「日立キャピタル債権回収株式会社は二十一億九千五百四十五万三千八十一円を回収し、一億七千八百二十六万円を売り上げ、エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社は二十億三千九百二十七万九千四百七十五円を回収し、一億三千四百七十一万円を売り上げている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、機構は、日立キャピタル債権回収株式会社及びエム・ユー・フロンティア債権回収株式会社との間で奨学金に係る債権回収のための委託契約を締結しており、当該委託契約に基づき、両社に対し、債権回収に係る手数料を支払っているところである。

また、両社が奨学金に係る債権回収を実施するに当たっては、機構が両社に対して示している「業務内容等説明書」に基づき「低収入等で返還が困難な者に対する返還期限猶予指導」等を行うこととされているほか、債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)及び平成十一年四月に法務省が策定した「債権回収会社の審査・監督に関する事務ガイドライン」に基づき、同省において両社に対する監督が行われており、奨学金の返還が困難となった者に配慮した適切な債権回収が行われているものと承知している。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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